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キョンジュ、イングヴェイさんの神接客


こんにちは!神田です。



旅中の写真の整理が大変なことになってます。


帰国するとすぐに日本に馴染んで、きっと旅してたことがまるで夢だったような感覚に陥るはず。



それがなんだか寂しいから、旅中の写真をまとめて1冊のアルバムを作れたらと思ってるけどなんせ2年分の写真。何万枚もあります・・・。



できることならフミくんのブログの印象的な日の文章も一緒に組み込みたい。


気が遠くなりそうな作業だけど、ちゃんと形にできたらいいなー。とか考えてます、最近




おわり









2018年3月20日(火曜日)
【韓国】 アンドン ~ キョンジュ




周りを見渡すと、のそのそとおじさんおばさんが歩いていました。


薄暗い大広間。

8時も過ぎてすでに人の数も減っていて、寝坊組が残っています。

仕事に行く人、観光で次の町に行く人、サウナの中には色んな人がいます。


寝ぼけた頭で体を起こし、ぼーっとそんな大広間を見ていると、遠い昔のことを思い出しました。







ほとんど県外にも行ったことのない世間知らずだった20歳の夏、僕は日本一周の旅に出発しました。


宮崎からヒッチハイクして鹿児島に向かい、その日は駅前のサウナに泊まったのですが、世間知らずの田舎者の若者には、おじさんたちがゴロゴロと床に寝転がって寝ているその光景がものすごく衝撃的でカオスなものに見えたものでした。


ただのサウナなのに、それくらい純情で、何も知らない子供でした。

こ、これが旅なのか…………って初日からすっごい圧倒されて、呆然として、覚悟決めなきゃって思ったものです。



思い返せば、あれが僕の旅人生の最初の夜。


サウナに来たのはあの日以来16年ぶり。



もうすぐ僕の旅は終わります。















チムジルバンの受け付けのスタッフさんに、チェックアウトは何時ですか?と聞いたら、んー、チェックインから24時間後……かな?と戸惑いながら教えてくれました。


サウナにチェックアウトなんかないんですね。

なのでこんな質問をしてくる人なんかいないんでしょう。

それにしても900円で24時間岩盤浴とお風呂を楽しめるなんて、サウナは本当に便利な施設です。



今日もここに泊まるかもしれないので、大きなバッグを荷物置き場に置かせてもらい、ギターを背負って外に出ました。




このくらいの地方都市なら路上はどんな感じだろう?

まだ韓国の路上の感覚がつかめてない。


昼間がいいのか夜がいいのか、平日がいいのか週末がいいのか、都会がいいのか田舎がいいのか、


前回来たときは平日の昼間でそこそこ稼げたけど、状況も変わってるかもしれないし、とにかく見ていかないとわからないです。





せっかくこんなちょうどいい地方都市に来たんだから、できればのんびり数日滞在して路上していきたいところ。

韓国の飾らない素顔を見てみたい。


そんな旅人の希望に、このアンドンはしっかり応えてくれるとてもローカルな町でした。






















何気ない駅前の横断歩道、コンビニ、食堂街の入り口、


ボロボロのお店、品物をたくさん並べた屋台、自動販売機、


電信柱も、雑居ビルも、何もかもが田舎の素朴さに包まれています。



















韓国のオバさんは一定の年齢になるとオバちゃんパーマをかけるのが一般的みたいで、ほぼ間違いなくみんな同じ頭をしています。


くるくるしたパーマでボリュームを出していて、いかにもオバちゃんといった雰囲気。





そんなおばさんが道端で飴と麩菓子を売っていました。

暇そうに通りを眺めていたんだけど、その屋台の前を通る時に、ポータブルラジオから流れる音楽が耳に入りました。


その音楽は韓国の曲だったんだけど、日本のものと寸分違わぬ歌謡曲のメロディーでした。


あの演歌や歌謡曲特有のメロディーとアレンジ。

韓国人が韓国語で、小節をきかせながら情感たっぷりに歌い上げている。


それを田舎町の片隅で聞くと、ここは日本じゃないのかっていう不思議な錯覚に陥ります。

もう音楽の趣味もセンスも、様々な文化が日本とほとんど変わらない場所なんだと、毎日感じずにはいられない日々です。





















そんな思いを抱きながら、テキトーに入った食堂でキンパを食べました。




オバさんが笑顔を浮かべながら鮮やかな手つきで海苔に米を広げ、そこに色んな具材を並べ、クルッと丸めると出来上がりです。


これこそまた日本の手巻き寿司とほぼ変わらない味なのですが、少し違うのは海苔にごま油が塗ってあることです。

ごま油の風味がふわっと香り、素朴な家庭料理の懐っこさに心が和みます。













これと一緒にカルグクス、韓国うどんを食べるのですが、うどんと海苔巻きというセットのなんて日本らしい組み合わせであることでしょう。

オバちゃんが何を話しているかはわからないけど、美味しい味という共通点があるだけで、オバちゃんの優しさが伝わってくるようです。














ただ、町に人はとても少なかったです。





















アーケードの商店街は一見賑やかな雰囲気ではあるのですが、お店の数に対して買い物客の姿は少なく、ショッピングストリートのほうになると、パラパラっとしか歩いていません。


