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波乱のギリシャ初日!!



2017年3月6日(月曜日)
【アルバニア】 コルチャ
~ 【ギリシャ】 カストリア ~ グレベナ





朝、荷物を持って宿を出た。

優しい笑顔で見送ってくれたママに手を振って歩き出す。


たった3日間の滞在だったけども、果たして俺はアルバニアにリベンジできたのか。


リベンジとは、前回のクソみたいな思い出を払拭するような素晴らしい日々を過ごしてこの国のことを好きになるということ。

前回のせいで地獄の国というイメージしかなかったけど、旅の経験も上がった今ならこの国とちゃんと向き合えると思えた。





結果、総合して……………





うん、アルバニア好きだわ。



とにかく飯が美味くて物価が安い!!

レストランで焼き鳥腹一杯食べてビール飲みまくっても1000円で足りる。


そして田舎に行くと、一時代前のヨーロッパの素朴な素顔を見ることができ、さらに中東文化と混じり合っているので独特なムードも漂っている。



人はまだまだ洗練されてるとは言い難いけど、根源的な優しさがダイレクトに伝わってきてすごく感動させてもらえた。



ヨーロッパにおいて閉ざされた謎めいた国、というイメージは確かにそう。

でもそれがこの国の魅力の一因てあることは間違いない。

きっとこの国土にはまだまだ刺激的で美しいものが眠っているはず。








アルバニア良かったなぁ。

こう思わせてくれて嬉しいわ。


あー、これからどこが最悪の国だった?って聞かれたらどこって答えよう?

どこも良かったからなぁ。


ていうかアルバニア以外全部楽しかった思い出だったから、今回その穴をカバーできたことでもう完璧やん。




あー、本当朝からギュロスが鬼美味い!!




これでたったの150円なんだからやっぱりたまらんわ!!



アルバニア!!また縁があったら今度は海沿いをゆっくり旅しに来たい!!

その頃にはチンチョンチャンはやめといてね!!


バス会社の前からバンに乗り込むと、勢いよくアクセルをふかしてコルチャの町を後にした。























さてさて、次の目的地はついにバルカン半島最後の国、ギリシャ。

首都のアテネからエジプトに飛べばとうとうアフリカ旅の始まりだ。


うっわ、こっわ………………




でもその前にこのギリシャ!!

いやーギリシャ初めて!!


前回のシェンゲン強制退去のおかげでめちゃくちゃ楽しみにしていたこのギリシャに行くことができないまま俺はヨーロッパを出た。


世界を代表するザ・遺跡祭りのギリシャに行かずして世界一周を終えてしまい、ずっと引っかかってたんだよなぁ。

イタリアもそうだし、サグラダファミリアもモンサンミッシェルもそうだ。


ヨーロッパでもまだまだ行ってないところがたくさんある。




その中でもやっぱりギリシャは必ず行かないといけない場所だと思う。

ギリシャといえば神話の神々、パルテノン宮殿なんかの古代遺跡、美しい地中海の島々、

見所死ぬほど盛りだくさんの超メジャー国。


きっと知らず知らずに使っているギリシャが由来の言葉とかすっごくたくさんあるんだろうなぁ!!

めっちゃ楽しみやわ!!!



もう楽しみすぎてこうなったらギリシャに旅行に来ている女子大生のパルテノン宮殿に俺のポセイをドンしちゃおうかな!!つって!!












うん、あんまりギリシャっぽい言葉が思い浮かばないです。




この各国ご当地の俺のアレをアレしてってやつも70ヶ国を超えたか……………

うわぁ……ただの変態だなぁ……………

そりゃ女子大生に声かけられんわ……………




いやぁ、結婚したことでウチのお母さんだけじゃなくてカンちゃんのお姉さんとかもこのブログ読んでるんだよなぁ…………マジ怖いなぁ……………

マジ怖いのに下ネタを書くのを止められないなぁ…………


お姉さん!!僕本当は女子大生とか全然興味ないので大丈夫ですからね!!ただ女子大生の地中海に俺のゼウスをテュポンしたいだけです!!

テュポンて!!





