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世界初の山岳鉄道、ゼメリング鉄道


こんにちは!神田です。



最近見た「moter cycles dialy」ていう革命家のチェ・ゲバラの若い頃に南米を縦断したストーリーの映画がすごくよかったです!!


旅に憧れる人なら必ず一度は思い描くような、これぞ旅。ていう物語でした。



おすすめです!!




おわり







2017年10月5日(木曜日)

【オーストリア】 ゼメリング ~ レオーベン





車から出ると、そこは山の中の小さな駅だった。





紅葉に染まる木々が山を覆い、それが太陽を受けて鮮やかに輝いている。



朝の静寂の向こうから、ガタゴトと大きな音をさせながら電車がやってきた。


目の前にあるプラットホームを長い貨物列車が通り過ぎていく。



変わっているのは、そのプラットホームのすぐ終わりからトンネルになっていること。


無理やり山を貫通させて、限られた土地にこの駅を作っている感じだ。



ここはかなりの山奥。

相当大変な工事をしてこの線路を通したんだろうな。




この駅の名前はゼメリング。
















オーストリアには9個の世界遺産があるんだけど、ずっと気になっていたゼメリング鉄道にようやく来ることができた。


このゼメリング鉄道もオーストリアの数少ない世界遺産のうちのひとつ。


あんまり面白そうな場所じゃないかなってほったらかしていたんだけど、ゆうべ走っていたらたまたまこのゼメリングに通りかかって、こんなところにあったんだ!って驚いた。

めっちゃ細いクネクネの山道を登っていった先にある、謎の小さな村って感じだ。



なぜか森の中に綺麗なアパートがたっていたり、大きなホテルがあったりして、すごく不思議な景観だった。


どうやらここは軽井沢みたいな山の中の避暑地になっているらしい。


そんな深い山の中を複雑に蛇行しながら、いくつもの橋やトンネルを駆使して走っているのがゼメリング鉄道ってわけだ。


地形に立ち向かう人間の高度な建築技術が評価されてるのかな。


トンネルの向こうからゆっくりと普通列車が走ってくる。






























ご飯を食べたら車のエンジンをかけ、ゆっくりと山の中を走った。









坂道だらけの細い山道に、可愛らしい一軒家が散らばっており、寂れた大きなホテルなんかもある。


潰れたホテルの廃墟が森の中に佇んでいたりして、よく日本にもある昭和の旅行ブームで湧いた田舎の観光地を思い出す。


割れた窓ガラス、ベニヤ板で閉じられた入り口、かつてここにもたくさんの人が出入りしていたんだろう。






















そんな森の向こうに、雄大な山々が見える。


そびえる頂き、岩肌を抜き出した断崖絶壁、がっぽりと窪んだ谷にまた大きな古いホテルが見える。









さっきゼメリングの駅舎内にあったミニ展示場で見たんだけど、どうやらこのあたりはヴィーナーアルプス、ウィーンのアルプス、みたいな呼ばれ方をされているんだそう。


昔から避暑地として、ハイキングエリアとして有名だったみたいで、100年前のポスターなんかも展示されていた。


かつてはただの小さな集落だったみたいだけど、ゼメリング鉄道が開通したことで一気に高級リゾート地として人気が出て、ウィーンの貴族たちがこぞって訪れる由緒ある観光地になったんだそう。






こりゃ確かに綺麗。

紅葉が輝き、たまらなく美しい。


すごくいい時期に来られたなぁ。

























牧場と農地が広がるのどかな山の中をとことこ走っていくと、いきなりアーチ橋が現れた。


おお、これがゼメリング鉄道だ。









古ぼけたコンクリートの橋脚が弧を描いて反対側の山へと続いている。


まぁ、はっきりいってなんてことない風景なんだけど、この由緒ある避暑地であるゼメリングと、ウィーンのアルプスと呼ばれる美しい高地、その山の中に人間の技術によって鉄道を通したという偉業を考えると、ただのアーチ橋もなんとなく風格を漂わせているように見える。



