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俺の音楽に火をつけてくれた場所、わんずほうむとの出会い







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2005年11月25日 【関東後半 群馬県】






ここは標高1300mの深い山奥に湧いている草津温泉郷。


無理やり路駐かましてバスターミナルの中の温泉資料館でお勉強お勉強。





源頼朝が発見したと伝わる草津。


秀吉も大好きでよく訪れていたし、家康にいたっては湯を汲んではるか江戸城まで持って帰っていたという。


クソ遠い。

家臣からしたらマジ迷惑。




武田信玄なんかは戦の傷を癒すための湯治場にしていたが、侍たちのマナーが悪くて苦情が出たので3ヶ月間入湯禁止令を出したという逸話も残っている。


管理職として素晴らしい!!


お偉いさんから庶民まで分けへだれなく親しまれていた名湯だ。






昔から宿はたくさんあったが、内湯はほとんどなかったらしい。


入るのは共同浴場。

市内に16ヵ所もの無料共同浴場がある。


ホテルの立派な風呂もいいが、タオル1枚だけ持って外湯巡りってのが草津スタイル。


さぁ俺もギターとタオルを持っていざ湯畑へ出陣。











この湯畑。

木箱で温泉を引いているんだけど、一時期これを鉄製にしようという話があったらしい。





しかし湯が強酸性のためすぐに腐敗して穴が開いてしまうので、やっぱり今まで通り木製でいこうということに。


その後塩ビ管が開発され、さらに1970年に強力なポンプが開発され、高台にも湯を引っ張り上げることができるようになり、温泉街はどんどん拡大していったんだそう。


そんな中、この湯畑だけは昔のままの姿で残されており、かつての草津の古き良き時代を偲ばせてくれる。





時代が変わっても残していくものは残していく。


それが町の特性を活かした観光につながる。










そんな湯畑の広場の一角に人だかりのできている建物がある。


ここが草津名物の湯もみと踊りショーが見られる小屋。


シーズンによるが、だいたい30分ごとの1日4~5公演とのこと。


よーし、次の公演まで歌うぞ。










個性的なお風呂の入り方。












白旗の湯に入ってから、広場のベンチでツアーのジジババに向かってガンガン歌ってたら、髪を巻貝みたいに結わえた貫禄たっぷりの着物のおばさんが来て1000円を入れてくれた。



「がんばんな。」



「あ、あの、もしかして湯もみの方ですか?」



「そうだよ。観に来るのかい?来るならモギリのとこで野口の名前だしな。」



女将オーラを撒き散らしながら小屋の中に入っていったおばさん。


高倉健みたいな去り方やな。







もうしばらく歌って4000円ほどになったところで時間になり、ギターを片付けて小屋の受付にやってきた。



「あ、あの、さっき髪の毛が法螺貝みたいなおばさんに…………」



「あ、野口さんに聞いてますので。どうぞ。」



チケット無しで入れてもらえた。


やった、500円ういた。


法螺貝おばちゃんすげぇ。








芝居小屋のような造りの会場内は立ち見がでるほどの盛況振りだった。


中央に湯船があり、奥にステージ。


まずは湯もみが始まった。




6尺の板で湯を引っ掻き回して湯温を下げていく。



「チョイナーチョイナー♪」



どこか懐かしい唄に乗せて板を動かすおばちゃんたち。


だいぶショー要素が入ってるんだろうけど、昔の人たちも本当にこうやってお湯を冷ましていたのかと思うと、なんか朗らかな気分だ。







そして次に踊りのコーナー。


ステージに着物の人たちが出てきて舞の披露。


あ、中央にさっきの野口のおばさんがいる。


この温泉街の顔役なんだろうな。



最後に舞と湯もみが同時に披露されてこれで公演は終了。



「はい、ここで体験コーナーです。」



実際に観客に湯もみをやらせてくれるという時間もあり、やった人には粗品のタオルと表彰状が配られる。


早い者勝ち20名限定だ。



「やんなさい、ほら。」



野口のおばさんが俺を引っ張り出して板を渡してくれた。









音頭に合わせて湯を混ぜる。


野口のおばさん、きっとこの町で生まれ育ち、ずっとこの町の観光を支えてきたんだろうな。


ありがとうございました!!


