スポンサーリンク 限りなく魔界の入り口に近い宿 2017/3/31 2017/03/16~ エジプト, ■彼女と世界二周目■ 2017年3月20日(月曜日)【エジプト】 ダハブ ~ カイロ行きたくねぇ……………これから壮大なアフリカ旅が始まるね…………像に踏み潰されたみたいなバスで30時間移動とか普通なんだろうね……………謎の生き物を丸焼きにした食べ物とか出てくるんだろうね……………強盗がナイフと銃を持って舌舐めずりしてるんだろうね……………マラリアとか黄熱病とか伝染病が渦巻いててエイズが蔓延してて、うわぁ、ダハブから出たくないいいい……………あああ、アフリカの入り口にあるこの天国ダハブ。トイレのオオサンショウウオは3日間ずっと浮いたままだったし、なんなら数年洗ってないだろうし、シャワーは水しか出ないし、水は全て海水を含んでてしょっばくて石鹸泡立たないしろくなもんではなかったけど、きっとこっから先はこんなもんじゃないんだろうなぁ……………正直怖い。でも世界を旅しててやっぱりアフリカは行かなきゃだよなぁ。人類の起源があるアフリカこそがもしかしたら本当の世界の中心なのかもしれない。それにアフリカはヤバいヤバいって話は腐るほど聞いているけど、実際は南米に行ってる旅人たちのトラブル情報のほうがはるかに多い。もちろん渡航者の人数に大きな違いはあるだろうけど、アフリカでは怖い怖いって話は聞いても実際誰かが襲われたって話は結構稀だ。行ったらいけない場所や出歩いたらいけない時間帯を守っていれば大丈夫なはず。もしかしたらアフリカを終えた後には、え?アフリカ?マジヨユーで庭だしウケるーって鼻ほじりながら言ってるかもしれない。そんなもんなのかも。ダハブで英気を養うのもここまで!!さぁ出発するぞ!!でも最後にこれ!!!!ラーメンライス!!!!65ポンド!!400円!!ぐああああああああ!!!!!うめええええええ!!!!この物価のクソ安いエジプトで一体いくらカオリさんところで使っただろ!!カオリさん!!!今回も本当にお世話になりました!!また必ず遊びに来ますから元気でいてください!!!!!ありがとうございました!!!よっしゃそれじゃあダハブからカイロへの移動いってみよう!!4年前はバスでカイロに向かったんだけど、今回は安全と時間をとって飛行機で移動!!シナイ半島ではたまに夜盗なんかが出るとか聞いたことがあるし、エジプトは思いっきりイスラム地域。やっぱりちょっと警戒してしまうし、しすぎるに越したことはない。バスだと夜行で10時間もかかるけど、飛行機だったら1時間。そんでバスの値段は1300円くらいだったかな?俺たちがとった飛行機は4800円だ。というわけで空港があるシャルムエルシェイクに戻るんだけど、バス乗り場はダハブの町の真ん中にある小さな橋から車道に出て南に10分ほど歩いたところにある。バス会社のオフィスもあるのでそこでチケットを買うことができる。シャルムエルシェイクからは20ポンド、120円だったけど、ダハブからシャルムエルシェイクに行くのはなぜか30ポンド、180円。まぁ小さな違いだ。12時半、バスはダハブを後にして走り出した。あぁ、ダハブまた必ず戻ってくるぞ。色んなことに疲れたらこの天国に思いっきりのんびりしに来よう。世界にこんな素晴らしい場所があることに感謝。ダハブ最高!!みんなで恋しに行こう!!異性と、そしてダハブに!!バスは1時間ちょいでシャルムエルシェイクのバスターミナルに到着。バスを降りるなりすぐさまタクシーの運転手が群がってきて、タクシー!!カモンマイフレンド!!マイフレンドベイビー!!チャイナチャイナ!!と俺たちの争奪戦になる。いやぁ、微笑ましいですなぁ、と必死の形相で群がってくるオッちゃんたちから逃げ、車道沿いに出た。ここで流しのタクシーを拾おう。