9月20日 金曜日
【アメリカ】 ロサンゼルス
僕は日本も含め10年ほど旅をしているんですが、あまり他の旅人と交流することがありませんでした。
世界放浪に出発してからもそうだったんですが、この世界一周ブログランキングに登録してから、たくさんの世界一周をしている旅人がいることを知りました。
それらのブログを読むことで色んな旅のスタイルがあることも知りました。
ジョジョのスタンドのようにみんな個性があります。
特に1位になる人はみなさん杜王町のスタンド使いみたいに個性がある。
カツオさんキラークィーン。
1年ほどこのブログランキングに登録していますが、まぁ色んなブログが現れては消えていきましたね。
僕はトム・ウェイツの歌や西部劇の映画から、旅に対してとても大きな憧れを抱いておりますので、ガイドブックをなぞるような観光旅行ブログにはまったく面白みを感じません。
もっとこう壮大で、誰にも真似できない冒険や、心が締め付けられるような孤独を旅だとイメージしています。
世界に出る前にたまたま山陰で植村直己の記念館を見つけて、彼の半端じゃないド級の冒険を垣間見て、世界一周への憧れを強めたもんです。
植村直己、スタープラチナ。
植村直己になりたいとは思わないし、なれそうにもないので、僕は僕の旅をしますけど、そんな僕がこのブログランキングで唯一、この人すげぇと思い、植村直己みたいな冒険魂を感じた人がいました。
こういうのが世界一周であって、旅だよなといつも思います。
地球の落書きのたいさんですね。
行動力や知識欲、誰も知らんような僻地に行きまくったり、旅のスパイスであるトラブルに関しても右に出る者なし。ブログの情報もすごいし、見解も深い。
僕の中では超正統派のまさに旅人って人だなとブログを見てて思う。
たいさん、トニオさん。グルメだし。
こういうブログが1位になるべきだな思ってました負け惜しみいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
負け惜しみですけど、まぁたいさんのブログなら仕方ないと思えますね。
俺のスタンドなんだろ。しげちー?コイン集めてるし。
よし、日記いこうかな。
「フミ、なぁ今夜も泊まっていきなよ。日曜日までマンハッタンビーチでやるんだろ?それまでここにいればいいよ。」
今日から週末が始まる。
この3日間は間違いなく稼がないといけないので、出来れば夜もネオン街で歌いたい。
となると、バスが夜中まで走ってるか怪しいところだし、ビーチで寝れば起きてすぐに路上を始められる。
お泊まりは今日までにしよう。
「本当に行くのかい?荷物重いだろう。ここに置いて行けばいいじゃんか。今夜も一緒に映画観ようぜ。」
なんとか引き止めようとしてくれるヘンリーとディー。
ロサンゼルスにこんないい仲間ができて純粋に嬉しい。
でも行かないと。
出発する前にご飯を食べようとすると、ヘンリーが棚からパンを出してきた。
これも食べていいよと言ってきたパンを見たら、見事なほど緑色のカビがはえている。
「あ!!ゴメン!!これは無理だね。俺は本当レイジーだからなー。」
しょうがねぇ奴だな。
まぁ俺たちもみんな昔はそんなもんだったよ。
スーパーに行き、みんなの分の新しいパンとコーラ、そしてチキンを買って部屋に戻り3人で昼ごはん。
「ありがとうフミ。日本人は優しいな。なぁ今夜も帰ってきなよ。」
何度もそう言ってくれるとさすがにその気になってきた。
でも金曜土曜の夜は歌わないといけないので、日曜日の夜に戻ってくるよと言うと2人は、ヨシ!!飲もうぜ!!と笑った。
荷物を置いて行きたいところだけど、ビーチで寝るので全部持っていかないといけない。
重たいバッグを担いでバス停に向かう。
一緒についてきてくれるヘンリー。
普段マンハッタンビーチで路上をやってるヘンリーだけど、今週はフミに譲るよと別の場所に行ってくれることになった。
サンキューな、ヘンリー。
1.5ドルのバスに乗り込んでビーチに向かった。
今日もまた天気が悪いロサンゼルス。
雨こそ降っていないが、風がビュービュー吹きすさぶ曇天のビーチには人が全然出ていなかった。
歩いてる人はすでにダウンジャケットを着てる人までいる。
んー、こりゃまずいな。
こんなに寒いと人が全然出歩かないし、立ち止まってもらうのも厳しい。
それでもやらないわけにはいかないけどな。
人もまばらな桟橋の上、ギターを鳴らした。
物をなくす天才なので、あれだけたくさんあったピックがついに全部どこかへ行ってしまった。
仕方なくクオーターコインで弾く。
ちくしょう、弾きにくい。
人通りも寂しいもんでなかなか厳しい。
それでも根性で歌い続け、そこそこ稼ぐことは出来たぞ。
でも今日はこれじゃあ終わらないぞ。
そのまま場所を変えて、レストランが並ぶネオン街の一角でギターを鳴らす。
やっぱり週末の夜はとても賑やかだ、わずか30分ほどで20ドル以上入った。
よーし、こりゃいけるぞー、と思っていたら、
ロサンゼルスに来てから潮風にさらし続けていたせいでボロボロになっていた弦が、さらに1日硬貨で弾き続けたせいでついにブチ切れてしまった。
旅の知恵として、弦は3~4回切れても再利用出来る方法を知ってるんだけど、もうさすがにこの弦はダメだ。
明日張り替えよう。
ネオン街の人通りは0時になってもまだまだ多い。
もったいないことしてしまったな。
向こうのほうのバーで生バンドのライブをやっている。
ストーンズやらドアーズやら有名どころのロックナンバーで盛り上がっている。
ふとロッドスチュアートのドリフトアウェイの演奏が始まった。
懐かしい曲。
高校生の頃からずっと聴いてた大好きな曲。
漂流への憧れは今もあの頃のままだ。
今日のあがりは昼・夜あわせて93ドル。
冷たい風が吹く桟橋の下に潜り込む。
今日はこの前のホームレスはいないみたいだ。
いつもの場所にテントを敷いてその上に寝床を作る。
明日は土曜日。
弦を張り替えて、昼から夜中までずーーっと歌ってやるぞ。