こんにちは!神田です。
インドに来たら勝手に痩せる計画、絶賛台無し中です。
今回のインドはフミくんも今の所大きくお腹を壊すこともなく、それどころか
ご飯が美味しくて二人して残念ながら順調に太っていってます。
ここから先は間違いなく美味しいご飯の国ばっかり待ってるので、もうダイエットは無理ですね。
おわり
2017年11月18日(土曜日)
【インド】 チェンナイ
部屋の湿度がジャングルの奥地並みですね。
なにこの湿度。
ベッドも枕も肌もペトペト祭りです。
ここに除湿機置いたら10分くらいで満タンなるはず。
ヨーロッパってマジで乾燥がすごいから1週間シャワー浴びなくても肌も髪もサラサラのまんまだったけど、インドでは常に風呂の脱衣所にいるような感じ。
むわぁってしてる。
おかげで乾燥で唇が切れていたのもすぐに治ってくれたけど、まぁ気持ち悪いですよね。
常にベトベトだもん……………
あぁ、ヨーロッパすでに恋しい……………
そんな気持ち悪い朝。
さぁ、今日から動き出すぞ
顔を洗って歯を磨いて、あぁ、いつでも水があるって素晴らしいねってカンちゃんと話しながら準備し、宿を出発。
朝のチェンナイはすでに活気に満ちていて、バイクやトゥクトゥクがクラクションを鳴らしながら通りを行き交っている。
最初のころは、クラクションうるせぇ!!アホか!!今魔法が使えたならインドの乗り物のクラクションすべて破壊する!!って発狂しそうになってたけど、最近ではそこまで、そこまでは思わなくなってきてる。
カデルが言うには、もし事故が起きた時、まず最初に聞かれるのはクラクションをちゃんと鳴らしたのか?ということらしい。
クラクションを鳴らしてなかったら、鳴らさなかったのが悪い、ということになるらしい。
なるほどなぁ。クソ謎だけど。
だからみんなアホみたいにクラクション鳴らしまくりながら運転してるんだな。
牛にも鳴らすし、カラスにも鳴らしてる。
カラスに鳴らしても意味ないと思うよ。
ていうかまたやってる。
必殺、糞づまりの術。
狭い道にトラックが突っ込んでいって、反対側からもなんも考えずに車が向かってきて、案の定狭い部分で糞づまり。
これ以上行ったら離合できなくなるから少し手前の広いところでトラックが来るのを待っておこう、なんて待つことを知らないインド人には無理な話。
糞づまってどうしようもなくなってドライバーが、下がれやあああ!!お前が下がれやあああああ!!!って怒鳴りあっているところにバイクやトゥクトゥクがやってきて、かろうじて空いてるわずかな隙間に突っ込んでいって、そして通り抜けられずに引っかかって、もう完全に何もできないくらいガチガチに身動き取れなくなってまた怒鳴る。
あ、アホだなぁ…………
インド楽しいなぁ…………
こうなったらもうクラクション祭りですよね。
一瞬にしてものすごい数の大渋滞が発生して全員がクラクション鳴らしまくって鼓膜破れそうになってウオラアアアアアアアアアア!!!!うるせええええええええええええええええええ!!!!!!
バカなの!?ねぇ!?なんで待てないの!?
余計時間かかるのわからん!?
もうとんでもないことになってるのを横目に見つつ、なんとか人の家の玄関を歩いて大渋滞から脱出。
これ毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日やってるんだなぁ。
なんでなんにも変わらないんだろう。
インドすげぇ。
ひとまずどっかでご飯を食べようとテキトーにそこらへんのローカル食堂へ。
カデルからしたら、そんなところで食べるなんて信じられないってとこだろうけど、バックパッカーはやっぱりこういう店だよな。
インドは一応英語圏なのでメニューも英語で書いてるところが多いし、人々も英語を喋れる人が多いので助かる。
多分オーストリアよりみんな英語が喋れるんじゃないかな。
インド訛りひどいからあまり聞き取れないけど。
お客さん全員が白米とカレーの定食みたいなの食べてたからあれくださいと言うと、なぜかチキンビリヤニが出てきた。
あれ?
