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世界で1番稼げる2時間


こんにちは!神田です。



リアルタイムの今日は、旅中に何度も再会を果たした縁のあるふたりとのまたばいばいの日でした。

リアルタイムの今日っていうか、これを書いてる今日です。



次に会えるのは日本かなーはたまた違う国かなー。



縁があればいつでも再会できる♪



そう思うとばいばいも淋しくないですね。





おわり









2017年10月14日(土曜日)
【オーストリア】 ドルンビルン ~ フェルトキルヒ





土曜のお楽しみ、朝マック!!!






カウンターには新聞!!朝のカフェはどこも一緒!!







いつもより早く7時半起きでマックに行き、マフィンをカプチーノで流し込んだらソッコーでドルンビルンの警察署へ!!!



「シュトラッセムジックのパーミッションください!!」



「はいよー。」




ドルンビルンの路上ルールは午前の9時から12時までの間のみ!!


3時間のうちの2時間のみ!!


1時間ごとに場所を変える!!


値段が14.3ユーロ!!!1900円!!クソ高え!!


たった2時間のために14.3ユーロとか世界屈指のライセンスの高さ!!


しかしそれだけ異次元に稼げるのがこのドルンビルンのサタデーマーケット!!!





ギターを担いで中心部に向かうと、町の中には溢れんばかりの人の波!!!

















いくつもの屋台が通りにズラリと並び、チーズやらハムやら生花やら、野菜も服もなんでもかんでも売っている!!



そびえる教会の塔が快晴の空にのび、寒くもなく風もなく、ついでに喉の調子もバッチコイ!!!


そして警察に聞いたところ、今日ライセンスを取りに来てるパフォーマーは俺1人!!


さらに三軒茶屋にあるバー、四軒茶屋で現在行なわれている「たんのみゆき LOVE展」も好評開催中!!!


おまけに大阪~宮崎間にジェットスター開通!!!



コンディション最強!!!





うおらああああああああああああああああ!!!!!

今日こそ過去最高記録を更新するぞおおおおおおおおおおおお!!!!!













が!!!!





ただでさえマーケットの屋台でとんでもない混雑なのに、明日の選挙に向けて政治グループの広報テントがあちこちに出まくっておりもはや隙間ゼロ!!!


ぐおおお!!!これは予想外!!!!


どこでやればいいんだ!?!?!?



鬼の顔でマーケットを端から端まで歩き回ったけど、見事なまでに隙間がない!!!!

ビビるくらい隙間商売なのに!!!




もうこうなったらメインストリートの甘栗屋さんの横のスペースにギリんちょ入らせてもらって強引にスタート!!!


クリの隙間で!!!



クリの!!!






しかし!!!


メインストリートは道が細いので大混雑になるし、雑踏がうるさくて演奏をちゃんと聞いてもらえない!!!


人が流れるので足が止まらない!!!



30分やってギターケースにはコインがちょろちょろ!!!!




ぐおおおおおおお!!!こりゃいかん!!!


急いで場所替えして、人通りは減るけどもメインストリートから1本外れた静かな通りで再スタート!!!



その瞬間、ウルトラ爆発!!!!



札、乱れ飛び!!!

人だかり絶えない!!!


よし!!!ハマった!!!


路上難しい!!!















そっからノンストップでぶっ飛ばし、12時の教会の鐘とともに弦ブチ切ってウンコ漏らしてフィニッシュ!!!!


オラァ!!!ドルンビルン乗り切ったぞコンチクショウ!!!!




あれ?なんでウンコ漏らしたとか嘘書いたんだろう……?


でもとにかくやれる限りのことはやったぞ!!



目の前のフルーツ屋さんからいっぱい差し入れもらった!!











時間は12時!!


もちろん今日はこれでは終わらない!!!!

































車に戻ってソッコーでフェルトキルヒまでやってきて、車を止めたらダッシュで警察署へ!!


1日に2回ライセンスを取るという荒技でホコ天にやってきた!!!



おっしゃ最高記録に向けて第2ラウンドぶちかますぞおおおおおおおお!!!





というところで、向こうのほうに見たことないパフォーマー発見!!


な、なんだあれ!?!?


なんかとんでもない大音量でなんかやってるぞ!!!??




近づいていくと、電子ピアノを弾きながら歌ってるんだけど、こいつは…………オペラ!!!


まさかと思って歩いて行くと、なんと昨日俺に自信満々で一緒にやらないかい?って言ってきたイタリア人のお兄さんだ!!!






声が半端ない!!!!


電子ピアノ自体をなかなかのボリュームに上げており、それだけでもかなり離れたところまで聞こえるというのに、そのピアノが歌声でかき消されるほど声量!!!


マジで劇場でマイクなしでイケるレベルのベルカント唱法をかましてるので、1ブロック向こうまで声が響き渡っている!!!!




めっちゃ上手。確かに音程も発声も演奏技術も、全てにおいて練習に裏づけられたパーフェクトなもの!!!


しかし劇場に響き渡らせるくらいの声量なので、これはさすがに苦情が怖い!!!


そこらへんのアンプ使ってる人よりはるかにデカい!!!




ちょっとヒヤヒヤしながら演奏を聞き、曲終わりで挨拶しながらコインを入れると、俺だと気づいてくれたお兄さんが大慌てでそのコインを拾い上げた!!!


そして俺に急いで返してくる!!!


同業者からはもらえないよ!!!といった感じでめっちゃ強引に返してもらった!!!


手のひらを見ると3ユーロ入ってる!!

入れたの1ユーロなのに!!!


困る!!!!












