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阿仁マタギの里から能代へ







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2005年8月28日 【秋田県】





朝イチ、興奮の渦に包まれていたゆうべの花火会場を見に行ってみた。


たくさんの作業員さんたちが片付けやゴミの分別、特設席の解体を行っており、河川敷のいたるところに寄せ集められたゴミの山が出来上がっている。


どこでもそうだが、こういうでかいイベントの後には財布や貴重品が結構落ちており、大曲でも夜のうちに懐中電灯を持ってウロウロしている人がたくさんいるらしい。


ゆうべの興奮の残骸をその人たちが綺麗に持って帰り、祭りの余韻も去ってしまった。


夏の終わりの風が吹きぬける。








花火を満喫したら105号線で一気に北上。


先に大曲に行ったのでまだ県の北部をちゃんと見てないんだよな。

しっかり北から回っていくぞ。




秋田内陸縦貫鉄道という東北らしさを満喫できそうなローカル線と平行して山の中を走っていく。


小さな車両が山間の谷にかかる鉄橋を渡っていく姿は、鉄道マニアじゃなくてもワクワクする光景だ。


なんでも、ここの女車掌さんが最近ミリオネアに出たらしい。


秋田ではそれだけで有名人だ。







山奥にある阿仁町はマタギの里といわれている。


マタギとは狩人のことで、山での猟を生業にしている人たちのことだ。

阿仁マタギといえば猟の業界じゃブランドらしい。


マタギは北海道のアイヌ文化の名残りでもあるのかな。




そんなマタギの世界を勉強するべく、打当温泉にあるマタギ資料館へ行ってみた。


マタギは山に入る際にまず山の神にお祈りする。


この神様ってのが、まさかのチンチンとオコゼが大好きという最悪に醜い痴女らしく、おかげで嫉妬するからということで女は山に入れないし、山に入る前の晩は女の人を抱いてはいけないそう。


この地方の成人の儀式の際には、チンチンをマックスにして山の神と擬似セックスをしなきゃいかんという気合いの入った風習もあったそうだ。


恐怖!!!


成人なりたくねぇ!!!




一旦山に入れば普段の言葉は使えず、山言葉に切り替えるのが山に対する敬意。


「俗なものは持ち込んではならない」という山中他界観なる意識が存在するのだ。




「ショウブーーー!!!」



これは獲物をしとめた時の合図。


あと、熊の性器は乾燥させて砕いて粉末にして飲むと、性病の薬になるんだって。


どんな根拠?


風習がオリジナルすぎる。





マタギにも流派なんてものがあったようで、それぞれに秘伝書があり、それを持っていると山で藩境を越えても罰せられなかったらしい。


銃の扱いに長けていたことで戊辰戦争にかりだされたという記録もある。


そんな阿仁だけど、現在では本物のマタギはいないそう。


後世に伝統を残そうと組合を作って山に猟に入ったりしてるらしいが、あくまでそれは趣味の範囲で、マタギの「生きるための殺生」とは根本的に違うよな。


もうそんな生き方してる人は現代社会にはいないのかもな。





百名瀑の安の滝は遊歩道を往復1時間半も歩かないといけないのでパス。


阿仁合の駅で馬肉ソバを食べ、鷹巣町の道の駅で世界一でかい太鼓を見ようと思ったが入館料が高いのでやめといた。








そうして県央の深い山を駆け抜け、大館まで戻ってきた。

秋田犬と比内地鶏が有名だが、もうひとつ飴の町としても有名なこの大館。

冬に開催される『飴っこ祭り』では、通りに並ぶ出店でありとあらゆる飴を買うことができるらしい。




んー、写真がないから説明が難しいなぁ。

この辺りの人たち、ごめんなさい。







二ツ井町に、きみまち坂という素敵な場所があった。


明治天皇が旅行中にこの地でカミさんから『お体は大丈夫?』という手紙をもらったことから、恋文神社なるものが作られ、いつしかラブレターのメッカになったとのこと。


恋文コンテストなんてものもあり、歴代の入賞作品が展示してあり不覚にも感動してしまった。



80歳の婆さんが、結婚して2年で戦争で死んでしまった旦那に送ったラブレターには、「もう一度あなたのたくましい腕に抱かれたい」と書いてあった。


80歳のお婆さんが書いた手紙だぞ?


何十年も経ち、すべてが枯れ果てたような老人にも未だそんな瑞々しい恋心があるのかと思うと、うるっときた。


公園の中央に恋文ポストなんてもんもあって、ここから送った恋はよく実るというジンクスもあるようだ。







藤里町、湯ノ沢温泉にある日帰り湯で汗を流して、今日は能代の近くでストップ。


よーし、この調子でどんどん進むぞー。












翌日。







俺は今、桃源郷にいる。


山の中をどんどん進み、森を突っ切ったところに、手這坂という集落があった。


人は住んでいない。


わずか4軒の茅葺きの古民家の空き家がポツリポツリと佇んでいるのみ。


荒れた砂利道、ほったらかしの畑、川のせせらぎ。


江戸時代の紀行作家、菅江真澄が桃源郷と呼んだのだが、春になれば桃の花が咲き誇り、ささやかなこの集落を彩るという。


かつてはたくさんの人が住んでいたのかな。


こうして時代の流れの中で消えて行った集落が日本にいくつあることだろう。


どんな人が住み、どんなことに笑い、泣いたんだろう。


いつかここも道は消え、家は朽ち、木々が生え森になる。








能代市内の酒蔵『喜久水』の喜久水酒造にやってきた。


蔵自体は昔ながらの古い建物だが、自動製麹機やもろみを絞る遠心分離機など、随所に最新機器を導入している向上心に溢れた蔵だ。


一通り案内していただいた後で、蔵元の息子さん、喜一郎さんの運転で少し離れた山の中に連れて行ってもらう。


そこには小高い山を貫くJRの廃トンネルがあった。


ここがどうしたのかと思ったら、ほったらかされていたこの廃トンネルを喜久水酒造が山ごと買い取って貯蔵庫として活用しているんだそうだ。


年間を通して12℃前後で多湿、光が入らないという環境が貯蔵に適しているんだそう。


しかも電気代や維持費もタダ。








車の中で喜一郎さんから興味深い話を聞かせてもらった。



「3つのコップに水を入れて、そのコップに『バカ』、『ボケ』、『ありがとう』ってマジックで書くんです。すると、『バカ』、『ボケ』はすぐに腐るけど『ありがとう』はかなり長い期間腐らないでいるんですよ。面白いと思いません?次の造りの時、どんなに反対されてももろみタンクにありがとうって書いてやるんです。」



正直そんなスピリチュアルな話、にわかには信じがたい。


でもこの世の中には科学で解明できないことがたくさんあることも事実。


特に日本は神がかり的な奇跡に何かと期待する国。

神風とか。



蔵人の発する愛情さえも酒は酒質に反映させるのかな。


日本酒の神秘はまだまだ奥が深そうだわ。





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