こんにちは!神田です。
去年オーストリアの挙式に日本から来てくれた友達から、あれからもうすぐで1年だね。ていうメールが届きました。
こっわ!!!!!
1年、はっや!!!!!!
日本で働いてた日常でも、日々いろんな出来事が起きる旅中でも、どっちにしてもやっぱり時間がすぎるのははやい!!!!
ああ、あれからもう1年かぁ。
結婚記念日って挙式した日?入籍した日?
結婚式記念日は、オーストリアで過ごせそうです。
おわり
2017年10月12日(木曜日)
【オーストリア】 ミッタージル ~ フェルトキルヒ
「うぃ~~、おしっこおしっこ……………オシッコしましょうねええええええ、キエエエエエエエエエエエ!!!!!神田さんー!!出てきてー!!ヤバいことになってるーー!!!」
「えー、はいはいー、なにー?オシッコがパジャマについたのー?ちょっと待ってよー。どうしたのー?………………うっわ、こっわ。やっば、こっわ。」
寝起きで車開けたらこれもん。
オシッコダダ漏れバッチコイの絶景。
壮大な雪山が真っ青な空にそびえてCGかこれ?って目を疑うほど。
山に挟まれてV字の谷になった底には細い川が流れており、かつてこの川が大河であるころにゆっくりと山を削って今のこの地形を作ったんだろうと想像できる。
穏やかな牧草地には牛が散らばっており、ガランゴロンというカウベルの音が谷のいたるところから聞こえてくる。
すげすぎる………
これが入場料のいる有名観光地の展望台ではなくて、ただの道端だもん。
チロルやっぱ半端ねぇ……………
このウルトラ絶景を眺めながら朝の一服。
スパーで売ってるラテマキアート。これ60セントくらい。80円。
安くて美味しくて俺もカンちゃんも大のお気に入り。
あー、なんて最高の朝だ。
チロルは車中泊の聖地だな。
そんなチロルの山の中を駆け抜けていく。
今週はとにかく天気がヤバい!!!
毎日毎日素晴らしい秋晴れで、紅葉に染まった山々がまるでセーターみたいに柔らかい色に染まっている。
日本にいるときも紅葉狩りは好きだったけど、オーストリアもたまらなく綺麗だなぁ。
「大阪では紅葉狩りってどこ行くの?」
「んー、箕面の滝とかかなぁ。人とんでもなく多いけど。高野山も綺麗やよ。」
そっかー、滝と紅葉なんて風流でいいだろうなぁ。
高野山の寺院群が紅葉に埋もれてる様子も素敵だろうなぁ。
どこの国にもその国にしかない紅葉の風情がある。
オーストリアの紅葉は教会とアルプスだ。
家がただのメルヘン。それがチロル。
今日はこれからオーストリアの端っこの町、フェルトキルヒまで走る予定。
チロルを一気に走り抜ける8時間コースだ。
こんないい天気だし本当は途中で歌いたいところなんだけど、チロルには大きな町が少なくて、ど真ん中にインスブルックがあるだけ。
山の中の都会であるインスブルックはめっちゃ綺麗で大好きなところなんだけど、なんせ路上のライセンスが1週間分売りしかしてないし64ユーロ、8500円と高いのでやりづらい。
あんまり時間もないし、結局インスブルックでは腰を据えることができなかったな。
程よい都会で、山の中の孤立感も冒険心をあおるし、自然に囲まれたロケーションと美しい歴史ある町並みはチロルのボスにふさわしい貫禄がある。
あの町で長居して、行きつけのバーとか作ってのんびり過ごしてみたかったな。
インスブルックの人たちの暮らしに混じってみたかった。
そんな魅力のある町だと思う。
町との出会いも、また縁だ。
というわけで今日は長いドライブになるんだけど、あまりにも綺麗な景色を楽しみながら走っていたらあっという間に中間地点であるインスブルックに近づいてきた。
でもその前にインスブルックの手前にあるハルという町で車を止めてみた。
このハルもまぁまぁの町。
