スポンサーリンク





長野市での熱すぎる夜








2006年8月29日 【長野県】





長野県の北東部は温泉の宝庫。


マップルの地図を見てみると、もう数えきれんくらいの温泉マークが密集している。


しかし全てを回っていては体がふやけてしまう。


どれか1つ狙いを絞って入浴するとしよう。






湯田中温泉から東に走ると、川沿いに星川温泉、安代温泉。

川向こうに穂波温泉、角間温泉。


もちろんそれぞれに温泉街が形成されていて、マジで温泉のデパートだ。





グルグルと町中を走っていると、ひときわ情緒溢れる雰囲気の通りに入ってきた。


狭いメインストリートの両側に公衆浴場や由緒正しい古風な宿が軒を連ねているこの温泉街の名前は、渋温泉。


さらに山の奥に走っていくと、川の源流近くに地獄谷温泉と、まぁわけわからん。














このあたりの温泉で目玉なのは、渋温泉とこの地獄谷温泉だろう。


渋温泉は先に書いたように古風な町並みが旅情を誘う正統派の温泉街。

そして地獄谷温泉の方は、湯だけではなく変わった見所がある。







500円の駐車場代を払って車を止めたらここから歩き。


湯舎を通り過ぎ、裏手の山の方に続く遊歩道を進んでいくと、くそ、また料金所があるやがる。


500円……………


仕方ない。

この先にあるものはヨソではなかなか見られないものだからな。




しぶしぶ料金を払って遊歩道を歩いていくと、向こうのほうに湯煙が見えた。


あのあたりか……………


ん?

何やらウジャウジャと動き回っている………………




はっ!!!!



気付いたら俺も取り囲まれている!!!




猿だ!!!!





こんなに人間が近くにいるのに気持ちよさそうに毛繕いしてる。


俺の足の間をのそのそとくぐっていく猿。


そう、ここは野猿公園。


こんなに人に馴れた猿を見るのは初めてだ。




公園となっている区域の奥の方には、温泉を引いた池があり、マンガで見たことがあるような感じで猿がのんびり湯につかっている。









温泉に入る猿が見られるのは世界でここだけという話。


冬には頭に雪を積もらせてグデーッとのぼせている姿が見られるようだ。



ノミのとりあいっこをしている猿。

ケンカしてる猿。

子供同士でじゃれあっている猿。


いやー、動物の動きって見てて飽きないな。


面白くてしばらく猿たちの行動をながめていた。










地獄谷を出て山に入り、石の湯温泉、木戸池温泉など山中に散ばる温泉地をかけぬけ、峠を越えていく。


北アルプスの雄大な山々を全身に感じつつ山田牧場をすぎると、ここからが長野の秘湯ポイントだ。


有名なのをご紹介。



☆高原の見晴らしを堪能…………奥山田温泉『満山荘』

☆自然と一体になる野天風呂…………七味温泉、滝の湯温泉

☆時間と共に色が変化する変わり湯…………五色温泉



どれもこれも旅心をくすぐる特筆ものの湯ばかりだ。

やっぱ温泉は長野!!!







山を降りて小布施の町へ入ってきた。


小ぢんまりとした田舎町なのだが、通りの一角に昔ながらの蔵の町並みが残っており、酒蔵を中心にたくさんの観光客でにぎわっている。


そしてひときわ観光客を呼んでいるのが、葛飾北斎の美術館『北斎館』だ。


葛飾北斎が生前に年に1~2回、よくこの小布施に訪れていた縁から作られたこの美術館には彼の作品がたくさん展示してある。



じっくりと見て回った。


うーん、大胆な構図、色使い、江戸の風俗をよくあらわしている作風。

とても興味深い。


その中でも特に目にとまったのが、『富士越龍』というもの。

北斎らしい美しい富士山の上空をもんどりうつように天に向かって昇っている龍。


江戸時代、日本で何よりも日本一という称号に相応しかった富士山のはるか天空を、人知の及ばない孤高の象徴である龍が越えていっている。


ドキッと目を見張るような力強さと儚さ。


こいつはすごい。

深く心に焼きついた。








さてー!!!!


