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犬山城を見て愛知県終了!!








2006年2月18日 【愛知県】





朝から黙々と日記を書く。


ただやったことを記憶を辿って書くだけじゃなくて、訪れた場所のパンフレットとかを見ながら由緒や年表やらも細かく正確に記録していく。


おかげで1日分書き上げるのに2時間はかかる。


そんな感じで今日も動き始めたのは昼前だった。



はぁ……………この日記の呪縛から解き放たれたらどれだけ楽なことだろうなぁ。


そのぶん回れる観光地の数も増やすことができるし、この日記が弊害になってる部分は必ずある。




でも書き残すことでいつか今の旅を見返すことができるはず。


細かく書けば書くほど、あの時の感情や見たものをリアルに思い出せるはず。


せっかくこんなことやってるんだから、この日々を大切に残していかないとな。









昨日、夜にやってきた瀬戸の町に着いた。




瀬戸焼きといえば焼き物好きじゃなくても誰でも知ってる名前だよな。


焼き物のこと全般をセトモン、というくらい、日本の焼き物の代表格だ。


ここも常滑と同じように日本六古窯の1つ。










散策コースを歩きながら工房ギャラリーを探して回るがなかなか見つからず、無駄に時間を使ってしまいつつ、品野地区の品野陶磁器センターへ。


おー、あるある。


織部釉や志野釉の焼き物の数々。


スタッフさんに話を聞くと、焼き物の工房はここ品野地区、そして赤津地区に集まっているようで、おすすめの窯を教えていただいた。


いつの間にかもう17時。


ダッシュで赤津地区の霞仙陶苑にやってきた。





が、残念ながら滑り込みで閉店ガラガラ。


いつもなら無理言って開けてもらうところだが、話だけ訊いて何も買わないのはさすがに気がひける。



はぁ、瀬戸焼き、収穫なかったなぁ…………


今日1日、全然ちゃんと動けてなくて気が滅入る。


ダメだ……………






ほんとは今夜愛知県を出るつもりだったが、愛知にはまだ犬山城という一大名所があることを見落としていた。


今夜は一宮市あたりで歌おうかと行ってみるが、あー、飲み屋街小さすぎて歌えない。


結局今日も名古屋か。



さすがに何度も同じ場所でやってたらヤクザさんに連れていかれてしまうので、今夜は広小路通りを挟んだ住吉町に行ってみる。


人はそこそこ歩いている。


つーか名古屋、路駐すげすぎ。


道路に立ってる赤いスポンジのポール、あれをなぎ倒してまで止めてる車までいる。






頑張って歌ってみたものの、住吉町全然ダメ……………


通りを1本挟むだけでこんなに違うものか。


歩いているのは若者と外国人ばかりで、聴いてくれてもチップは置いていってくれない。


結局1000円でフィニッシュ。



土曜の夜に1000円…………………


終わってる………………







コンビニの駐車場に寝床を決め、車の中で『義侠』の古酒くさい力強い純米を飲みながら美香と電話で喋った。


でも喋ってるだけなのにケンカになる。


「え?知らんよ?」みたいなことを俺が言うといきなり不機嫌になり突っかかってきてさっさと電話を切りやがる。


何でそれくらいで怒るんだよ。



あー、我慢し合わないとやっていけない男女関係ってほんとに健全なのかな。



「ごめん、いつもケンカにもっていってるの私だね。反省します。じゃあおやすみ。ガチャプープープー…………」




口を挟む隙を一切与えず通話終了。



はぁ……………

でも頑張んないと……………


どんなにダメな1日でも、明日こそって思って頑張らないと。


少しでも明日をマシな1日にしよう。










翌日。








愛知県の最後に取っておいた犬山市に到着した。


どこにでもある小さな下町風情のある町中を通りすぎ、橋の手前を左に曲がると、小高い山の上に小ぢんまりとした城が見えた。


姫路、松本、彦根に並ぶ国宝四城の1つ、犬山城だ。






ドイツのライン川に似ていることから日本ラインと呼ばれ、夏の鵜飼い、船下りで有名な木曽川に映る、別名『白帝城』に到着。


城郭入り口には大きな神社があり、城門をくぐれば江戸時代にタイムスリップだ。





………………………………すげぇ。





…………………こりゃすげぇわ。






こんなすげぇ城初めて見た。


すぐ間近から見られるっていうのもあるのかな。



コンパクトだけど端整で重厚、歴史香る石垣と黒板壁。


まるで完璧な盆栽のように見事にまとまっている。