まぁいいか。
うん、あんま美味しくない。
鶏肉と卵て、インド式親子丼だな。
食べ終わって値段聞いたら100ルピーって言われた。170円。
え!?高くない!?
白米のほうは?って聞いたら40ルピー。67円。
ちょ、白米のほうって言ったやんって抗議すると、いやぁこっちが食べたいのかと思ったよーとはにかむ兄さん。
うん、人の良さが出てますな。
いいかなーと思って高いほう出しときましたって感じ。憎めない。
南インドの人はそんなに観光客ズレしてないので、アホみたいなこと言って金を騙し取ろうとしてくる人はほとんどいない。
デリーとかムンバイだったら空港から出た瞬間、カモがネギしょってきたぞおおおおおおお!!!!ってソッコーで鼻ヒゲのアホどもが群がってきて謎の嘘をついて騙そうとしてくる。
チェンナイの空港では、まぁ普通に客引きくらいだ。
ほとんどストレスはない。
財布から200ルピー出して渡した。
今度はちゃんと美味しいお店に行こう。
ちなみにコーラは600ミリが37ルピー、62円。安い。
しばらく歩いてローカルエリアを抜けると、道路向かいにドゴーーン!!とものすごく大きなショッピングモールが現れた。
ここはエクスプレスアベニューっていうモールらしく、カデルもオススメのところ。
H&Mも入ってる。
冬のヨーロッパから来たので夏服がほとんどなくて、インド用に1枚シャツが欲しいところだったので探してみることに。
まぁカデルが来るところだからなぁ、高いだろうなと思って中に入ると、とんでもないラグジュアリー空間が広がってる。
エアコンのきいたモール内はヨーロッパと同じクオリティで、ピカピカのツルツル。
有名なお店が軒を連ねており、ここにいるような人たちはみんな綺麗な格好をしたお金持ちばっかりだ。
女の人もサリーではなくジーパンとかの洋服を着たイケイケの子たちが多い。
いやぁ、すげぇなぁと思いつつH&Mへ。
こんなのインドでも着ていいんだね。
確かに足出してる女の子とかいるもんな。
ていうかH&Mのくせにゲロ高ぇ。
ただのシャツが4000円くらいしやがる。
まぁ、ヨーロッパでも30ユーロくらいしてたから同じ値段か。
でもインドで見るとただの高級ブランドでしかない。
もうすでに金銭感覚もインド仕様になっているので、とてもこんなセレブな服買えませんとすごすごとモールを後にした。
高えわ………………
そんで歩いてたらローカルの男性服屋さん発見。
中に入ってみると、棚にズバーーー!!っとシャツが積み上げられているんだけど、全部1枚1枚ビニールに入っているパターン。
インドってこれがめっちゃ多い。
見たかったら店員さんに棚から引っ張り出してもらって、さらにビニールを開けてもらわないとデザインがわからない。
そして開けさせたんだから何か買わないと申し訳ない感じになってしまう。
さらに試着禁止だから困る。
そりゃ汗まみれの汚いオッさんたちにいちいち試着させられないのはわかるけど、試着しないと似合うかわからんやん。
賭けで買わんといかんやん。
でもまぁ値段は430ルピー、730円。
安いし、インドの1ヶ月だけもてばいいかな。
とりあえず1枚買っといた。
400ルピーにまけてもらえた。
オッちゃんありがとう。
それからぼちぼちと歩いて歩いて歩いて、宿から4.5キロほど離れたナンガンバッカムというエリアにやってきた。
とにかく暑い…………
汗まみれだし、排気ガスまみれだし、砂埃まみれだし、気持ち悪いことこの上ない。
すると真横に突っ込んできたトゥクトゥクが水たまりの上を走っていき、はねた水がズボンと足にかかった。
ああああああああああ!!!!
