こんにちは!神田です。
最近、ネットの作業はもっぱらマクドナルドです。
マクドナルドはいつでもお客さんで溢れているのは日本も一緒ですが、びっくりするのが客層。
日本では大抵若者で溢れている店内。
ヨーロッパでは、本当に老若男女。
2歳くらいの赤ちゃんも塩気油気たっぷりのポテトにかぶりついてるし、歩くのもままならないようなおじいちゃん同士で入ってきて、余裕でハンバーガー食べてます。
日本じゃ考えられない風景な気がします。
あんな小さい子にこんなジャンキーなものをーー!!!!???てなるだろうし、
おじいちゃんおばあちゃんはこんな肉肉しかったり油たっぷりなもの、好んで食べないで人多いだろうなぁ。
でも子供たちはちゃんと成長してるし、おじいちゃんおばあちゃんはほんとに元気!
最近感じます。
ライブでも、フェスティバルでも、バーでも、ファッションでも、年齢関係なく同じように楽しんでるなって。
おじいちゃんとおばあちゃんがフェスティバルでライブを見ながら二人で踊ってる姿なんて、かわいくて仕方ないです。
こんな風に歳を重ねていきたいなーと思う風景がここにはたくさんあります。
おわり
2017年9月9日(土曜日)
【オーストリア】 バートイシュル ~ ザンクトヴォルフガング
朝ご飯に美味しいシソパスタを食べ、土曜の町でのんびり歌った。
気温は20°Cくらい。
ひなたになってうっすらと汗をかく。
見上げれば緑色の里山が建物の向こうに見える。
青空には雲ひとつなく、心が開放されて、閉塞感は微塵もない。
静かな通りにギターの音と歌がささやかに響き、歩く人々がチラッとこっちを見ては足を止める。
そして財布を取り出してコインを入れてくれ、笑顔でありがとうと伝えると、シューンと言って歩いていく。
シューンとはドイツ語の美しいという言葉。
すごく心地いい。
ライセンスの値段が上がったことで他のパフォーマーは誰もおらず、ホコ天には俺1人だけ。
穏やかな土曜日の昼下がりに誰もが歩調を落としてゆっくり歩いており、それに合わせるようにゆっくりとアルペジオで弦を弾く。
歌いながら空を見上げる。
吹き抜けるほどよい冷たさの風。
飛んでいく鳥。
山の緑。
演奏しててすごく気持ちよかった。
俺こんなところにいるんだなぁ。
今まで歌ってきたのはこの日のためだったって思える日はいつか来るだろうか。
今まで、下手くそ!!やめちまえ!!って何度も言われて凹まされながらも頑張って頑張って練習してきたのは、この日のためだったって思える日は来るのかな。
いや、もう来たか?カンちゃんと結婚した時だったかな。
でもまた違う、もっとすごい日があるかもしれん。
これが俺の人生最高の1曲だった、って後奏を弾きながら思える瞬間はあるかな。
もう満足だってギター置ける時が来るか。
まぁ来んわな。
あー、空が綺麗だ。
今日も通りのお店の人たちに声をかけていただきながら調子良く歌っていると、60半ばくらいの初老の日本人ご夫婦が通りがかかった。
ハルシュタットはアジア人まみれだけど、このバートイシュルまで来るアジア人はそんなにいないので結構珍しかった。
ご夫婦でオーストリア旅行なんて素敵だなぁ。
「あらまぁ~、デビューはいつなさるの?」
と、ニコニコしながら話しかけてくださった奥さん。
日本人のこの、路上=デビュー目指してるという図式が久しぶりに懐かしい。
「あらぁ~、奥さんもご一緒なのね。旦那さんに着いてきて、偉いわねぇ~。」
「あ、は、はいー、一緒に旅してますー。」
ちょっと言葉が濁るカンちゃんを見てて面白かった。
カンちゃんは俺と一緒に旅してることで、俺についていってる、と思われるのが大嫌い。
2人とも旅が大好きで、これまでずっとそれぞれに旅してきた。
それが俺と一緒になったことで、いきなり男についていく健気な女と思われてしまう。
これってそうだよなぁ。
自分の意思なしで旅してるって思われるなんて、旅好きのカンちゃんからしたら不本意でしかないよな。
今の世代は男女の差がそこまでないけども、きっとこの初老のご夫婦からしたらやっぱり、
路上=デビュー夢見て頑張ってる
夫婦で旅してる=女はついていくもん
なんだろうな。
そういう日本的な感覚が馴染めなくて、もう日本いや!!って飛び出す人って結構いるもんなぁ。
アンチ日本になって日本のことボロクソ言う日本人とかいるけど、インターナショナルな時代ならそうなっちゃう人もいる。
良いところも嫌なところも、住んでりゃどこにだってあるもんだ。
浪花節は嫌いじゃない。
ていうか歌ってたら昨日のメガネ屋さんのおじさんがチャリに乗ってやってきた。
そして笑顔で紙袋を差し出してきた。
中を開けてみると、そこにはサングラスケースが入っていた。
しかもなんとジョンレノンという刻印つき!!!
またジョンのシリーズもの!!!!
「えええええ!!!!こんな素敵なもの!!!!」
「ははは、ジョンレノンは好きだろ?昨日はありがとうね。」
おじさんはそう言ってまた颯爽と自転車をこいで去っていった。
今日はお店が休みだったので会えないかなと思ってたのに、わざわざこんなプレゼントを持ってきてくれるなんて…………
昨日、Tシャツのお返しにCDをプレゼントしたのに、またもらってしまった。
お礼のキャッチボールをすればするほどにボールがデカくなって返ってきてしまうよ。
バートイシュル、今回も本当にありがとう。
「カンちゃん、さっきついていってるって言われてたね。」
「うーん、やっぱり日本の親世代とかだとああいう風に思われちゃうのかなぁ。」
「カンちゃん大阪やからなにわ恋時雨とかたまらないんじゃないの?あんた~、遊びなはれ~、酒飲みなはれ~、ウチは~、あんたが日本イチの噺家になるためやったら~、どんな苦労も~耐えて~みせますぅぅぅううう、ゆうて。」
「絶対無理。」
「なんでー!!大阪のおばちゃんとかみんな好きやん!!」
「だって女遊びとかギャンブルとか全部芸の肥やしとか言うんやろ!ダメそんなの!!ていうか私おばちゃんちゃうし!!」
是非ともゆまちゃんと肥やしを作りたいものです。嘘です。
車に戻り、清々しい気持ちでアクセルを踏んだ。