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マジの奇跡の再会








2006年12月19日 【鹿児島県】





徳川家康により全国統一がなされると、それまで1藩内にいくつもの城があったのを、藩に城は1つだけ!!という一国一城令が下される。


鹿児島県東部、薩摩藩の城は鶴丸城。


しかしそれ以外に各地方に外城という役所のようなものが作られた。

武士を鶴丸城下に集中させないため、外城に分散させたので、県内にたくさんの武家屋敷の町が残っている。


ここ出水もそうだ。

小さい頃は見逃していた何気ない日常風景の中にも、長い長い歴史の知恵が息づいているのを感じられるようになっている。







さぁ、旅最後の県、鹿児島県が始まった。


出水を出て宮之城の温泉郷を抜け、串木野のはずれにある焼酎の蔵、濱田屋伝兵衛へ。


酒=焼酎というほどに九州南部の人間はほぼ焼酎しか飲まない。

最近は焼酎ブームで焼酎バーなんて小じゃれた店が多く、OLがかっこつけて飲んだりしている。


まぁとにかく蔵で焼酎の勉強。





中に入るとたくさんの仕込みの甕壷がある。

大きなタンクの中に入ったサツマイモが粉砕機で砕かれ、もろみの中に投入されていく。


焼酎はまず米を蒸して麹米を作る。

そして麹米と蒸米、水を合わせたところに焼酎酵母を添加。

日本酒でいうところのモトが出来る。

ここまでは日本酒とほとんど一緒。


ここから焼酎は蒸したサツマイモで仕込んでいく。

要は澱粉が糖化すれば酵母によってアルコールになるわけだから、麦でもシソでも胡麻でもなんでもいいのだ。


これが日本酒の4週間とは違い、10日ほどで発酵。


そこから蒸留に入る。

アルコールは沸点が低いため加熱したらすぐに気化する。

その蒸気を集めて冷却することによって純度の高いアルコールが抽出されるわけだ。


ちなみに1番初めに採れた部分をハナタレという。


こうして出来上がった新酒は一定期間貯蔵して出荷されるのだが、若々しいイモ臭さがたまらんというファンたちも多く、いつも限定数の奪い合いらしい。





甲類と乙類についての違いだが、本格焼酎という銘柄のついたやつはたいがい乙類。

詳しく言うと、単式蒸留機で採取した酒。

そんで甲類は連続蒸留機でひたすら蒸留しまくる大量生産酒。

エチルアルコールのみを採取するため原料の風味は関係なし。

これらはだいたいチューハイやサワーに使われる。


明らかに乙類のほうがうまいのに、なんでおいしくないほうが甲類と呼び名が上なのかというと、戦後の食糧不足の際に安く飲めるからと大衆に喜ばれたからだそうだ。


買って飲もうかと思ったが金がないのでやめた。

どうせ帰ったら死ぬほど飲まされるだろうしな。







串木野の海沿いにある入浴施設、白浜温泉は露天風呂からは大海原一望という最高のローケーションなのに330円という感動の安さ。

充実した設備に大満足で体を温める。


それから川内市内に戻り路上に出た。

結構店は多いんだが、閉まってる店も多い。

残金500円。

頑張るぞ。





2時間経ち、気合で4500円までいった。

それにしても久しぶりの南九州。

宮崎の隣の県だってのに何言ってるのかほぼわからん。

日本中歩いたけどマジで聞き取りにくさは津軽と双璧だ。


「あっどんなぁ、よいーよのさんど。」


これくらいならまだ分かるけど、マジでハイレベルすぎて全然分からんくて苦笑い。




そんな中、ラーメン食わせてやると誘ってくれたお兄さんたちと精養軒という川内では有名なお店へ。


うま!!

ここうまっ!!

