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茨城到着とつくばの学園祭







リアルタイムの双子との日常はこちらから






2003年、10月2日。





朝の灰色がかった青の中、浜松に立っていた。



昨日、1台目で奈良県天理市のバイパス入り口まで。

2台目で針っていう地名のサービスエリア。

3台目のトラックで愛知県名古屋市の手前。

4台目で同い年のいいやつに名古屋市内まで。

5台目のハンサムガイが愛知県豊橋市。

6台目の超恐いトラック運ちゃんにパンとかおごってもらいながら、ここ静岡県浜松市まで。





何の建物のない、広大な平野の真ん中のだだっ広い国道を、トラックの群れがうなりをあげてひっきりなしに走り抜ける。

朝方の国道1号線はトラックのパレードだ。






眠い。一睡もしてない。


ヒッチの時は、運転手の隣で寝るわけにもいかず、ずっとお話し相手をしないといけない。


このクソ寒い中、昨日から休まずヒッチだったから体中疲れてる。


それでも頑張って親指を立てる。


寝る場所もないし、寒いし、何よりも早く美香に会いたかった。







そして7台目。

神話が好きなおじさんから、アマテラスオオミカミは卑弥呼で、スサノオノミコトはモンゴル人で邪馬台国ってやっぱり宮崎で………なんて話を聞きながら箱根を越えていく。



朝の光に照らされた芦ノ湖きれいすぎ!!


ってゆーか、箱根すごすぎ!!


今まで行った観光地が比べ物にならないくらいすっごくきれいだった。






神奈川県に突入し平塚ってとこで降ろしてもらうと、さぁここからはもう近いぞ!!!



8台目のトラックで神奈川県横浜市まで。


港に連れて行かれ、運送会社が立ち並ぶ、倉庫とトラックの巣みたいなとこに到着。


ここから日本全国にトラックが走っていくらしい。



「荷物ここに置いといていいから、土浦っていうナンバーのトラック探して声かけてきな。」



というわけで、探し回る。




「あー?19時半にならないと出ないよ。」



「千葉しか行かないよー。」



なかなか苦戦したけど、やっと見つけた。



「すいませーん!!もう今からトラック出発しますかー?」



「あぁ!!出るよ!!」



「僕ヒッチハイクしてる者なんですけど、つくばまで乗せてってください!!」



「おう!いいぞー!!」



「ありがとうございまーす!!」



ダッシュでさっきのトラックに戻り、おじさんにありがとうございましたとお礼を言って、土浦行きのその9台目に乗り込んだ。











「ウチら肉業界はねー、ごめんなさいが効かないんだよー。」


肉の加工業者の社長さんからいろんな話を聞いた。



トラックを扱う運送業界は、今すごくキツいらしい。


それは新しく定められた条例のせい。


東京、千葉、神奈川では、平成8年以前のディーゼル車は運転できないってことになったんだそう。


まだ今の時点では警告だけらしいが、来年からは罰金がかかってくるらしい。



何百万、何千万もする大型トラック。


買い換えるくらいなら、と潰してしまう会社が少なくないんだって。



「セブンイレブンでねー、新しいお弁当を出すとするでしょー。そのお弁当に乗っけるほんの10gの肉を加工するのに、東京のセブン全部するとなったら毎日1tの肉をさばかなきゃいけないんだよ。」








フジテレビの球体を通り過ぎ、お台場の観覧車。

レインボーブリッジ。


すでに日も暮れており、夜景がすごく綺麗だ。



右手に千葉の明かり、左手に東京の明かり。


半端じゃない!すごい!



トラックの窓から、近未来的なコンクリートの海を眺める。


これが日本の心臓、東京。


とうとうここまで来たんだ。










「兄ちゃん、腹減っただろ?何か食っていこうか。」



「あ、いえ、たぶん彼女が何か作って待っててくれると思うんで、遠慮しときます。すいません。」



「おーそうか。いいなー。」




優しいおじちゃんの運転でとうとう茨城県に入り、美香の住むつくば市にやってきた。


ここが美香の住んでる街!!!


やっとここまで来たぞおおおお!!!



あっ!!!


肝心の美香の住所の番地がわからない!!!


