こんにちは!神田です。
初めてインドに来たとき、わ、インドネシアと似てる!て思ったんです。
そしたら言葉でもおんなじものがあったり、ほんとにいろんな習慣が似ていることがたくさんあって、
きっと歴史の中でいろんな繋がりがあるだろうなぁと感じます。
ずっと社会が苦手で、歴史が苦手で生きてきたけど、今だったらもう少し社会の勉強も楽しくできるんじゃないかなー。
おわり
2017年11月17日(金曜日)
【インド】 アラコナム ~ チェンナイ
インド暑すぎる…………
数日前まで水が凍る国にいたのに……………
ずっと外に立っていられないほど暑い………………
太陽がエグい……………
でもインドは今が1番涼しいシーズン。
カデルのママはこの時期になると膝が痛くなるそう。寒くて。
おかしい………………
暑くて倒れそうなんですけど……………
そんなインドの朝。
今日はカデルのとこを出てチェンナイに向かう。
インドの朝ごはんでよく出てくるイドリーを食べ、荷物をまとめてカデルの車に積み込んだ。
わざわざチェンナイまで送って行ってあげるよというカデル。
マジありがとう!!
「パパー、ママー、また遊びきます!!」
「いつでも来るのよー。ニコニコ。」
ファミリーのみんなに挨拶してアラコナムを出発した。
まぁそれにしても先進国の人間がインドで車に乗ったら、5分後には自殺者か殺人者になれますね。
みんなマジでやりたい放題にもほどがある。
あのイタリア人でも恐れをなして逃げ出すレベルの無法地帯です。
まず車線というものの概念がない。
トラックと車とトゥクトゥクと自転車と人と牛とヤギと猿と豚と犬が入り乱れている中をバイクのオッさんが鼻クソほじりながら逆走してきて、それをすんでのところでヒラリと交わす鼻ヒゲのオヤジ。
あまりの恐ろしさに、ひいいいい!!!と目を伏せてしまいそうになります。
その上道路にはハマったら車が再起不能になるレベルの穴ぼこだらけで、クラクション半端なくてウンコすごくて臭くて臭くて臭い。
これが世紀末というならインドはずっと前から常に世紀の末。
「ハァハァ…………ところでカデル、インドってスピード違反とかあるの?」
「え?そんなの誰も気にしないよ?みんな好きなスピードを出すんだ。事故って死ぬまでね。」
「真面目に取り締まる警察とかいないの?」
「いるよ。多分1000人に1人くらい。」
そうだよね……………
警察の目の前でみんな信号無視してるのに、お巡りさん普通に職務まっとうしてますみたいな凛々しい顔してなんか笛吹いてるもんな……………
え?今なんで吹いたの?っていうタイミングで。
カデルが言うには、インドの運転免許証は朝に自動車学校みたいなところに取りに行ったら午後には持って帰れるものらしい。
教官を乗せて300メートルくらい走ったら、はいオーケーって言われて2000円くらい払って終了らしい。
そこでちゃんとギアとか変えられようもんなら、お前マジか!?アメイジングドライバーだな!!ってめっちゃ褒めてもらえるそう。
アホなの?
車ってもっと危険な乗り物じゃないんですか?
そんなんだから交通ルールをちゃんと理解してるインド人なんかほとんどいないし、もしちゃんと交通ルールを守ったら逆に危なすぎてソッコー死ぬらしい。
「マジか…………そりゃもう根本からどうにもならんね…………」
「昔アラコナムにも信号が取り付けられたことがあったんだよ。1番大きな交差点に。ちゃんとしましょうって。でも誰1人従わなくて余計パニックになって10日で取り外されたよ。」
絶対インドで運転したくねぇ…………
ていうか信号守らないくせに左手でお金払おうとしたら顔をしかめて受け取らないってどういうことなの?