泥とオイルとクソと小便とツバと生ゴミとあらゆる汚いものが溶け込んだ汚水が足にかかる。
鬼ほどテンションが下がる……………
はぁ、インド頼むわ…………ってげんなりしながらそれからも頑張って歩き、途中いい加減のぼせそうになってチャイ休憩。
はぁ、チャイはとても美味しい。
チャイの値段はだいたい10ルピー、17円。
安いとこだと8ルピー、13円。
たまに砂糖の代わりに練乳を使ってるお店があるけど、練乳チャイはめっちゃ美味しい。
この屋台もそうだった。ラッキー。
そしてようやく今日の目的地に到着した。
比較的静かな住宅地の中にある1軒の建物。
3階建てのコンクリート造りで、古びてはいるけどしっかりした建物だ。
ここはSEEDSという施設。
チェンナイにあるストリートチルドレン、ワーキングチルドレン、親からの様々な虐待で行き場を失った子供たちを保護する施設のひとつだ。
壁にキリストの絵が描かれているのを見ると、どうやらクリスチャンの施設みたい。
インドに来る前、ヨーロッパの時点で結構色々と調べ、チェンナイにこうした場所をいくつか見つけてある。
さらに前もってこれらの施設に対して訪問したいというメールを送ったりもしたんだけど、なぜかその返事はなかった。
ホームページの情報も数年前の更新が最後だったりして、そういうところにまで手が回せてないのかもしれない。
そんな中、1ヶ所だけメールの返事が返ってきた。
よし!!と思って見てみてゲンナリした。
内容は、
「どうぞいらしてください。つきましてはお1人様、1日5000円のガイド料が必要になります。こちらには寄付金も含まれております。」
というもの。
寄付ってこっちが値段決めるもんじゃないの?ガイドってなんかもうただの観光地やん?ってガックリきてしまい、それからメールでアポを取るというのは諦めた。
インドではこうしたボランティアビジネスってのが大きなマーケットになってる。
こうなったら突撃アポのみ。
施設に直接出向き、そこで面と向かってお話しし、訪問のアポを取るのがベストだと考え、今日ついにその1ヶ所目だ。
このSEEDSはチェンナイで27年間、不遇な環境の子供たちのために働いている団体。
きっと俺たちにできることがあるはず。
ドキドキしながら建物に足を踏み入れる。
が、建物にはひと気がなかった。
あれ?
でもゲートは開いてるし、バイクも置いてるし、どこかに出かけてるのかな。
仕方ないので表で待つことに。
が、全然誰も帰ってこない。
あれー?どうしたんだこれ?
本当にここって稼働してるのか?
と、不安になってきたところだった。
中学校低学年くらいの制服を着た男の子たちが、楽しそうにお喋りしながら歩いてきて建物に入っていく。
そして俺たちを見つけると元気に挨拶してきた。
「ハロー!」
「ハロー、みんなはここに住んでるの?」
「そうだよー!!日本人?イェーイ!日本人だー!!」
男の子たちは屈託のない笑顔で手を振ってくれ、建物の中に入っていった。
よかった、どうやら稼働してるみたい。
そして子供たちは学校に通わせてもらえてるみたいだった。
すると1時間くらいして、バイクに乗った2人の男性がやってきた。
「ハロー、何かご用ですか?」
「あ、僕らこちらで何かボランティアできることがないかと思って日本から来た者です。」
「あー、そうですかそうですか!それでしたら明日の午前中にまた来ていただけると施設のディレクターもおりますし、子供たちもいますので。」
どうやらこの建物には現在21人の子供たちが共同生活をして暮らしているらしく、この時間はみんな学校に行ってるとのこと。
ディレクターと呼ばれてる施設の責任者も、今は外出しているけども明日にはいるみたいだ。
「ええ?!セントラルから歩いてきたのかい!?オーマイゴッド!!バスならすぐなのに!!チャイでも飲んで休んでいったらいいよ。」
「いえ、今日はアポだけ取るつもりで来ましたので、また明日お伺いさせていただきます。」
「そうかいそうかい、では明日の10時に来てもらえる?そしたらみんないるし、子供たちと会ってもらえるからね。」
めっちゃフレンドリーで笑顔溢れる男性2人で、電話番号の交換などして無事明日のアポを取り付けることができた。
今日の目標を果たすことができ、若干興奮気味になりながも挨拶をして建物を後にした。
歩きながらふつふつと湧き上がるものがある。
よし、よし!!
足がかりを見つけたぞ!!