まだ町中を見てなかったし、もしかしたら歌えるかもしれない。
今日は移動日で休みにしよう!!って話してたのに、こう天気がいいとどうしても疼いてしまう。
路上病。
というわけで岩山がとてつもない迫力で迫るハルの町に車を止めて中心部に歩いて行くと、そこにはものすごく綺麗な町並みが広がっていた。
イン川からのびる斜面の上に築かれたこのハルの旧市街。
細い路地が何本も入り組んでおり、全ての建物が古めかしく中世の姿をとどめており、しかも全体が坂になっているので風情がある。
まるで迷路みたいに複雑な路地の向こうに大きな教会の塔が見え、曲がり角の吹き溜まりに歴史のススがこびりついている。
かび臭い、古本の味わいなのに清潔感がある。
それがオーストリアだよなぁ。
いやぁ、このハルもめっちゃ綺麗なところやん。
なんせ山の迫力がすごい。
人はどこでも生きてる。
ただ人は少なかった。
ホコ天自体はすごくいい感じだしお店も多いけど、時間帯が悪かったかな。
イタリア寄りだからここでもシエスタがあるだろうし、人が出てくるのは15時過ぎのはず。
それまで待って歌ってたら移動の時間がなくなってしまうし、今日はやっぱ路上はやめとくか。
歌えなかったけど、またひとつ美しい町に来られて嬉しい。
あ、町の中でなんか映画の撮影やってた。
薬局が舞台のやつなのかな。
俳優さんも女優さんもエキストラの人たちもみんな古めかしい衣装を着ているので、きっと日本でいう大正時代の設定みたいなストーリーっぽい。
ハイカラさん的な。
でもその撮影現場の横を歩いてるただの地元の爺ちゃんがそのまま映画出られそうなほど渋い格好というのが素敵。
本当、ヨーロッパにいるといつも映画の中を歩いているような気になるのはこういうことなんだろうな。
インスブルックはそのまま素通りしようかなと思ったんたけど、ちょこっとプライマークでお買い物していくことに。
ここだけ東南アジア並みの物価になるので、冬に向けてパジャマとかブランケットとか買おうかなぁと思ったんだけど、さすがにプライマークでもまぁまぁする。
今のところなんとかしのげてるし、あと1ヶ月のために色々買うのもなぁ。
この前池田さんの家に遊びに行かせてもらった時に、池田さんに使い捨てにせーって言ってお布団をいただいた。
これがなければ間違いなく新しい布団を買わなければいけなかったところ。
オーストリアは11月でもヨユーでマイナスになるけど、池田さんにいただいたお布団&ヒートテックフル装備にすればなんとか乗り切れるかな。
池田さん!!お布団めっちゃ暖かいです!!
ありがとうございます!!
トイレの洗面台が斬新すぎてビビる。
2秒で飛び散る。
ズタボロのボロボロになっていたお風呂セットのポーチとカンちゃんの靴下だけ買い、それから駅前のアジア食品店などでガス缶を購入して車に戻った。
紅葉に染まるインスブルックがたまらなく美しくて、後ろ髪を引かれながら町を出た。
そしてひたすら紅葉の山々の間を走り抜けた。
伸びやかな一本道、かと思えば連続するヘアピンカーブ、峠の上に来ると一気に気温が5℃とかになったりしながらアクセルを踏む。
いくつものスキーリフトが山の上にのびており、ここがスキーの一大聖地だということがわかる。
谷間にかかる鉄道の鉄橋、山の上に取り残された古城、
やがてそれらを夕闇が覆っていき、山の陰は気温がグッと下がる。
遠くカーブの向こうに見える山の稜線がオレンジ色の夕日に燃え、シルエットになって空を切り取っている。
まるで良くできた切り絵。
綺麗だな。
今日1日で何回綺麗って言っただろ。
そんな1日を過ごせることは、きっととても幸せなことなんだろうな。
1日1日を堪能しよう。
充実した日だったと思えるように過ごそう。
1日はあっという間に終わっていく。