失礼にあたるて。
いや、その前に信号守ろうよ。
許容範囲がオリジナルすぎてウケるわ……………
途中ジュース休憩を挟みつつ、2時間ちょいくらいしてチェンナイの街に入ってきた。
道幅が広くなり、建物が増えてくる。
遠くには近代的な高いビルも見える。
カデルはこのチェンナイにあるインド国内でも有数の偏差値の高い大学を卒業している。
なのでチェンナイのことはカデルにおまかせだ。
まずやってきたのはお金の換金所。
とりあえず100ドル分だけインドルピーに換金したんだけど、正規レートが65ルピーで、換金レートが64.5ルピー。
マジすげぇインド…………ほぼ正規やん…………
そこからガバメントタックスで45ルピーが引かれるよということだけど、たったの76円……………
結果100ドルも替えたのに減ったのはわずかに160円。
良すぎ。ヨーロッパだったら800円くらい減るよなぁ。
しかもなんとこの換金所、ユーロだったら正規レートよりも増えるという謎のインドシステム。
やっぱり物価の安い国は換金も安い。
あ、ちなみにインドとかの途上国では100ドル50ドルなんかの高額紙幣のほうがレートが良くなるのでその辺計算に入れて持っておくといいです。
1ドル札とか5ドル札だと結構下がります。
「フミ、ちょっと知り合いのドクターに体を診てもらいに行きたいんだけどいいかい?」
「あぁ、もちろんいいよ。」
「フミはすぐにお腹を壊すよね。2人ともすぐ体調を崩す。だから2人も診てもらったらいいよ。すごいドクターだから。手を触って気を感じるだけなんだ。それで体のどこが悪いのかすべてわかってしまうんだぜ。」
なんか怪しさがほとばしる話だけど、カデルはめっちゃ信じてるみたいだし、とりあえずそのドクターのところへ向かう。
するとチェンナイの下町っぽいゴミゴミしたところに車を止めるカデル。
通りにはヒンドゥーの寺院があり、人々が懸命に祈りを捧げている。
ドロドロした、様々な淀みが漂っている。
その寺院の向かいにめっちゃ小さな薬局があった。
ここだよ、というカデル。
け、結構小さいところなんだね……と中を覗いてみる。
そこには、そろそろ霞だけでイケそうですオーラを放つ仙人が座っていた。
うおお…………なんかめっちゃヤバそうな人がおるぞ…………
真っ白のヒゲをモジャモジャに生やして、顔もよくわからん………………
怖すぎる………………
「さぁ、フミも診てもらったらいいよ。」
カデルがそう言うので恐る恐る近づいて仙人に向かい合って座った。
めっちゃ怖いけど、数千年の歴史を誇るインドの医学。
東洋医学の神秘、的なゴットハンドで体の悪いところ全部言い当てられたらどうしよう。
めっちゃ健康になったら嬉しい!!!!
おもむろに俺の右手の服をまくり、動脈に沿って指を当てていく仙人。
ふむ……………と、意味ありげにうなずいている。
な、なんだろう、とドキドキしてくる……………
静かな部屋の中、外からクラクションが聞こえてくる。
早漏だね、とか言われたらどうしよう…………
そして仙人がおもむろに口を開いた。
「最近疲れやすくないか?」
それ普通くない?
そうかもしれんよ?
確かにそうかもしれん。
でもそれ年のせいとかじゃない?
そしてまた仙人が口を開いた!!!!!
「足に何かプロブレムがあるんじゃないか?」
してやったりみたいな顏でそう言う仙人。
マジ思い当たる節がない。
まさか仙人は昨日蚊に刺されて痒くなってるところのことを言ってるのではあるまいか。
また口を開く!!!!
ていうか歯が全体で2本しかないのが怖い!!!!
「数年以内に事故があったんじゃないかい?」
「………い、いや………なにもない……です…………」
「胸焼けしやすいんじゃないかい?」
「ビール飲みながらピーナッツとか食べまくってたらなるけど、そんな言うほどでは…………」
おい仙人、ひとつも当たらんじゃねぇか。
あまりにも当たらなくて、それでもなんとかして俺をびっくりさせようと指を動脈に這わし続ける仙人。
何かを見つけようと必死になってるのが指先からひしひしと伝わってきて不憫になってきた。
仙人のことを尊敬しているカデルも横で見てるし、なんかもうこの気まずさどうしてくれるんですか?
今仙人が言うべきなのは、気まずくて脈が早くなってますよ?じゃないですか?
