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シンガーソングライターはクズです



2017年7月23日(日曜日)
【ドイツ】 ベルリン





日曜日の高速のサービスエリアはすごい混雑。





チャリンコを上に乗せた車や、キャンピングカーがズラリと駐車場を埋め尽くしており、さらに高速バスの休憩もバンバンやってきてものすごい賑わいだ。




「いやー、ここで路上したら稼げそうだね。」



「かもしれんねー。でも今日は早くベルリンに行こうね。」


















そう、今日はベルリンで楽しみにしていた友達との再会。



前から予定していた約束と、もうひとつ最近飛び込んできた約束とふたつある。



どっちも大事な友達との再会なので、ここ最近ずっと楽しみにしていた。




「じゃあシャワー浴びようかー!!」




「イェーイ!!ほぼ1ヶ月ぶりのマトモなシャワー!!」






ウケる!!ほぼ1ヶ月て!!


お義父さんお義母さんごめんなさい!!!









ドイツの高速サービスエリアには有料のシャワールームがついていて、値段は1人3ユーロ、380円。



イタリア、フランスがどこにでも水場があったことでペットボトルシャワーという離れ技を覚えてからというもののずっと外で水をかぶってきた今回の南ヨーロッパ旅。



いっぱい汗をかいた日でもこれですっきりできていたんだけど、やっぱりお湯じゃないと落ちるもんも落ちないよな。



神田さんも強くなったもんです。




ていうかカンちゃんって前にインドネシアで2年間暮らしていたことがあったんだけど、その時ずっとバケツシャワーだったので僕よりこういうの慣れてます。




インドネシアで暮らしてる時、仕事の帰り道に何か半透明の小さな謎の生物を見つけて、これもしかして…………宇宙人的なやつ………!?って慌てふためいて持って帰ってサランラップで宇宙人ハウスを作り、ツンツンして研究していたらネズミの子供だったらしくてウケるーってなったことがあるらしいです。



すぐ逃したらしいです。




どっちかっていったらカンちゃんのほうが野生的な暮らししてきたかもしれない……………












そんなことより久しぶりのシャワー気持ちいいいいあああああああああああああああああああああ!!!!!!!



シャワーってあったかいんですか!!??



蛇口をひねったらお湯が出てくるとか文明開花ですか!!!??




「カンちゃん!!!毛細血管ちぎれるまで洗っといて!!!!」



「フミ君も頭皮がはがれるくらいシャンプーして!!!あ、でもヒゲは剃ったらダメね。ヒゲあるほうが好き。」







というわけでヒゲ全剃り。






カンちゃんはヒゲ生やしてて欲しいっていつも言うけど、男はやっぱり清潔感ですよね!!


1ヶ月シャワー浴びてなかったやつが清潔感とか言ったらいかんけど!!!





ちなみにシャワー浴びたらコーヒー無料券もらえます。

そういうとこ好き。


















足の先まですっきりして高速道路をかっ飛ばしていくと、しばらくして車が増え、街の中に入ってきた。


あー、久しぶりのベルリンだなぁ。



あんまり都会が好きじゃない俺たちだけど、なんかベルリンには縁がある。






高速を降り、街の中を走って住宅地の中に入っていき、見覚えのある脇道にやってきた。



ここだここだ。


あれは去年の8月くらいだったかな。


ちょうど1年前経ったのか。




久しぶりジュリアン!!




「ナオー!!フミー!!久しぶりだね!!結婚おめでとう!!」



「ジュリアンもね!!」




去年ベルリンで一緒に遊び、家に泊めてもらって飲みまくった友達、ジュリアン!!



もともとはカンちゃんが大阪のゲストハウスで働いていた時のお客さんなんだけど、部屋がなくて困っていたジュリアンたちのグループをカンちゃんが自分のアパートに泊めてあげたことで絆が深まり、今回の旅で2回目の再会になった。




