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明日死ぬと思って歌え








2006年11月24日 【福岡県】




ゆうべの下関での稼ぎは5000円だった。





路上を終え、車に乗り込み、いざ関門トンネルに突っ込み、海底をくぐって地上に出るとそこは門司の街だ。


久しぶりすぎる九州。


この4年、本当に日本中を走り回った。

総走行距離っていくらになるんだろう。


それなのに、この関門トンネルをくぐったあの日がほんのつい先日のことのように思える。





懐かしさにひたりつつ小倉までやってきた。


きらびやかな街明かり、高層ビルに都市高速、頭上を走るモノレール。


住宅地に追い出されるように眠れる場所を探して風師山を登っていく。




しばらくすると落ち葉だらけの広場に出た。

ヘッドライトを消すと暗闇になり、眼下にキラキラと輝く下関の夜景が現れた。


エンジンを止めて車を降り、冷たい風に吹かれながら1人夜景を眺める。

ざわざわと風が木々を揺らす。


光の粒が黒い海を縁取り、瞬いている。




そういえば、旅のはじめの頃、この福岡で美香と一緒に夜景を見たよな。


なんて遠い昔のことのように思えるんだろう。


この記憶の距離感。

遠いようで、近いようで、やっぱり遠い。



俺も美香も、あの頃とはずいぶん環境が変わった。


美香は大学生だったし、俺はまだ日本一周に憧れる旅の初心者だった。


そんな2人が、不安定な心を寄せ合って夜景を眺めていた。

広大な闇の中で、ぽつんと寄り添うように輝く光の塊は、まるで深い洞窟の中に落ちた宝石のようだった。



あれからなにもかもが変わった。








翌日。





車の中で目を覚まし、晴れ渡る空の下、海峡を行き交うフェリーを眺めながら山を降りた。


日曜に美香のお父さんのお見舞いに行くので、なるべく南のほうにいたい。


今日・明日どこで歌うか地図を見ながら考え、筑豊は飯塚の町までやってきた。


昭和っぽい古いアーケードや町並みがとてもノスタルジックな気分にさせる。




車を止めてぶらぶら歩いた。


町の中にあったラーメン正ちゃんで久しぶりの豚骨ラーメン。




やっぱり九州の豚骨はうまい!!


それからアーケードの中を歩いていたら無料パソコン教室があったので、お世話になってる人達のホームページを覗いてメッセージを残した。






1月6日の到着ライブに向け、イベンターの綾部さんのプロモーションは着々と進んでいるようだ。


宮崎に到着したらすぐにラジオ出演をすることになっている。


ライブはきっとうまくいく。

どんなとこでも歌ってきた自負がある。


でもライブが終わった後のことを考えると、ふと不安になる。


なぜか気が浮かない。


なんだろう、この気持ち。

やりたいことは山ほどあるってのに。


旅が終わってしまうことをどこか恐れているのか。










翌日。





ゆうべ路上でお客さんに言われた言葉を考えている。



「明日死ぬって気持ちで歌わないかんバイ。」



最近は路上で下手くそと言われることが少なくなってきたように思う。


こんだけ毎日のように歌ってるんだ。

俺もまぁまぁ上手くなってきたのかなと思っていたんだけど、今度はもっと感情を伝えられるように歌えと言われるようになった。


ダメ出しのレベルも上がってきたってことなのかな。


それにしても、明日死ぬと思って歌えって……………


そんくらいの覚悟がないと歌は伝わらないってことだよな。



下手ではない。

音程もリズムもちゃんとしてきた。


でも上手く演奏することばかり気を取られて、本質である、伝える、ということが疎かになっているのか。



明日、俺は生きていたい。


俺にはまだまだ覚悟が足りない。





ゆうべは他にも別のお兄さんにも声をかけられ、来月にこの飯塚でイベントを主催するので出演してくれないかとのことだった。


もちろん快諾。

これが旅中最期のライブになるだろうな。


ゆうべは頑張って2時まで歌い1万円までいった。









車の中で目を覚まし、小石原の焼き物の里を走り抜け、甘木から久留米へ。


豚骨ラーメン発祥の地、久留米で根強い人気を持つ『大砲』本店で腹ごしらえ。


カウンターの中では大将が店員に対してめちゃくちゃ厳しく怒鳴りつけている。


九州の人間は厳しい。


俺もこうして育ってきたんだよな。


ラーメンすごくおいしかった。







さぁ次なんだけど、ひとつ思い出話。


子供のころ、家族旅行で車の窓からいつも見ていた巨大な観音像がある。

走っている車から眺めるその像はあまりにも巨大で、なんだろうあれ……………っていつも思っていて、そこを通るたびに親にあそこ行きたいってわがまま言ってたな。


親の車に乗ってる時はあれがどこなのかもわからなかったけど、まさか1人で来ることになるとはなぁ。


俺は今あの巨大な像の足元にいる。




ここは成田山という場所。


ついに長年の希望が叶ったよ。







この筑後地方にはたくさんの酒蔵がある。

『三井の寿』、『重桝』などの名うての蔵もあるが今は蔵見学に行って酒を買う余裕はない。


八女、柳井とただ走っていく。






ブルーな気持ちだ。


九州に入り、最後の最後でどうやら気が緩んでいるようだ。


まだ四県残っているというのに。




リアルタイムの双子との日常はこちら





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