あああ、もうどうしよう。
ここはいっちょ、うわぁ!!当たってる!!なんで!?なんでわかるの!?ウケる!!仙人すごいです!!インドやべー、と小芝居を挟んでこの場を切り抜けるべきなのか、とか考えていると、また仙人が口を開いた。
「体温が高いね。」
逃げた!!!!!
完全に逃げた!!!!!
それ誰でもわかるし!!!!
ていうか体温計あげましょうか!?!?
いやぁ、仙人すげぇわ……………
カデルすまん、ちゃんと乗ってあげられなくて、と思っていると、なにやら仙人がおもむろに紙を取り出してそこに何かを書き始めた。
ん?なに書いてるんだ?
何かを書いて、その横に1とか2とか書いてる。
それをめっちゃ箇条書きにしてるけど、
え?まさかそれって……………処方箋?
お薬、これとこれをいくつ出しときます的なアレ?
え?
「はい、それじゃあね、この薬が胸焼けを鎮める薬で、これが下痢に効く薬ね。これが体温を下げる薬。はい、お大事に。」
おい、なにがオダイジニだ。
なにひとつ当たってなかったのになんでこんな大量に薬買わんといかんとか。
しかも値段のところに535ルピーって書いてるじゃねぇか。
900円て。
今から泊まる宿より高えじゃねぇか。当たってないのに。
え?ていうかなに?これもう買わなきゃいけないの?
診断してもらった以上、買わないといけない的な空気になってない?俺いまんとこめっちゃ健康なんですけど?
一応インド滞在用に整腸剤だけ買えればいいかなと思ってたのに、なにこの満身創痍の老人並みの薬の量?
空気読めない仙人。
ドヤ顔で今度はカンちゃんに座りなさいと言ってきた。
俺もカンちゃんもすでに処方箋の値段を見てしまって気が気じゃない。
え!?ちょ待って!!また診てもらったら薬買わないといけないんじゃないの!?
なにこの謎のシステムっていうか不安をあおって物を買わせる悪徳商法この上ない感じの密室空間!!!
そしてカンちゃんの動脈に指を這わせていた仙人が満を持して口を開く!!!!
「よくめまいがするだろう?」
どうしていいかわからなくて震えているカンちゃん。
おい仙人、もうやめとけ、もうそれ以上チャレンジして自分を傷つける必要ないじゃないか。
大丈夫、わかったよ、あなたの勇気は賞賛に値するよ、腕の動脈を指で触っただけで体の悪いところが全部わかるなんて無茶なこと最初から言わなきゃよかったのに、いつからか引くに引けなくなっちゃったんだね、
大丈夫、もう無理しなくていいから、素直になっていいんだからね、僕たちはあなたのことを理解しているから、そのままの君でいいんだよ、そのままの君が1番素敵。
そしておもむろにカンちゃん処方箋に大量の薬を書き始める仙人。
おおおおおおおおいいいい!!!!!
だから当たってない症状の薬出すのやめてええええええええええええ!!!!!!
結局めっちゃすごい金額になったんだけど、さすがに空気を察したカデルが、後でまた来ますーって言って整腸剤だけ買って仙人の洞窟を脱出。
インド怖い。
これがまかり通ってるインド怖いっていうかあの診断信じる前に信号守ろう。
ねー。
それからカデルオススメのお店にご飯を食べにやってきた。
どっからどう見てもめちゃくちゃ良さげな雰囲気のこのお店。
お客さんもみんなお金持ってそうな雰囲気のインド人ばかりで、身なりも綺麗。
カデルは昔からこのお店がお気に入りで、カデルママもここが大好きなんだそう。
チキンロリポップ、タンドリーチキン、そしてビリヤニなんかを注文すると、その他色んなカレーもたくさんついてきた。
味はもうめっちゃ美味しいですよね。
うっま!!なにこれうっま!!って大はしゃぎでパクパク食べた。
本当は今日はチェンナイにあるラーメン屋さんに行こうってみんなで話してた。
チェンナイには日本の企業がたくさん進出していて駐在さんもいっぱい住んでいるので、そういったお金を持ってる人たち向けの日本食屋さんが何軒かある。
インド人経営のお店がほとんどだけど、1軒だけ日本人経営の本格的なラーメン屋さんがあるのでそこにしてみようかーってネットで調べてみると、
まぁ値段が半端じゃない。
普通インドではだいたい50~60ルピーが一般的なご飯の値段。84円とか。
100ルピー、170円も出したらなかなかいいお店に行ける。
で、今日俺たちが来たのが150ルピーから200ルピーのお店。340円。
これはインドでは相当ハイクラスのラグジュアリーなお店。
お金持ちが来るようなところだ。
そんでラーメン屋さんなんだけど、なんと530ルピー。900円。
なめてる。日本より高い。
インドのハイクラスレストランの3倍の値段。
もちろん無理です。
おとなしくインド料理食べます。
カレーめっちゃ美味しいしね!!