黒部ダムとかもすっごかったよなぁ。

人間の土木技術って、圧倒される迫力がある。







調べてみたところ、このゼメリング鉄道は世界初の山岳鉄道なんだそう。


地形の厳しさを克服し、さらに自然との調和を課題にした土木工事を行なっており、それが世界遺産認定の決め手になってるとのこと。


完成したのは1854年。

マジかよ、まだ日本は龍馬が活躍する江戸時代だったってのに、すでにヨーロッパではこんな高度な技術の鉄道が走っていたんだ。


そりゃ武市さんの尊皇攘夷も叶わんわ。









正直、鉄道に関しては鉄道マニアでもないしそんなに感動はしなかったけど、このゼメリング周辺の山々の景色がたまらなく美しくて何度も車を止めた。

















ぐるぐると、迷路みたいになってる農道をあてもなくテキトーに走ったんだけど、どこから見ても山々は綺麗で、全然飽きない。



いやぁ、ゼメリング鉄道、期待してなかったけど、総合してすごくいいところだったな。


こりゃ素晴らしいドライブコースだ。



















路上路上で疲れていたところで久しぶりに良い観光ができたねーとカンちゃんと満足して車を走らせ、しばらくしてレオーベンの町にやってきた。

















この前ストーンズのライブ前にちょこっと路上しようと思ったら、子供マラソン大会をやっていて1ミリも誰にも歌ってるのを気づかれなかったという不吉な町、レオーベン。


誰にも気づかれずにそっと静かに生きていきたい人にオススメですってくらい超無視だった。


ぬううう…………あの無念、晴らさでおくべきか。







今日は天気も良いし、人もたくさん出てるだろうからリベンジで思いっきりいい歌うたってやるぞおおおおおお!!!


レオーベンかかってこいやああああああああ!!!!

いくぞフオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!















ぎゃ、逆に人多すぎるんですけど………


えええええ…………またイベントかよ…………








町の中心部に行く前からすでにめっちゃ車が多いなぁと思っていたんだけど、なんとか駐車場を探し出してホコ天エリアに行ってみると、もうとんでもないことになっていた。


広場が全て露店で埋め尽くされ、バーの屋台で人々がビールやワインを飲みまくっており、ただのめっちゃでかいお祭りやってる。


なにこれ?年に1度の大祭ですよ的なやつになんでこんなドンピシャでぶち当たるんですか?逆にラッキーすぎる。





今日平日ですよ?木曜日なのにみんな仕事しないの?





一応歌える場所ないかなぁと思って歩いてみたんだけど、もう半端ない密度で露店がギッシリ並んでおり、隙間ゼロ。









しかも等間隔で生バンドがライブしてるので生音でやるような場所皆無。


終わった。


この前はマラソン大会だったし、今回は大祭だし、レオーベンでは歌うなってことですか。了解っす!!




「よおおおおおし!!そういうことならこっちにも考えがある!!!神田さん!!今日はノンビリこのお祭りを楽しみましょうか!!」



「そうですね!!ガツガツ路上せずに心に余裕を持っていこう!!お祭りー!!」



「そうそう!!心に余裕を持って心に余裕を持って心に心に心にこんな晴れた日に路上しないとか犯罪フオオオオオオオオオオ!!!」




ダメ!!歌えなくてもがっかりしない!!


路上ができなくてもその日を楽しむこと!!


そうと決まれば車に戻ってギターとバッグぶち込んで手ぶらでお祭りに突撃!!!


















もうめっちゃ人おる。

多分これオーストリア三大祭りのひとつ。知らんけど。


町の中心部だけでなく、川沿いにめっちゃどこまでも露店通りが続いており、端っこが見えないくらい。


人の数も尋常じゃなくて、町の人全員出てきてるんじゃないか?ってくらいの混雑。


みんな木曜ですよ?仕事いいんですか?僕無職!!




















こうやって賑やかな露店を見ながら歩いていると、お店の種類にそんなにバリエーションがないのに気づく。


チョコレート屋さん、パン屋さん、チーズ屋さん、おもちゃ屋さん、服屋さん、帽子屋さん、靴下屋さん、などなど、あんまり日本のお祭りでは見ないような生活用品まで売っているんだけど、50メートルくらい歩くとまた同じ物を売ってるお店が出てくる。