また必ず草津に来ます!!











素敵な人に出会えて、温かい気持ちで草津は終了。


もうすぐ美香の誕生日だ。


機嫌をとるわけではないが、少しでも美香に見直してもらえればと、前橋の街まで戻ってきて見知らぬ街の中をプレゼントを探して走り回った。



もう19時。

店が閉まってしまうので大急ぎで走る。



「僕は走り、閉店間際、君の欲しがった椅子を買ったー。」


B’zの懐かしい歌を口ずさみながら走り、イトーヨーカドーを見つけ出し、パソコン仕事が多い美香に電動のマッサージ機を買った。


高い指輪とか買えなくてごめんな。











翌日。







寒さに震えて頑張ったおかげでゆうべの路上は18000円もいった。


だいぶ懐も暖かくなり、今日は草津に並ぶ群馬の2大名湯、伊香保温泉へ向かう。








榛名山のすそ野を登っていくと、どこの名所にもあるようなガラス美術館やオルゴール博物館なんかのありがちな施設が木々の間に点在し始めた。


しばらく行くと道沿いに茶屋が増え、立てられたいくつもの看板には『水沢うどん』、『ざるうどん』の文字。


この水沢うどんは、讃岐、稲庭に並ぶ日本3大うどんの1つとのこと。


うどん好きの俺には素通りできない場所だ。








というわけで水沢うどんの元祖という田丸屋へ。


中に入るとまるで高級旅館のような風格ある作りになっていて、土曜の昼時なのでもちろん空き待ちの大人気。


注文したのは盛りうどん。

840円。



1番安くて840円。



手コキでもついてんのか?






ざるに乗って出てきたうどんはツルツルピカピカ。


まずは何もつけずに食べてみる。


くにゅくにゅとまるでイカの刺身みたいな食感。



小麦粉のほどよい香りがふわりと鼻から抜ける。


なるほど、これだけでもうまい。





そして次に手間隙かけてますって感じの胡麻ダレで食べる。


うん、うまい。



シメに胡麻ダレに白湯をそそぎ飲み干す。


確かに美味しい。



しかし、天領うどんにかなううどんはこの世にないことを再確認。









水沢から山の上に登っていくとあの有名な伊香保温泉街に入ってきた。


旅館が増え始め、左手の斜面に建物が密集している。


無料パーキングに車をとめて旅館の隙間の階段を登っていく。




おおお、これが伊香保名物の石段か。


両側に喫茶店や土産屋、旅館がひしめいており風情満点。





この石段街が整ったのははるか昔、信長の時代なんだそう。


歴史ある温泉地だが、草津に比べれば全然こじんまりとしていて静かだ。


これはこれで情緒がある。














とりあえずてっぺんまで登り、紅葉を見ながら最奥にある共同露天風呂に行ってみた。


ここが伊香保のメインのお風呂ということだが、ここでは体は洗えないとお断りされてしまった。


この1週間まともに泡たてて体を洗ってないからさすがにそろそろ限界だよ……………








さっきの階段を降りていき、共同浴場の『石段の湯』に入り垢をきれいに洗い落とした。










33号線を渋川方面に下っていると、渋民焼きのギャラリーがあったのでちょっとのぞいてみる。


なかなかきれいな赤の陶器たち。

しかし、それよりもやたら目立っている、見覚えのある文字。



『釈迦の霊泉』



あ、これって水上温泉の近くにあった看板だ!!


