こんにちは!神田です。
世界には、本当の自分の場所が3つあるって聞いたことがあります。
その3つのうちのひとつに、自分の国の日本はもしかしたら含まれていないかもしれない。
インドネシアに出会った時、わたしの3つのうちのひとつはきっとここなんだろうなって思いました。
あと2つはどこかな。
おわり
2017年10月1日(日曜日)
【オーストリア】 クラウゼンレオポルツドルフ ~ バーデン
ううう………………二日酔い…………………
毎週日曜なってる気がする………………
昨日、山の中を走ってるときにたまたま見つけた田舎のささやかなお祭りでしこたま飲んだおかげで体がめっちゃ重い。
もうオクトーバーフェスいいかな…………
充分飲んだわ……………
神田さんはいつも通り元気。
布団をたたんで荷物を整理したら、ぼんやりした頭でエンジンをかけた。
ゆっくりと山の中を走っていると、木々がわずかに色づいているのが見える。
緑色の木々の中に黄色い枝葉が混じって、とても鮮やかな色合いだ。
あんまり綺麗だったから、車を脇に寄せてみた。
木々の向こうに川が流れている。
「カンちゃん、ちょっと散歩しようか。」
「うん、私川好き。」
林の中に入っていくと1本のハイキングロードが伸びており、たまにサイクリングの自転車が走っていく。
アスファルトに落ち葉が散らばり、もうすっかり秋だ。
1年分の悲しみが、落ち葉と一緒に積もっている。
今年も色んなことがあった。
ハイキングロードを歩き、森の中を歩き、何度も川辺に出てはぼんやりと川を眺めた。
黄緑のトンネルが太陽にきらめいて、すごく綺麗だ。
綺麗だなぁ。
綺麗ものを見られて嬉しい。
川辺にいると、ちゃぱちゃば、ぴちょぴちょ、サーーー、という水の音が聞こえる。
川のあちこちから聞こえるその音がいくつも重なって、繰り返されて、森の中に充満している。
たまに向こうの道路を車が走りすぎる音が聞こえるけど、おかげで余計に水の音が際立った。
あの車の音は一瞬だ。通り過ぎる間だけの。
でもこの川の音は、休むことなく、24時間毎日毎日毎日ずーっとここで鳴り続けている。
ここだけでなく、川の流域全てで。
風が吹いて木々が揺れた。
コツコツ、ザーーー、という梢の擦れる音が林の中から降ってくる。
色んな自然の音にひたすら耳を傾けていると、なんかおかしくなりそうになる。
音ってなんだろう。
水ってなんだろう。
水ってすごい。なんでこんな透明のシャバシャバした液体なんだろう。
それが流れるってどういうことだろう。
上手く心の隙間から深いところを覗き込んで、色んな物事に対するシンプルな疑問がふと見えたとき、それに向き合おうとしてみる。
でもすぐにふわふわふわーっと消えてしまって、考えがまとまらないままで終わる。
座禅とかこんな感じなのかな。
様々なことを、自分の中で深く突き詰めていく作業の果てに、一体何が見つかるんだろう。
ぼーっと川辺に立ち尽くした。
カンちゃんも座ってる。
人間は色んなこと考える生き物だな。
いい散歩だった。
体固い人の図。