何百店舗も出てるけど、結局50種類くらいしかないのかな。



日本の出店でもひとつのお祭りにたこ焼き屋さんとかめっちゃいっぱい出てるもんな。

ベビーカステラ屋さんとか。















ヨーロッパでも、日本のテキヤさんみたいに各地のお祭りを巡って荒稼ぎしてる人たちがたくさんいる。


大きなバンに商品を積んで、その中で寝泊まりしながらフェス巡り。

それで夏に一年分荒稼ぎしたら、あとは物価の安い国に行ってのんびりして、売り物の仕入れをしてまた夏にヨーロッパに帰ってくる。


ふらふらした自由な人生だけど、多分相当稼ぎまくってると思う。

売り物の目の付け所がいい人たちなんか特に。







南米のフォルクローレは超定番。






綿菓子も日本みたいにキャラの袋に入れたらもっと売れるだろうなー。









「この中でみたらし団子とか出したらウケるだろうなー。あと緑茶と抹茶。」



「あー、分かる。それ売れるだろうねー。」



「原価安いけどちゃんと日本の味になるし、材料もすぐ手に入るものばかりだしねー。」




歩きながらカンちゃんがそう言ってる。

確かになぁ。


この前大島さんに聞いた話だけど、最近ウィーンで日本茶のカフェが大人気なんだそう。

抹茶がだいぶポピュラーなものになってきてるみたいで、抹茶スムージーが激流行りみたいだ。




日本食は健康的、っていうイメージは外国人みんなが持ってるし、認知度は充分。


それをこんなお祭りの露店で、みたらし団子と抹茶なんか出したら確実に売れると思う。


デコレーションもヨーロッパの人にウケるように日本的でありながらモダンなものにして、赤い和傘なんか横に広げていたら茶屋の雰囲気が出る。

色々やりようはある。



まずそのためには労働ビザかなんかが必要になるだろうし、食品の許可とか、お祭りのコネも必要かもしれん。


でもやってやれんことはないだろう。



まだこのヨーロッパのフェスには、そういう日本のものは進出してきてない。

せいぜいチャイナボックスで味の薄い焼きそばが出てるくらい。


マジでたこ焼きでもガンガン売れるだろうなぁ。







と、考えるのは誰でもできること。



それを行動に移した人だけが大儲けできる。


なんにしても、人生やったもん勝ち。

変化を恐れてほどほどの環境に満足していたら、ほどほどのもんしか得られんってことか。


バランス大事。























町の中心部に戻るとたくさんのバーテントがあり、そこで生バンドが演奏をやっていた。


俺たちもビールを買って人ごみに混ざってライブを見て回った。



だいたいお祭りのビールは500ミリで3ユーロ。400円。







「キーポンロッキンインザフリーワ~~~~~ルド!!!!」








地元のロック好きのオッちゃんたちがめっちゃ楽しそうにニールヤングやらストーンズやらを演奏してる。

こういうロックおじさんって世界中どこにでもいるよなぁ。


日本でもどこの町にもいるもんなぁ。



かと思えば反対側ではアコーディオンのコンビが軽快にチロルの音楽を奏でている。

これから、この陽気でノリノリの音楽を聞くたびにオーストリアの風景を思い出すんだろうな。









音楽に包まれビールを飲んでいる時、ふと、前のほうを見ると、中学校低学年くらいの若い女の子たちが4人くらいでコソコソ何かをやっている。


4人ともオーストリアの民族衣装を着た、可愛らしい子供たち。


なにやってるんだろ?と人ごみの隙間からよく見てみると、1人の女の子がこっそりみんなにタバコを配っていた。


それを、まるでドラッグを受け取るかのように素早く隠し、いたずらな笑顔でポケットにしまう女の子たち。




懐かしいなぁ。

そんな年頃なんだろうなぁ。


お祭りにきて、同級生のみんなとちょっと悪いことをしてスリルを味わう。

中学生、高校生の頃なんてそんなもんだった。


お祭りに来ている当時の悪い先輩たちのことを見て、なんとなくカッコいいなぁなんて思ってたもんだ。










「やっぱり地元のお祭りは同級生たちと会うからここぞとばかりにめっちゃオシャレしまくって行ってた?普段制服だから、あ、あの人あんなオシャレだったんだー、ってなるよね。」



「私は浴衣派だったなー。ギャルはミニスカ浴衣やね。すごいギャルは花魁浴衣を着るの。」



「オイランユカタ?なにそれ?」



「ホラ、花魁の人がちょっと肩がはだけた着物とか着てるやん。あんなやつ。みんなお祭りだと張り切ってセクシーアピールとかしてたなー。」





とりあえず宮崎で花魁浴衣は見たことないです。

特攻服の人は結構いました。





「帰ったら美々津のお祭り一緒に行こうね。小さいお祭りだけど、お神輿出るし、結構迫力あるんだよ。」



「うん!!行こ行こー!!楽しみ!!」



「カンちゃんの地元のお祭りは?」



「PL花火大会やねー。特攻服の人もおるで。」





さすが南大阪。




あー、楽しい1日だったな。



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