こんにちは!神田です。
最近日本にいた頃の写真とかを見せると、え。別人。て言われて結構ショックです。
老いでしょうか。
いえ、帰国したらきっと戻れると信じています。
フミくんは帰国したらきっと丸くなるでしょう。
日本にいるとプラス10キロ体重増えちゃいます、フミくん。
朝ごはん。昼ごはん。夜ご飯。寝る前ラーメン。が基本です。
おわり
2017年11月30日(木曜日)
【インド】 アラコナム
リビングでチャイを飲んでたら、テレビにいきなり日本が映った。
え!?なにこれ!?
「あー!!これは面白いよ!!タミルのバカな男が日本に行くっていう物語でね、30年以上前の映画なんだよ。」
どうやら1985年のインド映画みたいで、確かに日本の80年代の様子が映ってる。
聖子ちゃんカットとか、スリムパンツの時代にインド映画のロケが日本で行われてたなんてなぁ…………
内容はタミルナードの田舎の夫婦が日本に行き、箸を見て、なんだこの巨大な爪楊枝は!!って言ったり、ホテルのロビーにある噴水を見て、よし、シャワーを浴びようって言っていきなり公衆の面前で服を脱ごうとしたりするそんなドタバタコメディ。
こんな映画あるんだなぁ。
ただ制作費の関係からか、実際に日本でロケしてるのは半分くらいで、もう半分は謎の中国っぽいセットの中で、ほとんど意味不明なカタコトの日本語を喋るアジア人が出てくるというなかなかのいい加減さ。
まぁめちゃくちゃな日本語でもインド人にはどうせ分からんからいいやろって感じなんだろうな。
こういうの見るとタミルと日本の縁を感じるなぁ。
結構面白かった。
ていうか日本ってやっぱいい国だな。楽しそうな国だ。
外は朝からすさまじいドシャ降りだった。
こりゃなんにもできねぇな……………
できたらチェンナイに帰って今日もチルドレンホームに行こうかなって考えてたんだけど、この雨だと移動するのがめっちゃ大変だし、いたるところが冠水してとんでもないことになってるはず。
今日はカデルの家でおとなしくして、明日チェンナイに戻るか。
もうあんまり時間が残されていないので、ちんたらしてる暇はないんだけどな。
結構焦ってしまう。
俺は何か彼らの力になれてるかな。
不安になる。
雨の中スーパーに買い物に行き、次に行くインドネシアでカンちゃんの友達に会う予定なのでそのお土産を買ったりした。
これシャンプー。
みんな酒ほとんど飲まんのにシャンプーでビール?
レジで商品の値段を出してもらったらレシートを持って別カウンターで支払い、という謎の二段階構成。
売れた商品をノートに手書きで管理。
インドってシステム管理の技術めっちゃ発達してるくせに、現地ではまだこんな感じなんだよなぁ。
スーパーを出たら雨が上がっていた。
でももうチェンナイに帰るには遅くなってしまったので諦めた。
チロル?
家に帰ってのんびりしてると、パパがモンキーテンプルに行かないかい?と誘ってくださったのでみんなでお出かけすることにした。
車を走らせて20分くらいで久しぶりのモンキーテンプルに到着。
小高い丘の上にズゴーンとそびえる巨大な何かの要塞みたいなこの寺院。
去年初めてアラコナムに来た時、ショータ君とかカッピーと一緒にこのお寺に来たのを思い出した。
あの時は2月だったけどすでにめちゃくちゃ暑くて、裸足でアスファルトの上を歩くと足の裏が火傷しそうなほど日差しが半端なかった。
今はさすがにインドで1番涼しい季節。
2週間前に来た時よりもさらに少し涼しくなっていて、日中でもほとんど汗をかかないくらいだ。
湿度も減って、インドだというのにかなり過ごしやすい。
今日もあの時と同じように裸足になってお寺に向かう。
足の裏に感じるアスファルトの感触が1年と9ヶ月前を思い出させた。
あれからもう1年と9ヶ月かよ。
あんまり早すぎるよな。
思い返せばたくさんのところに行ったけど、記憶はいつもあっという間だ。
ていうかそう考えると今回のブログももう1年9ヶ月書き続けてるんだよな。
読んでくださってるみなさん、本当にありがとうございます。
お寺の周りにはすごい数の物乞いがいる。
参拝に来るような信仰心のある人たちは喜捨をしてくれやすいんだろう。
ただインドで思うのは、物乞いでお金を要求してる人たちはまだ人間らしいってこと。
お金に囚われている。
