2006年5月14日 【四国お遍路】
よっしゃ!!!
いざ出発だ!!
婆ちゃんがいつも山に入る時に使うセゴ(背にからう麻のカゴ)を貸してもらい、それに最小限の荷物を詰めこんでいく。
大好きな婆ちゃん手作りのキンピラごぼうをかきこみ、爺ちゃんに高梁の町まで送ってもらった。
「まぁ用心してやれや。」
ここから四国の徳島までヒッチハイクだ。
お遍路についてはまったく下調べしていないが、ヒッチの車内で地元の人に聞いていけばだいだいのことはわかるだろうというテキトーさ。
そんなもんでOK!!!
「杖は絶対買わにゃーいけんで。あれはお大師様と一緒に歩くゆー意味やでな。」
そんでもって1台目のおじさんおばさんがいきなりお遍路経験者だという奇跡!!!
すげぇ!!!
とは言ってもこのおじさんおばさん、まだお遍路の途中だという。
どういうことだ?
話を聞くとお遍路のやり方にも色々あるらしく、1回で通しで回るのではなく、週末の土曜日曜だけ四国に行って歩き、休みが終われば家に戻り、次の週末にまた四国に行って続きから歩くという週末お遍路というやり方らしい。
そ、それめっちゃ簡単じゃない…………?
でもそれでも人生観が変わったというお2人。
橋の上では杖をつくな、参拝の後に鐘をつくな、などなど、たくさんあるというルールをいくつか教えてもらい、しかも「私たちはもういらないから。」と、般若心経なんかの参拝の時に唱えなきゃいけないお経が全部書いてある教典、地図をくれ、さらにお弁当まで持たせてくれた。
ありがたやー。
2台目は広島の女の子、カンちゃん。
倉敷インターから広島の向島まで。
瀬戸大橋から行こうと思っていたけど、広島側にも橋ってあるんだな。
人の記憶にどれだけ残るかが生きている価値というカンちゃんはお酒を飲むと川に飛びこむらしい。
3台目はなんと日本一周中の竹内さん。
向島から愛媛県の湯の浦にある道の駅まで。
栃木ナンバーのハチロク、といえば知ってる人はピクリと反応するらしい。
そう、彼はイニシャルDをこよなく愛する走り屋。
ハチロクは乗り潰しまくって3台目らしいが、最近テレビでイニシャルDが放送されたため、いつも子供たちやにわか走り屋たちに群がられて大変なんだそうだ。
色々とその道の話を聞かせてもらった。
走り屋は、夜な夜な絶対に人の来ない山の頂上あたりで出来るだけひそかにひっそりと走るというのがルールらしい。
走り屋=ワルっていうのが普通のイメージだが、このごろではヤンキーはほとんどおらず機械オタクばっかりなんだと。
定年すぎてやってる人もいるんだって。
レーシンググローブってなんだか秋葉原のオタクってイメージだけど、あれをしていないとすごい勢いでハンドルが指の間に入った時に指の股が裂けてしまうという。
すさまじい。
時速100キロ以上のスピードで峠を降りていくそうだが、もちろん事故もあるわけで、ある時かなりのクラッシュをしたら、1回目の衝突でアゴがはずれてそのままぶつかりまくって3回目の衝撃でアゴがはまったらしい。
ドガン!!ガコン!!ドガン!!ドガン!!ガコン!!
あれ?顎ハマってる?的な。
やめたほうがいいんじゃないですか……………?
4台目が若いファミリー。
5台目が同い年のアツシ君。
「笑う練習、泣く練習、これホントに毎日やらされるから。」
某運送会社につとめるアツシ君。
何かあった時のためにそんな訓練もやらされるんだそうだ。
まるで軍隊だな。
高速道路のサービスエリアで途方に暮れていた22時ごろ。
ようやく6台目ゲット!!
しかも一発徳島県、鳴門行き!!
高速で2時間かかる距離を一発ってのはうれしい!!