しかも川内の焼酎も飲ませていただいた。

必要なものは必要なときに手に入るってやつだ。



「鹿児島っていったら何ですか?」



「まぁ黒豚やな。しゃぶしゃぶがうまいわ。」



「俺もしゃぶしゃぶは好きだよ。あっちのね。」


 
「うひょひょ!!」



太郎親分とみなさん、ごちそうさまでした。









翌日。




目を覚ますとここは金峰の道の駅。

日本海側のはずれの、鹿児島でもほとんど目立たない地域だけど、薩摩焼酎の杜氏の里として伝統の技が受け継がれている場所だ。




加世田から枕崎に抜け荒々しい海岸線を走り、秋目の浦にやってきた。

ここは753年、唐から正統の仏教を教えに来た高僧、鑑真が日本上陸を果たした地だ。


秋目は遣唐使が発着する唐への玄関口。




平城京時代、日本は唐の長安にならい都を造営し、急速に国家としての体制を整えていった。

そんな中、ようやく日本の国教として馴染んできていた仏教だけど、実は内部は荒れまくっていた。


貧しさに堪えかね出家したり、勉強まったくしたことないくせに平然と僧になれたりと、手のつけられない状況になっていたという。


そこで必要となったのが正しい授戒を教えてくれる人、教育してくれる人だったわけだ。





すでに55歳の高齢だった鑑真は唐では大人物。

向こうでもやることありまくりだけど、そこをなんとかお願いして日本に来てもらえることになった。

しかし航海は非常に困難で何度も漂流しているうちについに鑑真は失明してしまう。

マジごめん。



それでも根性で6回目の航海で日本に到着。

各地に戒壇院を造設し、正しい授戒方法を伝授することによって国は統制されていくようになる。


有名な唐招提寺を造り、学問の寺として多くの僧が学び、ここに日本仏教はようやく世界水準に達することができたという。


鑑真がいなけば今、そこら中にあるお寺もなかったかもしれない。

彼もまた日本の歴史を作った偉人の1人だ。








枕崎はなんにもないので指宿に向かった。

雨の海岸線。

はるか海の上にうすく浮かび上がる富士山にそっくりなシルエットは開聞岳。


薩摩富士の名に恥じない日本美だ。




そんな開聞岳の火山活動によってできた日本最大のカルデラ湖、池田湖へ。

昭和55年に地元住人20人によって目撃された未確認生物イッシーの棲息するこの池田湖。


2つのこぶを水面に出して猛スピードで動いていたらしい。


かっこよさそう!!


よっしゃどこだ!!コノヤロウ!!

絶対見つけてやる!!







そんなイッシーのおかげで池田湖は高度経済成長の観光ブームの波に乗り、全国からすさまじい観光客が押し寄せた。


が……………今となってはもう見る影もない。


古びた土産物屋と遊覧ボート屋の人たちはぼーっと湖を眺め、イッシーのもたらした栄華を偲んでるようだった。

わびしすぎる……………


あっ!!

イッシーいた!!!










開聞岳を間近にのぞみながら長崎鼻をかけぬけ指宿市内に入ってきた。

これまた昭和の温泉ブームで大人気をはくした温泉地。




目玉はなんといっても砂蒸し風呂。


ここらの海岸一帯には温泉が湧き出ており、その砂に埋もれることによって全身をじんわりと温め、爽快な汗をかけるということで昔は連日大行列だったという。




入ろうかなぁ……………と思ったが900円はちょっときつい。

それに南九州に住む人間だったら誰でも1度は入ったことある。

俺も小さいころ家族と一緒に埋められている。







メインストリートの潰れた旅館の列の間を通って駅に行ってみた。

今日は指宿で歌おうかと思ったがものすごくさびれきっている。


飲み屋街もほんの数軒。

金はいつものようにあと500円という危機的状況。


雨はまだ降っている。

が、もうやるしかない。





雨の中、スナックの軒下にかくれてギターを鳴らす。


水滴がわずかにギターにかかってしまうがかまうもんか。



………………あれ?


あれあれ?



うおーーーー!!

入る入る!!


最終的に12000円!!!


いやぁ、ホントいつもそうだけど、こりゃダメだって時ほど稼げてしまうもんだったりするんだよなぁ。


諦めなければ必ず何かが起きる。

起きなくてもチャレンジしたことは無駄じゃない。



肥後病院の看護婦さんのみなさん、ほんと助かりました!!

これでまた進めるぞ。


指宿最高!!







懐がホクホクになってホッとしながら深夜の雨の中をあてもなく走り、道の駅『喜入』にたどりついた。

ちょっと小腹が空いたのでなんか食べようと近くを走っていると、ちょうどいいところにコンビニ発見。


中に入り、弁当を選ぶ。


どれにしようかなー。






「あ。」






声がした。

ん?と振り返った。




……………………………………え!!!




なんとそこには四国お遍路で一緒に歩いたあのアナイ君が、店員さんの姿でバーコードを読む機械を持ってこっちを見ていた。



「うおー!!すげー!!奇跡やーーーーー!!!」



「あ、ああ…………」



めっちゃ興奮してる俺に対して相変わらずクールなアナイ君。

も、もっと喜んで!!!



ていうかすげえ…………

奇跡としかいいようがない…………


まさかこんな田舎の、しかも夜中のコンビニで出くわすなんて。


これはもうお釈迦様のお導きでしかない!!!

弘法大師様のお導きだ!!!



『これを機にアナイとなんかしなさいよおお…………楽しい展開がありますよおおおお…………』



って囁きが……………



うん、聞こえんな。


アナイ君またな!!



リアルタイムの双子との日常はこちら





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