建物を見る限り、そんなに設備の充実した感じではない。
子供の数も21人ならコミュニケーションも取りやすいはず。
ここで子供たちと関わり、実情を聞き、彼らや施設に何が本当に必要なのかを見つけることができたら、きっと支援ができるはず。
音楽を通してみんなで遊び、もしかしたら一緒にパフォーマンスもできるかもしれない。
よし、やり方は間違ってないぞ。
今回のインドで、ほんの少しでもいいから自分が納得できることをやりたい。
それを今後につなげていく。
ふぅ、気合い入るなぁ。
頑張んないと。
さすがに帰りはバスに乗ることにしたんだけど、まぁインドのバスはどうもならない。
まずグーグルマップでバス停を調べて行ってみてもバス停がない。
バス停マークがあるのにバス停がない。
そしてまったく違うところにある。
さらにこのバス停にはこの番号のバスが来ますよーと看板やグーグルマップに書いてるのに、全然違うバスがバンバンやってくる。
到着時間なんてもちろん全然違う。
はぁ、ヨーロッパ楽だったなぁ。
経路を出したら全部確実に正しい情報が出て、全部時間通りだったよなぁ。
それが当たり前だと思うんだけどなぁ。
インド、こんなに何ひとつ正しい情報が出ないんだったら最初から情報出さないほうがいいと思う。
余計混乱するわ。
バスの乗りかた教えてくれた男の子。
ただのハンサム。
でもハンサム君に教えてもらって乗ったバスも結局目的地には行かず、ぜんぜん違う方向に進んでいって、ここからあっちに歩いて行けばいいからって言われて降ろされた。
くそおおお…………インドのバスめ……………
トゥクトゥクに乗ったらちゃんと目的地まで行けるだろうけど、トゥクトゥクはスーパーボッタクってくるしなぁ。
インドの交通機関、マジでどうしようもねぇ……………
まぁ値段は安いけど。
1人8ルピー、13円。安すぎ。
ズタボロの通りで降りて、ぼちぼち歩いて行く。
映画館エリアを抜け、トゥクトゥクの整備をやってる通りを抜け、しばらくすると電気街に入ってきた。
秋葉原とか日本橋みたいな電気街で、大きなお店から部品を売ってるようなめっちゃ小さいお店まで、ここにきたら電化製品ならなんでも揃いそうだ。
本当に映画で見た、日本の昭和の高度成長期を彷彿とさせるようなドロドロした活気に満ち溢れていて、町全体が蠢いている。
もうずっと使われていない変電設備かなんかが道路の真ん中でおどろおどろしく放置されている。
狭い道を行き交うバイク、トゥクトゥク、人人人人人。
無秩序に止められたバイクが狭い道をさらに狭めており、それなのに何も考えずにトゥクトゥクが突っ込んでいき、通り抜けできないって言われて道の真ん中でUターンしようとして何度も何度もちょっとずつちょっとずつ切り返しをして、数センチずつくらいの感じで切り返しをしているのに、待ちきれないバイクたちが突っ込んでいってトゥクトゥクのドライバーと怒鳴り合いになり、それを見てたオッさんたちが待ちきれずにバイクで突っ込んでいってまた糞づまって、もう絶望的なまでにガッチガチに動けなくなってから怒鳴り声とクラクションの嵐。
あああ、またやってるなぁ。
ここをホコ天にすればもっと経済効果も上がる気がするんだけどなぁ。
通りの向こうに夕日が沈んでいく。
今日もインドにとって何も変わらないいつもの1日が終わっていく。
ゆうべも食べた宿の近くにある食堂でご飯を買って宿に帰る。
パロタと魚と鳥唐揚げで130ルピー。220円。
1人110円でこんなに贅沢なご飯が食べられるのはすごく嬉しい。
魚めっちゃ美味しかった。
パロタももちもちして美味しい。
唐揚げはもう完全に唐揚げだ。
1日動いて疲れきって火照った体に水シャワーをぶっかけ、湿ったベッドに倒れこむ。
天井のファンが、部屋の中のぬるい風をかきまぜている。
あぁ、インドまだ始まったばかりだぞ。