エジプトでは流しのタクシーはまず安全みたいだけど、アフリカでは流しのタクシーなんて乗るのは自殺行為くらいのもんみたい。路地裏に連れて行かれて男たちに囲まれて身ぐるみ剥がされてサヨウナラだ。サヨウナラならまだマジで、レイプされてエイズがうつったり命を奪われたりなんかも…………いや、あんまり書くのやめとこう。そうそう、平和な感じでいこう。別にトラブルを楽しむためにアフリカに行くんじゃないんだからね。平和に平和に……………「ウオラアアアアアア!!!!このチャイニーズどもは俺の客だボケ!!!ハウマッチ!!?チャイナ!!ハウマッチだ!?」「ボケはお前だこのクソ猿が!!!消えろおおおおおおお!!!チャイナ!!!!空港まで俺なら100ポンドで行くぞ!!」うわぁ……………すっごい喧嘩してる……………「テメェは後から来た分際で何ほざいてやがる!!猿か!?死ね!!チャイナ!!80ポンドで行ってやるぞ!!」「てんめええええええええ!!!!!頭わいてんのか!!??チャイナ!!ハウマッチだ!?俺のタクシー代ハウマッチだ!!??ハウマッチイイイイイイ!!!!」「来た時は25ポンドでしたよ。」「ヒュオオオオオオオオ!!!そりゃないぜチャイナ!!50ポンド!!よし!!それでいこう!!」勝手に俺たちの荷物を強引に奪ってトランクに入れようとするオッさん。「コラアアアアアアア!!!!こちらのジェントルマンになんてことするんだこのチンカス以下の生物が!!!!よし!!俺なら30ポンドだ!!カモンレッツゴーマイフレンド!!」これ以上いたら殺し合いになりそうだったので30ポンドのほうに乗り込むと、マジお前次は気をつけろよな!!まぁお前のそういうところ好きだけどな!!みたいな感じで握手する運転手さんたち。エジプト人憎めない。そして15キロほど車を走らせ、しばらくして空港に到着。お金を払おうと財布を見ると50ポンド札しか入ってなかった。やっちまった……………30ポンドとは言ってたけど、50ポンド札を出してちゃんとお釣りをくれるとはとても思えない。こういう時は細かいお金でちょっきり持ってないとダメなんだけどなぁ。エジプトって商店でもカフェでもお釣りを面倒くさがられるから毎回ちょっきり出さないといけなくて、おかげで小さなお金がいつも財布にないんだよな。これ本当困る。エジプト人ってお釣りってものの概念がマジでなくて、毎回お店の人が外に両替に走ったりしてて、それを毎日やってるのかと思うと改善する気ないのかな?って思う。もうしょうがないと50ポンド札を出すと、案の定10ポンドしか返してこないドライバーさん。いや、もうあと10ポンドでしょ、と手を出すと、ニヤニヤしながら、えー?いいじゃんかー、いいじゃんー、と恥ずかしそうに笑ってる。さっきまであんなに大騒ぎして30ポンドだ!!と言ってたのに、嘘つきすぎ。エジプト人憎めないなぁ。最後に5ポンド返してきたのでそれでよしとするか。バスターミナルから空港まで、35ポンド。220円。道路から空港敷地に入ろうとすると、まず最初の荷物チェックがあった。デカい銃を抱えた人たちが何人もいて、やってくる車のトランクの中なんかを調べている。歯医者さんが歯の裏を見るときに使う鏡の大きい版みたいなやつで車の裏やトランクの裏までしっかりチェックしている。こりゃすげぇ。俺たちが徒歩で入ろうとするともちろんそこで止められ、荷物を全部下ろすよう言われ、大きな犬がやってきて俺たちの荷物を嗅ぎまわる。麻薬なんか持ってようもんなら1発だ。とりあえず最初のチェックはクリアー。当たり前やし!!変なもんなんか持ってないよ!!そして空港ターミナルの入り口でまた荷物チェック。今度はX線のやつ。何回チェックするんだ?と思いながら荷物を通し、さらに全身を手でなでるボディチェックがあり、股間さわさわ。