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ギターケースに栗が入る

2016年9月30日(金曜日)
【オーストリア】 シュタイアー




ヴェルスがあんまり稼げなかったのはちょっと予想外だったんだけど、知り合いの旅人さんにお会いする約束があるのでまだこの辺りから動くことはできない。


今日から大事な週末2日間。

外すことはできないのでなんとかしないといけないんだけど、できればシュタイアーには戻りたくない。



この前ティムさんファミリーとめっちゃいい感じでお別れをしたのに、またこんなにすぐに戻ってくるのはなんとなく気を使う。






シュタイアーに行くからにはティムさんたちに連絡をしないわけにはいかない。

もし連絡せずに路上をやってて偶然ティムさんたちが通りかかったら、ティムさんたちに寂しい思いをさせてしまう。

あぁ、俺たちに会いたくなかったのかな……って思わせてしまったら申し訳ない。



でももし連絡したら、優しい彼らのことだからウチに泊まりに来なよ!って言ってくれるはず。


嬉しいことではあるんだけど、そうなったらフミたちがシュタイアーに来たら毎回ウチに誘わなければいけないかな、という風な変なプレッシャーを感じさせてしまうんじゃないか。

それはしたらいけない。








ティムさんたちのところに泊まりに行くのが嫌なわけではなくて、こんなにすぐに戻ってきてまた泊めていただいたら、味をしめたなって感じになってしまう。


では連絡しないでこっそり路上をやるか?それは問題外。



んー、大好きな友人ができるのは嬉しいことだけど、この辺り難しいなぁ。

こんなの日本人的感覚なだけで、ヨーロッパでは、そんなの気にして何言ってんだよ!!って笑われるかもしれんことだけど。


















とにかくシュタイアー戻りは最後の手段にして、今日はオーストリア初のスーパーマーケットバスキングを試してみることにした。
北欧以来だ。


こんなに音楽にウェルカムなオーストリアでスーパーマーケットバスキングをやったらどんな反応になるだろう。

楽しみ!!





と、思ったんだけど……………





ビラやスパーなんかのスーパーに行ってみると、入り口のところですでに黒人さんやアラブ系の人が新聞売りをしていた。


北欧みたいに紙コップ置いて物乞いという感じではないが、オーストリアでいつも見かける支援系の新聞売りだ。


町の路上だけかと思ったらばっちりスーパーもカバーしてるのか。



それからも何ヶ所か探しに行ったんだけど、どこのスーパーにもことごとく配置が完了していて、かなり郊外の、なんなら小さな村のスーパーにまでいた。


こいつは無理だ…………







あああ!!もういいや!!シュタイアー戻ろう!!

ティムさんたちにはまた今夜あたりメールしよう!!




それに、ひとつシュタイアーでやり残していたことがあってずっと引っかかっていた。

それもやってしまおう!!!




「そうしよそうしよー!!そしてアイスクリーム食べよー!!イヤッフーー!!」



そうと決まれば草原の中の一本道をシュタイアーに向けて走った。




















1時間もかからずに戻ってきたシュタイアーの町は相変わらず最高に綺麗だ。





ここ最近ずっと続いている好天の下で、大きな教会がスックと尖塔を空に伸ばしている。










いつもの川沿いの無料駐車場に車を止めたらギターを持って町の中心部へ。










美しい広場、麗しい石像、そして美味しいピザ。

もはや完璧に生活が整ってるシュタイアー!!




美味しいサラミとマッシュルームのピザ7.8ユーロ、890円をカンちゃんと分け合って食べた。




するとピザ屋さんのテラスにいるところでいきなり若者の集団に声をかけられた。


なんだ?と思ったら、どうやら大学生のグループらしく、大学のとある企画で町の人に協力してもらってるのでお願いできますかー?とのこと。


もちろん構いませんよと言うと、この風船を僕たちと体を押しつけて挟んで割ってもらえませんか!?っていうなかなか力技のチャレンジ。


う、うん、全然いいですよ。







おりゃ!!









おりゃあ!!









おりゃあああ!!!!










おりゃああああああああああ!!!!

っていうか全然割れねぇじゃねぇかコノヤロウ!!!!!!!ドキドキするわ!!!!!


全然割れない風船で困らせるっていうドッキリ的なやつなんじゃねぇか!!??







というわけでカンちゃんも韓国人の女の子と。









ふん!!!!










いやああああああ!!!!!









ふん!!!


いやああああああああ!!!!!













全然割れないので最後足で踏みました。

ちゃんと割れました。

ちょっと疲れました。





グループの中に交換留学で来ているという日本人の男の子もいて、ご協力ありがとうございましたー!と笑顔で去っていった。


いいなぁ、こういうの。ほのぼのするなぁ。




あ、あれ?