日本が大好きなジュリアン。


前回もたくさん色んな話をして盛り上がり、本当に本当に楽しい夜だった。




ジュリアンってマジで話しやすくて良いやつで、一緒にいてめっちゃリラックスできるんだよな。



そんな友達がドイツにいることがすごく嬉しい。



今回のヨーロッパ旅に向けて日本からCDをジュリアンのところに送ってもらっていたので、それを受け取りがてらまたジュリアンに会えて本当に嬉しいよ。











「ハーイ、私はロザベル!よろしくね!」




この1年の間に俺たちも結婚したけど、ジュリアンもそう。



ペルー人の彼女がいるんだよーって前回話していたんだけど、まさか本当に国際結婚してしまうとはなぁ。




奥さんのロザベルは南米人らしい小柄で浅黒い肌のクリクリした女の子で、笑顔がラテンの太陽みたいに明るいめっちゃ可愛い子。



いやぁ、優しいジュリアンと明るくて可愛いロザベル。



なんて周りを暖かくしてくれるカップルなんだよ。




















「あれからどうだった?フェイスブックは見てるけど、何か面白いエピソードはあったかい?」



ジュリアンたちと旅の話やお互いの近況報告で盛り上がり、それからルームメイトの友達も一緒にみんなでランチに出かけた。



みんながつれていってくれたトルキッシュのレストランで美味しいご飯を食べながら色んな話をした。






















ジュリアンはいつも俺たちに話を振ってくれるし、そのたびに大きなリアクションをしてくれるから話してるこっちも楽しい。



ロザベルがペルー出身なのでペルーでの旅の話をするとすごく喜んでくれる。


会話のキャッチボールのタイミングがすごく心地よくて、いつまででも話してられるなぁ。



あー、この2人好きだなぁ。





「フミはペルーでどんなご飯食べてたの?」



「サルチパパス!!!」



「アハハ!!みんな食べてるもんね!!」



「ロザベルは民族衣装は着たりする?」



「着るわよー。着て伝統ダンスもするわ!!」





ペルー懐かしいなぁ。


クリクリしたロザベルがあの丸いスカート履いてシルクハットをかぶってる様子が目に浮かぶよ。





「知ってた?あのスカートって8枚重ねて履いてるのよ。だからすごくあったかいの。」



「8枚!!え、じゃあ今日は気温高いから7枚にしようかなぁとかって決めたりするの?」



「アハハハ!!じゃあ暑い日は3枚くらいでいいわね!!」





めっちゃ楽しくて時間が経つのも忘れてしまうんだけど、今日はもうひとつ約束がある。



大事な友達との再会。



ジュリアンたちも一緒に行っていい?と言うので、もちろんみんなで遊ぼうよ!と4人で街に向かうことに。












地下鉄に乗ってオラニエンプラッツという駅で降り、そこにある公園にやってきた。


公園といっても古びたベンチと小さな噴水があるくらいの、人々の散歩コースって感じの緑地。



ここが待ち合わせ場所なんだけど、ちゃんと分かるかな。







それから10分くらい。


ジュリアンたちと木陰に座ってお喋りしていたら、向こうから自転車が近づいてきた。




「うおーい!!フミ君ー!!」



「おおー!!ナナちゃんー!!」







そう、今回ベルリンで再会する約束をしていたのは天才バイオリニストのナナちゃん。



エジプトのダハブで出会ったのが最初で、それからパリの川田君のサプライズに協力してもらったり、世田谷のライブの時にもバンドメンバーとして参加してもらったり、本当に本当に大事な仲間だ。



あの世田谷ライブで弾いてくれたアンダルシアの風のソロは俺の音楽人生で最高のソロのひとつだよ。



マジでナナちゃんは最高のパフォーマー。





今は世界中を飛び回りながら色んなところで演奏活動やアート活動をして、自分のスキルを上げる武者修行をしているみたい。



すげぇよなぁ、1人で世界で戦ってるなんてなぁ。





「ナナちゃん自転車なんかこいで、完全にベルリナーやん。」



「そうやねー、今はアパート借りてこっちで住んでるからねー。ルームシェアだけどね!」










ナナちゃんと合流し、みんなで近くのレストラン通りに行き、ファストフード屋さんでカリーワーストをゲット。





ベルリン来たならカリーワースト食べたいって思ってたんだよな。



そしてボトルショップでビールも買い込んだ。



今日は日曜日なので普通こんな商店なんか全部閉まってるはずなのに、さすがにベルリンは違う。




でも、ベルリンって大都会ではあるんだけど、なんだかパリとかローマとかみたいな喧騒にまみれた忙しさを感じないのが不思議だ。


どこか懐かしさを覚えるような、古びたノスタルジックな空気がある。





初めてベルリンに来た時、陰な雰囲気がして全然魅力を感じなかったんだけど、あれから来るたびにどんどん好きになっていってるなぁ。



ひなびた、洗練されすぎてない街並みにすごい腰が落ち着くし、住んだら住みやすいんだろうなって思う。



ベルリンって、不思議な味のある街だ。


























ナナちゃんが好きだという池のある公園にやってきて、そこで芝生に座ってカリーワーストを食べながらビールを飲んだ。



気持ちいい風が吹いて、開けた景色が開放的で、たまらなく気持ちいい。



カリーワーストも美味しい。





この微妙なファストフードであるカリーワーストを美味しく感じてしまい、ベルリンに魅力を感じている時点で俺も相当ドイツに馴染んできてるよなぁ。





ちなみにこのドイツ人のソウルフード、カリーワーストの値段は2.4ユーロ。310円。



ジュリアンが言うには、3ユーロ以上するところは行かないほうがいいらしい。



みんなの大衆食だもんな。安いのは大前提。


ラーメン800円以上するところは行かんほうがいい。




これがチャーリーチェックポイントとかの観光地に行くと6ユーロとかするらしい。770円。



千円超えるラーメン、あれなにが入ってるの!?


