この食後に食べるトイレの芳香剤みたいな謎のやつはマジ無理だけど。
「いやー、カデル美味しかったわー。連れてきてくれてありがとうね。」
「ドウイタシマシテー。さぁ、じゃあホテルに送っていくね。」
車に乗り込んでチェンナイの中心部に向かっていくんだけど、さすがにセントラルになると交通量も尋常じゃなくて、車、トラック、トゥクトゥク、バイク、自転車、人、牛が洪水みたいに行き交っている。
なのに交差点には信号がない。
そしてインド人は譲り合いの心を1ミリも持ち合わせていない。
このウルトラ無法地帯の交差点に根性で突っ込まないといけない。
死ぬなというのが無理な話。
でもまぁ普通の感覚だったら150パーセント入っていけないんだけど、さすがインド人のカデルは強引に交差点に突っ込んでいく。
「か、カデル、こ、ここをUターンするの?」
「そうだよ。」
「で、でもそこに警察立ってるよね?ホラ、そこにUターン禁止の看板もあるよ?」
「大丈夫大丈夫、インドヘヨウコソ。」
そういって平然とUターンしていくたくさんの車。
それに混じって俺たちもUターン。
交通整理のお巡りさん、何も言わない。
「い、いやぁ、俺には無理だわ、こ、怖すぎる…………」
「ははは、強引に行かないとインドでは運転できないからねー。はははー。」
「あははははー。」
「あはははははー。」
ペキョ!!
メキメキメキ!!!!
ポキョキョ!!
メキョパキャ!!
カポッ!!
え!?なに!?!?
なに今の!?!?
今すごい音したよ!!!
ちょ!!ヤバくない!?完全に当たったよね!?!??!??!!
「シット、当たったね。」
「えええ!!マジで!!!えええ!?!?」
バックミラーを見ると、後ろのほうで窓から体を出して何やってんだ!!って感じで手をあげてる軽トラックのオッさんがいる。
ちょ!!ええええ!!???!
当たってきたのそっちやん!!!!
しかしカデルはそのまま走っていく。
洪水みたいに流れてるこの道路の真ん中で車を止めるわけにはいかないのはわかるけど、どんどん軽トラックと離れていってとうとう見えなくなってしまった。
もう探すのは確実に不可能。
脇道に入って傷を確認してみる。
べらくり。
バンパーもげてるやん。
ブチ取れてるやん。
「うわぁ…………ひどすぎる……………」
「まぁ大丈夫大丈夫。保険で直してもらえるから。さぁ行こうか。」
「行こうかって、これどうするの?保険っていってもポリスレポート取れないよね?現地離れてるし、相手いないし。」
「ポリスレポート?いらないよそんなの。インドヘヨウコソ。」
絶対インドで運転したくねぇ……………
そんな呆然としている俺たちの横を、時代先取りしすぎてるファッションの人おる…………
インド怖い……………
めっちゃビックリしながらもなんとかチェンナイの街中にあるアンナスタチューの交差点横にあるエリアにやってきた。
細い路地が入り組むローカルエリアの中には無数の小さなゲストハウスが密集しており、どうやらここは安宿街になってるみたい。
お直し屋さんとかチャイ屋とか何かわからない部品屋さんとか、下町のゴミゴミした雰囲気が漂う路地を、車を止めて歩いた。
「ホラ見てみて、そこのバイク屋のおじさん。ああいう人のことをマドラシーって言うんだよ。でも大きな声で言ったら絶対にダメだからね。」
マドラシー?ああ、マドラスのことか。
インドの都市にはインド名の他にイギリス統治時代のイングリッシュネームが存在する。
コルカタはカルカッタ、ムンバイはボンベイ、そしてチェンナイはマドラス。
北インドの人たちはこのチェンナイの田舎っぽい雰囲気の人のことをバカにした意味を込めてマドラシーと呼ぶんだそうだ。