国宝に指定されるには復元や建て直しをしていない当時の姿であることが条件とされる。


戦国時代に数々の名将たちに使われていたという事実がめちゃくちゃ風格をプラスしている。


マジでしばし立ち尽くしてしまった。







500円払って城の中へ。





今も武将が使ってるんじゃないかってくらい時代劇そのまんまの姿を残しており、ほんとにタイムスリップ。



この廊下を秀吉が歩いていたのか……………


最上階は展望台になっており、恐ろしいほど安全性の低い手すりのせいで足が震える。


ここから当時はどんな風景が見られたんだろう。


時代はきっと変わってる。










この500円の券で文化資料館とからくり展示館も合わせて入ることができるというから素晴らしい。


城の門前はきれいに整備されており、城下町の雰囲気が色濃く残る。


そんな城下に、桃山期のものを得意とする甲冑工房なんてのがあり、見学させてもらった。





戦国時代の鎧は平安・鎌倉期のものに比べると地味なんだそうだ。

集団戦が主だったので機能性を重視していたかららしい。





からくり展示館ってなんだろ?って思いながら入ってみると、色んな古い人形が展示してあった。


この犬山には日本で唯一のからくり人形師の家系があるとのこと。


現当主は9代目の玉屋床兵衛さん。


1739年から続く由緒正しい家系だ。







展示館の中にはその実際の人形や歴史についての展示がしてある。


土曜、日曜は1日2回の実演があるらしいんだけど残念ながら今日の分はすでに終わっていた。



このからくり人形の最大の晴れ舞台は犬山祭り。


毎年4月の第1土曜日曜に行われるお祭りで、13輌の山車が町に出現する。


各山車ごとにお囃子に合わせからくり人形の演目が披露されるという伝統美溢れるお祭りだ。




からくり人形には2つのタイプがあり、紐で操るのとゼンマイで動くのとがある。


ゼンマイの方の仕掛けには鯨のヒゲが1番適してるんだって。



ていうか先入観で日本人形って怖いよな。


ましてそれが動くんだからおぞましい。


なんか勝手なイメージだけどからくり人形って華やかさよりも忌まわしさがあるような感じだ。

黒い歴史とかありそうだな。







よーし、この町はだいたいこんなもんかなぁともう一度パンフレットを見なおしてみると、もう1つ犬山にはすごい名所があった。


尾張の大茶匠、織田有楽斎が建てた国宝指定の茶室、有楽苑『如庵』だ。


現存する茶席三名席だと……………


こりゃ行くしかねぇ!!!





って見学料1000円!!!



高!!


無視!!!!!










清洲城や七宝焼きなど見たいものはまだあるが、もうこの辺で先へ進むことにした。


名古屋を背に木曽川、長良川を渡り、紀伊半島の入り口、三重県へ向けアクセルを踏む。



最近車の中で音楽をかけない。


ラジオもほとんど入れてない。


無音でいろいろ考えながら走っている。









和太鼓グループ『志多ら』の話を富良野の中田のおじさんに話してみたのは3日ほど前のことだった。


志多らに恩返しがしたいというのもあったけど、それよりもこんな素晴らしいグループがあるんですよってのをおじさんに話したところ、早速おじさんが動いてくれ、その幅広い人脈から倉本聰の拠点、演劇工場の事務局長さんや学校のPTA関係の人にかけあったりしてくれ、なんとか公演を作ろうと努力してくれている。


公演をするなら実行委員会を作らなきゃいけないから俺が委員長やるさ、とまで言ってくれた。


見ず知らずのグループのために。



「もちろんお前も来るんだべな?ハッハッハ!!冗談ダァ。」



い、いや…………やるとなったらそりゃ俺も行かないといけないよな……………


俺が紹介したんだし………………



ホント、富良野には絶対足向けて寝られないよ。






とにかく、これで『志多ら』の富良野公演がうまくいったら最高だな。

俺が火付け役になれたことがうれしいし、何より周りがそれによって満足してくれたらバンバンザイだ。



「文武っていつもそういう渦中にいるよね。」



電話で話すとそう言ってくれた美香。



そうだな、きっとずっと、俺はこういう渦を作り続けていくよ。

そうでなくちゃ人生面白くないよ。






夜の国道1号線。


ヘッドライトに浮かび上がる青看板に『四日市市街』の文字が見えた。


よっしゃ!!次の県だ!!




【愛知県編】


完!!!!!





リアルタイムの双子との日常はこちらから





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