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岐阜城と変態キヨマロさんのライブ








2006年3月25日 【岐阜県】





下呂から飛騨金山までの28キロ、飛騨川に繰り広げられる渓谷美を中山七里という。


絶好のドライブスポットではあるが、長距離ドライバーが多いためチンタラ走ってるとガンガンあおられ、あっという間に岐阜市まで押し出されてしまった。


ゆっくり堪能したかったけど、まぁいいか。








美濃国斎藤氏の大物、斎藤道三に気に入られた尾張の若大名、織田信長。


後に道三の孫、龍興を倒して稲葉山城(岐阜城)を落とし美濃を手中に収める。



「美濃を制するものは天下を制する。」



楽市楽座を施行し東海の一大城下町となったこの岐阜。


今でこそ普通のビルが立ち並ぶ都会だけど、信長がこの町の礎を作ったんだなぁ、なんて考えながら回ると全然見え方が変わってくるもんだ。





そんな町の真ん中にある岐阜城は、金華山という岩山のてっぺんにチョコンと乗っかっている天然の堅城。





有料のロープウェーもあるが、ここはもち歩いて登るとしよう。


もち1番きついくて、もち1番早いルートを選ぶ。



男だったら愚直に最短距離!!!






ぐおおお!!!きちぃ!!


ロッククライミングのように岩肌にへばりつくルートをなんとかよじ登っていく。


こりゃ刀さして鎧着て攻めるの難しかっただろうな。








そうこうしてようやく城に着いた。









天守閣の最上階からは、岐阜の街とその真ん中を悠々と蛇行する長良川を眺めることができる。


ああ、あれが鵜飼で有名な長良川かぁ。





町は水運とともに栄えるもの。


この川が、沢山の物品や文化などの恩恵をもたらしたんだろうな。


今まで行った城の中で景色ダントツNo. 1だ。











城を降り、それからお風呂に行きたかったがもう時間がない。


というのも今日は先日路上で出会った独唱パンクのシンガー、変態キヨマロさんのライブがある。


あのどう見ても変態のキヨマロさんがどんなライブするのかめちゃくちゃ楽しみにしながら、柳ヶ瀬の東アーケードの中でキヨマロさんに電話した。



「おー!!ちょっと待ってなよー!!」



しばらくするとアーケードの向こうから変人が走ってきた。


遠くからでもひと目でわかるモヒカンと『萌え』ジャンパー。






そんなキヨマロさんに連れられてやってきたのは弾き語り系のライブバー『コーギーバー』というお店。









店に入ると薄暗い店内に一癖も二癖もあるような連中がウロウロしている。


不健康そうな壁紙、機材とバーカウンター。


いいなぁ。

このライブ前の張り詰めた雰囲気。


大好きだ。



「金ちゃんもやってね。」



ニヤニヤしながらそう言うキヨマロさん。


よーし、そういうことなら全力でやらせてもらいます!!


というわけでライブスタート。




1番手『よっちゃん』


男前が甘い声でラブソング。




2番手『俺』


飛び入りだったけどみんな気合いで聴いてくれているのがわかる。




演るのも気合い、聴くのも気合い。

とても客質がいい。


キヨマロさんに写真お願いしたらふざけすぎ。














『スミリュウ』


キヨマロさん曰く、岐阜の弾き語り界の重鎮、スミリュウさん。

カズーを吹きながらノリノリのステージだった。




『軽トラ』


この前キヨマロさんと一緒に路上に来てくれた凄腕のギター弾き、玉ちゃんと女の子ヴォーカルの2人組み。

力のあるヴォーカルと繊細なギターだったな。







『谷洋幸』


東京高円寺からギター片手に全国を回るツワモノ。

自分でインディーズのレーベルを運営していて、CDやグッズをいっぱい持って1人であちこちツアーを回っているようだ。




伸び放題の髪とヒゲ、下駄をつっかけ演奏開始。

1曲目から唾まき散らかしながら絶叫。


やっぱパワーあるなぁ。

見習わんと。





『キヨマロ』


そしてトリはこの人。



「キヨマロさん、頑張ってくださいね。」



「へへへ、俺頑張ったことねぇから。」



人気者のキヨマロさんに歓声が飛ぶ。



「えー、尊敬するオレンジレンジさんに影響を受けて作った歌です。…………………俺はぁ~船乗りぃ~。」



全然影響受けてねぇ!!



「よろこび組のみんなありがとう!!」



もう店内一気にキヨマロワールド。


リズム無視、ほとんどギター弾けてない、歌も音程ほぼ無視。


はっきり言ってボロボロ。

普通に見たらめっちゃ下手。



でもめちゃくちゃキマってる!!