ついでだから彼女の家まで送ってってあげるよ、とおじさんは言ってくれるが、天久保って町の◯◯マンションっていうところまでしかわからならなくて困り果ててしまった。


ケータイも電池が切れてしまってるし、どうしよう。







天久保に到着し、その辺に止まってた、タクシーの運ちゃんに聞き、やっとのことでマンションの前まではやってきた。




が…………部屋番号がわかんねぇ。




8階建てのマンション。

部屋は各階10部屋ずつぐらいありやがる。




なんか手がかりないかなと郵便受けをあさる。

でもわからない。


ていうかただの不審者。




ベランダ側に行き、洗濯物を見る。


それでもわからない。


マジの不審者。





しょうがねぇ!!!





「美香ああああああああい!!!!!」



「美香ああああああああああああああああ!!!!!」




夜のしーんとした住宅街に響き渡る声。



不審者からの変質者。





ガラガラッ!!  


シャー!!



ベランダにたくさん人が出てきた。

でもその中に美香の姿はない。






実は今日のことはまだ美香には言ってない。


そろそろ茨城には行くけど、まだ何日に到着するかはわからないと伝えている。


サプライズのためにずっと秘密にしていた。


旅に出て、このつくばはある意味ひとつのゴールだった。

ミニゴールだけど、俺の中ではすごくデカい中間地点。





やっとこれた。


旅に出る前の日本一周計画からしたらハチャメチャに狂ってしまってるけど、それでもなんとかここまでやってきた。


美香もよく頑張ってくれたよな。


やっと、やっとしばらく一緒にいられる。








いくら探しても美香の姿がないので、しかたなく近くのビデオ屋でコンセントを借り、ケータイを充電。


美香に電話する。


めちゃくちゃ驚く顔が目に浮かぶ!!!!


マンションから走って出てくる美香と感動の再会だ!!!



「あ、美香?今どこ?」



「え?宮崎だよ。」



「は?えっ?…………………は?」



「いや、だから日向だよ?なに?どして?」



「いやいやいや…………は?今◯◯マンションの前だよ。」



「………………ウソ!」









終了!!!!





帰省中で、宮崎に帰ってる美香。


つくばには今日帰ってくると思ってたのに明日と間違えてた。



終わった…………


へにゃへにゃと倒れこんだ。




24時間不眠不休のヒッチハイクは一体何のため?


腹減ったわ、ねみーわ…………





仕方なく、この日は高校の同級生で筑波大学に通ってる村井くんの部屋に泊まらせてもらった。


なんだそりゃ!!!!


手料理いいいいい!!!!






まぁ次の日に無事宮崎から戻ってきた美香と再会できたけどね。


ここから関東での日々がスタートした。


















美香が通っている筑波大学。


俺でも知ってるような頭のいい大学だ。


そんな大学の学園祭がもうすぐ開催されるということで、美香は毎日準備に追われていた。


仲のいい友達メンバーとチャイニーズドレスを着て、餃子や生春巻きなんかを作ってチャイニーズカフェをやるとのこと。


毎日毎晩、仲の良い友達メンバーと学祭の準備に明け暮れており、俺もそこに参加させてもらってゼラチンをかき混ぜたり、鶏肉割いたり、色々と手伝いながら数日が過ぎた。





ちなみに今美香は高校の同級生の由ちゃんと2人で暮らしてる。


9月あたまぐらいに、由ちゃんがストーカーの被害にあったとのこと。


夜道をつけられて、部屋に帰れたのはいいけど、玄関の新聞受けから中を覗かれてたらしい。


それが恐くて恐くて、美香の部屋に避難、同居しているのだ。


つくばはひとり暮らしの女子大生がたくさんいるので痴漢やストーカーの被害が後を絶たないのだという。



見つけたら捕まえてやっつけてやる。


大阪の暴力大魔王たちに揉まれてきたから、大抵のことは怖くない。













学祭の準備で忙しい日々だったけど、土浦の花火大会にも行ってみた。


日本全国の花火師さんたちのコンテストというこの土浦花火大会。


会場はものすごい人の数で、小さな街が花火目当ての観客で溢れかえっていた。


全国から人がやってきてるようで、道路も交通機関も完全にパンクしている。




花火はとにかくすごかった。



 