やっと!!!



やっと長野市!!!!!


ここまで時間かかったああああああ!!!!!


長野市っていったらもうあれしかないでしょ!!!!






もう時間がない!!


急いで都会のオフィスビルの隙間をかけぬけていくと、市街地の中で、急に古い民家が目立つ地域に入る。


車を止め、角を曲がると、そこは門前町。


たくさんの土産物屋と観光客で活気に溢れている。





巨大な仁王門をくぐり仲見世に入ると、向こうにさらに巨大な建物がそびえているのが見える。


補修工事をやっているとは聞いていたが、きれいに仮設足場が架かっており、何ひとつ見えない。


どうやらあれが山門のようだ。





足場シートの上にポツンと掲げられている看板には、『善光寺』の文字。


そう、ここが西国巡礼のメイン、蟻の善光寺だ。


伊勢神宮や熊野三山、日光東照宮に並ぶ日本人なら一生に一度はお参りしたい神社仏閣のひとつ!!!


きたぞおおおおおおおおおおおおお!!!!!






山門をくぐると、巨大だが端正で優美な本堂が迎えてくれる。




もち国宝。


特定の宗派を持たないという珍しいお寺で、分け隔てなく全ての民衆の心の拠り所となっているわけだ。


超有名なお寺なのに町場の庶民的な空気が漂っており、とても親しみがある。





500円払って内陣参拝、お戒壇巡りを済ませ、本堂裏手にある善光寺資料館へ。


長い歴史の中での寺と庶民との関わりを勉強するぞ………………と勇んで行ってみれば、ここは16時で閉館。


10分遅れで入れず。

うーん、残念。


まぁ縁がなかったということで他でまた勉強するとしよう。




ぐるっと境内を見て回り、門を出てから参道の裏路地にあるボロいラーメン屋で腹ごしらえ。


善光寺、いいお寺だなー。


こんなに有名で超でかいのになんて敷居が低くて開放的なんだろう。


門前町の雰囲気もいいし。



すぐ横はバンバン車の通るオフィスビル街っていう、この特別扱いされてない感じも親しみが湧く。


これならいつでも気軽にお参りできるな。


さて!!もういっちょいくか!!









少し日の暮れるもの早くなってきた晩夏の夕暮れ。


やってきたのは川中島。


歴史ファンなら川中島と聞いてピンとこない人はいないはず。

戦国時代を代表する2人の武将、武田信玄と上杉謙信の大激戦の舞台だ。




1561年。

群雄割拠の室町後期、甲斐の武田家と越後の上杉といえば誰もが恐れる最強軍。


幾度となく繰り返されたこの2人の小競り合いの最大の戦となったのが、川中島の戦いだ。


川中島は一般に5回合戦があったといわれており、武田軍・山本勘助の『キツツキの計』、謙信の『単独斬り込み』など有名な逸話が残っているのは4回目の戦だといわれている。


8000人の死者を出した戦国史上まれにみる大戦だ。


その古戦場の信玄が本陣を構えた八幡原が史跡として整備されている。





手薄になった武田本陣に単騎で突っ込み信玄に斬りかかった謙信。


その刹那の両雄がここに銅像となって再現されており今も闘っている。


あー、この場所で500年も昔にそんな闘いがあったんだよなぁ………………


感慨深い。










市内に戻り、今夜は長野の飲み屋街、権堂で歌うことに。


県庁所在地の飲み屋街ってだいたい味気ないものだけど、長野市の飲み屋街は古き良き盛り場の雰囲気でらとても良い感じだ。



そんな権堂の中の一角で路上スタート。


目の前にラーメン屋があり、もしかしたらうるせー!!とか言われるかなぁと思っていると、何やらそこの店長、仲間を呼びに行き、みんなで店先にイスを並べてビールを飲みながら聴いてくれ始めた。