どうしてだろう。


お店は多いし、一応ホコ天の道にはなっているんだけど、あまりにも寂しくてこれでは路上で歌ったとしてもあの人何をしてるんだ?みたいなことになってしまいそうです。


アンドンが田舎すぎたのか、それともここ数日がとても寒いので人が町に出てきていないのか、それとも元々こんなもんなのか。




























一応なんとかできる場所がないか歩き回ってはみたんですが、そんな状況なのでこれはこのアンドンでの路上は無理そうだと判断しました。


本当は3日くらい滞在したいなと思っていたけど、こうなったらもう次の町に移動したほうがいいねと話し合いで決めました。


次に行こうと思っている町はもう少し大きなところなので、そっちならばちゃんと路上ができるはずです。



韓国はこの旅最後の国。

締めくくりになるので、しっかり歌って歌って、日本までたどり着きたい。


そのためにも町を移動することにしました。

いい町だったのに残念です。



粗大ゴミにしか見えないけど一応ちゃんとコーヒーが出てきます。





キンパ君っていうはず。















チムジルバンに戻り、荷物を受け取ったら、目の前にあるアンドン駅にやってきました。

ここから次の町であるキョンジュへの電車チケットを購入します。


驚いたのですが、さっきチムジルバンでワイファイにつないでキョンジュの町について軽く調べたところ、なにやらこのキョンジュという町。


3つの世界遺産を保有する韓国屈指の観光地らしく、国内で最も有名な仏教寺院がある場所なんだそう。



オリンピックをやってたカンヌン、

新羅時代の伝統家屋が残る村があるアンドン、

そして韓国屈指の観光地であるキョンジュ、



地図を見てなんとなく釜山に向けて選んだ町が、ことごとく素晴らしい場所だったという奇跡に、結構自分自身ついてるもんだなと誇らしくなりました。


まだ僕の旅感と旅運は底をついていないようです。

いや、むしろ終わりに向けて冴えていってるのかも。


アンドンからキョンジュまでの電車賃は8300ウォン(830円)。

















びゅうびゅう吹きすさぶ寒風に凍えながら電車を待ち、17時40分に電車に乗り込みました。





インドみたいにオカマが乱入してきて股間を鷲掴みにしてきた挙句、金を請求されるという謎の儀式なんてもちろん発生しない快適な電車。


でも南米みたいに突如電車の中でコメディ劇が繰り広げられて大笑いしながら移動を楽しめるというエンターテイメントももちろん起きない退屈な電車。


先進国の公共交通機関は、平凡で静かです。




そうして2時間。

あっという間に電車はキョンジュに到着しました。




夜の駅前には大きな道路が伸び、街灯が並び、車のヘッドライトが光り、初めての町なのにとてもそう思えないほど日本的な空気でした。

韓国もだいぶ南に下ってきて、より日本が近くなったことを感じずにはいられません。




そんな夜の町を歩き、ネットで予約しておいた宿を目指します。


歩きながらこのキョンジュの繁華街エリアを通ったのですが、一応マクドナルドや有名なチェーン店、オシャレな洋服屋さんやカフェなどがたくさんあるにはあるんだけど、やっぱりここも人が少ない様子です。