これなんだよなぁ…………

オーラ持ってる人って演奏のうまいヘタとか感じさせないほどの存在感があるんだよなぁ。


存在が際立ってる。



「へへへ、お前ら馬鹿だよ!!こんな夜中までこんな変な歌聴きに来てよー!!へへへ。」




そんなこんなで大盛り上がりでライブ終了。

いやぁ、いいもん見せてもらった。


日本中、どこにでもイカれたカッコいい人たちはいるもんだ。









それから俺も混ぜてもらい男6人で居酒屋に打ち上げに行った


「つーか何で女いねーんだよおおおおおおおお!!」



ちょっと谷さん声でかすぎ!!

店中に響きわたってるから!!





「アホみたいなやつらばっかのJポップ、俺が変えるからよ!!タワレコ行ってみ!!俺のCDあるから!!なかったら店員に言ってな!!谷洋幸すげぇいいからちゃんと並べてくださいって!!俺はいつも言っているから!!あー、もうすぐそこまでキとるんや!!」



結局深夜までそんな感じで音楽談義で盛り上がった。


あー、めっちゃ刺激だわ。


アングラのやつらはこんなにも熱いぞ!!











翌日。







車の中で目を覚ますと頭が重い。


ゆうべの酒が残ってて若干二日酔いだ。




いやぁ、楽しかったなぁ。


谷さんすごい豪快で面白かったけど、ちょっと引いて見てしまう俺もいる。


キヨマロさんはステージでも居酒屋でもまったく同じままだった。

すごく優しいし。


やっぱり独唱パンクに出るほどの人間は個性がずば抜けてるわ。


谷さんのあの熱量もすごかったけど、キヨマロさんはナチュラルでそれを上回る存在感。


そんな個性が俺も欲しいな。














東京日本橋から京都を結ぶ中山道、またの名を木曽街道。


今では国道が通っており、きれいに整備されているが、少し脇道にそれたり、山の奥のほうに入っていくと、当時の本当の街道が残っている。



そんな街道沿い、長野県との県境の峠にある山あいの小さな宿場町、馬籠宿。









なんとも鄙びた光景が目の前に広がる。


坂道にへばりついたような古めかしい屋敷、畑を耕す婆ちゃん、高札場、それらの向こうに、雪をかぶった恵那山の雄大な姿。


文豪、島崎藤村の生まれ育った町でもあり、どことなく枯れた文学の香りがする、飾らないとても詩的な風景だった。




















田舎風景日本一、という謎の称号を持つ岩村町の富田という地区にやってきた。


人の気配がまるでない農道に車を止め、ほとんど整備されていない丘の上の展望台に上がってみた。





どこにでもあるような一面の農村風景。


これが田舎風景日本一か。


まぁ確かに心やすらぐのどかな風景だ。




畑のところどころにある古びた民家。


あの1つ1つの家に人生があり、ささやかな暮らしがさざなみのように繰り返している。


色んな人生を送ってみたい。

色んな人生を体験してみたい。









土岐市まで進み、腹ごしらえして銭湯に入り、今日はこの辺りでストップすることに。


日記を書き、酒を飲みながらいつものように美香に電話をかける。



心安らぐこの時間……………のはずなのにな。



「早く会いたいよ。」



「でも……………フミ、今度は外国も行きたいんやろ……………?」



「…………ん…………うん…………行きたい…………でも今度の外国は1年くらいで帰ってくるし。」



「私…………文武とは結婚しないと思う。文武は絶対1ヶ所にとどまれない人間なんだよ。世界から戻ってきても、またどっかに行くと思う。」



「そんなことないよ。外国が終わったら…………」



「…………うう…………うっ…………ほんとはどこにも行かんで欲しいよ…………いつもそばにいて一緒に料理して…………そんな普通なことがしたいだけやとに…………」




胸が締めつけられる。




日本は狭い。


この日本の何百倍、何千倍の広い大陸が海の向こうに広がり、数々の人種が暮らし、今この瞬間も見知らぬ物語が紡がれている。


ニューヨークの高層ビル、砂漠に浮かぶ月、ジプシーの子守唄、広大なジャングル、まだ誰も知らない古代遺跡。


道は地球上を縦横に駆け巡り、人々はすれ違い言葉を交わす。



今の俺のイメージは、日本の外に外国がある、というものだけど、本当は世界の片隅に日本があるんだよな。


そのあまりにも尊いイメージを俺は人間として手に入れたい。

そしたらもっとでかい人間になれるような気がする。


…………しかし、外国にいくためには今度こそ失うものが大きすぎるということは、いくら楽観的な俺でも容易に想像がつく。





今日、テディーさんの子供が生まれた。


新しい生命が出来あがった。


人間の誕生はあまりにも自然なことで、俺もその一部だ。


その一部であり、世界の一部であり、歴史の一部だ。



そう考えると、生きることが辛いってなんてわがままなことなんだろう。




どこに行けば旅は終わるんだろう。




リアルタイムの双子との日常はこちらから





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