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神話の聖地、出雲巡り








2006年11月4日 【島根県】





8時に目を覚ました。


眠い目をこすってヒゲさんを送っていき、今日は早速松江巡りだ。




3連休の中日、朝イチからうじゃうじゃと他県ナンバーで溢れかえっている松江。


そんな観光客たちのお目当ては、松江城とその周辺の武家屋敷地域だ。



西に宍道湖、東に中海、京橋川に大橋川、さらに城の周りにはお堀も張り巡らされているもんだから、この松江の町は水だらけ。


観光小船がすいーっと木の橋の下をくぐっていく。


なんとも風情があって、旅情をかきたてる町だ。







まずは石垣の階段を登り松江城にやってきた。


白漆喰、黒板壁の堂々としたその姿。


んー、渋い。









城をぐるっと囲むお堀の北側、老松の並木に面して江戸時代の中級藩士の屋敷が残る道をぶらり。



その中にある小泉八雲旧居の門をくぐる。


『耳無しホウイチ』、『雪女』など、日本人よりも日本人らしい怪談話を世に送り出した明治の文豪、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲。


死ぬまでの14年間を日本で過ごしたのだが、彼の旧居が残っているのはこの1軒だけ。


ちょうど空いていた武家屋敷に入居し、美しい枯山水の庭を愛でながら作品を綴っていたらしい。






西洋人の彼が日本の民俗学を肌で感じたこの屋敷。


西洋に染まった現代の日本人に是非行ってもらい場所だ。








松江を出て宍道湖岸を走り、山に入ったところにある古寺、鰐淵寺へ。









慈覚大師円仁の手彫り仏が本尊となっている名刹で、本堂の横には重文の鐘楼がある。


この鐘は、当時この寺で修行をしていた武蔵坊弁慶が、一夜のうちに鳥取の大山寺から運んできたものだという。


弁慶伝説にはこういった怪力話が多い。


遊歩道を登っていったとこにある崖に埋まったお堂も一見の価値あり。




















海岸線を走り抜け、日御崎にまでやってきた。


ここもまた観光客の多いこと……………









輝く日本海にそそり立つのは、石積みのものとしては東洋一の規模として世界灯台100選に選ばれている日御崎灯台の凛々しい姿。


青い空、青い海にそびえる純白の灯台。


明治に造られたものとは思えない完成された美しさだ。



近くには、え?なんでこんなとこに?ってくらいさびれた小さな港町に建てられている朱塗りの日御崎神社、日本に2ヵ所しかないウミネコの繁殖地である経島など見所がたくさん。





そんでもって、実はここにはもう1つ裏見所がある。


灯台に向かう途中にある、高台にたたずむ巨大な廃墟だ。


そういえばゆうべのスナック『ヴィヴィ』のママが、あの辺りには有名な心霊スポットの廃病院があるって言ってたな。



ここのことか。


夜はたしかに恐ろしいだろうが、こう晴れた昼間だと気持ちよく探検でき、さらに屋上から見る日本海の眺望はそれはそれは美しい………………んだそうだ。












よーーーーーーーーーーし!!!!!!


それじゃあ行きますかああああああああああああああああああああああ!!!!!!



山陰の、いや日本の観光のメインのひとつといっても過言ではない、神の国出雲の中心!!!!



出雲大社ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!


今まで数えきれんほど神社仏閣行ってきたけど、間違いなくトップ10に入る知名度のやつ!!!!


一体どんなところなんだ!!






日本一巨大という鳥居をくぐり門前町に車を止め、いざ境内へ。





もうここから空気が違う。


神代の昔から崇められつづけている日本の聖地に来ちまった緊張で身がひきしまる。


しかし周りを見ると、たくさんの若いカップルがキャピキャピ言ってる。


格式高い神社のはずなんだけど、最近の出雲大社は縁結びの神社として売り出してるみたいで、ピンクのポップな字で『恋よかなえ!!』的な縁結びアイテムの宣伝がわんさか。



『素敵な良縁を求める若い女性に大人気!!』ってなんだそりゃ?


それでいいんですか?イザナギノミコノの血をひく84代目宮司の千家尊祐さん。





でもすげえええええええええええええ!!!!!


神殿が巨大すぎる!!!!!!






拝殿には写真でお馴染みの日本一巨大なしめ縄。


参拝客が一生懸命縄に向かってご縁がある5円を投げつけている。


どうやら縄の隙間に刺さったらご利益があるんだって!!






