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山部仮装盆踊り大会に変態が出場







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2004年 8月20日




大の字で寝たのなんていつぶりだっただろう。


めちゃくちゃ広い部屋なのでどんな方向に布団を敷いても足を伸ばせる。



ものすごく久しぶりの車中泊じゃない睡眠。


しかも肌寒いくらいなのですごく快適に眠れた。



あああ、東北の車中泊、暑かったよなぁ。


今こうやって自分たちの家の中でゆっくり眠れてることがたまらなく嬉しい。








布団の中でもぞもぞと幸せを噛みしめてから、ようやく10時くらいに行動開始。


リサイクルショップに行って500円のガスコンロを買い、ウィンドウショッピングを楽しんでから中田さんの家に遊びに行った。


箱折りのお手伝いをしながらおしゃべりしていたら、面白い情報を入手。



なにやら日曜日の夜に山部で仮装盆踊り大会なるものが行われるらしい。


中田さんたちが子供の頃からやっているというこの盆踊り。


ヒョットコのお面をかぶって踊る人や、ヤカンかぶって亀の甲羅を背負って踊る人やら、とにかく面白いそうだ。


なんといってもすごいのが賞金。


団体部門が優勝10万円、個人部門でも1万円というなかなかの金額。


賞金狙いで遠くは旭川からやってる人もいるらしい。



なんてこった、出るしかねぇ!!!


金欲しい!!!


新しい車の購入代金を稼がなければ!!!


よーし、明後日が楽しみだ。









昼過ぎになって総島さんから電話がかかってきた。



「おう!!車ぁいいのが見つかったからよ!!明日見に来いや!!今から旭川までその車取りに行ってやるわ!!」



やった!!

こんなに早く見つかるなんて!!!


興奮して巻き舌になっている総島さんが言うには、中古で13万キロ走ってるエスティマ。


金額は25万円。



あー、簡単に故障しない車だったらいいなぁ。







中田さんに団子やら色々もらって山部ハウスに帰ると、玄関の前に籠が置いてあった。


何だ?


中には茹でたトウキビと醤油。


大家の川渕さんだ。


なんてほほえましいコミュニケーションだろう。



中田さんにもらったヌカサンマを焼き、大根をおろし、炊き立ての米を食べる。


自然の味が口いっぱいに広がる。


あー、最高だー。



てゆーか寒くてストーブを焚いた。



えーっと……………



まだお盆過ぎですよね…………?



一体冬になったらどうなってしまうんだろう。















次の日、朝イチで総島さんとこに車を見に行った。



ミッション、軽油、1年車検付きの白のエスティマ。


スタッドレスタイヤと冬用ワイパーも付いて、22万。



「これはいいぞ。というか条件満たしてるのはこれくらいだわ。やっと見つけてきたんだからこれで手ぇ打っとけ!!」



ちゃんと乗れば20万キロまでは乗れるだろうと言う総島さん。


総島さんへの信頼もあるのでこれに決めることにした。



ただファントムの廃車手続きなど、その他諸々全部で35万くらいはかかるみたい。



どうしよう…………


中古なのでローンは組めないようなので、一括で払うしかない。


悩みに悩んだけど、結局ひとまず親に借りることにした。


ごめん、ちゃんと返すから。



「まぁ手続きとか整備とかに関してはウチの若いモン日曜出勤でやらせるからよ!!タバコでも買ってやってくれや!!ガッハッハッハ!!!」



きっと35万でも相当安くしてくれてるはず。


総島さん本当にありがとうございます。








それから中田のおばちゃんに連れられて、山部の歌謡スタジオ『チェリー』というお店にやってきた。


何でもマスターが音楽家で、富良野の音楽界ではかなりの顔役らしい。


ずんぐりした小柄な島さん。


軽くご挨拶すると、早速歌を聞かせてくれということに。



「うん、いいね。今度のイベントでやってもらおうかな。」



そのうちゲストで呼ぶからねと言うことになった。





この町でどんどん知り合いが増えていく。


色んなことがトントン拍子で、うまく行きすぎて怖いくらいだ。


まぁ車が壊れたのは不運だけど、富良野じゃなくて他のところで壊れてたらきっとこんなに色んな人から助けてもらったりなんかはできなかったはず。


富良野に来てよかった。


こんなに暖かい人たちがいる町、奇跡だよ。











翌日。



今日は楽しみにしていた山部仮装盆踊り大会の日。



朝っぱらからホームセンターでベニヤ板を買ってきて、山田親方から電動工具を借りて、庭先で木屑にまみれて切断しまくった。


スプレーで塗装し、モモヒキも緑色にペイントしていく。


近所のお爺ちゃんが変人を見る目で通り過ぎていく。






「決まったー!!ついに!!ついに真紅の優勝旗が津軽海峡を渡ります!!これが北海道の力!!これが大地の力だー!!」



ラジオから流れる甲子園の決勝戦。


駒大苫小牧が北海道勢初の甲子園優勝を決めた。


遠くのお隣さんからも同じラジオ放送が聞こえ、大歓声がブドウ畑を吹き抜ける。


プラカードを作り、


『祝!駒大苫小牧優勝!』


と描くユウキ。





うん、ここまで気合い入ったことをやってるやつは他にいないだろう。


優勝もらったぜ!!!!











夕方になり、会場の山部小学校の方から太鼓の音が聞こえ始めた。



「やるか。」



「おう。」




最終仕上げだ。


服を脱ぎ捨て、モモヒキを履き、全身に緑の絵の具を塗りたくり、植木鉢に両足を突っ込む。


巨大なひまわり型に切り込んだベニヤに顔をはめ込んで、いざ出陣。



俺の仮装『ひまわり人』、ユウキ『北海道人』。


我ながら完璧な出来だ。



薄暗くなった集落の中を、外灯に照らされて歩く2人の変人。


すれ違う人がギョ!!っと後ずさる。









会場ではすでに櫓を中心に3重の人の輪ができており、踊りが始まっていた。


チンドン屋、お姫様姿、うさぎの耳をつけただけ、とかみんなそんな簡単な仮装だ。


俺たちの仮装だけ群を抜いている。


これはもらった!!





よっしゃああああ!!!


1万いただきまあああああああああああああす!!!







輪の中に殴り込む変人!!


いやっほおおおおううう!!!


踊りまくりだぜえええええええええ!!!!



と思ったらベニヤが重すぎて全然動けねぇ!!!!


くそ!!ひまわりの葉っぱつけすぎた!!


首が折れそう!!!



足も無理やり植木鉢に突っ込んでるもんだから、指が圧迫されて気絶しそうなほど痛い。



それでも頑張って踊りまくるが、必死で痛みをこらえてるのでめちゃくちゃ異次元の動きになっており、それが拍車をかけてあまりの気持ち悪さに観客ひきまくっている。





や、やりすぎてしまったかな…………


もっと爽やかな笑いが求められていたのか…………



観客の中に中田ファミリーと川渕さん夫妻を発見。


そこだけ爆笑してる。













1時間半の激痛に耐え、終わったときにはへたりこんでしまった。


最初は怖がっていた子供たちがわらわらと群がってくる。



さぁ結果発表だ!!!!


こんだけ頑張ったんだからなんか賞くれ!!!!




【結果発表】









★ユウキ…………11位


★俺…………10位






なんだそれええええええええええええええ!!!!!



賞金は1000円と2000円。


ちくしょう…………こんな頑張ったのに材料費でトントン。


身体中痛すぎ…………



トボトボと外灯の下を歩く緑色の変態2人。





はぁ、明日から大工仕事だ。












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