アメリカでも南部の人のことをレッドネックとか呼ぶスラングがあったよな。
どこの国でも同じようなもんだ。
入り組む路地の先に今回俺たちが予約している宿、SIUマンションがあった。
受付をして部屋に入ると、うん、悪くない。
ていうか綺麗。いやかなり綺麗かな。
インドの安宿にしては相当清潔にされてるほうだと思う。
ツインベッドで、室内にシャワーもトイレもあって、臭くないし、なによりワイファイが部屋の中でも爆速。
マジでヨーロッパより早いんじゃないかってくらい爆速。
そして値段はなんと450ルピー。760円。
激安。
最近インドでもドミトリーで300ルピーとか350ルピーが普通になってきてるのに、個室でワイファイ付きでこれは相当めっけもんだ。
こりゃいいとこ予約したな。
でもお坊ちゃん育ちのカデルからしたらただのお化け屋敷くらいの感覚みたい。
部屋を見てもずっと苦笑いしてる。
「こんな安い宿がチェンナイにもあるんだね。知らなかったよ。」
「カデルはこんなとこ泊まらないもんね。これで700円だよ。もっと安いところもいっぱいあるよ。もっと汚くて。」
「僕は10分でもいられないね。」
カデル面白いなぁ。
貧乏人たちの部屋を見学してカデルはアラコナムに帰っていった。
カデルありがとうね!!
また近いうちにアラコナムに遊びに行くよ!!!
さて、荷物を下ろしたら少し周辺の散歩に出かけた。
これからこの宿を拠点にしてチェンナイに滞在するので、どこになにがあるのか調べておこう。
ホテルを出て路地を抜け、お店がたくさん並ぶ通りを歩いた。
ゴミが山のようになって散乱しており、腐敗臭が巻き散らかされて臭くてたまらない。
痩せこけてボロボロになった野良犬がゴミを漁り、その横で裸の爺さんが棒のような細い足を横たえて寝ている。
トゥクトゥクとバイクがけたたましくクラクションを鳴らして行き交い、人々はチャイ屋の前でチャイをすすり、小さな商店でタバコのバラ売りを買っているおじさんが仰々しく火をつける。
家の前で座ってお喋りしてるおばさんたち。
凄惨な光景と穏やかな光景が間隣で存在している。
あぁ、インドだなぁ。
セブンイレブンらしきもの。
あぁ、インドだなぁ。
俺たちもそんな凄惨な光景の間隣でチャイを飲んだ。
甘いミルクティーが汗まみれの体に染み渡る。
少しずつインドに体が馴染んできている。
空港のフライドバイのスタッフにはまだムカつくけど、近くに楽器屋さんを見つけたのでカポを買った。
どうせ連絡を待ってても絶対にハーモニカバッグは見つからんだろう。
チクショー…………むかつくなぁ…………
でももうしょうがない。
このお店、インドにしてはって言ったら失礼だけどかなり品揃えが良くて、いいギターもたくさん置いていた。
カポは400ルピー、680円。
試奏させてもらったけど、一応ちゃんと使えそうだ。
ホーナーのハーモニカはやっぱり3000円以上するのでもう少しいろいろ探してみるか。
あぁ、ハーモニカバッグ……………
あとトイレットペーパーも探して回ったけど、インドって水で洗う習慣だからトイレットペーパーっていうものがほとんど売られていない。
さらに大きなスーパーとかがなくて、どこも個人経営の小さなズタボロのお店ばかりなので外国人向けのトイレットペーパーを置いてるところが全然ない。
やっとこさ見つけることができたけど、ひとつ45ルピー、75円とインドの物価からしたらなかなか高い。
大事に使わないとな。
日が沈み、暗くなってきた町はまるでこの世の終わりみたいにボロボロだった。
あぁ、こっからが本格的なインドだ。