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愛知県スタートは豊橋鬼祭りから!








2006年2月10日 【愛知県】





愛知県1発目の夜は豊橋市の路上で歌った。


人参湯という銭湯に入って飲み屋街で3時間ほど。



ほとんどチップが入らずげんなりしていた時に、お客さんに呼ばれて1軒流すことになりスナックへ入った。


口の悪い金髪ギャルとクソどうでもいい下世話な話をしながらイッキコールで大騒ぎしてるのを心の中氷くらい冷めながら顔に無理やり笑顔だけ作って手拍子する。


これの何が面白いんだろう。




最近のイッキコールは、



「ブユウデンブユウデン!!ブユウデンデンデデンデン!!レッツゴー!!」




恥ずかしくてこっちが赤面してしまう。







そんな感じで稼いだゆうべの5000円で、今日は色々とお買い物をした。



まずは観光情報誌の『るるぶ』を買って隅から隅まで目を通す。


愛知といえばB級グルメと戦国の歴史と焼き物というイメージ。


さぁ、どんな発見と出会いがあることやら。












今日はまず渥美半島を回ることにして早速出発。


半島の入り口あたりにある『BOSSラーメン』という店で腹ごしらえし、地図で見るとどう見てもチンチンの形しかしてない半島の先っぽを目指して走る。



天気もよく、暖かい風が心地よい。


ほとんど開発されていない南国ムードのビーチが横目に入る。


ビーチっていってもすごい汚いんだけど、そのほったらかし具合がまたいい。



ていうかこの半島、マジでチンチンやん。どう見ても。







そのチンチンの先っぽ部分に到達し、そこからぐるっと折り返し。


『渚』、『音風景』、『白砂青松』、『道』と4つの100選に選ばれている海岸、恋路ヵ浜の美しさにしばし見入りつつ海岸線を走り、夕方に豊橋に戻って来た。



なるべく色んな街で歌いたいので今日は蒲郡市あたりでやろうかと行ってみたが、小さな街で飲み屋街がさびしい。


こりゃ難しそうだなと車に戻り、結局この夜も豊橋で歌った。





いやー、最近歌いまくってるな。



16日間で13日も歌ってる。


いい調子だ。


どんどん自分を追い込んで、それが普通になって違和感を覚えなくなっていったら、またさらに追い込んでいく。


そうしてタフになっていけるはず。



今日のあがりは8000円。














翌日。








それにしても日記が毎日多すぎる!!!


2ページは普通に書くし、ホームページ用の打ちこみもやっているので、日々文字との格闘だ。


こりゃ目が悪くなるよ。




そんな感じで朝イチから3時間、日記ノートとにらめっこしてようやく行動スタート。


今日はこの日のためにルートと日程を調整していたとあるお祭りに行くぞ。









豊橋市内の安久美神戸神明社に着いたころには昼前になっており、すでに境内にはかなりの人だかりが出来あがっていた。



人垣の間からロープの中をのぞく。


お、いるいる。


不細工な格好をした赤い鬼がピョコタンぴょこたんと動き回っている。


国の重要無形民族文化財に指定されている豊橋鬼祭だ。







「わーーーーーーーーーーー!!!!!!!」



その瞬間だった。


鬼の回りにいた人たちが肩から提げた布袋の中から白い粉を一斉にまきちらし始めた!!


境内が白い煙に包まれ、歓声が響き渡る!!!




「うわーーーーーーーーー!!!!!!」



これはタンキリ飴というものを振舞っている行為なのだが、おかげで赤ちゃんからジジババ、ミニスカのギャルやスーツのおじさんまでみんな全身真っ白。


浴びれば浴びるほど夏病みしないということだが、知らずにお洒落してきていたらとんだ災難だ。














それからいくつかの神事が執り行われる。









歴史ある伝統的な行事だ。


とろ~りとろ~りと型どおりに進行していく。


中には居眠りしてる神官さんまでいる。



そんな中、どんどん増えていく見物客。


これからメインイベントの『からかい』が始まるのだ。






14時半くらいなり、神社の外からさっきの赤鬼が入ってきた。




相変わらずピョコタンピョコタンとかわいらしい動き。


そこに今度は武者姿の天狗が登場。


ナギナタを振りかざし、力強くキビキビと勇壮に動く天狗に、鬼は挑んだり逃げたりと、つかず離れずのやりとりがひたすら繰り返される。


最初は面白かったんだけど、さすがにしばらく見ているとみんな飽きてくる。












と、その時、にわかに鬼の動きが変わった。




いきなり境内の外に向かって走り出した。






「ワーーーーーーーーーーー!!!!!!」






またもやタンキリ!!




鳥居が粉で見えなくなるくらいまき散らかされ、もうみんな真っ白!!


髪の毛が白髪になり、口の中まで白くした子供たちが大興奮で走り回っている。


これがこの子たちの故郷のお祭りなんだなぁ。


いやー、いい祭り!!!









豊橋にはもう1つ気になるお祭りがある。


祇園祭ってのなんだけど、これの花火がただ事じゃない。


手筒花火といって、電信柱くらいの太さの長さ1メートルほどの筒を抱きかかえ、火をつける。


そして火薬に点火したら顔の真横でとんでもない火柱噴射!!っていう恐ろしい代物だ。



地面に置くんじゃないんだよ?

火柱噴き出してるのを抱き抱えてるんだよ?



写真を見ると、滝のように降りそそぐ火の粉の中でがっしりと腰を落とし、キリッ!と顔をひきしめている男の人の実演が写っているが、これがめちゃカッコイイ。


しかも最後には上に向かって火柱が出ていたのが、爆音とともに地面に向かって下に抜ける。


これをハネというらしくそれこそ全身火に包まれる。


もちろん火傷なんて当たり前。


だがそこで微動だにしないのが美しい形なんだそうだ。




三河武士は意地と勇猛と聞くが、それを象徴するような行事だな。


是非みたいところなのだが、残念ながら夏のお祭り。


でもいつか必ず見たいお祭りだ。









今夜は岡崎で歌うことにして、スーパー銭湯その名も『ふろ屋』に入り、東岡崎駅から少し離れたところに分布している飲み屋街に到着。


小雨がぱらついていたがなんとか軒下で歌っているとほどなく止み、チップも順調に入っていく。



プロダクションに売りこんでやる!!と意気揚揚のタクさん。

コーヒー買ってくれたお兄さん。


みんなありがとうございます!!







ずいぶんと暖かくなり、路上でももう指がかじかむようなこともなくなってきた。


車の中でも暖房はほとんどかけていない。

今日のあがりは14000円。



あー、凍てつく空気の中、ゴワゴワした防寒着を着込み暖房で体を温めていたこの前までの群馬がもはや懐かしいわ。


群馬寒かったよなぁ。





車に戻ってエンジンをかけ、寝床を探して街の中を走った。



稼げた後のこの真夜中のドライブが俺はとても好きだ。


脱力し、何も考えないですむ。




誰もいない寝静まった街。


さぁ、どこに行こうか。




リアルタイムの双子との日常はこちらから




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