スポンサーリンク 脱サラ課長のたいさんのブログに教えてもらった名所 2017/3/18 2017/03/06~ ギリシャ, ■彼女と世界二周目■ 2017年3月7日(火曜日)【ギリシャ】 グレベナ ~ カラバカやっぱりちゃんとしたホテルの朝ごはんは美味しい。ソーセージやベーコン、トースターもあるし目玉焼きまである。安宿の無料の朝ごはんとはわけが違うなぁ。とはいってもこんないい宿昨日みたいなことが起きない限り泊まれないけど。実際お金がヤバい……………バルカンに来てから移動や雨でほとんど歌えてないのでお金がかなりの勢いで減っていってる。これじゃアフリカ前に貯めるどころか、アフリカに入る頃にはマジでお金がなくなってるかもしれん。ギリシャはシェンゲンだしユーロだし、バルカンにおいては裕福な国だ。ここで稼げなかったらマジでシャレにならないんだけど、これから1週間くらいずっと雨。すっごいピンチ。こりゃマジでどうにかしなきゃなぁ…………お世話になったホテルを出てグレベナのバスターミナルに行き、カラバカ行きのチケットを購入。朝10時の1本しかなく、値段は7.2ユーロ。870円。アルバニアのコルチャから頑張って刻んで進んできたけど、コルチャからカラバカ行きが25ユーロ、3000円で出ていたので果てしなくそっちに乗ったほうがいい。めっちゃ苦労してバス乗り換えてヒッチハイクして、挙句ホテル代もかさんでしまった。まぁ楽しかったけども。バスはぶんぶん走り、1時間半くらいでカラバカの町に到着した。道路沿いに古い建物が並び、砂埃舞う小さな田舎町。その田舎町の背後にズゴーーーー!!っと巨大な岩山がそそりたっている。うおおお!!すげーー!!それはまるでアメリカで行ったモニュメントバレーのような異様な岩山。激しくいびつな凹凸もあれば、石切場で見られるバターを切り取ったようななめらかな岩山もある。ここがメテオラだ!!!旅に出る前、あんまり前情報を入れたくなかったのでウユニもバラナシもドブロブニクも知らなかったわけだけど、そんな俺がメテオラのことを知ったのはつい最近のこと。といっても4年くらい前なんだけど、脱サラ課長のたいさんがこのメテオラに行ってるブログを書いてて、なにそれ?隕石が降る系の魔法?と思ったらそうじゃなくて、めっちゃすごい景色ですごく印象に残っていた。たいさん写真すごい上手だし、こんな場所がギリシャにあるんだっていつか行きたいと思ってたんだよな。たいさんに感謝。そして実際に来てみると、確かに隕石降った跡みたいなエグい地形でこいつは期待が高まる。楽しみ!!!というわけでまだお昼なので早速これから観光に行きたいところなんだけど、今日の宿は町から結構離れている。ギリシャの宿は大都市のアテネでも1000円くらいするし、田舎だったら最低でも1500円はする。このカラバカの宿もどこもなかなか高く、そんな中でかろうじて30ユーロ、3600円の宿があったので予約したんだけど、町から4キロくらい離れてる。ちょうどメテオラに向かう中間地点にあるので、観光にはちょうどいいかなと思ったんだけど……………荷物持って4キロ、しかも登り坂は結構しんどい。宿の周りにはなにもないということだったので、町でビールや食料も買い込んでいるのでさらにしんどい。カラバカは本当に小さな町で、少し歩けば森が広がるのどかな田舎道になる。見上げるとその森の中に突き刺さるように巨大な岩山がそびえている。景色に見とれながら、休憩し、歩き、休憩し、のんびり歩いた。しばらくして絶望的に疲れたところで今日泊まる宿の錆びついた看板が道路脇に立っていた。目の前にはひたすら森が広がる坂道。マジしんどい………………すると坂の上からブイーンと1台のスクーターが降りてきた。そのスクーターにはでっぷりしたおじさんが乗っていて、俺たちにハーイと声をかけてきた。「ホテルホテル、カモンカモン。」俺たちにスクーターに乗れと言ってくるおじさん。無精ひげでかなり太ってて、さらに怪しさがほとばしるファッションセンスでそこそこ怖い。でもホテルに行くから乗れと言ってるということはもしかしてスタッフさんなのか?そのまさかで、オッちゃんはホテルのスタッフさんで、1人ずつホテルまで乗せてくよということだった。スクーターでお出迎えなんて田舎ならではやなぁ。まずカンちゃんがスクーターにまたがった。バッグはうまいこと足元に乗せていくみたい。この怪しいオッちゃんにカンちゃんだけを預けて行くのはちょっと心配だったけど、まぁこんな田舎の1本道なので大丈夫だろう。カンちゃんを乗せたスクーターは重そうにエンジンをふかして、ゆっくり坂を登っていった。ひとりぼっちで待つこと5分ほど。カンちゃん大丈夫かな?と思っているところにまたスクーターがブイイイインと降りてきた。今度は俺が乗り込んで坂道を登っていく。するとしばらくして、森が広がる山の中にポツリと1軒の建物が現れた。おお、すげぇところにあるなぁ。確かに見晴らしは素晴らしいけど、こりゃ車で泊りに来る宿だわ。ゲストハウス、アルセニス。バッグパッカーには絶対オススメしません。「荷物置いて20分したらメテオラに送っていってあげるよ。夜はママのベストトラディショナルフードが10ユーロだから。ベストトラディショナルだからね。」宿にはお婆ちゃんがいて、このオッちゃんは息子さんだった。