スポンサーリンク





松坂「マクサ」との出会い








2006年2月23日 【三重県】





津市の街の中を走っていると、何やらそこらじゅうに警察が立っていることに気づいた。





街のいたるところでものものしい警戒態勢が敷かれている。


あれなんなんだろ?と思いながら、テキトーにそこら辺にあった食堂に入ってみた。






「あー、右翼のデモがあるらしいんやわー。ぶっそうやでー。ところで兄ちゃんどっから来たん?」



気さくで明るいおばちゃんたちの食堂『じんな』。


久しぶりにまともな物が食べられる!!と唐揚げ定食700円を注文。






うめええええええええ!!!!


ハンパじゃなくうめぇ!!


そしてボリュームもすげええええええ!!!!



テキトーに入ったけどめっちゃ当たりのお店だ!!!



「あれまぁ!!歌うたっとるんか!!えらいこっちゃでー、私の娘の彼氏も音楽やっとるさかいなぁ、今度聴き行くわ!!」



「ありがとうございます。あ、じゃあお会計を。」



「えぇえぇ!!えーから!!おごったる!!」



ご飯代ご馳走してもらってしまった。


あー、みんなめっちゃ優しくて、いいお店見つけたわ。






満腹になって外に出ると、おお、やってるやってる。


選挙カーの何倍もでかい音量でわめき散らしている右翼の街宣カー。



近づいていってみると、すごいことにあの勤皇なんちゃらとかって書いた右翼の街宣バスが軽く30台以上は連なり、県庁を取り囲んでいた。


乗っているのはもちろんどうみても怖い人たち。



「フンサイせよーーー!!!!」



「フンサイせよーーー!!!!」



「オラアアア!!!知事コラアアアア!!!覚悟せえよおおおおお!!!!」



「おんどれ!!ええ度胸しとるやないかコラアアアア!!!」



「お前マジで1人歩き気をつけろよ?分かってんのかゴラアアアアアアアアア!!!」



マジでとんでもなく怖いセリフを30台のバスが叫びまくってて、津の街が怒号で覆い尽くされてる。


みんな声が怖すぎる。


ドスが効きすぎ。


どう考えても素人の脅し文句じゃない。






それにしても右翼の人たちってこの街宣カーで1日叫び続けて日当いくらもらえるんだろ。


雇い主さんとかいるのかな。


三重の知事さん、なんか彼らに恨まれるようなことでもしたのかな。


いやぁ、ホント怖いわ。









銭湯『サカヱ湯』に入って今夜も大門の路上にやってきた。





今日も気合いで稼ぐぞと頑張ってギターを鳴らすが、あんまり調子良く入らなくて今夜はわずかに2000円どまり。


うーーん、三重県あんまり反応よくないなぁ…………


町の感じは悪くないはずなのになぁ。


俺の場所選びが悪いのかな。


なんとかやりくりして進まないと。













翌日。






目が覚めると車の中にほんの少し熱がこもっていた。


春が近づいてきてだいぶ暖かくなってきたようだ。



もう寝るときにスキーウェアを着こまなくてもよくなったし、路上にもモコモコに着膨れしていくこともない。


夏になればまた路上ミュージシャンも増えてくるだろうな。





そんないい天気ではあるんだけど、オイル交換がまだ出来てないのであまり長距離は走れない。


今日も昼のうちはウダウダ曲作りに没頭するしか時間の使い道がない。




毎日毎日路上で歌って、空いた時間は練習、曲作り。


これだけやってもギターを嫌にならないから不思議だ。



もっともっと触りたい。


もっと上手くなりたい。


もっといい曲作りたい。



そしてもっと稼ぎたい……………




「津は官庁街やさかいなぁ、みんな真面目やねん。松坂行ったらええでぇ。松坂は遊び人が多いんや。」



昨日行った食堂『じんな』のママがそう言っていたのを思い出した。


よーし、今日は松坂の飲み屋街、愛宕町で歌ってみるか。









そうして夜まで時間を潰し、21時になってから松坂の飲み屋街である愛宕町にやってきた。


おー!!いい感じに賑わってるやん!!


メイン通りも裏路地も何本もあって、飲み屋の数も相当ある!!!


こりゃ雰囲気いいぞ!!!



はやる気持ちを押さえて慎重に場所を選び、頼むから苦情来ないでくれよと祈りながら気合いで路上スタート!!!









よっしゃー!!!


入る入る!!


入るぞおおおおおおおおおお!!!


応援してくれるスナックのママさんたち、みんなありがとう!!


この辺りで路上やってる人なんて他にはいないようで、みんなめっちゃフレンドリー!!!


向こうのほうで手相を見てる易者さんもニコニコ笑顔でウェルカム!!!