とにかくお兄さんが向こうの通りでやってるので、結構離れたカフェ広場で俺も開始することに。


ギターのチューニングをしていると、相当離れた場所なのに、

オオオオォォォオオオオォォォォォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!

というお兄さんのテノールが響き渡ってくる。



すげぇ声だな……………


ガイアかな……………




いやぁ、すげぇなぁ本気のオペラの人って。

本物のマイクいらずってのはこういうことを言うんだなぁ。










まぁ、俺は俺でのんびりやろう。

午前中で喉は温まっているので、囁くように、息を充分吐きながらいい声を心がける。


するとすぐにカフェのテラスからお客さんが歩いてきて、ビューティフルとチップを入れてくれた。


うん、いい感じだ。


今日は土曜日ということもあってスイスからの観光客も多く、フランもたくさん入っていく。


町の音の響きを聞きながら、それに合わせた音量で歌った。










するとそこに向こうの通りでやっていたはずのオペラのお兄さんがやってきた。


奥さんに通訳してもらうと、この場所でやりたいんだけど、ということらしい。


うーん、まだ始めたばっかりなんだけどなぁ……………


でもお兄さんもあの音量だとやれる場所も限られるだろうし、ここはフットワークの軽い俺が譲ってあげようかな。

お兄さん、路上初心者みたいだし。



いいですよ、僕向こうでやりますからと言うと、ありがとう!!君はいい人だね!!って言ってくれた。









いやー、いい人って言われちゃったなぁってニヤニヤしながら場所を移動したら、カフェ広場以外、土曜日でお店がほとんど閉まっていて人が全然いないんですけど、どうしてくれるんですか?



ぐうう!!!やっぱ場所譲らなきゃよかった!!って思った瞬間、


オオオオォォォォオオオオォォォォ~オオオオォォォオオオオォォォォォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!


と布施明を軽く上回る声量の歌が聞こえてくる。


ば、場所は譲り合わなきゃね………………








というわけでめっちゃ人通りの少ない小道でポロポロと歌っていたんだけど、さすがにあんまり人が少なすぎてチップの入りもボチボチ。


あー、こりゃ最高記録は無理かなぁ。


まぁしょうがないか。

あのオペラのお兄さんがいなければ出せていたかもしれないけど、それも含めての最高記録だ。



天気、ライバル、イベント、体調、



時給が低くても何時間もやれば記録は出せるかもしれない。

でもそんなに長時間は喉がもたないし、ライセンスの時間制限もある。

歌い続けるモチベーションの強さもいる。



記録ってのは色んな要因をクリアーしなければ出せないからこそ、記録なんだよなぁ。









すると1時間くらい経ってから、またオペラのお兄さんがキーボードを肩からさげてこっちにやってきた。


なにやら浮かない顔をしている。



「ハーイ、今日はもう終わるんですか?」



「あぁ、今日はもうやめるよ…………いやぁ、この町の人たちは僕の音楽が嫌いなのかな…………どう思う?」



「え?どういうこと?」



「今の1時間で5ユーロしか入らなくてね……………」



「え!?5ユーロ!?」




嘘だろ!?

あれほど完璧で素晴らしい演奏なのに1時間やって5ユーロ!!?

おかしい!!!



「他の町だったらいいのかな…………」



「う、うーん、多分この町は小さすぎるから、ウィーンとかなら人も多いしオペラを聴きに来てる人が多いからウケるとは思いますよ。」



「そうか、うん、わかった、ありがとう………」




昨日俺のギターケースの中のお金を見てナッシングと同じと言ってのけた自信満々のお兄さんが、すっかり肩を落として帰っていった。









お兄さんがいなくなったので、場所を移動してカフェ広場で歌った。


するとすぐにテラスからお客さんが来てチップを入れてくれる。


はっきり言って音楽の実力としては俺はお兄さんの足元にも及ばない。

あのお兄さんの後に俺が歌ったら、なんてショボい声なんだろうってちょっとショックを受けるくらい、お兄さんの声はよく訓練された揺るがない素晴らしいものだった。


お兄さんも、自負があるからこそ俺ならもっと稼げると思ったんだろう。



でもそれがチップに繋がるかと言ったら、そうでもないのが路上なんだよなぁ。


上手けりゃ稼げるってものじゃない。

路上には色んな秘密が隠されている。






稼げなかった要因のひとつとして、多分お兄さんの声はデカすぎた。

あんなにデカいと近所の人のことを考えてしまって、ヒヤヒヤしながら聞かないといけない。


ここはカフェ広場。

みんな会話を楽しんだりのんびりする場所なので、俺の歌すごいだろおおおおおおおおおお~~~~~~!!!!って無理矢理聞かせるんじゃなくて、会話の間にフワッと聞こえてくるBGMくらいでないといけないと思う。


太陽と北風。

技術や声量でムキになってコートを吹き飛ばそうとしたら、余計財布の紐は固くなってしまうのかもな。


勉強になる。





町の響きを感じながら最後のレットイットビーを歌うとテラスから拍手が起こった。

あー、よく歌った。


残念ながらユーロでの過去最高記録にはわずかに及ばず。

でもいい路上ができた充実感で、気持ちのいい疲れだ。











ご褒美に、そのまま目の前のテラスに座ってタップビールを飲んだ。


結構燃え尽きた灰。












ゆっくりと日が沈み、町に街灯がともっていく。


教会がだまりこくり、石畳が冷えていく。



俺もカンちゃんもブランケットを膝にかけてビールをあおった。


土曜日の夜ということで、少しずつお客さんがお店にやってくる。みんなドレスアップして。



夜気が町を覆う。



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