これって股間ガッツリまでは揉まれないけどチンチンになんか隠してる人とかいないのかな。女の人もオッパイとか揉まれるのかな。それを過ぎると、2秒で呼び止められて今度は職員さんによるバッグの中身チェック。中身を出して、これはなんだあれはなんだとひたすら説明会。いやぁ、ランダムに呼び止められてるようだけど俺ってそんなに怪しいんですね、知ってます。だいたいいつも別室です。それからチェックインして奥のほうでまたX線の荷物チェック、全身ボディチェック、荷物開け、さらには裏に連れて行かれて検査紙チェック。指先とか腰まわりを紙で撫でられ、その検査紙を機械に入れる職員さん。もし怪しい臭いや成分が付着していたら何かしらの反応が出るんだろうな。これは怖い。シャルムエルシェイクやダハブなんてリラックスするために来てる人たちばっかりだろうから、みんな色んな物を吸ってるはず。どこまで反応が出るのかわからんけど、ダハブで楽しみたい人はご注意を。というわけで搭乗までに5回もチェックポイントを越えてやっとこさ飛行機までたどり着けるというこのエジプトの厳重さハンパない。まぁ乗る側としてはこれくらいやってくれたほうが安心っちゃ安心だけど。エジプトも治安を良くするために頑張ってる。飛行機はあっという間にカイロに到着した。時間は18時だけどカイロは別に危険な街ではないので今からバスでダウンタウンに向かっても問題なしだ。ターミナルの外に出ると一瞬にしてタクシーの客引きたちがタクシータクシーカモネギウヒョウ!!と群がってくるけど、ほのぼのとかわしてバス乗り場を探す。ちなみにタクシーの値段は10ドルらしい。町まで20キロくらいあるのでこれでも格安だけど、まぁここは節約していこう。バス乗り場はなかなか見つかりにくく、結果やってきたバスに手を振って道端で止まってもらって乗り込んだ。バスの番号は1036。英語は通じにくいので1番メインのタハリールスクエアまで行きたいと言っていれば簡単だ。ボロボロのバスはカイロの街を疾走していく。これがまた運転怖い!!!3車線くらいの道幅なんだけど、彼らに車線という概念はないようで、車が入り乱れて完全なるレース会場。クラクションを鳴らしっぱなしでとんでもないスピードで車線変更しながら他の車を押しのけてかっ飛んでいく!!そしてそのレース会場を平然と人が横断していくので、いきなり道路に人が現れてマジで怖い。「オラオラオラアアアアアア!!!どけやああああああああああ!!!!!」叫びながらアクセルをふかしてハンドルをグルグル回すバスの運転手さん。まぁここに牛がいないだけインドよりマシだけども……………ちなみにバスの値段はなんと、驚異の1ポンド!!!!6.5円!!!エジプトの物価異常!!!!!!そう考えたらタクシー高っ!!!!!!いやぁ、信じられねぇ安さだなぁとビビっていると、前の席の女の人が後ろに座ってる俺に1ポンドを差し出してきた。え?なに?なんで?と思ったら、どうやら後ろのほうにいる料金係さんに代金を渡して欲しいということらしい。おばちゃんから1ポンドを受け取ったら俺も後ろの女の子に渡すというリレー方式。みんないつものことといった感じで1番後ろにいる料金係さんまでそうやって人の代金を回してあげている。みんな助け合っていて優しいなぁと思っていると、新しい女の人がバスに乗り込んできた。するとすかさず座席から立ち上がる鼻ひげのおじさん。そしてカバーで髪を隠した女の人はシュコランと言って席に座る。これをダウンタウンに着くまでに何度も見た。男性が女性に対してすごく敬意を表しているのがよく分かる。ただ席をゆずるだけでなく、女の人同士で座れるように席を入れ替わってあげる男性もいる。カイロは大都会だ。普通都会だと人が冷たくなるもの。それがみんなすごく優しくて、いかにも自然だ。宗教的な部分もあるかもしれないけど、エジプト人ってすごく思いやりがあって紳士的だなって思えた。