そんなこんなでようやく徳島県に入り、徳島市のはずれにある松茂というところのコンビニで降ろしてもらった。
さて、1番札所の霊山寺はどこかなーとコンビニで地図を見てみると………………
えー………………運転してたおじさん…………この近くって言ってたのに………………
1番札所までここから15キロくらいあるやん………………
もう深夜1時なんですけど………………
いきなりしんどいわ………………
ええい!!
行くか!!
ギターを背負い、セゴを前に抱っこして夜の歩道をとぼとぼと歩いていく。
空にはこうこうと光る月。
虫の鳴き声が静寂に染み渡る。
俺はブツブツと独り言。
何をそんな独り言いってるかというと、色んなシチュエーションを仮定しての自分の人生論。
空想は自由だ。
頭をひねらすこと、色んな考えをためこむことは時にすごく役に立つことがある。
たぶん今から2ヶ月間、こうして独り言をブツブツ言い続けるんだろうな。
ちょっと怖いやつだな。
あー、月がきれいだ。
あ!!
コインランドリー発見!!
無人24時間営業でソファーと雑誌まである!!
ソファーにドサリと座り込むと、たった10キロくらいでもう足がめちゃくちゃ痛い。
まだまだスタート地点にも到達してないというのに。
さぁ、明日からとうとうお遍路スタートだ。
翌日。
「あのー、今から始めるんですけど衣装一式下さい!!」
とうとう始まってしまった。
四国お遍路。
四国にある霊場88ヵ寺巡りの道を遍路道という。
うまいこと全域に散らばっていて、今も深い山中や砂浜などにはるか昔からの遍路道が通っており、順番に全部回るとちょうど四国一周になる。
1200年前に空海が人々を救済するために霊場を開いて回り、その後弟子たちが88ヵ寺にお参りを始める。
江戸時代になると庶民たちにも普及するようになり、以後日本中からたくさんの人が訪れては遍路道を巡礼している。
回る目的としては、信仰のため、業を落とすため、死者を弔うためなんかが一般的だけど、犯罪者が逃げるためって場合もあるし、今ではただの観光って要素が強い。
長い時間1人きりで苦しみに耐え、祈り続け、自分を見つめることで一体何がどういうふうに変わるのか。
きっとすごい変身を遂げるんだろうな。
楽しみだ。
徳島県鳴門市、1番札所の霊山寺に到着した。
うおー、ここから始まるんだな……………
横にあったお遍路グッズ売り場に行ってみたがどれも高ぇ。
上から、
網傘(3500円)
ただの白い作務衣(2500円)
作務衣そでなし(1500円)
作務衣ズボン……………
とまぁ、とにかく高ぇ。
全部揃えたら相当な金額になる。
別にジーンズでもスーツでもなんでもいいのだが、やはりやるからにはお決まりの格好で歩きたいんだよなぁ。
しかもなるべく古臭いやり方で。
よし!!思い切って買うか!!
岡山からは1万円持ってきたのだが白衣、杖、ロウソク、線香、納め札を買ったら残金が350円になった。
今から2ヶ月くらいかかるのに350円て!!!
………………まぁなんとかなるか。
さぁ、いざ本堂へ!!