しばらくして、そろそろ行くよーとジュリアンたちが帰って行った。


2人で街に遊びに行くみたい。



それからもナナちゃんと3人で色んな話をした。


東京の連中の近況だとか、恋バナとか、恋バナとか恋バナとか。




恋バナは盛り上がりますね。

怖いけど。



あんまり裏話まで聞いてしまうと今度みんなに会う時に気を使う!!





なんかこういう感覚久しぶりだなぁ。人とお話するっていいなぁ。
















池の上をスイスイ泳いでる白鳥家族が可愛くて、指をカパカパ食べさせたりパンくずをあげたりしながら遊んで、少し日が傾いて来てからどっかお店に行くことに。



通りを歩いて行くと、この辺りにはやたらとケバブ屋さんが多くて、歩いてる人にもムスリムの人が多い。





ナナちゃんが言うにはここはムスリムの人たちが住むエリアらしく、安くて美味しいご飯はあるけどちょっと治安も悪いんだそうだ。




メガネかけたアジア人がよく襲われるらしい。


メガネ狙いて。



メガネかけてるやつにもめっちゃ強いやつおるやろうけどね。













中東料理屋さんがひしめくレストラン街の中でナナちゃんオススメのお店に入ってテラスに座った。



カバーをした綺麗なムスリムの女の子がにこやかにメニューを取りに来てくれる。



この時、俺が外で買ってきたビールを持っていたんだけど、店員の女の子が、ごめんなさい、ここはムスリムのお店だからアルコールはよくないの、だからテーブルの下に置いてこっそり飲んでねって言ってくれた。




いいなぁ、このゆるい感じ。


ベルリンめっちゃ居心地いいわー。











ここのベジタリアンプレートがめっちゃくちゃ美味しくて、これでわずか8ユーロだったかな?1000円。


3人でチャパティと一緒につまんでちょうどいいくらいの量で、めっちゃお得。


揚げたてのファラフェルがマジでビビるくらい美味しい。




「ナナちゃん最近はどう?面白いことやってる?」



「いつも通りかなー。モノ作りして、表現して。やっぱりヨーロッパはいいね。インプットが多いからアウトプットも早くなる。」





俺が知る中でもトップクラスに天才のナナちゃん。


ただバイオリンが上手いとかそれだけじゃなくて、ナナちゃんは感性が半端ない。


それが音に現れてるからすっごい感情的で表現力があってカッコよくてたまらない。



魂で弾いてる感じ。


昨日もドイツの地方都市でライブの仕事をしていたみたいだ。





さらに音楽だけじゃなく、デザインの仕事もしているし、絵も描くし、暇があったらなんか作ってる。



本当に芯からアーティストってナナちゃんみたいな人のことを言うんだろうなぁって思う。



吐き出さないと生きていけない人種だ。









「いやー、でもごめん、言葉悪いけど、私シンガーソングライターって本当クズやなぁって思うの。」



「ちょっ!!俺めっちゃシンガーソングライター!!そしてこの人嫁!!」



「あー!!ごめん!!ごめんね!!なんていうかな、キラリと光るクズっていうか。」



「全然フォローなってねぇし!!」



「えーっとねぇ、私が知ってるシンガーにロクな人いないけど、さらにソングライターとなると本当どうしようもない人たちばっかりなんだよねー。シンガーソングライターってなんかアーティストの中でも違う次元の人たちだから、私には立ち入れない領域だわー。めっちゃすごいと思う。」





うーん、そんなもんかな。



俺はフォーク育ちだから、曲を作って自分で演奏するって普通のことだと思うんだけど、ナナちゃんほどのアーティストが言うなら、まぁイカれたことやってる人種なのかもな。



どうも、キラリと光る無職です。




















すっかり夜になり、すでに時間は23時。



昼からビール飲んで、ずっと色々ご飯食べて、そして久しぶりにこんな音楽の話とか、アーティストとしてどうやっていくかとか、そんな話が出来てめっちゃ楽しかった。



恋バナ大好きカンちゃんには申し訳なかったけど、俺がこんな話が出来るのは数少ない仲間くらいしかいないから本当に楽しかったな。




「じゃあ、ナナちゃんまたどっかで遊ぼうね。気をつけてね。」



「フミ君たちも!!またどっかでね!!気をつけて帰ってね!!」



「メガネかけてないから大丈夫!!」







刺激をもらえる仲間がいるのはいいこと。


俺ももっと表現していかないとな。















あー、新曲できない。


壁に落書きでいい言葉書いてないかな。





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