アンドンよりはだいぶ栄えているはずなのに、同じように人がいない。

夕方になったら仕事帰りの人で賑わうんじゃないかと考えていたけど、それともまた違うみたいでした。


やはりすごく寒いから人が家にこもってしまっているのかもしれません。












駅から20分ほど歩いて到着したのは、モーテル街の中にあるアップルハウスという宿。




ここがもうとんでもない宿でした。




とんでもなく素晴らしいんです。




おそらくこの旅で最高の宿だったんじゃないでしょうか。



もちろん、お世話になっている人や親に泊めていただいた豪華なホテルは別としてですが、旅人が安く泊まる宿という範囲の中では考えられないほどのクオリティーです。













建物の中は全て清潔で、無料コーヒー、電子レンジ、朝食付き、部屋の中にもコーヒーが用意され、タオル、室内スリッパ、アメニティーも充実。

冷蔵庫の中の飲み物もサービスだし、そして大好きな韓国式床暖房のオンドルバン。


















設備だけでも最高なのに、なによりも素晴らしかったのはスタッフのお兄さんの対応です。


イングヴェイ神、みたいなロン毛のお兄さんなのですが、英語ペラペラ、日本語ペラペラという語学力スキル。

まずチェックインした時点で、町の地図を取り出して、半端じゃないほど細かく、そして要点をついてキョンジュの町の案内をしてくださります。


見所はこことこことここ。

ここに行くためにはこの場所から何番と何番のバスに乗って、値段はいくら、この施設の営業時間は何時から何時まで、

スーパーはここ、コンビニはここ、バスターミナルはここ。


さらに、この場所はこういうところですよとパソコンで写真を見せてくれながら解説してくれます。


あまりにも分かりやすくて、あまりにも情報を知り尽くしていて、それでいて要点をついていて説明しすぎないところもパーフェクト。


マジでパーフェクトなイングヴェイマルムスティーンです。





こんな神のような親切でサービス満点のスタッフさん、配慮の行き届いた設備、清潔な館内。

それで値段は23000ウォン(2300円)。


破格です。


でもこれは駆け込みのネット価格で、普通なら43000ウォン(4300円)するということでした。


確かにそれくらいするかなと納得のいくクオリティーです。

レーティングの高さが物語っています。





終盤になり、この旅最高の素晴らしい宿に泊まることができて、すごく嬉しかったです。

みなさんも是非、キョンジュに行かれる際はイングヴェイさんに会いに行ってみてはいかがでしょうか。


彼は期待を裏切らない素晴らしいおもてなしをしてくれることだと思います。






と、こんなことを書きながらふと思ったのですが、世界には考えられないほど接客態度の悪い宿があるものです。


荷物が盗られても、お前の管理がダメだったからだ、となんの謝罪もしなかったり、客を馬鹿にしてきたり、めちゃくちゃ上からの態度をしてくるスタッフとか、そんなのよくあることです。


こういうトラブルや不快な思いを経験した時、多くの旅人はこう思います。


ああ、ここは宿泊費の安い安宿なんだからそんなクオリティーは求めちゃいけない、ちゃんと接客してもらいたいなら、それなりの値段のところに泊まらなきゃいけない。


こんな感じではないでしょうか。


でも、これって本当でしょうか?


宿泊費が安いから、客に対して上からの態度をとっていいんでしょうか?

そんなことないですよね。


これはただのスタッフの性格です。

安いから接客のクオリティーを下げてるんじゃなくて、ただその人間がダメなだけなんですよね。



別にホテル学校に行って接客のいろはを学んだ人じゃなくてもいいんです。

普通に、日常生活の中でするように、笑顔でフレンドリーに、当たり前の人あたりをしていればいいだけです。


ハロー、元気かい?宿泊?もちろんオーケーだよ!!じゃあこれタオルだから、部屋は3階だけど、バッグ重そうだね、手伝うよ、それじゃあ何かわからないことあったら気軽に声をかけてね!!


普通そんなもんです。人間同士、そんなもんです。


それが、ああ?宿泊?ふーん、部屋はそこな、って指差して椅子にふんぞり返りながらテレビ見てて、鍵をテーブルに放り投げ、もちろんバッグを運んでくれたりなんかせず、タオルくださいって言ったら無言でテーブルに放り投げてくる、そんな宿もあります。


安いから、じゃないんですよね。

人と接する以上、当たり前の態度ってもんがあります。


そんなことを、この宿のイングヴェイさんに教えてもらえた気がしました。

無愛想でいいことなんて人生そんなにありません。






















寒風吹きすさぶ町を歩き、豚骨の匂いに誘われて豚のスープを食べました。


値段は6000ウォン(600円)。


あああ、美味しい。体が温まる。






店を出ると風が吹きつけ、顔がしばれるほど。


明日はもっと冷え込むみたいです。


それが少し嬉しくもあります。


もう少しでこの旅が終わるのかと思うと、ほどほどに過酷なくらいが楽しめるような気がするからです。

アッサリではなく、もう一波乱欲しくなってしまう。


でも、きっと今回の僕らには、そうした波乱はやってこないでしょうね。

今回の旅は、本当に怪我も大きな病気も、頭を抱えるようなトラブルも、ほとんどありませんでした。

平和に穏やかに、暮らすように、流れるように、世界を散歩してきました。


トラブルを寄せつけないということは旅人の大きな能力です。

きっと、このまま歩き、船に乗り、いつの間にか日本にたどり着き、そのまま新しい生活が始まるのかなと、そんな気がしています。


大々的な終焉ではなく、旅の続きのように。




韓国の冬、でもその夜の匂いは、ほとんど日本と変わらないものでした。





~~~~~~~~~~~~~~~~~


タイのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


トムヤムクンが懐かしい。
バンコク好きだなぁ。
また遊びに行きたい町のひとつです。
パタヤとか他の島とかにもいつか行ってみたいなぁ。


どうもありがとうございます!!





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