ナニをどうすればいいのかまったくわからんのでその辺のお坊さんに声をかけてみた。
【参拝の手順】
山門にて迎えて下さったお大師様に合掌、礼。
↓
手を洗って穢れを落とす。
↓
本堂にてロウソク・線香・納め札・賽銭を奉納。
↓
般若心経を唱える。
↓
本堂の近くに必ずある大師堂でも同じルーティン。
↓
山門を出る際に境内に向き直り、見送って下さったお大師様に合掌・礼。
とまぁこんなもん。
普通の人は各寺で御朱印という参拝の証を、納経帳っていうノートみたいなのに記帳してもらうのだが、1ヵ寺300円とられる。
つまり88ヵ所全部で記帳してもらったら26400円もかかる。
そしてその納経帳自体も2000円くらいする。
しかも寺の社務所は夕方17時になったら閉まるので、その日はそこでストップしなけりゃいけないという寸法。
俺は夜も歩くつもりだし、そんなスタンプラリーみたいな思い出作りはいらない。
なるべく庶民らしく。
なるべく昔ながらに。
お遍路ファッションに変身したら本堂の前に行き、お札に住所と名前を書いて供え、ヒッチハイクでもらった経典に書いてある般若心経を唱えてみた。
漢字まみれでよくわからんけど、読みかながふってあるのでそれをなぞって声に出す。
ぶっせつ………まぁかぁ…………はんにゃあ…………はぁらぁ………………
普段使わんような文字の羅列にひっかかりまくり。
うん、難しい。
さらに御真言とか他にも色々読むところがあって、全部読むのに5分くらいかかる。
これを太子堂というところでもう1回繰り返す。
めっちゃ時間かかる。
あと87ヶ所か………………
気が遠くなる越えて気が遠くなる……………
なんとか霊山寺でのお参りを済ませ、さぁ歩きスタートだ。
一体何キロあるんだろうな?
まったく下調べとかしてねぇし、荷物もギターと楽譜、譜面立て、歯ブラシ、シャンプー、石鹸、ジャンパー、ケータイ、デジカメ、そんなもんだ。
銭湯にでも行くのか?
着替えも寝袋もなんもない。
地図は昨日ヒッチハイクでもらった、ふざけたあみだくじみたいな書き方のもの。
こんなのあてにあるのか?
まぁなんとかなるだろう。
歌って稼いで食って歩いて野宿。
風呂なんてテキトーに入れる。
道とか全然わからんけどさっきから、
『二番→』
とか古ぼけた道標がところどころに立ててあるのでヘマせんかったら迷わんはず。
『ただ歩くだけの人』と化してやる。
なんとかなる。
2番札所の極楽寺はすごく近くて15分ほどで到着した。
「顔見ればだいたい思いつめてるかわかるねー。」
そう言う売店のおばちゃん。
会社が潰れたとかリストラだとか人生空しいとか、遍路に来る人の理由はたいていそんな辛いことを乗り越えるためだそうだ。
途中で戻らない人になることもたまにあるって。
3番、金泉寺までは40分。
昼に1番を出発したもんだからもう17時になってしまった。
お寺の人はいなくなり、それに合わせて御朱印目当てのお遍路さんは姿を消すが、基本お参りは24時間OK。
このままいけるところまで行ってみよう。
4番札所、大日寺が遠い!!
1時間半くらいかかる。
薄暗くなった林の中や田んぼのあぜ道を歩いていくのだが、早くも足が痛くなってきた。
荷物が食い込んで肩痛い!!
やっとこさ寺に着いて暗闇迫るひと気のないお堂にロウソクと線香を立て、納め札を箱に入れ読経。
そろそろ寝ようかなー、とフラフラの体で真っ暗な道を歩き続ける。
足が痛い。
富良野の中田のおばちゃんが編んでくれたワラジを履いてきてるんだけど、底が固いから衝撃がモロに骨と筋肉に響く。
外灯の下、金剛杖の鈴の音がチリンチリンと寂しく鳴る。
寝ようと思いながら歩いていたのに、いい寝場所が見つけられず、いつの間にか5番の地蔵寺まで来てしまった。
ほんとに真っ暗闇。
般若心経の経典が読めないのでロウソクの明かりに近づいて唱える。
普通ならとんでもなく怖いシチュエーションなのだが不思議とまったく怖くないんだよな。
はたから見たら俺のほうがよっぽど怖いよな。
こんな夜中に白装束でお経唱えて………………
ああああああああ!!!!
足痛えええええええええええ!!!!!
腹へったから残金350円でカップラーメンを食べようと思ったがコンビニどころか商店もないいいいいいいいいいいい!!!!!
