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関東での最後のライブ







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2006年1月28日 【関東出発】





群馬県太田に戻ってきて、わんずほうむのドアを開けるとマスターが1人でひっくり返っていた。



「おー、金丸ー。明日やる?げっへっへええええ。」



わんずに来るといつもこれだ。


まぁでもやらせてもらえるならやらせてもらおう。






それからいつもの新島湯にやってきた。

今日も元気な春子お婆ちゃんが番台に座っている。






「あたしゃもう死にたいよ。わかるうちにねぇ。人に悲しんでもらえるうちにさぁ。」



春子お婆ちゃんはとても頭がいい。

お嬢さま育ちだから教養があり、上品でお洒落だ。


話していて楽しい。



「そうかい、もう下って行っちゃうのかいー。寂しくなるねぇ。死ぬ前にまた来るんだよ。」



俺がもうそろそろ関東を出発すると言うと、寂しそうな顔をしてくれる。


お婆ちゃん、どうかお達者で。










今夜は群馬県の西の端、桐生市で歌うことにして、1時間かけて到着すると町中にそこそこの繁華街が形成されていた。


早速路地裏でギターをかまえる。


んー、喉の調子はまだ微妙だ。



「よし!!兄ちゃん!!飲み行くぞ!!」



しばらく歌ってたところに現れた、酔っ払いおじさんに引っ張られてやってきたのはルーマニア人パブ。


女の子たち、きれいっちゃきれいなんだがフィリピーナのようなハングリーさがない。


というか日本人のお水よりもサービス精神がない。


隣に座って鼻歌うたいながらタバコ吸ってるだけ。


話しかけてもテキトーな返事をして、自分とこの言葉で女の子同士でぺちゃくちゃ。


何言ってるのかわからんと思って好き勝手言いまくってるんだろうな。


よくこれでお店がやっていけるもんだ。






つまんねーなー、と思っていると、突然店の音楽と照明が変わった。


一気に怪しげな雰囲気になり、店の中がざわついた。



な、何が始まるんだ!?





すると、店内中央にあるステージにきわどい格好の女の子が現れた。


始まったのはポールに体を絡めてのセクシーダンス。



あ!!

上脱いだ!!

おっぱい丸出し!!

スタイルすごくいい!!


えっ!!


女の子がおっぱい丸出しのままステージを降りてこっちに近づいてきた!!!!


うわー!!


なんだーーーー!!!!



なにされるんだああああああああああ!!!!!





すると俺の前まで来て手を差し出してきた。


見るとパンティーにお札が挟められている。


そういうことですか。


金ないよ、と言うと、急にヨソヨソしくなりツン!!と他の席に歩いていった。


まぁちょっとは驚いたけど、正直おっさんはあれ見て興奮するんだろうか?


あんなさらけ出してるもん見たって一切欲情しないよ。






その後もつまんないなと思いながら酒を飲んでいると、俺のことを連れてきてくれたおじさんが酔っ払って他の席の人に絡み始めた。


だいぶ酒癖の悪い人みたいだ。


このおじさん、どうやら実はお金を使い果たしていて、すっからかんでツケ飲みしようという魂胆らしい。


閉店の時間になって他のお客さんたちがゾロゾロ帰っていくのにおじさんは席を立つ気配なし。



こりゃやべぇな……………


でも俺が金払うのなんてまっぴらだ。




店員さんに話すとおじさんにちゃんと言っとくから大丈夫だよ、ということになりやっとこさ解放してもらえた。


深夜3時。



ふぅ、こんなんで何万も払わされてたら破産するとこだった。


あー、酔っ払ったわ…………



帰りに吉野家食べて車戻って寝た。





吉野家めっちゃ美味しい。










翌日。









「久しぶりー。」



太田の駅のホームから出てきたのは栃木の三味線職人、センジ君だった。


今日は俺の関東での最後のライブ。


もうしばらく会えなくなるからねということでわざわざ観にかけつけてくれたのだ。







相変わらず変わり者のセンジ君。


先日、知り合いの猟師さんに野生のウサギをいただき、1人でさばいて鍋にして食べたらしい。


うえっ…………って思うかもしれないが、三味線の皮は猫の皮。


つまり生き物の命を音にして生計を立てているセンジ君だからこその、命を尊重する行為だろう。


食べ物を残しまくって捨ててるやつは彼を批判することはできない。


人間が生きるということは他を殺すということだ。








センジ君と2人、まずはわんずほうむにやってきた。


タマキチさん、ミック林さん、石井さん、ゆうきちゃんと子供たち。


そしていつものように壊れ気味のマスター。


太田でお世話になった人はもっともっといるが、暖かいメンバーに囲まれて乾杯した。


ほんといい人たちばかりだった。








前橋『クールフール』には20時に出発すれば間に合うので、のんびりみんなとお喋りして過ごす。



そしてふと気づいた。



あっ!!!



20時に出発するんじゃなくて20時に向こうに着かなきゃいけないんだった!!



や、やべぇ!!!



「すんません!!僕先にやります!!」



慌ててステージに上がりダッシュで3曲やった。


みんなのライブを観ている時間はない。



「おう!!金丸!!元気でやれよ!!」



「出世してもまた絶対来いよ!!」



みんなに見送られ店を出ようとしていたら、そこにチカラさんが遅れてやってきた。


思えばチカラさんにこのわんずほうむに連れてきてもらったのが全ての始まりだった。



何回もステージに立たせてもらい、クールフールにも紹介してもらえた。


このわずか2ヶ月の間に数え切れないほどの弾き語りミュージシャンに出会えた。


刺激を受け、曲作りも進み、かなりのレベルアップが出来たと自分でも思う。


進むべき音楽性も前よりははっきりと見えるようになった。




ありがとう『わんずほうむ』。


わんずほうむと出会えたことで、俺もやっとミュージシャンとしてのスタートラインに立てた気がする。


本当に本当にありがとう。


ありがとうみんな!!










センジ君を乗せて前橋に向けてかっ飛ばしたんだけど、おかげでリハ入りに30分も遅刻。


ピアノ弾き語りの『キイコクッキー』さんはもう来ていた。

『白家』さんは仕事で遅くなるということ。


『マービー高山』さんは風邪でキャンセル。


んんん、どうなることやら。









そうしてライブが始まった。


1番手のステージが終わり、そして2番手で俺の出番だ。



去年のクリスマスイブにタマキチさんに言われた通り、ストラップを肩にかけマイクスタンドの前に立った。

















全ての演奏が終わったのは日付が変わった頃だった。


そこそこ歌えたと思う。


喉は少し枯れていたけど、出すもんは出せたかな。








みんなに挨拶し、クールフールを出たのが深夜2時半くらい。


明日仕事だってのにこんなに付き合ってくれたセンジ君、ありがとうね。


太田でセンジ君と別れ、俺はそれから力の続く限り407号線を南下した。



これで関東にとどまるミッションはほぼコンプリートした。


行きたかった三宅島や小笠原諸島は、やっぱり飛行機代がかかりすぎるので断念することにした。


この飛行機代を稼ごうと思ったらまだどれだけ関東に滞在しないといけないかわからない。


ただでさえ長かった関東生活。

今年でこの旅は終わる。


いや、終わらせないといけない。



続けようと思えば何年でも続けられるが、早く美香のところに戻りたい気持ちが強くなってきてる。



早く、一刻も早く、一歩でも多く前に進むぞ。





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