町の中でチンチン丸出しで寝てる人とか、ギラギラした目でひたすら宙を見つめてる人とか、そんな人たちはもはやお金なんてものと無関係の次元にいる。
どうやって命を繋いでいるんだろうって疑問になるくらい、人間が形成する社会から完全に外れてしまってる人たちがインドにはかなり多い。
あの人たちは一体どんな境地に達しているんだろうな。
猿とヤギと一心不乱に祈りを捧げる人たちがあちこちに散らばっている中を歩いて行くと、1人のバラモンが俺たちのことを迎えてくれる。
今日のために地元の有力者であるパパがコネを使ってアポをとってくださっており、特別コースで見学をさせてもらえることになってるみたい。
周りには骨の髄までヒンドゥーでございますって感じの人たちがひしめいてる中、1ミリもヒンドゥーじゃない俺たちが特別な入り口から行列を横目にショートカットで寺院の中に入場するのが若干気まずい。
きっとパパはなかなかの祈祷金を払ってくださっている。
なので俺たちは外で行列を待つこともなく、普通は立ち入れない神様にかなり近いところまで行ってご利益を得ることができる。
地獄の沙汰も金次第。
寺院の中は細い道が迷路のように入り組む薄暗い空間になっていて、湿った冷たい空気が立ち込め、リアルインディージョーンズって感じだ。
バラモンの背中を見ながら後ろをついていく。
これまで数え切れないほどの人たちが歩いてきた石の地面の滑らかさが足の裏に伝わる。
そんな暗がりの所々に神様の祠がある。
不思議な形をした像が黒く鈍く光っており、なんとも原始的な宗教の匂いがたちこめている。
するとバラモンは不思議な呪文を唱えながら火のついたロウソクを乗せたお皿を像の前に掲げ、祈りを終えるとこちらに向き直り、皿の上の何かの粉を俺たちの手に乗せる。
パパがロウソクの火に手をかざし、うやうやしく粉を自分の眉間につける。
インドの人たちがいつもおデコにつけてるあれだ。
俺もそれに習っておデコに粉をつけようとするんだけど、そんな簡単なことがなかなか難しい。
デコに粉を塗る、っていう行為とか日本人として生きてたらまずやることのない動作だし、潔癖な人間からしたらそこそこ抵抗がある。
でもこのシチュエーションでやらなかったら周りの柵の外で見てる一般参拝者の方たちから呪われそうな勢いなので、意を決して塗りつけた。
ちょっとタガが外れる。
迷路の中、そうした神様の祠を次々と回っていき、その度に同じお祈りをしては粉を渡され、デコに塗り、また渡されて、また塗って、
もうそろそろ終わりだよね?って思ってたらまた次の祠。
もうデコに塗るスペースないんですけど?
デコ中に粉を塗りたくってる俺を見て、気合いの入ったヒンドゥーさんたちがニコニコとこっちを見てくる。
うーん、不思議な宗教だ。
寺院の中を回り終えると、参拝記念みたいな感じで首に大きな花飾りをかけてもらい、え?ハワイ?って思いながらどんな顔していいかわからない写真撮影。
そして複雑なハワイ気分で最後に寺院の屋上に上がらせてもらい、かなり厳重そうなドアの鍵を開けてもらって再奥にある金色の塔まで行かせていただいた。
どうやらここがこの寺院の核にあたりような場所らしい。
このモンキーテンプルはシヴァ神の息子であるムルガを祀る寺院で、インド中から参拝客が訪れるとても由緒正しい寺院なんだそうだ。
おそらくこの場所はヒンドゥー教徒であっても限られた人しか入ることのできない特別なエリア。
そんなところにいるというのに、なんかハワイ気分でそこまで有り難みを感じられていないのが申し訳ない。
ヒンドゥーは底知れない人間の闇が固まってできたような不思議な宗教だ。
アラコナムに帰ったらカデルがいつものチキンカレーを作ってくれ、死ぬほど辛くて口の中とお腹の中がマハラジャになったので整腸剤飲みました。
明日が怖い。
でも味はマジで最高。
ちなみにこれは大阪マハラジャのお土産。
前にカデルが日本に行った時に俺がお世話になってるとある社長さんに紹介したところ、大阪マハラジャに連れて行かれたんだそう。
酒飲まないインド人がマハラジャのVIP席。
青山さん、最高です。
その節はカデルに新しい世界を見せていただいてありがとうございました!!
ていうかマハラジャのVIPってどんな感じなんですか?
いつか行ってみたいです。