テュポンってのはゼウスが退治した神話の中の怪物です。












いやー、テュポンとか効果音ウケるーって思ってたらバスはあっという間にギリシャとの国境に到着。




ちなみにコルチャからとったバスは、ギリシャの国境を越えたところにある最初の町、カストリアまでのもの。

10時出発で値段は10ユーロ。1200円。

マジ高い。


ティラナからコルチャまで450円だったのに、その4分の1くらいの距離で1200円は相当高い。

時間にしても1時間くらいなのに。




まぁ国境またぐし仕方ないかとバスを降り、みんなに混じってパスポートコントロール。


ここでちょっとドキドキしているのはギリシャがシェンゲンだからってわけではない。

前回のオーストリアから計算して、3月1日から俺たちはシェンゲン明けになっているので問題なし。


では何かというと、俺は前回キプロス島に行っている。

それもトルコから北キプロスに渡り、そこから南キプロスに移動した経路だ。


これがあまり良くない。


キプロス島はかなり複雑な国境事情を持っており、今現在、北半分はトルコ住民のエリアで南半分はギリシャ系住民が暮らしている。

ここには国連が定めたグリーンラインという緩衝帯が引かれており、国境のように島を分断している。


トルコ側は北半分は俺たちのものと主張し、南キプロスの人たちはキプロス島はひとつの国であり、北はトルコによって強奪された占領地という認識がある。


なので北キプロスから南キプロスに入ろうとすると、北キプロスの出国スタンプはもらえるのに南キプロスのスタンプをパスポートにもらうことができない。

だってすでに俺たちの領地だからね、って具合だから。



おかげで南キプロスから出国するときには、お前どっからこの国に入ってきやがった?この不法入国者め!って感じで軽くもめた。


あれはめんどくさかったなぁ。








そんな経緯もあっての今回のギリシャ本土入国。

どうしてドキドキしてるのかというと、風の噂で北キプロスの出国スタンプを持っていると、ギリシャ本土入国の際に入国拒否を食らうという話を聞いたことがあるから。


ギリシャからしたら北キプロスは敵対してる国。

なんでそんなナメた場所に行ってやがるんだこのソーロー?帰って刃牙でも読んどけ!!ってことらしい。


これの対策として、イスラエル入国の時みたいにスタンプを別紙に捺してもらうという方法が一般的みたいなんだけど、俺はアホみたいに北と南を行ったり来たり散歩してたのでパスポート1ページ使って3発もスタンプがブチかまされている。

ギリシャの人からしたらただの極悪人。



いやぁあああああああ!!ジャックと本部以蔵の対決のところで日本出たから今どんなことになってるのか気になるうううううううーーー!!!!




「ハーイ!!ジャパニーズ!!トヨタ!!スズキ!!ミツビシ!!ニッサン!!」



「……………ホ、ホンダ?」



超テンションの高い国境審査官のオッちゃんにホンダ?と言うとニヤリと親指を立ててスタンプバスン!!




え?終わり?







2秒。




北キプロスのスタンプ持ってるみなさん、ギリシャ本土入国、2秒です。






パスポートコントロールが終わったらバスの中の荷物を全部下ろして台の上に乗せて荷物チェックなんだけど、警察が外からバッグをパンパン叩いてはい終わりという、やる気元気いわきのおばちゃんが見たらキレるくらいのやる気のなさ。




というわけでヨユーでギリシャ入国完了。

ヒョッホーイ!!ギリシャ入ったぜー!!


















今日はこのまま最初の町カストリアに行き、そこからバスを乗り継いでカラバカという町まで行く予定。

カラバカといえばギリシャ北部最大の見所であるあのメテオラの町だ。


もうすでに今夜の宿をカラバカでとっているのでなんとしても行かなければいけないんだけど、まぁまぁそんなに急ぐこともない。


時間があったら途中の町で軽く路上してもいいかな。


ギリシャはバルカン半島においてダントツ先進国のイメージ。交通網も充実してるはずだし、順調にいけば昼の15時には着くはずだ。


そして明日はのんびり朝からメテオラ観光だぜイェーイ!!


完璧な計画ー!!


楽勝楽勝ー!!!!












が、全然楽勝ではなかった。

ここから長い1日が始まることになるとはこのとき全く想像もしていなかった。




















バスは順調にギリシャの道を走っていく。


アルバニアからギリシャに入って道路が綺麗になった印象だ。

アスファルトが割れてたりしないし、道路看板も新しい。


おかげで揺れも少なく、快適にバスの中で日記を書いているときだった。






バスのスタッフが俺たちのところに来て電話を渡してきた。


話せ、話せ、と言っているよう。



え?なに?どういうこと?



