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富良野でアスパラを収穫するバイト







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2005年 4月 【富良野アスパラ収穫】





朝起きたら作業着に身を包んだ。


もう朝シャワー浴びて髪の毛をムースでなでつける必要もない。



今日から農家さんのバイトが始まる。







鳥沼公園の近く、広大な畑の中を碁盤目のように張り巡らされた道をトコトコ進んでいく。


右手に十勝連山、左手に芦別岳の雄々しい姿。


少し前まで一面の白だったのが、ところどころに土がのぞいて、ああもう冬が終わったんだなと少し寂しくなる。








そんな田園風景の中にある北さんの家に到着した。


北さんは富良野の市議会議員さんで、本業は農家さんをやっている。


この時期はアスパラの収穫が忙しくて人手が必要だったようで、中田のおじさんの紹介で働かせてもらえることになったというわけだ。


車の車検や、これからの旅の費用、お金はもう少し稼がないといけないし、旅人バスもまだ完成していない。


富良野での生活はもう少し続く。










富良野には農業ヘルパーというものがある。


全国から農業体験がしたくてやってきた人たちがひとつのアパートみたいな建物で共同生活をしており、市内の各農家さんが、今日2人欲しい、今日3人欲しい、みたいな感じでそこから人手を派遣してもらうというシステム。

農業専門の人材派遣だ。


富良野は人気の観光地だし、農業も盛んなので、都会から夢を描いてやってくる若者たちがここに入り、ヘルパーさんとして働いている。



この日もそんなヘルパーさんが2人来ており、俺と、あと北さん夫婦とで作業を開始した。






ビニールハウスのひとつに入ると、地面からニョキニョキと緑色のキュウリみたいなやつが生えている。


8列に並んではるか向こうまで続いており、とんでもない数だ。

そんなビニールハウスが7棟ある。



これがアスパラガスか。




「はいー、これ刈り取っていってねー。短いの切ったらダメだからねー。」



25センチ以上伸びてるやつしか刈ったらダメらしい。


そんなのひと目で判断できんぞ?と思ってたら、手渡された鎌の柄の部分に25センチのメモリがふってあった。


なるほど。


よーし、頑張るぞ。














30分後。









これキツい!!!!


常に前かがみの状態で作業するから腰が痛すぎる!!!


しかもハウス内は27℃なので半袖で汗がボタボタ流れ落ちる。



そんなキツい環境なのに、北さんの奥さん仕事早すぎてビビる。


気合いでフルスピードでやるんだけど、俺が1列終わるころに2列終わってる。


農家さんってすげええええ…………





そしてこれが1本1本お金になるんだもんなぁ…………


やったらやったぶんだけ。


そこらへんの時間の切り売りの仕事とは大違いだ。











次に、収穫したアスパラをプレハブ小屋の中に持っていって選別する作業。




長さ、重さ、太さ、本数で分けて束にしていく。


これが1束だいたい250円。


40束で1箱だから1万円か。





5人で黙々と作業して、7棟全部を回ってこの日だけで20箱詰め込んだ。


1日で20万。


これが明日になればまたグングン伸びているので、ひたすら刈りまくるということになる。


1ヶ月くらい毎日とめどなく生えまくってくるんだそうだ。



ここだけ見るとすごい儲けだなと思ってしまうけど、植えて、手入れして、長い長い工程があってやっとここまで来てるんだよなぁ。

農家さんって根性すごいわ。








バイトを終えて山部の家に帰り、今度のライブに向けての選曲をしていると、美香からメールが来た。


返事をすると返信があり、2、3度やりとりをした。


付き合い始めのころのようなぎこちない文章。


液晶の角ばった文字でも、美香の表情が手にとるようにわかる。


1時になって電気を消すと、今日という日の時間の早さを感じてしまい、やり残したことが多すぎるような気がして心が落ち着かない。


それでも体の疲れが眠りに誘ってくれた。

















毎日、アスパラを収穫する日々。


青い空に雪をかぶった十勝連山がそびえ、大地には一面の畑が広がる。


春になって雪も少しずつ溶けていき、土の茶色と雪の白の割合が同じくらいになってきた。


まだ肌寒さはあるけど、心地いい風が吹き渡る。





曲がったり先が欠けたりしてるアスパラは俺たちが持って帰っていいことになってて、それを持って千石食堂にご飯を食べに行く。



「おおー!!ありがとうなー!!」



まだ富良野では青物が出回っていなくて喜んでくれるおじちゃん。


いつもの味噌ラーメンを食べて代金を払おうとすると受け取ってくれない。



「いいよいいよ!!アスパラもらったから!!今スーパーで買おうと思ったら高いからー。ウチはこういう新鮮な差し入れでもってるような店だからな!!あっはっは!!」



それから中田さんやお世話になってる人たちにもアスパラを配って回った。



「もうそんな季節なんだね。」



みんなが喜んでくれて嬉しかった。






























新プリの冬季社員の合同慰労会に行ったり、久しぶりに茶髪にしたり、次のゆうふれ音楽祭の打ち合わせに行ったり、ヒロちゃんの高校の入学式に出席したり、



慌ただしく過ぎていく4月。





そんな中、ユウキが1人で道北に向けて出発していった。


このところ、富良野でお世話になった人から譲ってもらった古いバイクをコツコツと修理していたユウキ。


ようやく修理も終わり、これで富良野を出発する準備が整ったわけだけど、まずは北海道を出る前に日本最北端の宗谷岬に行ってから宮崎に向かうことにした。


まだ雪の残る北海道なので、バイクで走ってる人なんて全然いないんだけど、だからこそ行って雪の最北端を制覇してやると、勇んで出発していった。






ユウキのいない山部ハウス。


1人で片付けして、ストーブつけて、んんー、やっぱり1人になると寂しいな。


下ネタ叫んでも笑ってくれる人がいない。


ユウキ、無事に帰って来れるといいけどな。









あんまり寂しいから中田さんの家に行った。


おばちゃんの暖かい笑顔に耐えきれなくなり、とうとう美香とのことを話した。



「なーーーんだそんなことーーー。大丈夫大丈夫!!美香ちゃんは文武のこと本当に好きなんだからぁー。そんなことで落ち込んでたのかい?文武も可愛いもんだぁ。はっはっはー。」



やっぱり自分より長く生きてる人は色んなことを経験してるし、色んなことを知ってる。



おばちゃんに話してだいぶ気持ちが楽になった。








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