4月7日 日曜日
【ポルトガル】 リスボン
うーん、久しぶりに途中で目を覚まさずにゆっくり眠れた。
元気いっぱいだ。
さぁリスボンどんな街かな。
ここでポルトガルのミニお国情報。
★首都……リスボン
★人口……1000万人
★宗教……カトリック
★通貨……ユーロ
★世界遺産……文化12件、自然1件
なんつってもザビエルですよね。
僕らくらいの世代はみんなザビエルという言葉だけで給食の牛乳を巻き散らかしたものです。
懐かしいですよね。
鉄砲伝来ですね。
種子島です。
種子島の鉄砲博物館はあまり面白くなかったです。
あとバスコダガマがインド航路を発見しましたね。
1498年のことだそうです。すごいですね。
その2年後にペドロさんって人がインドに行こうとしてブラジルを発見したそうです。
オチャメ。
どんだけ航海図読めないの!?!(´Д` )
その後アメリカ大陸を植民地化させたポルトガルは、アフリカから奴隷船で大量の黒人を連れて行き、ブラジルにプランテーションを作ったりして、国力を上げていきます。
そしてついに1541年に日本にやってきましたね。
日本はあの怖い怖い織田信長さんがブイブイいわせていた時代なので、おめおめと植民地化することはまぬがれる。
さすがは怖い人日本代表。
そして時は戦国時代。武器買いまくりですよね。
ポルトガルの南蛮貿易、大成功。
また儲ける。
そうして世界中に覇権を誇ったポルトガルだけども、次第に衰え、スペインの支配下に落ちたり、イギリスに従属したりしながら時代の波を越え、ついに2002年に最後に残った植民地、東ティモールを手放したことでひとりぼっちになってしまった。
こうしたヨーロッパの大航海時代の歴史にふれた時に、大きな発見をすることができる。
新世界って言葉みんな知ってる?
俺は旅に出てから知った。
アフリカとか、アメリカ、オーストラリアなど、ヨーロッパによって発見されたとされている地域のこと。
アフリカは違うけど、これらの地域の特色はヨーロッパの言語をしゃべるということ。
英語はもちろん、ポルトガル語、スペイン語、フランス語など。
ヨーロッパが発見し、開発し、植民地化したことでこうした文化が根づいた。
この新世界という言葉。
思いっきりヨーロッパ中心の視点だよね。
実際、中世以前はヨーロッパが世界の中心だったと言ってもいいくらいヨーロッパには進んだ文化があった。
そして1400年代の大航海時代には、ヨーロッパの国々で新世界の分割を決める協定を結んだそうな。
勝手に。
土地に住んでる人のこと無視で。
あそこは俺たちのねーって。
前回のヨーロッパ巡りの時から、ここは世界の中心だった地域だと考えながら旅をしているけど、そうした目線で見てみると、この美しい石造りの街の荘厳な威信というものをより一層強く感じる。
それと同時に、中国の影響はもちろん受けているもののオリジナルの言葉を持つ日本をとても誇らしく思える。
海の向こうのどこかの国の言葉じゃなく、芳醇な歴史の中で培われた美しい日本語。
英語混じりも別にいいけどさ、心の機微まで表現できる日本語の素晴らしさをもっと大切にしていきたいってマジで髪洗いたい5秒前。MK5。
はい、まずはこのリスボンで1番有名な観光地、ベレン地区へ。
1.9ユーロでモダンな地下鉄とトラムを乗り継いでたどり着くと………
まぁいきなり巨大な教会が現れます。
ジェロニモス修道院。
真っ白な外観にこれでもかってくらいの彫刻が刻まれた豪華な建物。
そんでもって観光客もわんさかですね。
その観光客を相手に物売りもわんさかです。
ハシシ売りも多いです。カス。
このジェロニモス修道院。
1500年代初期にバスコダガマが持ち帰った香辛料を売却して得た富で建てたそう。世界遺産です。
香辛料すげぇ。
見所は3つ。
教会。
回廊。
海洋博物館。
教会はまぁどでかいです。
こんなデカイ教会久しぶりです。
ポルトガルでのカトリックの威光を感じます。
素晴らしい彫刻に目を奪われる回廊は必ず訪れるべきかな。
ここをのんびり歩くだけでもジェロニモス修道院に来る価値あり。
海洋博物館は、海とともに生きるポルトガルの歴史をよく感じることができる。
ユーラシア大陸の最果て、ここからバスコダガマがインド航路を旅し、さらに種子島まで鉄砲を伝来させた。
あの有名なフランシスコ・ザビエルもここから日本にやってきた。
まだ海の果てが滝になっていて、そこが世界の端っこだと思われていたような時代。
そんな時代に帆船で七つの海を旅したロマンに満ちた気風。
そういったものを感じることができるナイスな博物館。
しかもこれらの入場料が全部無料ってのが素晴らしい!!!