どう考えても怪しいやんと思ってた看板だったのに、ここのギャラリーではいたるところに宣伝文句が掲げられており、さっきから係の人がお客さんに喋ってる内容も、どうやらそっちの話。




「現代の奇跡!釈迦の霊泉!」

「万病に効く奇跡の水!」

「学者も呆然!癌が消えた!」

「霊泉養毛剤、大ヒット!」




最後の養毛剤はさすがに言い過ぎなんじゃないかなぁ……………



とまぁ、様々な雑誌のコピーが並べられており、実際に病気が回復した人の感謝状も読んでくれとばかりに置いてある。


感謝状をまとめた本まで作ってる。





昭和32年、今井貴美子さんという女性がある田舎で神のお告げを聞き、言葉通りその地にボーリング工事を行ったところ、湯が湧いたそう。


それが釈迦の霊泉だ。


その後もお告げは続き、今井さんは迷える人を救うためにとにかく奔走。


釈迦の霊泉の効果で命を取りとめた人々にあがめられ、今井さん今では仏神会という宗教の教祖さま。


1週間の命ですと宣告された寝たきりの末期癌患者が、この霊泉に浸かり飲用したことであっという間に全快。


最近では医学に仕える医者までもが飲用しています!!なんて言ってて、まぁ嘘みたいな話のオンパレードだ。



飲むだけで癌が治るんなら世界中の重病患者がつめかけてるよな。



結局、信じる者は救われる、ってことだ。




ここの日帰り入浴は2000円。


宿もあるので湯治もできる。


普段は有料の飲用泉も、日帰り入浴した方はペットボトル1本だけ無料で汲んで帰れるとのこと。


これが宿泊なら飲み放題。



定例での宿泊客は教祖の今井さんのありがたいお話も聴くことができるそう。



が、そんな今井さん、最近体調が思わしくないらしく今はお話はやっていないらしい。



いや!!!効いてないやん!!!!











夜になり太田の街に戻ってきた。



「おー、金丸君ー!!元気!?」



「あれー!!戻ってきたんだー!!」



呼び込みのみんな、パブのねーちゃん、みんな元気だったかー!!


今夜は土曜の夜。

みんな気合入っている。


俺ももちろん気合いを入れてギターを鳴らす!!!








しばらく歌ってると、先週聴いてくれたインディーズで音楽やってるという兄さん、チカラさんがギターを抱えてやってきた。



「面白いとこ連れてってあげるよ。」



面白いとこ?

なんか怖いなと思いつつも、一旦ギターをしまってついて行ってみることにした。



このチカラさんのお誘いが、今後の俺の音楽に大きな影響を及ぼすことになるとは、まだこの時は思いもしなかったなぁ。







連れて行かれたのは、メイン通りから脇道に入った先にある、なんともゴチャゴチャと物に溢れかえったライブハウスだった。


名前は『わんずほうむ』。



店内に入るとさらにゴミゴミと物が散らかっていて、その一角にステージがある。


出演者のほとんどがギターの弾き語りというアコースティック専門の店らしい。



「よし、やろうか。」



いきなりステージで演奏しようと言うチカラさん。



え?いいの?


そんなラフな感じで?




戸惑いながらも全力で2曲やった。



「いいねぇ、君いいじゃん。明日やるかい?げはぁぁ。」



スキンヘッドでデロデロに酔っ払ってるマスター。


ヤクでもやってんのか?ってくらいヤバい顔でテンションもめちゃくちゃなんだけど、そんなマスターに気に入ってもらい、明日のライブに飛び入りさせてもらうことになった。


うーん、早く先に進みたいのもあるがこれも縁だ。


やらせてもらおう。






「ネットで契約して自分のプロモ流したりするんだよ。」



「CD作ってとにかくレーベルに送りまくらないとね。」



「売れるってのはねぇ、うまいとかハートがあるとか、そんなんじゃなくてどれだけ人脈もってるかってことだよ。」



インディーズでやってるチカラさんから音楽界で成り上がるためのハウツーを聞かせてもらう。


さすがにギターうまいなぁ。


俺もやっぱもうちょっとオブリの勉強せんといかんかなぁ。






ライブハウスを出て路上場所に戻り、夜中2時まで頑張った。

今日のあがりは7500円。



明日何歌おうかなぁ。





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