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中田のおばちゃんがくれた貯金箱







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2005年 6月 【富良野旅人バス】





「おう、これ使いな。」



地主の佐藤さんが持ってきてくれたのは、ものすごく立派な天然木の一枚板だった。


すごい!!!!


木目も皮もすごくいい感じ!!!!


こんないい板、最高だ!!!!






それを山田親方のところに持っていき、電動カンナで面を取り、中田さんの家にやってきた。




「ヒロちゃん、お願いがあるんですが。」



「えー、なにー、怖いー。」



「これに文字書いてくれない?」




そう、この板は旅人バスの前に掲げる看板。


実はヒロちゃんは全国でも何位とかに入賞するような習字の達人で、草書でわけわからんお経みたいなのを書くような腕前だ。




「ええええええーーーー!!!私そんなの無理しょーーーー!!!怖いよおおおおおーー!!!」



「お願いします先生!!!!」




ブーブー言いながらも、書き始めるともうすごい。


さすがのダイナミックな文字で、看板を書き上げてくれた。


ヒロちゃんありがとう!!!



















次の日にそいつをバスに持って行き、道路の入り口のところに鉄パイプを打ち込んで取り付けた。



『旅人情報交換所』






うわああああああ……………


めっちゃカッコいいやん……………


なにこの秘密基地感……………



ワクワクが止まらんよ。


こんな場所に泊まりたかったっていう、理想通りのものができたよ。









看板を立てたら、今度は電気を引く作業をした。


俺の構想では電気は要らないだろうと思っていたんだけど、佐藤さんがそりゃ不便だから電気は引いてやれ、裏の小屋から引っ張ればいいからと言ってくれた。
 


というわけで1人で裏の小屋から電線を分岐させてバスに引っ張った。


こんな電線繋ぐ作業なんてもちろんやったことないので結構苦戦する。



んんん…………こんな時、もともと電気屋のユウキがいてくれたら……………



ショートして電球が爆発しねぇかビビリながらビニールテープを入念に巻きつけていく。





恐る恐るスイッチを入れるとパッと電球が光った。


見事通電。



うーん、『北の国から』さながらだ。









最後にもうひとつ、大事な仕事が残っている。



雑品屋さんからもらってきた、おしぼりを温めるタオルウォーマーの箱。


こいつの上にサンダーで穴を開け、鍵を取りつけ、バスの中に打ちつけた。


これは寄付金ボックス。


このバスを利用した人たちにお気持ちを入れてもらい、それを佐藤さんの収入にしてもらう。


もちろん全部。


俺は1円もとらない。


ここで利益を出そうなんて1ミリも思っていない。


快くバスと土地を提供してくれた佐藤さんのために、少しでも役に立ってもらえたらそれでいい。





ここにかかる費用は電気代と、あとはトイレの汲み取り費用だ。


そんな大した金額ではないはずなので、寄付金で賄えるはず。


あとはどれだけみんなが入れてくれるかだよな…………




ボックスの上に、この前の中心メンバーでバーベキューをした時に撮った写真を引き伸ばして貼りつけた。







これで全ての作業が完了。


とうとうバス完成。


長かった……………


あの真冬の極寒の中、夜中まで小さなストーブつけて作業した日々が蘇る。


逃げ出したり、放り出したりなんて絶対にできないものが俺の人生にひとつ出来た。


これからしっかりと全うしないとな。





新プリ時代の仲間のみゆきさんとホシダさんがバスに来てメッセージを書いてくれた。










これが記念すべき1発目のメッセージ。


これから、バスの中は色んな旅人たちの珠玉の旅情報で埋め尽くされていくはず。


みんなの旅が、ここで得た情報によってより実りあるものになることを祈って。

















このところずーーーーーっとバスのことしかやってなくて忘れかけてるけど、実は俺は旅人。


バスが完成したら動き始めるぞって決めててだいぶ出発が遅くなってしまった。



よし!!!!

やっと旅を再開できる!!!!




といっても今回はまだ行ってない道東と道北を攻めて、また南下する前に富良野には戻ってくるんだけどね。



とりあえず中田さんちに挨拶へ。


また戻ってくるねーと簡単な挨拶だけして車に乗り込んだ。



「あ、文武ー。これ持ってきな。熊に食べられないようにねー。」



するとおばちゃんがなにやら袋を差し出してきた。


窓から受け取ると、ズシリとなにやら重たい袋。







車を走らせ、おばちゃんの姿が見えなくなってから袋を開けてみた。


手紙が入ってる。



『文武君がうちに来る度に1枚づつ貯めておきました。何かあったら使ってね。』



そこには2つの貯金箱。


中にはどちらも山のような500円玉が入っていた。



車内灯に照らされる中、その貯金箱をずっと見ていた。




【富良野旅人バス編】









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