花火師さんたちのコンテストということで、この大会が初お披露目という新作花火のオンパレード。


見たことのない花火がドンドン上がる。


こうした新作は土浦の大会の数年後に全国の花火大会に普及していくんだそうだ。





コンテストということで3分おきぐらいに違う花火師の力作が打ち上げられるので、中だるみがまったくない。


普通の花火大会のフィナーレくらいの勢いがずーーーっと続く凄まじさ。



それぞれの花火店で個性やテーマがあり、シンプルで大人ってカンジのもあれば、BGMにサザンが大音量で流れるド派手なのもあった。



最後の最後には夜空の黒い部分がなくなるくらい、全部が真っ白になった。






そんで帰りがまた凄かった。

人多すぎてぜんぜん進まない。


打ち上げ会場の河川敷から臨時のシャトルバスでやっとこさ土浦駅まで帰ってきたものの、今度はバスが動かない。


そもそも人が多すぎてバスに乗れない。


乗ったはいいけど動かない。


1時間30分経ってもまだ、出発した駅が見えてる。



でもまぁものすごい花火だった。


日本全国に花火大会ってあるんだろうけど、こんなにもすごい大会もあるんだなぁ。















3日間に渡る筑波大学学園祭はすごい人出だった。


敷地内に人が溢れかえる中、俺もお手伝いで外でビラを配。


出店もすごい数で、新潟県人会のいたりあん(焼きそばのミートソースかけ)や、沖縄県人会のウチナー料理、特に広島県人会のお好み焼きは毎年大人気らしく、すごい行列ができている。




そんな中で美香たちのお店も大盛況。




メンバーたちの太もも丸出しのチャイナドレスのおかげか男子大学生が大挙して連日満席。


最終日には行列もできて、大量に仕込んでいたメニューもすべて売り切れた。



外のイベントステージでのパフォーマンスコンテストでは美香たちのチームも参加し、みんなでキューティハニーを踊ってなんとパフォーマンス部門で優勝。


うまい棒1年分という賞品をもらってみんなで大喜び。





 
   







そんな大盛り上がりの学園祭の中、気になることがあって1人で違う建物の静かな教室にやってきた。


旅人、関野吉晴さんの講演、という看板。


旅人という文字を見たからには、どれほどの人なんだろうと聞きに来てみた。





教壇に出てきたのはどっからどう見ても普通のおじさんだった。

プロジェクターで写真をうつしながら、その関野さんがお話をする。




人類はアフリカ大陸で生まれ、ユーラシアに入り、東南アジアから北上、中国、ロシアと進み、アラスカに渡り、北アメリカから南アメリカへと進んでいったのだという。


グレートジャーニーと呼ばれるその道のりを旅する冒険家は世界に何人もいるらしいが、関野さんはこの道のりを、南アメリカからの逆コースでスタートし、10年かけてゴールしたらしい。



なによりすごいのが、移動手段はすべて人力。


徒歩、チャリ、川や海はカヌー。


あとは動物に乗ったり。


極寒のツンドラを犬ぞりで駆け抜けたり、灼熱のサバンナを野生動物の間を縫うようにチャリをこいだり、そんな凄い話を写真つきで語る関野さん。


普通のおじさんの見た目だけど、とんでもない世界をくぐりぬけてきた人なんだな。



講演が終わり、会場を出て行った関野さんを追いかけて写真を撮らせてもらった。














学園祭のフィナーレを飾るのは、誰かしらんけど、有名なDJによる野外ディスコ。


実行委員会からのふるまい酒は、茨城県産の日本酒。

酒樽がズラッと並んでいる。


大学生たちみんな飲みまくって、狂ったように踊りまくっている。



「よっしゃいくぞー!!!」



美香を肩に乗せて人の渦の中へ突っ込んだ。



「うおおおおー!!いいぞーー!!」



「イェーイ!!」



肩車でチャイナ服から太ももが丸出しになってるおかげで凄まじく盛り上がる!!



「私も行きたい!!」



「私も!!」



結局メンバー全員をかついで人垣にもみくちゃになった。


人の渦の中で踊り狂う様が会場の大型テレビに映ってみんなで大笑いした。







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