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プールで美人のお客さんに死ぬほど誘惑された話







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2005年 1月1日 【富良野新プリバイト】




元日。




元日早々プールの監視員。



泳いでる人たちをボーーーっと眺める。



正月なんだからどうせ暇だろうと思っていたら意外とお客さん来るんだな。


富良野は有名な観光地なので正月旅行でたくさんの人がホテルに泊まっている。


毎年正月にだけ来るVIPのお客さんもいたりする。







それでもやっぱり暇は暇なのでお客さんがいない時に本を読んで、三浦綾子の泥流地帯を読了。


猿の惑星並みに衝撃的なラストだった。


これって事実なんだよなぁ。

中田さんたちは昭和37年の十勝岳の噴火しか知らない。


詳しくは聞いてないけど灰が降ったくらいで大したことはなかったそうだ。


それに比べ大正15年の噴火では、山に積もっていた雪が一瞬にして溶け、木や岩を含んだ泥流となり、山麓の集落をすごい勢いで飲み込み、上富良野町の市街地の寸前まで泥に埋まったんだそうだ。


ホントにたくさんの人が死んでしまったとのこと。


苦難の開拓の歴史をもっと知らないとな。









と、衝撃のラストに呆然としていると、その衝撃を打ち消すような人がプールにやってきた。




ぬおう!!!!




スタイル抜群のすごい美人!!!


芸能人でいったらさとう珠緒みたいな感じ!!!


しかもめっちゃ巨乳!!!!!



おおお、やばー…………と思いながらも変な目で見てたらまずいので平静を装う。



するとその美人さん、プールサイドのイスに座っている俺の前に泳いできて話しかけてきた。



「お兄さんいくつぅ?」



「夢ってなぁに?」




え?ええ………?


な、なに?


なんでそんなこと聞くの?




なんかわからんけどとりあえず丁寧に答える。




「へぇ!!すごいねぇ。かっこいいねぇぇ。」



なんだこの人?


やたらと俺のこと褒めまくってくる。



しかもその巨乳をプールの端に乗っけながら。



めっちゃパイ乗せ。



くそ!!


新年早々、誰かの罠か!!




その後もずっと俺の前で話しかけてくるんだけど、ヘタなこと言ってプールの監視員にナンパされたなんて言われたら大変なことになる。


1時間くらい誘惑するだけして、珠緒はクネクネと帰っていった。



おかげで1日中悶々としながら椅子に座ってた。



元日からついてるのかついてないのか…………


泥流地帯の余韻より巨乳の余韻のほうがでかいわ…………







巨乳やべええええええ!!!








そんな感じで忙しい正月が終わり、バイトの休みの日に今年1回目の旅人バスの作業に向かった。


床に張るベニヤやベンチの寸法を拾い出しに行ったのだが、もうそれどころではなかった。


いつもの空き地に来てみたらマジでバスが完璧に雪に埋まっていた。





道路は除雪車によって雪ハネされているんだけど、その吹き飛ばした雪が道路脇に積もって腰の高さの壁が完成している。


ウソ、マジかよ…………と思いつつも、なんとなくちょっとウキウキしながらスコップを入れる。








1時間後、ようやく道路からバスの入り口まで溝堀りを終え、中に入りスケールで幅を測っていると、佐藤さんとこの猫がニャーニャー言いながら足に擦り寄ってきた。


こいつ、これからここに泊まる旅人たちの人気者になるだろうな。

いじめられなければいいけど。









ある程度作業をしたらいつもの千石食堂で大好きな味噌ラーメンを食べ、それから総島さんのところに行った。


この前新しいファントム号で走ってる時のこと。


フロントガラスがガリガリに凍っているので温風をかけながら走っていると、いきなりピシッ!!という音がしてフロントガラスに亀裂が入ってしまった。


ほんの小さな傷があるのは分かってたけど、まさか割れてしまうなんて。


さらに別の日にはユウキが運転しててタイヤ脱輪させてショックっていう部分が折れてしまったりもしている。



はあああ…………また修理代がかさむ…………



「おう!!これか。まぁ中古の安いの探してやる。ホントに、お金持ちさんのお客さんだから困っちまうわ!!お金持ちだからよ!!ガッハッハッハ!!!」



相変わらず豪快に笑う総島さん。

頼りになる車屋さんだ。



「俺が18で札幌の整備工場に入社した時はな、朝8時から夜中の1時まで毎日働かされたもんよ。風呂なんか入る時間もねぇから月に3回くらいしか銭湯に行けなかった。あまりにも汚ねぇから他のお客さんがいる時は行けないんだよ。シャンプーなんか3回やってもまだ黒い水が流れてたからな。休みは月に2回。それで月給1万円だ。なんやかんや引いたらお小遣いなんて2000円ぽっちしかなかった。そーゆー時代だったんだ。それを経験してきてるからな、だからイマドキの若いやつは甘いって言えるんだよ。ガッハッハッハ!!!」




プルル………プルル………



ガチャ




「はい、総島でした。おう!!毎度さん!!」




かかってきた電話に出る総島さん。


富良野の人は電話の一言目になぜか、~~でした、という。


んー、それにしても総島さんの話を聞いて喝が入った。


こんくらいの忙しさで目を回してたらダメだよな。



ていうか一言目が過去形ってどういうこと!?











それからフクシカメラに行き、デジカメのデータをCD-Rに焼く。


この前おばちゃんがマフラーをプレゼントしてくれたからそれを巻いて行ったらすごく喜んでくれた。






すぐに今度は山田親方のところにバスの相談へ。


大工仲間さんたちとお酒を飲んでるところにお邪魔すると、酔っ払ったバイク好きのおじさんが、



「なんだ音楽やってるのか!?よし!!歌え!!今歌えって言われてアカペラですぐ歌えないようなら音楽なんかやめちまえ!!プロになりたいんなら歌え!!」



と強めに絡んできた。


いや、なんなんだよあんた、なんでいきなりそんなこと喧嘩腰で言われなきゃいけねぇんだよ。


せっかく楽しく飲んでたのにいきなり1人がそんなことを言い出して、まぁまぁ、文武のペースがあるんだから、となだめてくれる山田親方。



「メジャーデビューしたいんだろが!!」



「いや、別にメジャーになりたくてやってるわけじゃないんで。」



「いーや!!音楽やってるんならメジャーデビューしなきゃ意味がない!!!」



うっとおしいわぁ…………



あんたバイク好きなんだよな?

じゃあ全員がプロのレーサー目指してるのか?

気の合う仲間と自由に走る、それが楽しくて乗ってる人もいるだろう。


それなのにいきなり、レーサーなる気がないならバイク乗るな!!とか言われたら普通にキレるやろ。


音楽やってるとマジでこの、「プロにならないならやめろ論」をカマしてくる人がめっちゃ多い。


めっちゃ上から目線で説教っぽく言ってくる。




そりゃもちろん演奏の腕は上げたい。

上げる気がないなら路上でお金もらう資格はない。


でもメジャーでやらなくてもいい音楽やってる人はたくさんいる。









クソムカついたけど酔っ払いなのでテキトーに流して山田親方に相談を終えると、さらに次は山部のチェリーへ。


島さんがまた俺のイベントを考えてくれてるみたいで、次はワンマンでなんかやろうと言ってくれた。


ありがたい。






富良野での知り合いもだいぶ増えた。


みんながみんな、俺たちのことを気にかけてくれ、優しく接してくれる。


こんな九州の端っこから来たよそものを町の一員として扱ってくれてる。


こんなにたくさんの人たちに囲まれて暮らした町が地元以外で他にあったかな。



大切にしないと。


人も、自分の道も。









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