2005年 8月11日 【北海道一周】
函館にはハセガワストアというコンビニがある。
そして函館の人はみんな口を揃えて言う。
「ハセガワストアのやきとり弁当はうまい。」
たかがコンビニの弁当なのだが、立派な名物の1つだという。
風の噂で上磯店が1番うまいと聞いていたので、車を走らせてお店に着き、店内で注文して5分くらいで噂のやきとり弁当をゲット。
中が500円で、シオ、タレ、シオダレの3種類から味を選べる。
どんなのだろうと思ったら名前のまんま、ご飯の上に焼き鳥が乗っかってるだけ。
しかも函館も室蘭と同じく焼き鳥というくせに豚肉。
味は……………うん、普通。
函館観光のメイン、元町にやってきた。
1859年、鎖国が解け、長崎・横浜とともに外国船に対し開港された町、函館。
待ってましたと押し寄せる各国の商船や漁船により西洋文化がなだれ込み、異国情緒溢れる景観が出来上がった。
この元町はそんな函館を代表する名所だ。
函館山の麓に広がる石畳の坂の町、元町。
明治期に建てられた教会群が、函館が日本で最初に開かれた港の1つだということを実感させる。
教会の中でじっとイエスの像を見上げてみた。
キリスト教ってすごいよなぁ。
マジで死後のことを考えてるんだよな。
この神聖な夢の中のような不思議な空間。
なぜか心休まる。
元町の坂で1番景色のいい基坂から港を見渡し、それから赤レンガ倉庫群へ。
この赤レンガ倉庫も外国人たちが闊歩していた往時を偲ばせる。
今はショッピングモールとして利用され、たくさんの観光客で賑わっていた。
さてさて、お昼ごはんはやっぱりラーメンだよな。
札幌ミソ、旭川しょうゆは食べた。
あとは函館塩ラーメンってことで、函館ラーメンの代名詞『あじさい』へ。
うん、普通。
やっぱ千石食堂のミソラーメンが1番うまかったな。
立待岬、碧血碑、あーーー!!!!石川啄木の墓、外国人墓地、土方歳三最期の地、サブちゃん記念館、グレイミュージアム!!!!
行くとこありすぎ!!!!
函館の観光地クオリティ高い!!!
まだまだ見所はたくさんあるが、でももう俺の胸は本州への想いでいっぱいだ。
もう行こう。
進もう。
前のめりで先に向かおう。
北海道探検、満足はしていないが後悔もしていない。
フェリー代は何とか足りそうだった。
金のことはあまり考えず北海道最後の路上へ五稜郭の飲み屋街へ。
「フミー!!来たよー!!」
おお!!マジかよ!!
ナナとリエだ!!
今日で北海道を出ることを連絡していたのだが、ほんとに来てくれるなんて。
「ラストに気合い入れていくべさ!!」
この前行ったボーイズバーで1杯引っかけてからフェリー乗り場へ。
ターミナルで12500円のチケットを買う。
「すごいね…………ナナ北海道の外に出たことないからフェリーなんておっかなくて絶対乗れないよ。」
マイクロミニに腹出しキャミソール。
長い長い北海道の最後の見送り人がこんなギャルなんてな。
バシュン!!
岸壁に繋いでたぶっといロープが緩められた。
「フミー!元気でねー!」
轟音を立てながら動き始めたフェリー。
少しづつ、少しづつ陸が遠のいていく。
おい、まだ見えてるから、という距離でさっさと車に戻っていくナナとリエ。
2人ともありがとうな。
函館名物のイカ漁船の漁火の合い間を縫ってフェリーは勢いを増していく。
遠く陸地に町の光が見える。
あれは松前の灯りか。
江戸時代の人たちもこうやって津軽海峡を渡っていたのか。
人間の住むところじゃない。
そう脅かされ続けた北海道でほぼ1年。
数え切れない出会いと触れ合い。
美しく、厳しい大自然。
今なら容易に北海道の形を頭に描ける。
歴史や開拓の苦労を知ったから、富良野や道東の町がいかに辺境の地だったかということがわかる。
富良野のみんなの顔が浮かぶ。
みんなの笑顔が大きな大きな勇気になった。
支えてくれる人がいるからこうやって歩いていける。
きっとこれからもたくさんの人たちに道を尋ねるだろうな。
人と触れ合うことこそ人生の最大の喜びなんじゃないかって、素直に思えた。
船のへ先が闇を切り裂く。
旅の5分の3が終わった。
そう考えるとあっという間に終わってしまいそうだな。
しかしこれからさらにすごい出来事が待ち受けているはず。
そうじゃなきゃ旅を続ける意味なんてない。
土産にもらったサイコロ2つ、手の中で振ればまた振り出しだ。
2等客室に戻って日記を書いた。
あー、日記めんどくせぇ。
【北海道一周編】
完!!!!!
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