「いやー、いいなー、兄ちゃん。」



スナックのママや呼びこみの人も集まってきてくれる。


マジでありがたい。



するとそこに、すぐ近くの『モータウン』といういかにもな名前のライブバーのマスターもやってきた。



「うん、いいじゃない。後でウチきなよ。」



5000円くらいになったところで今日は早目に切り上げ、スナック「いずみ」のママと一緒にお世話になったラーメン屋『うまか亭』へ。


店長こだわりの煮玉子、激ウマ!!!!!





こんなうまい煮玉子たべたことない!!!!



「よーし、今日は俺ももう店閉めちゃう!!」



「んー、何かないかなぁ。絶対今夜を今まででサイコーの夜にしてあげたいなぁ。」



そんなこと言ってくれるママや店長。


いきなり良い人たちと知り合えて嬉しすぎる。









お店を閉めてくれた店長といづみママと3人で『モータウン』にやってきた。



「おー!!来たねー!!」



それじゃあなんかやろうか?と店員さんの佐藤さんがちょっと演奏してくれることに。





うわっ!!


スティングのEnglishman in New York!!


その他にもセンスのいい70年代の選曲で、しかもめちゃくちゃうまい!!!


カッコいい!!!!


そんな佐藤さんにギターをつけてもらって俺も5~6曲歌った。






そして最後に特別ということでマスターもやってくれることに。


なにやらこのマスター、かつてグループサウンズでバリバリやってきて、それからハワイで20年間シンガーとして活躍してきた人なんだそう。


ギターを構えるだけでただならぬオーラ。



「Welcome to Motown. Please enjoy!! 」




マジでめっちゃヤバかった。


安定感もテクニックも、お客を引き込むステージングも、マジでカンペキ。


うおおおお、こんなモノホン久しぶりだ。



アングラの尖ったのもカッコいいけど、円熟のスゴさを思い知らされた。



人間って、歌って、磨けばここまでになるもんなんだよなぁ。


遥かな高みをのぞかせてもらった。







「今、金丸君は若くて何でもやれる!!って自信に溢れてるよね。それはすごくいいことだけど、壁、行き詰まりは必ずやってくるよ。すごく辛いことだよ。俺もそれまでずっと音楽やってきてそこそこいったけど、28歳でパタッとやめちゃったもんな。もっともっと難しいこといっぱい出てくるからくじけないで欲しい。」



「そうだよ。え?なんで?ってほんとに人を信じられなくなったり絶望したりするから。そんな時また私たちのとこ来なよ。」



色んな話をした。


飲みの席で人生の話はよくすることだ。


人生の先輩たちから、生きることはとても辛いことだということをよく言われる。


前まではそんな話をされるたびに、説教くさい負け犬が、って思ってた。




でも、この歳になって、あー、そうだな、とふと思えるようになってきた。


旅を始めて5年。

たった5年でこんなにも考えが変わるものか。


このペースで毎回5年ごとにそう思うほど考えが変わっていったら、一体爺ちゃんになるころにはどんな人間になっているんだろう。


人生の辛さを受け入れられるだけの器は俺にあるのか。





どんなことがあっても人を信じたい。

いつだって誠実でいたい。


天邪鬼だけど、誰よりも人に優しくしたいと思ってる。

俺がそうされてきたように。




ずっと真っ直ぐでいたい。

自分の心に正直に生きていきたい。


青いな、と言うやつは言えばいい。


その心が大切なんだ。




リアルタイムの双子との日常はこちら





スポンサーリンク



ブログのランキングというやつをやっています。
よかったらクリックして下さい。
クリックが投票の代わりになります。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村



世界中のホテルが予約できるサイトです。
家族旅行もバッグパッカーも、ここから予約してくれたら僕にアレがアレなのでよろしくお願いします! ↓↓