バスは1時間半ほどでダウンタウンに到着。そこから地図を見ながら歩けば10分もせずに宿に到着だ。ウルトラ楽勝。前回カイロに来た時は、朝にバスで到着し、ゴミゴミしてうるさくて汚くて人が多くて、なんならバッグから荷物抜き取るやつとかいて一瞬で嫌になりながらもシティーセンターに行きたい!!シティーセンター!!と必死でローカルバスを探した。でも誰も英語分からないし、エジプト人は知らないことを知らないと言わずにあっちだよ、向こうだよってテキトーなことを言うので死ぬほどたらい回しにされ、街の郊外まで運ばれたりしながらひたすらさまよい、汗と排気ガスと砂埃でドロドロになって、やっとのことで宿にたどり着いたのが夜。早朝から夜まで、宿にたどり着くまでに12時間くらいかかった。めっちゃ無駄な大冒険。それが今ならたった1時間半。前もって宿の場所を保存しておき、グーグルマップでGPSを見ておいてバスが宿に近づいたら降りればいいだけ。クソ簡単。むしろどうやったらあんなにさまよえるんだろ?ってくらいだ。そうしてグーグルマップを見ながら路地を進み、ガチャガチャした露店が並ぶ騒々しい通りを歩いていけば宿はすぐに見つかる。うわぁ………久しぶりいい……………どっからどう見ても魔界の入り口にしか見えないこの建物。カイロはどの建物もオンボロで古いけど、ここはその中でも風格漂うほどのズタボロさだ。ただならぬ妖気を放っているエレベーターの残骸がある吹き抜けの階段を登っていくと、すぐにスルタンホテルという宿がある。さらにその上にベニス細川、そして最上階の6階にサファリホテルがある。これらは全て超有名な日本人宿で、ひとつのビルの中に3つの日本人宿が入ってるという不思議な建物だ。カイロは物価も安く昔っからバッグパッカーたちが訪れる街。そんな日本人バッグパッカーたちの聖地としてこのビルは2017年の今も妖気を放ち続けている。どこに泊まってもよかったんだけど、もう22時過ぎなのですぐに前回も泊まったサファリにチェックインした。値段は男女別ドミトリーで90ポンド。580円。ダハブの180円に比べたらだいぶ高いけど、カイロではこのビルが最安だ。値段の順番としては、ベニス細川↓サファリ↓スルタンって感じ。ベニス細川に関してはかなり綺麗みたいだけど、ちょっと値段もするみたいだ。セブンヘブンよりもだいぶ綺麗。遅くなってしまったので、早めにご飯を食べようと外に出かけたんだけど、スパッと済ませるんだったらやっぱりコシャリ。米とかパスタとかの炭水化物をごちゃ混ぜにしたものの上に、豆や焦がし玉ねぎなんかを乗せたベジタリアンフードで、エジプトのソウルフードだ。味はとんでもなく上手くはないけど、まぁそれなりに美味しい。トマトソースと辛いタレ、それにお水はサービス。とにかく値段が安くてたったの10ポンド!!60円!!ぐおおおおお!!!物価すげええあええ!!!!ダハブのカオリさんのところで食べてたご飯、スーパー贅沢!!!これがエジプトのローカル値段なんだよなぁ。「いやぁ、楽しくなってきたねー!カンちゃん!!」「うんー!久しぶりにこんな感じのところに来たね!!インド以来だね!!インドのほうが強烈だけど!!」夜の通りを歩けばたくさんの人がカフェの外に置かれた椅子に座って紅茶を飲み、シーシャを吸っている。通りにはそんなシーシャの甘い匂いが漂い、あちこちからイスラム音楽が艶やかに流れ、世紀末みたいなボロい街をエキゾチックに演出している。不思議な街だなぁ。ダハブの人とかからしたらカイロなんてめっちゃ都会で、憧れの場所だったりするのかな。九州から見た東京みたいに。不思議なアラビア数字の写真を撮っていたら、陽気な若者が俺の写真撮ってくれよ!と入り込んできた。みんな人懐こいな。久しぶりのカイロ、めっちゃいいじゃん!!