あぁ…………
ひもじい……………
足痛い……………
肩痛い……………
力尽きてアスファルトの歩道にひっくり返って大の字になって夜空を見上げる。
星はない。
すぐ横を轟音を上げて走っていくトラック。
美香ー……………
もうずっとメールないなー……………
美香のとこに行きたい………………
うおおおおおおおおお!!!
行くぞオラアアアアアアアアア!!!
気力を振り絞りしばらく歩いたら道の向こうにコインランドリー発見!!
やったああああああああ!!!!!!
あ………………疲れた………………
こ、これがあと50日続くんだよな………………
マジ気が遠くなる………………
コインランドリーのベンチに横になる。
横になれるってこんなに気持ちよか………………った………………んだ………………
爆睡。
翌日。
「うーん……………ん?」
ベンチの上で目が覚めると、体にタオルケットがかけてあった。
ギターの上に書置きが置いてある。
「タオルケットは持っていっていいですよ。頑張って回って下さい。」
………………四国の人、神?
マジ感動しながらタオルをたたんでセゴに詰めた。
それにしてもやっぱ木のベンチだと体力回復なんてしないな。
信じられないくらいバキバキに凝り固まった体を伸ばし、ギターを背中に、岡山の婆ちゃんにもらった山仕事用のセゴを前に抱え上げ、いざ出発。
6番札所、安楽寺で朝1発目のお経をあげ、7番、十楽寺へ。
そこに小奇麗な格好をした集団がゾロゾロと境内にやってきた。
バスお遍路だ。
バスお遍路とはその名の通り集団でバスに乗り、10日くらいで一気にお遍路を回ってしまうというツアー。
金持ってそうなジジババたちの年季の入ったお経が境内に響き渡る。
あ、なるほど、さっきバスの添乗員さんが山のような本を両手に抱えて歩いていたのは、ジジババたちの御朱印帳か。
有名人のサインみたいに、次から次へとものすごいスピードで御朱印を書いていく社務所のお坊さん。
客である爺さん婆さんたちはお経を上げるだけで、他の雑務は添乗員任せ。
お経終わりとともに出発してタイムロスのないよう回るっていう感じか。
至れり尽くせりのツアーだなぁ。
ジジババが雪崩のように境内から去って行くと雨が降ってきやがった。
傘すらない俺は山門の下に逃げ込みボーっと雨粒を見つめる。
寺の前にあるうどん屋でカップラーメン売ってそうなとこを聞くが、ここから先しばらくはないそうだ。
いい加減腹減った……………昨日の朝から、もう24時間以上なんも食ってねぇ。
雨足も弱まってきたので出発。
あー、カッパ買わんといかんなぁ。
でも金ねぇなぁ……………
「ちょっとーーーー!!待ってぇぇぇーー!!!」
さっきのうどん屋のお姉さんが走って追っかけてきた。
「これ持ってって。お接待させていただきます。」
渡してきたのはオリに入った2つのおにぎり!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
おにぎりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
なんてありがたい!!
こういうお遍路さんに対する援助を四国ではお接待という。
それにしても、お接待させていただきます、っていう言い方がめちゃくちゃむず痒い。
困ってるやつに良いことをしてやる、っていうのが普通の世の中で恩着せがましさが1ミリもない。
これもまた四国の文化感なんだなぁ。
この世のものとは思えないスピードでおにぎりをむさぼり、次に向かって歩く。
しばらくすると『歩き遍路さん接待所』という看板のかかったビニールハウスがあった。
一体どんなところだろう?
