こんにちは!神田です。
今回の中国ではニーハオトイレには出会いませんでした。
前回はベトナムと中国の国境の河口から昆明行きのバスの休憩所ですらニーハオトイレだったのにな。
この形のトイレ自体減ってるのかな?
戸惑いはするけど、この中国独特の感じ、なくなったらなくなったでちょっと寂しい気がしちゃいます。
おわり
2018年2月28日(水曜日)
【中国】 西江(シージャン) ~ 凱里(カイリ) ~ 従江(コンジャン)
朝の山里はより一層雰囲気がある。
木造住宅群が朝霧に閉ざされて、秘境感満点だ。
開け放たれた宿のテラスはまるで映画のスクリーン。
でも町中はめっちゃテーマパーク化してるけど。
ゆうべなんか宿に帰ってる途中、チャラいネオン管をつけたライブバーが何軒かあった。めっちゃ雰囲気壊してる。
大理にうなるほどあったジャンベ屋さんも数軒あったし、きっとこれから大理みたいな騒々しい大観光地に変わっていくんだろうな。
今のうちに来られて良かった。
ひとまず朝の町に出て腹ごしらえ。
凱里だったら7元(120円)で食べられる麺が15元(250円)だった。
でも味は美味しい。
小さな地元民のための市場では大量の魚が売られている。
これらは酸湯魚に使われる魚だろうな。
ところどころに見られるささやかなミャオ族の暮らし。
あんまり手を加えず、残っていってくれることを願います。
宿を出発し、シャトルバスには乗らずに歩いてバス乗り場へ。
20分で行けるので10元(170円)節約したいかたはどうぞ。
今日も朝からやっているミャオ族たちの歓迎の演奏を眺め、バス乗り場で凱里に戻るチケットを購入。
16元(270円)。
便数はかなりあるようで、すぐに乗り込むことができた。
バスの中に聾唖のかたがいて手話で会話をしていたんだけど、動きがめっちゃ激しい。
めっちゃ。
中国人って超声がデカいけど、手話でもデカいんだなぁと感心した。
そんなことを思いつつ、バスは1時間ほどで凱里の町に戻ってきた。
田舎から来ると凱里はかなりの都会だな。
ビルがズゴンズゴン立ち並んで、車もお店もすごく多い。
これから夕方まで移動なのでなんか軽く食べておこうとバスターミナル周りを歩いてみると、焼き餃子を発見。
中国って餃子は水餃子が主流でほとんど焼きは見かけないので買ってみた。
10個くらい入ってたったの7元(120円)。
いやー、観光地じゃなければ安いなぁ。
味も結構美味しい。
バスターミナルで次の目的地である従江までのチケットを購入。
値段は100元(1700円)。
14時のバスで4時間の移動。
従江は田舎である凱里からさらに深い山の向こうにある僻地だ。
従江自体、なかなかの田舎なんだけど、その周辺に民族の村が多数存在しており、どれに行こうか迷うほど。
ていうかこの貴州では山の中の村に行けばだいたい民族の自治区なのでどこでも見ることはできるんだろうけど。
そんな従江周辺の地図を見て、山の中をくまなく調べてみたところ、景観区として出てくる村がいくつかある。
まず芭沙村。
ここは弁髪の風習が残る村で、大きな鉈で頭を剃る様子を見ることができるそう。
村の建物も人々の伝統衣装も、かなり独特で見応えがありそう。
次に小黄村。
なにやら小さな子供たちが村に伝わる伝統的な歌をみんな覚えて歌っているという風習がある村だそう。
なんか桃源郷みたいだな。
そしてもうひとつが占里村というところ。
もうここはとんでもない山奥で、ぐにゃぐにゃの山道を相当奥地まで入っていった道のどん詰まりにある秘境。
計画出産が中国1らしく、ほとんどの家族が一男一女をもうけているらしい。
なのでずっと昔から村の人口がほぼ変わっていないとのこと。
そんなこと可能なのか?
じゃあどうやって産み分けをしてるのかというと、それは村に伝わる秘伝の薬。
これによって男女の産み分けができるんだそう。
薬の調合の仕方を知っているのは1人のお婆さんのみで、その家系の女に一子相伝で受け継がれているものらしい…………
なにその神秘的すぎる村…………
行きたすぎるやん…………
いやー、とことん中国は旅し甲斐のある国だわ。
まだ見ぬ世界を求めるバッグパッカーにとって宝の山みたいなとこだよ。
凱里を出発したバスは綺麗な幹線道路を快調に走っていく。
乗客の数も多くなく、チャイニーズニューイヤーのラッシュもほとんどおさまったよう。
東チベットの時みたいにバスの中でタバコ吸ったり通路に痰を吐き捨てる人もいないので助かる。
そうしてしばらく快調に走っていると、バスは幹線道路から細い山道に突入する。
クネクネのヘアピンカーブを何度も曲がり、峠をいくつも越えながら標高を上げていく。
窓の外には幾重にも連なる山々が霞んでいる。
まばらにちらばる集落はどれも木造瓦屋根の伝統的なもので、きっとすべての集落に面白い由緒があったりするんだろう。
たまらなくワクワクさせてくれる。
すると、そんな山並みの中にものすごいものが見えた。
山の斜面にビッシリと隙間なく広がっているのは棚田だった。
これがとてつもない規模!!!!
