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久しぶりの青森県







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2005年 8月12日 【青森県 後半】





ゆうべ、函館からのフェリーが大間港に着いたのは夜中の1時40分だった。


久しぶりの本州。


やっと戻ってきたぞ。


こっからはガンガン南下していくのみだ。








港で眠って朝8時に目を覚ましたら、早速攻略開始。


青森はまだ右半分とねぶたくらいしか回ってないので、残りをキッチリ見てから秋田に下っていくぞ。




ガソリンを1000円入れて残金が20円になってマジウケると思いながらやってきたのは仏ヶ浦。



流れ落ちる汗で体中をびしょびしょに濡らしながら森を抜けていくと、そこにはまるで芸術作品のような光景が広がっていた。










こ、こりゃすげぇ………………










凝灰岩の絶壁が長い年月をかけ波に侵食されて出来あがった黄泉の景観、仏ヵ浦。


浜辺に白くそそり立つ岩、アーチ型に穴の開いた岩、そんな不思議な空間を歩き回る。


穏やかな海は底が見えるほどに透き通っている。


長い下りの旅の出発点がこの極楽浄土か。


ここは本州青森県の果て、むつ半島の佐井村だ。























脇野沢村に入ると通りに提灯がぶら提げてある。


川内町でも、どの集落でもお祭りムード一色で、いたるところで太鼓を叩いていたりねぶたを曳いている光景を目にする。


そうか、今はお盆か。


恐山のあるこのむつ半島。


どこからか聞こえる純日本的な祭囃子が、ここがもう北海道じゃないんだって実感させてくれる。












快調に車を走らせ、1年ぶりのむつ市にやってきた。


あー、汗ドロドロなので銭湯行って今日1食目のカップラーメン食べようかなー、って20円じゃなにも買えなーーーーい!!!!


貧しいよおおおおおおおおお!!!!


それでも路上に出るからには綺麗にして行きたい。


車のハンドルの横の小銭入れから10円玉と5円玉と1円をかき集めて銭湯へ。


さぁ、これで本当の無一文。


今夜稼げなかったら明日はメシ抜きだ。







といっても、まぁ0円の夜なんてそうないもんだ。


喉の調子もそこそこで6000円ほど入り一安心。



するとそこに1年前一緒に飲んだ、バー『Dio』の店長、ニキ君がやってきた。



うおおおおおおお!!!


ニキ君久しぶりいいいいいいいい!!!



それからしばらくして今度は、この前東京までヒッチハイクした時にむつから八戸まで乗せてくれた日本酒大好き鈴木さんがお友達と一緒に登場!!


あの時車の中で日本酒について盛り上がったんだけど、鈴木さんそれを覚えてくれていてわざわざ青森のレアな地酒を持ってきてくれた。


『田酒』の原酒と生原酒。


早速路上で乾杯!!!


うめえええええええ!!!!

田酒意外とさっぱりいいいいいい!!!







そんなこんなでなんとか8000円ほどになり、路上を切り上げて鈴木さんとお友達さんと3人で『Dio』に行って改めて乾杯。


色々楽しくお喋りし、飲んだくれて店を出たころには朝の3時を回っていた。






懐かしい町の風景がじんわりと胸にしみてくる。


これからはこうやって自分の足跡をたどる旅でもある。


また来いよ!!と言われ、必ず!!と答えてきたこれまでの北上の旅。


今度は日本海側を下ることになるので同じ道を通ることはないんだけど、それでもできる限りお世話になった人に会いにいけたらいいな。



太平洋側で交わしたたくさんの再会の約束。


ここから日本海側でもたくさんの人たちと約束したい。



さぁ、本州制覇まであと半分だ。












翌日。





本州には歴史がある。





ただの名もない町ひとつとっても、北海道では歴史的建造物になるような古民家や倉がごろごろある。


草むらに建つボロボロの鳥居、忘れ去られたロマンが足を引っ張る。





むつ市から北上し尻屋崎にやってきた。


やっぱり岬はいい。


端まで来たという達成感と空虚感の入り混じった潮風がとても心地いい。



車を降りると、寒立馬と呼ばれる巨大で骨太な馬が何頭も駐車場をうろついていた。





人が近づいても気にも留めずに草をむしゃむしゃ食べたりうんこしたりしている。


農耕馬だったのかひづめが大きく馬力がありそうだ。


鼻先の柔らかいところをムニムニ触りまくって車に戻った。








東通村、六ヶ所村の海岸沿いをひたすら南下していく。


ぽつぽつと寂しげな集落が灰色の空の下で佇んでいる。


よくこんな取り残されたような場所に人が暮らしているもんだ。




そうして、1年前にだいぶお世話になった大好きな三沢の町までやってきた。


市内にある岡三沢温泉は250円と相変わらずめちゃくちゃ安い。


いつもの市役所の駐車場に車をとめ、慣れ親しんだネオン街を歩いていつもの場所で路上開始!!




三沢は米軍基地と自衛隊のある町なので外人さんがわんさか歩いている。


戦後すぐに基地が置かれ、ベトナム戦争時代は基地の目の前にあるライブハウスや路上で1日中ヒッピーたちが反戦ライブで盛り上がっていたという。


その時代に君にも歌ってもらいたかったよと話してくれたおじさんに、『Have you ever seen the rain』を歌うととても喜んでくれた。



やっぱり三沢最高だ!!


久々の大台2万4千円までいき一気に大富豪に。


これでしばらくはカップラーメンともおさらばだ!!





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