一礼・四拍・ニ拝のお参りをすませ、資料館・宝物館へ。


国宝の勾玉、銅剣、重文の鎧や刀などなど、ハンパじゃない日本国の宝が満載。


やべぇ、うわこれヤベェ、って何回言ったかな。


出雲に行ったなら絶対見るべし。







外に出て夕日に染まる神殿に見入る。


平安時代に書かれた本によると、古代の出雲大社は、あの世界一の木造建築物、東大寺の大仏殿を超える巨大な建物だったらしい。


奈良時代にはすでに建造されていたそうだが、109メートルの階段が地上から伸び、高さ48メートルの柱の上に本殿が築かれていたという。


そのはるか古代の神殿の柱が近年、地中から出土している。






4年かけて見渡してきたこの神の国、日本。


すべては宮崎とこの出雲から始まった。



500万年前に人類の先祖が生まれ、地殻が変動して島国になり……………


そんな科学的な地球の生い立ちなんて野暮な事実、ここでは雲散霧消。


俺は人間だ。

人間が作り上げてきた歴史こそが俺を生かしている。





んー、島根の実力すごいなぁ。


メインの出雲大社を終えてもまだまだ見所はたくさんある。


しっかり回るためにも今日のところはこの辺にして、少し走ったところにある大田市の町で歌うとしよう。









というわけで大田の飲み屋街に到着。


えーっと、ネオンは………………


商店街の中にポツポツ。


周りはほとんど民家。


こりゃまずいなぁ。

ひと気もほとんどないし。



しかし今夜は土曜の夜。

ちょっとやってまずかったらすぐにやめるか。


寒さに億劫になりつつギターを構える。





「お、なんだなんだ。兄ちゃん1曲やってごせ。おーい、みんなこっち来い。」



いきなり5人のお兄さんたちがやってきた。


2曲歌うとみんなジャンジャンおひねりを入れてくれ、それだけで1日分のあがりになっちまった。



「おめー、アキちゃんに似てんなぁ!!いやマジで!!よし!!飲み行くぜ!!」



中学からの同級生でいつもみんなで遊んでいるという26歳のお兄さんたちと飲みに行くことになり、居酒屋からカラオケへ。









みんなテンション上がりまくりでチンチン丸出しで暴れまくる。



「よし!!ちっとナンパ行ってくるけん!!」



「絶対つれてこいよ!!」



他の部屋の女の子を誘いに行った2人。

すぐに帰ってきた。



「来なよって言ったら即答でムリって言われた!!」



「ダラズ!!」



ブルーハーツで声嗄らして叫びまくってみんな撃沈。


久しぶりに地元の仲間と遊んでいるかのように楽しい夜だった。


みんなありがとうございました。

あー、気持ちいい。





ていうかアキちゃんって誰?










翌日。





大田で目を覚まし、今日は出雲地方の山奥、奥出雲を攻めることに。


天照大御神の弟であるスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した伝説の残るこの奥出雲地方は、古くから製鉄の盛んな地として繁栄を極め、各地に遺跡が見られる。


その中でも日本で唯一、当時のタタラ場の窯や作業場が残っているという、吉田村の菅谷たたらを目指した。







細い山道をしばらく登っていくと、ほんの30軒ほどののどかな集落にたどりついた。





集落の中にひときわ大きなこけら葺きの大屋根をかぶった土壁の屋敷がある。


これがタタラ場か。

周りにはいくつもの古めかしい木造の作業棟が並んでいる。



すげー。

もうこれだけでかなり感動。







300円を払うと地元のおじさんがとても丁寧に全建物について説明してくださった。


まずはさっきのこけら葺きの建物(重要文化財)に入る。


高殿といって、真ん中に炉があり、ここで鉄を沸かしていたという。





砂鉄と木炭を交互に炉の中に入れ、何本もの管から空気を送って3日3晩燃やしまくる。


空気は途中からは水車の動力によって送風されるようになったが、その前までは足で板を踏んで風を送っていた。


かなりの重労働だったらしく、板を踏むバンコさんが交代ごうたいやっていたことから『かわりバンコ』という言葉ができたんだって。




そして土で作ってある炉をぶっ壊し、中から鉄を取り出す。


炉は毎回作りなおすのだ。


広い天井、すすけた梁。


1751年という江戸の昔からここでは炎が上がりつづけていたんだ。


こんな山奥でなぁ。



他にも、炉から取り出した鉄の塊を細かく砕く巨大な仕掛けのある建物や、選別する小屋など、江戸時代の建物がそのまんまに残っている。






集落の中を歩いて丘の上に登ってみた。


ほんとに小さな集落だ。

今でこそ1人もいなくなってしまったが、昔はタタラ師という職人だらけの集落で、孤立した独自の文化を形成していたという。


集落の中には大きな桂の木が見える。


桂は製鉄の神様が降りてくる木とされているそうで、かつてはどこのタタラ場にも必ず桂の木があったという。


そしてその神様は女。


だからタタラ仕事は女人禁制。


神の国とタタラ製鉄。


んー、神秘的だなぁ。






奥出雲は他にもたくさんのタタラ場跡や製鉄の博物館などの細々した見所があるが、この菅谷タタラを見れば充分満足できる。


よっしゃ!!

次!!








百名瀑の八重滝へ行ってみたが、遊歩道沿いに8つの滝があってそれ全部含めて八重滝と呼ぶみたいで、あまりたいしたことない。

パッパと先へ。



それから伸びやかな高原、三瓶山のふもとを走っていく。


相変わらず上り坂でアクセルが滑るファントム号。


滑りながらもやっとこっとゆっくり登っていたら、空回りしすぎて車内に焦げた匂いが充満した!!


うわっ!!

やべぇ!!!


すぐに脇に寄せてドアを開ける。


うげええええ、くせぇ。


こりゃいつ壊れてもおしくないな。


なんとか宮崎に辿り着くまで爆発しないでくれよ。








死にかけのファントムでなんとか山を抜け、急いで江津市の桜江町へ。


今日はこの町の中学校体育館で、島根中にある神楽グループの競演大会があるという情報を入手している。


時間はわからんが、まぁ多分夜だろうと着いたのが17時。


あれ?


テキヤさんたちが片付けしてる。




「あー、16時で終わったよ。」



きゃあああああああああ!!!!


くそおおおおおおおおおおお!!!!



1週間前からこの日のために予定組んでたのにいいいいいいいい!!!!



島根といえば神楽。

これは絶対に外せない伝統芸能。


あー、楽しみにしてたのに………………




「でも入場料2000円だったけんの。」




一瞬でどうでもよくなり、車に乗り込んだ。



さ、次行くか。



リアルタイムの双子との日常はこちら





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