見渡す限り、どこまでもどこまでも山肌が棚田になっている!!!!
なんて景色だ!!!
日本の棚田百選のすべての棚田を寄せ集めても到底足りないほどの量!!!!
ぐおおお!!!ヤバすぎるぞ!!!なんだこれ!!!
平坦な土地がないから山の斜面を切り開いて農耕地にしてるんだろうけど、こんなところに人が住み着いていることがすごい!!!
まさに秘境。壮大な自然と人の営みが織りなす大絶景だ。
後から知ったんだけど、古くから貴州を表す言葉にこういうものがあるんだそう。
「天に三日の晴れなく、地に三里の平地なく、人に三銭の金なし」
それほど人が住むのにあまり適さない、貧しい土地だったんだろう。
だからこそ、この貴州は地元の人しか知らないような秘境の聖地なのかもしれない。
ヤバイな、貴州最高やんか。
山を降りて大きな川沿いに出てくると道が穏やかになり、そこから少しすると町に入ってきた。
大きなビルなんかはない田舎の町。
ここが従江みたいだ。
まずは宿を確保しようとテキトーにそこら辺の宿に入ってみたんだけど、受け付けの人にパスポートを見せると困惑した表情になって断られてしまった。
まぁこんなど田舎に外国人登録してる宿なんかほぼないわなぁ。
でもそれでも中には内緒で泊めてくれる宿がよくあるので大丈夫だろ。
とにかく手当たりしだいに宿に飛び込んでききまくった。
が、マジでどこも外国人だからごめんねぇ、と泊めてくれない。
10軒くらい聞いたけどほぼダメ。
2軒だけ大丈夫だよーと言ってくれたんだけど、値段が80元(1360円)。
うーん、もっと安いところに泊まりたいんだけどなぁ。
かなり手こずってるなぁ。
それからも頑張って聞きまくったんだけどことごとくダメで、もう諦めて80元のとこに泊まるかーって話してるところでめっちゃローカルなボロ宿発見。
ダメ元で聞いてみると即オーケー!!!
ていうかなにがダメなの?くらいの感じ!!!
しかも値段50元(850円)!!!
よっしゃオラァ!!!!
そんで部屋もめっちゃいい感じ!!!
もちろんお湯シャワーでベッドも快適!!!
これで激安宿だもんなぁ。中国の宿って最低レベルが高いよなぁ。
あー、諦めなくてよかった。
宿をゲットしたらとりあえず晩飯がてらバスターミナルを探しに外に出た。
さっきバスが止まった場所が道端だったので、どこがバスターミナルなのかわからない。
早速明日から動くので、各所への行き方を調べるためにバスターミナルに行っておきたい。
というわけでそこら辺の人に聞いてみることに。
化粧品屋さんに俺たちと同い年くらいの女の人がいたので入っていって聞いてみた。
もちろん英語は皆無。
バス、も通じない。
ターミナル、なんてヨユーで通じない。
ワン、ツー、スリーも通じない。
なので筆談なんだけど、おかげで俺も色々中国語の書き方がわかってきた。
私→我
あなた→你
行く→去
したい→想
バス→汽車
電車→火車
とかそんな感じ。
文法とかはわからんけど、これらにいつも使ってる日本の漢字を足して書けばだいたい言いたいことは伝わる。
我想去汽車駅
私はバスターミナルに行きたいです。
これで伝わる。
欧米人だったら苦労するよなぁ。
でも大変なのは相手の書く中国語が理解できないこと。
略字だし、見慣れない漢字が多いので解読が相当難しい。
話す言葉ももちろん理解できないし、あー!!やっぱり中国のコミュニケーション大変!!!
「ピンフイーシャンテン!!ハコテン?」
「あうー…………ティンプトン…………」
ティンプトンっていうのは、意味がわかりませんっていう中国語。
めっちゃ便利な言葉だからいつも連発してるんだよなぁ。
「ティンプトン?」
「うんー…………ティンプトン…………」
「ンンンー………………プー?」
「ぷーって言ったよカンちゃん。」
「ぷーって言った。可愛いー。」
「ティンプトン?」
「ティンプトンー!!」
「アハハハハハー!!!」
「アハハハハハー!!!」
「シェイシェイー!!」
「ブヤオシェイー!!」
結局何もわからないままみんなで爆笑して店を出る。
これはこれで楽しい。
ちなみにシェイシェイって言うと、よくみんなブシェイって返してくれる。
どういたしましてってことなんだけど、直訳すると、お礼は不要だよって感じかな。
素敵な言葉だなぁ。
凱里でもそうだったけど、やっぱり田舎の人はみんな本当にとても親切で、心が温まる。
最初は中国人は無表情であんまり笑わないって印象だったけど、こうやって田舎に来てこっちから積極的に関わっていくと、みんなすごく懐こい笑顔でニコーッて笑ってくれる。
カンちゃんが大好きな中国はまさにこれなんだよな。
ていうか物価安い!!
