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粟島探検、新潟市、柏崎まで








2006年9月7日 【新潟県】





「はっ!!」



やべぇ!!

目が覚めるともう10時だった。


最近涼しくなってきたおかげでぐっすり眠れるようになってる。




急いでフェリー乗り場に行ってみると、まだ船は岸壁に停泊していた。


よかった。


……………ん?


あれ?


やべぇ!!


もう出るとこだ!!



「すみませーーーーん!!!!乗りますーーーーー!!!!!」



1900円の切符を買い、なんとか駆けこみ乗船。


島のおじさんたちがガヤガヤとビールを飲んでいるが、なんて言っているか方言でまったくわからない。







船に揺られること1時間半。


船内放送が流れ、フェリーは島に到着した。





ここは粟島。


1周23キロの小さな島だ。


役場でレンタサイクルを借りて、早速探検スタート。



帰りのフェリーは15時。

これを逃したら今日はもう帰れない。


タイムリミットまで2時間半。


役場の人に絶対に間に合わないと言われたが、それを何とかするのが旅人の腕の見せ所!!!!







島ならではの草ボーボーの道をペダルをこぐいでいく。


起伏が激しく、汗ダラダラになりがら1人立ちこぎ。


こんちくしょー!!

雨降ってきやがった!!



かまうもんか。

ザーザー降りでパンツまでびしょ濡れになりながらも歌を歌いペダルを踏む。


誰もいないんだから人目なんか気にすることない。


フェリー乗り場のある内浦地区の反対側、仏ヵ崎の展望台でしばらく水平線を眺め、またチャリにまたがる。

















内浦ともう1つある集落、釜谷の漁村民家の間を抜け、長い登り坂をぜーぜーいいながら登る。


はるか海の向こうに見える村上市の町を望みつつ、坂を滑り降り、内浦の集落に戻ってきた。


んー、2時間かからんかったな。

まだ時間があるので島の資料館で歴史のお勉強。




4000年~5000年前から人の暮らしの跡があったというこの粟島。


その後、松浦氏という人が島にやってきて住みついて作った町が内浦。


しかし後からまたやってきた本保氏が、松浦氏を島の裏側に追いやった。


そこが釜谷地区だ。


現在も島のほとんどの人がこの2つの姓というからすごい。


そういった歴史があるからか、最近はそうでもないらしいがちょっと前まではこの2つの地区はものすごくライバル心が強く、漁でもなんでも向こうには絶対に負けるな!!という対立があったんだそうだ。


人間らしい話だ。

こういう逸話を旅人は聞きたいんだよな。





わっぱに入ったみそ汁に焼けた石を入れて煮る郷土料理、わっぱ煮を食べたかったが、高いしもう時間もない。


内浦の町を散策し、風の神の祠なんかを見てから、15時にフェリーに乗りこんだ。









鮭の遡上で有名な村上市。


今ではさびれた小さな町だが、かつては村上県とまでいわれていたほどに栄え、江戸の昔は北前船の往来で日本海側きっての賑わいだったそうだ。


鮭の加工品で有名な『きつ川』で、古民家の梁から下がる立派な塩ひきシャケを見学してから村上を出発。









一気に新潟市まで下り、街中を分断するように流れている信濃川にかかる萬代橋を渡り、ネオン街の古町にやってきた。





メイン通りは呼び込みさんが異常に多いので裏通りでギターを鳴らす。



けばい50過ぎのスナックのママがこっちにやってきて、しかめっ面と小声で、この辺りは縄張りがあって怖いからやめときな、と言ってくる。


長年この町で生きてきた夜の女なんだろうな。


ご忠告ありがとうございます。


心配しなくてもどこの街でもそうです。


そしてそっち系の人たちはやたら滅多に手は出してきませんよ。




クラブ『星のあかり』のママから声をかけていただき、流しをさせていただいた。


やっぱりクラブの女の人はきれいだなぁ。

スナックのバカギャルとは当たり前だけどレベルが違う。





チップもたくさん出て、帰りにはママからヘネシーのボトルまでいただいた。


ありがとうございました!!







車に戻っていると、他に路上をやっているやつがいたのでちょっと聴いてみる。


うん、なかなかうまい。

しかし1曲終わるとタバコに火をつけた兄ちゃん。



「いや、練習のために来てるんですよ。歌うつもりはなかったんですけどね。」



ん?練習?


いやいや、繁華街での路上パフォーマンスは流しや手相占いや大道芸人さんからしたら仕事の場だ。


そして通行人からしたらそれは娯楽の1つ。


それを練習のために出てきてる?


人前で演奏するんだったらもっと命がけでやらないとな。









翌日。





新潟県!!といえば色々あるけども、やっぱり日本一のコシヒカリが有名だよな。


日本人ならマクドナルドよりうまい米が食べたい。



というわけでやってきたのは新潟市の郊外。

閑静な住宅地の中のかなりわかりづらい所にある、おにぎり専門店『おにぎり村』に到着した。



ガラスケースの中にショートケーキのように並んだ珠玉のおにぎりたち。

人気トップ3という筋子、明太子、キンピラをお茶を飲みながらほおばる。





…………………うまーい!!