人がいなくなってきた深夜1時にはなんと22000円もいっていた。


やっと谷から這い出たぞ。







でもちょっと気になることも言われた。


スナック『キララ』で歌わせてもらったんだけど、そこのお客さんに色々助言をいただいた。



「おい!!兄ちゃん!!店で流すんやったらなぁ、ごめんやっしゃー!!えろうすんませんけど心の歌聞いてくれまへんやろか?って元気よくやって、喋りでも楽しませなあかんで!!芸人っちゅーのはそういうもんやぞ。」



確かに。


流しは娯楽。

楽しませてなんぼなんだよな。


歌うたって、「うまいね。」「どーも。」じゃ流しは勤まらん。



うーん、でも俺喋り苦手だよなぁ…………


ぺらぺら面白いこと喋れる人がうらやましいよ。




とにかく!!!


一気に懐あったまったぞーーーー!!!


これで明日はいいもん食えるうううううう!!!!












翌日。






昨日の稼ぎでやっとエンジンオイルとエレメントの交換ができた。


よーし、これで心おきなく走れるぞ。


こっから本格的に三重県攻略スタートだ。





自由に動けるようになり、まずは三重県北部の最大の見どころである鈴鹿にやってきた。


鈴鹿といえば世界的なモーターレースの開催地として日本中のファンの憧れの地。


しかしながら俺はまったく興味がない。


モータースポーツってマラソンと同じで変化があんまりないから面白くないんだよな。



とりあえず鈴鹿サーキット場に行ってみたが遊園地や温泉リゾート施設が併設してありパーキングが1000円、入園料1600円という謎の値段。


うん、もちろん入るわけない。


モータースポーツ好きには申し訳ないけど興味ない人間にはそんなもんだ。







今日はエンジンオイルを交換したりで時間を食ってしまって動き始めが遅かったのでこのへんにして、夜に松坂に戻って路上。



よーし、今日も稼ぐぞコノヤロウウウウウウウ!!!!!



と気合いで歌い始めると、いきなり足を止めてくれたおじさん!!!!


ありがとうございますうううううううう!!!と心を込めて歌ったら、まさかの1人目で1万円!!



キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!


いきなりイチマンエンンンンンンン!!!!!




「テレビ出てもこのこと忘れんなよ!」



永井総合建築のお2人、ありがとうございました!!!!


絶対忘れません!!!!!







その後も調子よく歌っていると、しばらくして約束していた時間に津の食堂『じんな』のママが、娘の彼氏さんと2人で聴きに来てくれた。



「ほい、これ差し入れ。」



日本酒が好きだ、とこの前言ったんだけど、わざわざ地酒『鉾杉』の純米を買ってきてくれたママ。


マジで優しすぎる……………



俺にできることなんて何もないので一生懸命歌で応えた。


11日連チャンで歌ってるのでさすがに喉がヤバいことになってきてるけど根性で歌う。


最近は連チャンしても喉がなるべく枯れないような歌いかたができるようになってきてる。


前は3日目くらいでカスカスになってたけど、最近では3日目くらいからいい声が出るようになってきてる。


やっぱりやればやるほど体はそれに順応するんだよな。









今日は人手がそんなになかったので24時に切り上げ、3人でラーメンを食べに行った。



「若い人見るとほんま応援したなるなぁ。」





美人で話も上手でとても優しいじんなのママ。


プリクラを見せてもらったが、娘2人とも今時ギャルでかわいらしい子たちだ。


今日のあがりは17000円。


金があると心に余裕が出る。











ママたちと別れ、この日も寝床を探して郊外のコンビニに向け走る。




車のいない夜中の国道。


道沿いに並んだチェーン店の看板がまばゆく光っている。




その時だった。


松坂の中心部から少し離れた道路を走っている時、道の脇にエレキギターのストラトがぶら下がってるお店を発見した。


お?なんだここ?


どうやらライブハウスらしく、すかさず駐車場に入った。






『マクサ』というこのお店。


こんなとこにライブハウスなんかあるんだ、と中に入ってみる。


木の柱、床板、ウッディな広い店内には2階席もあり、西部劇に出てきそうなアメリカンな雰囲気が漂っている。





どうやら今日もライブだったらしく出演者らしき人たちが店内で打ち上げをしていた。


それを横目にカウンターに座り、ビールを注文。


マネージャーという中村さんに話しかけた。




「へー、ギター弾きながら旅してるんですね。ちょうどよかった。明日アコースティックのライブがありますよ。」



「あ、そうなんですね、見てみたいです。」



「うん、1人、遠藤ミチロウさんタイプの弾き語りが出るよ。面白いから是非来てみるといいですよ。」




広い店内、本格的なステージと音響設備。


どうやらこの辺りではかなり有名なライブハウスらしく、全国区のミュージシャンも数多くここでライブしてきてるようだった。


なんかすごいとこに迷い込んだみたいだ。






それにしても、ここでもやはりこの名前を聞くことになるとは。



遠藤ミチロウ。



いつか交わる日が来るんだろうか。




リアルタイムの双子との日常はこちらから





スポンサーリンク



ブログのランキングというやつをやっています。
よかったらクリックして下さい。
クリックが投票の代わりになります。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 田舎暮らしへ
にほんブログ村



世界中のホテルが予約できるサイトです。
家族旅行もバッグパッカーも、ここから予約してくれたら僕にアレがアレなのでよろしくお願いします! ↓↓