2人でやってるようで、閑散期だからかいつものことなのかお客さんはまったくいない。おかげでママの家庭料理10ユーロでマジヤバイからシクヨロって集中砲火を食らって断りづらいこと上ないんだけど、1200円の晩ご飯はさすがに高い。スクーターで乗せてくれたし、朝ごはんだけお願いしようかということにして、ママのベストトラディショナルフードは遠慮しといた。町で食料買ってきといてよかった。20分経ってオッちゃんがスクーターでメテオラまで乗せていってくれた。宿からメテオラまではさらに4キロあるので歩いて行くのは大変なので助かる。スクーターに3ケツし、森の中の坂道をブンブン登っていき、やがて視界が開けるとそこにはすごい景色が広がっていた。遠近感がおかしくなるような巨大な岩山がズゴンスゴンと天にそびえ、眼下にはカラバカのささやかな町が見える。日本の景勝地にある奇岩群なんて比べものにならないそのスケール。岩山には統一して斜めに線が入っており、気の遠くなるような年月をかけて削りあげられたであろう地層が浮き彫りになっている。こりゃすげえええ!!と思わず声をあげてしまった。しかしメテオラとはこの地形だけの名所ではない。そうした巨大な岩山のそれぞれの頂上に、ポツポツと建物が見える。これはギリシャ正教の修道院であり、この一帯に6つの巨大寺院が宙に浮くように建造されている。どうやってこんな岩山の頂上にあんな修道院を作ったんだ!?まさに天空都市!!!すげすぎる!!!!岩山に宗教施設が密集しているという点で山形の山寺みたいな感じを想像してたけど、そのロケーション、山寺の比じゃない!!!じゃあ帰りは歩いて戻ってきてねーとスクーターで帰っていったオッちゃんを見送り、カンちゃんと2人で景色を堪能しながら歩いた。ギリシャといえば神話の物語だけど、ここはまさしく神話の舞台といっても過言ではない雰囲気だ。切り立った岩山、天空にそびえる修道院、はるかに広がる山並みとかすむ平野。この地にキリスト教徒が住み着き出したのは800年代のことらしく、岩山の裂け目や洞穴で暮らしながら修行を行っていたんだそう。その後1300年代に今あるような修道院が建設され始め、俗世からかけ離れたこの場所でたくさんの修道士たちが修行していたという。現在メテオラは世界遺産に登録されており、他に類を見ない修道院文化が形成されたこの地は世界中から観光客の訪れるスポットになっている。まず1番最初にやってきたのはアギアトリアダ修道院。独立した岩山の頂上に作られたこの修道院に行くには、岩山をくり抜いて作られた石段を登っていかないといけない。しかしこの石段ですら1925年に作られたものらしく、それまでは縄のはしごで登らないと行けないような完全なる孤立した修道院だったみたい。滑車で下から荷を吊り上げていたほど険しい場所に存在しており、そのおかげで修道士たちは深い瞑想を行うことができたんだろうな。修道院の入場料は1人3ユーロ。360円。内部は結構綺麗で、そんなに古びた遺跡感はない。でも薄暗い礼拝堂の中は壁一面に夥しい壁画が施されており、異様な雰囲気だった。世俗からかけ離れた天空にある修道院、その奥深くにある礼拝堂。怖くなるほどの神聖さが張り詰めている。そして壁画を見て思ったのは、アルバニアのボスコポヤにあった教会の壁画と似ているということ。カラフルで、様々な人物が描かれており、ボスコポヤのものは壁が剥がれ落ちて原型をとどめていなかったけど、ここメテオラのものは保存状態も良く、はっきりと見ることができた。でもあの崩れた物悲しさがボスコポヤの魅力だったな。入場すると帰りにこんなお菓子をくれた。次にステファノス修道院にやってきたんだけど、残念ながら閉まっていた。このオフシーズンは観光客に解放されている日にちや時間帯がそれぞれの修道院によって異なり、キチンと全部回ろうと思ったら上手く予定を組まないと無理そうだ。それに各修道院ごとに入場料が発生するので選んで回るのがオススメかな。まぁ3ユーロなら安いもの。ひとつの観光地が15ユーロも20ユーロもするアイルランドでは全然中に入らんかったよなぁ。修道院を後にしてのんびりと歩いた。歩いて全ての修道院を回ろうと思ったら1日がかりになるので、残りはまた明日だな。とにかく景色が半端じゃないのですぐに足を止めて何度も写真を撮った。角度によって修道院の見えかたが変わってくるし、飛び出した岩の先から見晴らす展望スペースもたくさんあるので本当に飽きない。昔はまだ周りに町も全然なかっただろう。こんな人里から隔離された場所で、岩山の頂上でひたすらキリスト教の教えを勉強し、修行に明け暮れる人生ってどんなものなんだろう。魔法のひとつやふたつ使えるようにならなかったら割りに合わなさそうだ。「ねー、すごい人生だなー。ずーーーっとひたすら勉強ばっかりしてる人生なんて考えられないなー。」「カンちゃんは語学得意だよね。社会は苦手なのに。俺社会が好きだからわからんわー。」「社会ホント無理ー。歴史とか一切覚えられないもん。」「わからんなー。じゃあ宮本武蔵って知ってる?」「ご飯食べるとこ?」「それ宮本むなしやろ…………」「冗談やしー。それくらい聞いたことあるしー。」「じゃあ武蔵のライバル誰か知ってる?」「えーっとね、平清盛とか?」あー、景色が綺麗だなぁ。カンちゃんとお喋りしながらゆっくりと宿に帰った。