おにぎりってホントうまいなぁ。








海岸線をくだり、温泉と神社仏閣が密集する弥彦山へ。


今日はいい天気だ。

緑かがやく弥彦山を登っていく。


しばらくすると木々の間からものすごい光景が見え始めた。





うおー…………………


ハンパじゃねぇ……………………



広大な平野がまっ黄色だ。

これが全部米なのか…………………



地面に植えたら育って食い物になる。

こんなこと幼稚園児だって知ってるけど、目の当たりにすると逆に不自然なことのように感じてしまうほどの光景だ。


そして反対側に広がるのは果てしない大海原。


水平線に浮かんでいるあれが佐渡島か。

なんて開放的な風景だろう。


日本を代表するすばらしい展望所だ。









アホが必ずするやつ。










山を降り、日本で最も古い即身仏があるという西生寺にやってきた。








500円で宝物館を見て回る。





親鸞や加藤清正の直筆の書などがあり、なかなかの見ごたえだ。


そしてメインの即身仏のお堂へ。


住職が厳かにロウソクに火を灯し、お経とともにスルスルと幕を巻き上げると、小さくなった人間のミイラが現れた。


烏帽子に袈裟をまとい、合わされた手には数珠が見える。


この仏さんは弘智法印さんといい、600年前のお坊さんだ。


3000日間の木食行で完全に肉をそぎ落とし、66歳で入定。


目の前のミイラが人間で、しかも彼自身なりたくてこうなったものだと思うと震えがくる。



体が皮と骨のみになっていく経過を見つめながら、彼の魂は体を離れた。


人間は深い。

いろんな生き方がある。


複雑な想いが頭の中を駆け巡る。


なんて雄弁なお姿なんだろう。



またお会いしたいと思いながら車に戻った。


ちなみに即身仏は撮影禁止なので、代わりに雷獣のミイラ。




雷獣ってなに?









海岸沿いに南に下り、寺泊の町に入る。


海産物のお土産物屋さんが軒を連ね、潮の香りの通りに観光客があふれている。


海の向こうに見える島影。


そう、日本一大きい島、佐渡島だ。





佐渡島に渡る航路は3つある。


新潟市から、ここ寺泊から、そしてもう1つがここからさらに南に下ったところにある直江津という港からだ。


新潟と直江津から出ているフェリーには車が載せられるが、ここ寺泊からは高速船しか出ていない。


そのため旅客のみで、しかも高い。

直江津から渡るとしよう。








柏崎の町に入ったぞ。


町の中を歩いてみると、昔は賑やかだったんだろうということが伺えるアーケード。

しかしシャッターはほとんど閉まっていて完全にさびれきっている。


こんな町好きだ。


今夜はここで歌おう。




まだ夜まで時間があるので町の散策をした。


最初にやってきたのは恋人岬。





日本海に突き出た岬の突端に行ってみると展望台になっており、手すりには無数のハート型のプレートが鎖でくくりつけられている。


そこら中に書きなぐられている愛の誓い。

こういったデートスポットに来るとそのカップルは別れるというジンクスは日本中どこに行ってもあるもんだが、ご多分に漏れずこの恋人岬もそういった評判だ。





町に戻り、入り組んだ住宅地の中のお堂、番神堂へ。




鎌倉初期、政治犯という罪状を着せられた日蓮宗の開祖、日蓮上人が佐渡島に島流しになった際に、一度この柏崎の浜に漂着した。


ということでここから見える浜辺に石塔が建っている。


そしてもう一度船を出し、無事佐渡島に着くことができた時に感謝の気持ちで造られたのがこの番神堂だ。





柏崎の町を見渡す高台にひっそりと建っているお堂で、裏のあぜ道から町と水平線を眺めていると、ふと懐かしさが胸にせまった。


ゆるやかに吹きすぎる風が髪を揺らす。


電線と民家の屋根、雑草がなびき、静かな潮騒が聞こえる。


とびきり素晴らしい風景ではない。


どこの港町にでもある何気ない高台の風景。


だからこそ人々の寄せては返す波のようなささやかな暮らしが、芳醇に香る。


10分ほど立ち尽していた。









日が暮れてから町に戻り、大盛りで有名だという萬来食堂の暖簾をくぐった。



「普通盛りにしときなよ。無理だからー。」



出てきたのはヨソの食堂の大盛りサイズよりもはるかに巨大なカツ丼。





食えねーーーー!!!


普通盛りですよね?


きつい………………



でも旅人にはうれしいお店だ。

壁には『加藤大』のサイン色紙が飾られていた。


加藤大ってのはテレビ番組のダイエット企画で歩いて日本一周してます!!とかいって旅館に泊まってうまいもん食いまくってるデブ野郎だ。


最近やつのおかげで日本一周は歩いて回るものだという意識が出回っていて、車で回ってるのが楽してるみたいに思われて迷惑この上ない。






『雷音』というホテルでお風呂に入り、柏崎のネオン街、南町にくりだした。





気合で歌い、なんとか8000円まで入ったところで、近くのスナック『南町』のお姉さんが話しかけてきた。



「何ー?宮崎なの?ウチ常連さんで宮崎の人いるよー。同い年くらいだよ。」



というわけでスナックでその宮崎の彼を待つことに。


しばらくしてやってきた彼、てっちゃんはなんと俺の実家のすぐ近くの延岡出身で、しかも悪友のケンエイのクラスメートだった!!


話も合い、久々に宮崎弁丸出しで盛りあがる。


てっちゃんの友達もやってきて、3人でママがもう店閉めるよーと言うまで飲みまくった。





「またねー!!」



ケンエイ元気にしてっかなー。



いい夜だ。



リアルタイムの双子との日常はこちら





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