と思ったら、後から戻ってきたら入場料8ユーロって書いてた。
どうやら早い時間帯だけ無料ってパターンみたいだね。
ポルトガルの神様ありがとう、っていうかさすが俺。
受け付けで荷物を預かってくれたので、ほったらかしてノンビリ街を歩いた。
石畳のきつい坂を登っていく。
日曜日ということもあって通りのお店はすべて閉まっており、人の姿も観光の通りをはずれるとまったくない。
建物は古びて、洗濯物が風に揺れている。
坂の途中で振り返ると、海が見えた。
細い陸地に挟まれた内海。
大きな橋が対岸にのびている。
あぁ、この港町の空気。長崎や函館を思い出すなぁ。
焼き鳥弁当食べたいなぁ。あんまり美味しくないけど。あれ?なんで言ったんだろ。
たまたま開いているスーパーを見つけて、お惣菜コーナーでご飯を買い、修道院に戻った。
修道院のすぐ横に人だかりのできているオシャレなお店がある。
青い外観のこのお店。
話ではここのタルトがとても美味しいらしく、リスボン観光にきた人は必ず食べるという。
スィーツなんて九州男児はまったく食べないし(根拠なし)、有名店なんてのにも行かないけど、今日はなんとなく観光に徹してみたい気分。
白人観光客の列に混じった。
タルトの値段、ひとつ1.05ユーロ。
修道院の階段に腰かけて、ランチタイム。
豪華!!
適当に乗り込んだバスは、街の中をグルグル回りながら走っていく。
ほんの小さな街。
建物はどれも黒ずんで、あちこちが欠け、かなり古いんだということがわかる。
廃墟の建物も多く、落書きが目立つ。
時代が止まった街、そんな印象を受ける。
中心部に着くと、岸壁沿いにだだっ広い広場が現れた。
潮風が吹き渡る。
この雰囲気、北欧を思い出す。
工事中の足場が架った門をくぐると、一直線にのびるショッピングストリートが現れた。
たくさんの人が歩き、路上には何人ものパフォーマーの姿。
碁盤目状の街並みの先には銅像と噴水のある美しい広場。
小高い丘の上にはお城も見える。
まるで子供が作ったジオラマのように、わかりやすく、でき過ぎた街。
カフェでのんびりとカプチーノを飲む。
アクセサリーを手にジャラジャラとぶら下げた物売りが席を回って売りつけている。
んー、なかなかオシャレなブレスレットだねと見ていたら、俺の席に来たらポケットからハシシを取り出してニヤリと笑う。
そんなに俺がヒッピーに見えるか?チンカスが!!
その後も、目の前でハーモニカをファーファーやりながら片手を差し出してお金を乗せろという姿勢をしているファイナルファンタジーのゴブリンみたいな爺さんをひたすら無視しながら日記を書き、今日はゆっくりしようとビールだけ購入して寝床へ向かった。
寝床はめぼしをつけていた。
入り組む路地の間をのびる急な坂道をのぼる。
丘の上のお城で眠ろう。
途中ケバブを食べて、坂をゼーゼー言いながら登っていく。
くそ、石畳が古くてガタガタしててキャリーバッグが死ぬほどムカつく。
寒いのに体はうっすらと汗。
やっと薄暗い路地の向こうに城門が見えた。
古い城門の上にあがって街を見下ろす。
火照った体に夜風が気持ちいい。
城壁の上に腰かける。
こんなイカした寝場所を見つけられるなんてポルトガルの神様ありがとう、っていうかさすが俺。
夜景を眺めながらビールを煽った。