スーパーのビールが4元(65円)!!
他のものもだいたい全部安い!!!
水餃子6元(100円)なんて食堂もある!!
いやー、田舎いいよなぁ。
ホント中国は治安もいいし、嘘ついて金取ろうとしてくるやつもいないし、めっちゃリラックスして旅することができるよ。
痰吐きだけは勘弁してもらいたいけど。
ていうかローカルハンバーガー屋さんがあったから覗いてみると、中国人たちがビニールの手袋してハンバーガー食べてた。
おい!!!謎の部分で潔癖!!!
ハンバーガー素手で触りたくないくらい綺麗好きなら痰吐くのやめよう!!??
いや、もしかしたらめっちゃ潔癖だからこそ体に汚いものがあるのが嫌でいつも痰を吐いてるのかもしれない…………
お腹が空いたので先にご飯食べようかと、テキトーに食堂に入ってみた。
これまた人の良さが溢れ出してるご夫婦が切り盛りしてるこのお店。
無口で照れ屋なお父さんと、肝っ玉お母さん。
メニューがないのでガラスケースの中のお肉と野菜を指差して、これとこれを炒めてくださいってジェスチャーすると、爆笑しながら任せとけー!!ってやってくれるお母さん。
そんで出てきたのこれ。
めっちゃ美味しい。
しかもここら辺の食堂ではスープが無料でついてくるというサービスが普通みたい。
素敵すぎる!!!!
ビールも美味しい!!
そんな美味しいご飯を食べ終わり、ご夫婦にバスターミナルの行きかたを聞いてみた。
するとちょうどご飯を食べに来ていたご夫婦の娘ちゃんが、私に任せてー!!とスマホに何か打ち出した。
その指さばきのすげぇこと。
中学生くらいの女の子はもうスマホの使い方が神がかってるね。
体の一部みたいやわ。
中学生の女の子なので、なんか可愛い崩れた字体のキーボードを使ってるんだけど、打ち方がすげぇ。
キーボードほとんど使ってない。
まずはマイクに喋って音声で文字を打ち込み、さらにキーボード上に指で実際に文字を書いてそれを使ったりしてる。
そうやってシュパパパパ!!!と文章を打ち込んでくれ、さらに日本語に翻訳してくれる娘ちゃん。
分かりやすい!!!
それによるとバスターミナルは町の南端にあるらしくて、そこから色んなところに行けるみたい。
よっしゃ、ちゃんとバスターミナルあるんだな。
んー、明日どこに行こうかなぁ。
早速最寄りの芭沙村に行ってみようかなぁ。
でももう1個気になってるのは棚田。
なにやらこの従江からそんなに遠くないところに加榜棚田っていう名所があるみたい。
しかも中国6大棚田のひとつらしい。
とはいっても、ネットで調べてみるとバッグパッカー系の情報はほぼなくて、わずかに出てくるのはツアーとかガイドを雇って行ったおじさまのブログのみ。
なので情報がかなり薄い。
ツアーで行ってる人たちのブログなのでバスの行き方とか、詳しいポイントとかが書いてないんだよなぁ。
ちゃんと行けるかな。
でもだからこそ気になる…………
そんな秘境、是非とも攻めてみたい…………
なんかこの加榜棚田は25キロにも渡って広がっているらしいので、どこがメインの場所なのか分かってないとめっちゃ謎のところに迷い込んでしまいそうだ。
相当な山の中で、棚田にたどり着けなくて諦めて帰った人もいるくらいの秘境らしいし。
うーん………………
まぁ…………ほとんど心は決まってますが…………
ここまで来たんだ。
冒険するしかないよな。
ご家族に加榜棚田は綺麗ですが?と聞いたら、素晴らしいわよー!!と言ってくれた。
よっしゃ、明日は思いっきり山の中に棚田探しの旅に行ってみるか!!
お父さん、お母さん、娘ちゃんありがとう!!!
お父さんシャイだから入ってくれなかったけど!!
ていうか宿に帰ってたら犬料理の店見つけた!!!!
初めて見たし!!!!!
こんな普通にあるもんなんだなぁ…………
色んなことトライしてみたいけど、これは怖くて無理だなぁ…………
犬食うのはちょっとなんか大事なものが壊れそうだわ…………
ちなみにカンちゃんは以前バリで犬食べたことあるらしいです。
なにこれー?って知らずに食べてたら犬だったみたい。
味はあんま覚えてないけどなんか硬かったそうです。