これってもしかしてヨーロッパでよくある、体密着させまくって楽しんでバイバイした後、iPhoneスラれてたことに気づく的なアレか!?




うん、もちろんなんもスラれてない。


安全なオーストリアにいるので完全に油断しまくり放題になってるけど、やっぱりヨーロッパはスリ犯罪が後を絶たない場所。

ちゃんと気をつけてないとな。


















腹ごしらえも終えて、よっしゃ気合い入れていくぞ!!と路上場所へダッシュ!!!!!


先日のミサでお会いしたアコーディオン弾きのおじさんが入り口のあたりの定位置で演奏していたので挨拶をし、そのままホコ天の奥に猛ダッシュして歩道が広がってるところが見えてきたら我慢できずに焦ってヘッドスライディングして石畳で顔が惨殺されてアイスクリームウウウウウウウ!!!!!!







美味しいなぁ………

シュタイアー最高だなぁ……………


ブブルーザ、今日も大繁盛!!

































路上はやっぱり安定のシュタイアー。


あがりは3時間で210ユーロだった。24000円。

















ブブルーザに行列を作ってる人たち、周りのチェアーに座ってアイスを食べてる人たちからの拍手がホコ天に響き、みんなコインを入れに来てくれる。


こんなに小さな町なので何度もやっていたら飽きられてしまうんじゃないかという心配もあるんだけど、そこは超有名店のブブルーザ。


近隣の町の人たちまでが遠出して食べに来るところなのでお客さんはいつも新鮮に俺の演奏を聴いてくれる。












2まわしを終えて、ああーシュタイアー最高だなぁと休憩しているところだった。

チリンチリンと自転車のベルの音がこっちに近づいてくるなぁと思ってふと顔を上げると、そこには見慣れた顔があった。




「フミイイイイイイイイ!!!!ナオオオオオオ!!!!どうしてここにいるのーーー!!!」



「アンビリーバボー!!!」




そこにはエヴァママとカトリーナがいた。




「うわああああああああ!!!また今週末だけ戻って来たんですーーー!!!ティムさんは一緒じゃないんですか!?」



「ティムはあそこよ!!ホラ!!」




通りの向こうを見てみると、ブブルーザの行列の向こうからこっちに歩いてくるティムさんが見えた。


すると向こうもこっちに気づいて、思いっきり口を開けて両手を広げて驚きながらやってきた。

横には息子のデビッドもその奥さんもいる。




「戻ってきたのかい!!!!」



「リンツとヴェルスに行ったんですけどあんまり路上がいい感じじゃなくて。シュタイアーがベストなので今週末だけ戻って来たんですよ!!!」



「そうなんだね!!!また会えて嬉しいよ!!!!」



「それにしてもみんなはいつも一緒ですね!!」



「そうさ、僕らは困ったもんでとても粘着性があるんだよ。離れたくても離れられないのさ、ハハハ!!」




今日もユーモラスで素敵な笑顔全開のティムさん。そしてファミリーのみんなも明るいオーラを放ちまくってる。
本当いい家族だよなぁ。



それにしてもまだメールしてなかったのに出会ってしまって失礼なことをしてしまった。


でもティムさんたちは、どうして戻ってくるのに連絡してくれなかったんだよ!なんてことは言わずに本当に俺たちとの再会を喜んでくれた。




「フミ、ナオ、またウチに泊まるよね?いつでもウェルカムだよ。」



「そうよおおお!!2人が来るなんて楽しいわ!!」




ニコニコのティムさん。

いつも体いっぱいでリアクションする可愛いエヴァママ。


でもここはカンちゃんと話し合っていたこと。

毎回毎回シュタイアーに来るたびにお世話になっていたのでは、ティムさんたちに義務のように思わせかねない。


それに明日路上をやったらすぐにシュタイアーから出発する予定だ。


また必ず戻ってくるので、その時にゆっくりご一緒させてください、今度はちゃんと日本食作ります!とお断りさせてもらった。



ティムさんは全部理解したようにニコッと笑って、気が変わったらいつでも連絡するんだよと言ってくれた。


俺のことを慕ってくれているデビッドも、またスィーユーだぜ!!とハグして帰っていった。




うん、これでいい。

みんなでまた楽しい夜を過ごせるのはものすごく魅力的だけど、これでいいはず。











ふとギターケースを見ると栗が入っている。





春になればお花、夏には若葉といった具合に、ギターケースにはいつも季節を告げるものが入る。


もうヨーロッパはすっかり秋だ。


もう少ししたらこのケースの中に白い雪が舞い落ちる。




空を見上げたら綺麗な秋晴れの空。






さぁ、もうちょっと歌うか。

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