中を覗いてみる。
「おー、休んでいき。」
中で井戸端会議をしていた爺ちゃんと婆ちゃんにお茶を淹れてもらい一息ついた。
するとそこに別のお遍路さんがやってきた。
話を聞くと彼は今まさに一周を終え、今から1番札所にお礼参りに行くところなんだという。
所要日数36日。
相当なハイペースだ。
「最初のうちはたくさんお遍路さんいるんですけど30番辺りからかな、まったくいなくなりますよ。みんな脱落して帰っていくんです。マジ辛いですから。」
そういう彼の顔はなんともすがすがしい笑顔。
「たまにはちゃんとした食堂で食べたり、民宿でゆっくり寝たりするのをお勧めしますよ。じゃないと体力もちません。『通し』で『歩き』で回る人ってあんまいませんから。宿代と食費と御朱印代とかで大体資金は30万くらいかな。節約しても20万はかかりますね。いくら持ってます?」
「150円です。」
「……………はい?」
ウケるかと思ったら深刻に心配されてしまう。
マジでお遍路って命がけなんだそう。
1日1寺も行けない80キロとかのロングスパンもあるし、1日中登り坂のドロドロの山道とか、野良犬に襲撃されたりとか、まぁ色々あるらしい。
中にはお遍路の格好して近づいてきてスキ見てドロボーするような輩もいるという。
心配した彼はもう使わないからと筋肉痛用のシップをくれた。
「ギターちょっと持ってみていいですか?………………アカン!!これ!!」
俺のギターを担いでビビっている彼。
そんな彼のバッグを持たせてもらったが俺のセゴより軽い。
ギターはセゴより重い。
絶望的な顔をしてる彼。
「ま、まぁ…………それで歩ききったら伝説ですよ…………」
お接待を受けたら納め札を渡すのがしきたり。
お爺さんに1枚渡して合掌して出発した。
8番札所、熊谷寺に参って、次に比較的近い9番札所、法輪寺へ。
歩いている途中におばちゃんたちからお菓子をもらった。
「お接待ゆうのは、私も一緒に連れて行ってやってください、ということなんや。だから、お接待することによって私らにも徳が返ってくるわけや。」
なるほどなぁ、そういう意味合いもあるんだ。
皆さんの想いも一緒に必ず回りきってやります。
次の10番札所が遠い!!
もう足が痛くて痛くてもげそうだ……………
何度も何度も休みながら歩いていく。
ひーこらひーこら進んでいると、10番の手前に土産物屋が固まっているところがあった。
ここから先、お寺に参ったらまたこの道を戻ってくることになる。
というわけで土産物屋さんに荷物を預けさせてもらえませんか?とお願いしてみた。
快くOKしてくれた店員さん。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
楽チンすぎるうううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!
いつもは身軽な俺。
だいたい12キロを2時間で歩く。
つまり時速6キロ。
今はせいぜい時速2キロくらいのもん。
ギターと楽譜が重いんじゃ!!
10番、切幡寺は石段がきつい!!
333段もありやがる!!!!
いやぁ荷物預けてよかった。
スタコラお参りして荷物を取り、店主にお札を渡して出発。
痛い………………
痛すぎる…………………
一歩進むたびに激痛が全身をかけめぐる。
スーパーでカップラーメンを食べ、さらに死に物狂いで3時間。
所持金が信じられないくらいゼロになったので、金を稼ぐために遍路道を反れ、鴨島の繁華街に着いた。
よっしゃー……………
歌うぞー…………
うりゃー……………
ささやかな飲み屋街の中で声を振り絞る白装束。
が、体中が極限に疲労してるせいで声にハリが出ないし、途中で何の曲を歌ってるのかわからんなる。
それでも気力で腹筋に力を入れ、何とか5000円までたまった。
よし…………これで明日雨ガッパが買える……………
死にかけていると、歌を聞いてくれたお兄さん2人にちょっと休んでいけよとスナックに連れていってもらった。
もちろんここでも歌う。
『サミット』のママ、お兄さんたち。
すんません、記憶が朦朧としていてほとんど覚えてません……………
疲れ切った体に酒が効くううう……………
深夜1時に店を出て夜の街をふらつく。
どっかこの辺にコインランドリーがあるって聞いたのだが。
う…………く……………今にも倒れそうだ………………
うお……………
うおー………………
あ、あった………………
コインランドリーの明かり………………
やったぞ俺ー……………………