なにやら誰かと話をさせようとしている。

え?まったく意味がわからんぞ?と思いつつもカンちゃんが電話を取る。


何か話しているようだけど、何言ってるかわからないよーと俺に代わってきた。



ケータイを耳にあてると向こうで男の声で何か言っている。





これってよくあるパターン。



英語が喋れない人が友達に電話して、それを俺たちに代わり、英語で話をさせるというもの。


バスのスタッフが俺たちに何か伝えたかったけど、英語が喋れないので誰かに電話して代わりに伝えてもらおうとしているのかな。


電話の向こうでは男が何か言っているけど、向こうの人も英語がひどすぎてなんて言ってるのかまったくわからない。


耳を澄ましてなんとか聞いてみるが、お前のフレンドをどこでピックアップすればいいんだー?みたいなことを言っている。


まったく意味がわからない。


ピックアップ?俺たちの友達?


どう頭をひねっても理解することができずにいると、バススタッフの兄ちゃんも諦めて電話を受け取って戻っていった。




「あれどういうことだったんだろ?今夜のホテルの人が迎えに行くよってことか?」



「いやいや、私たちがこのバスに乗ってることなんて知らないよ。」



「それもそうだよねぇ。だったら友達をピックアップって意味が全然わからんなぁ。」



まぁバスの兄ちゃんが珍しいアジア人と絡みたくて電話を渡してきたのかなと思い、また日記を書いた。

















すると、少ししてバスがいきなり止まった。


そしてバススタッフの兄ちゃんが俺たちに手を振った。



ん?なに?どしたの?ドラゴンボールが好きなの?

いやー、俺はやっぱり悟空よりもベジータ派だよねー、ギャリック砲とかマジかっこいいよね!!まさかブルマと結婚するとは思わんかったし!!




「ここで降りろ。」



「は?」




ここで降りろと言ってきた兄ちゃん。

え?ここってただの高速道路の上ですよ?

俺たちカストリアに行くんですけど?




「え?ここ?ここですか?」



「そうだ。」



「えーっと…………俺たちカストリアに行くんだけど?」



「ここがカストリアだ。俺はピッコロ派だ。」




ちょっと待て!!

ここ思いっきり高速道路の上で、周りなんにもない一本道!!!


iPhoneで地図を見ると、確かにカストリアではあるけど、カストリアの町のインターチェンジ上であるだけでまだここから町まで4キロある!!!


地図を見せて、ここ現在地、ここカストリア、めっちゃ遠い、インディアン、嘘つかない、みたいな感じで説明すると運転手のところに戻っていった兄ちゃん。





ははーん…………なるほど、このバスの行き先はテッサロキニ。


このまま高速を走ってれば着く大都市だ。


俺たち2人だけのために高速を降りて町中まで入っていくのがクソかったるいからテメーらここで降りて自分たちで行けやという舐めてるにもほどがある魂胆らしい。




すると今度は兄ちゃんの代わりに乗客のお姉さんがやってきた。

おお、ちゃんと英語が喋れる人が代わりに来てくれたみたいだ。




「ピッツァピッツァ、イタリアーノ?」



よし!!ここでイタリア語を喋れる人連れてくるという謎のチャレンジやめて!!!!


このどっからどう見ても観光客のアジア人がイタリア語を喋れるかもしれないというかすかな希望に願いを託さないで!!


ボーノとグラッツェとアリーベデルチ!!しかイタリア語を知らない俺たちなのでもちろん会話にならず、バスの中に微妙な空気が流れる。




カストリアに行くのは俺たちだけ。他の乗客たちはみんなテッサロキニ行き。

俺たちのせいでバスが止まり、おいおい早くしてくれよー的な空気になっていやがる。



ウケるー、カストリア行きの10ユーロもするチケット買ったのにこんな町から遠く離れた高速道路の上にポイ捨てとかマジウケるー。




「タクシー、タクシータクシー。」



スタッフの兄ちゃんがタクシー乗って町まで行けと言ってくる。



ちょ、それ本気で言ってるのか?






…………いや待て、確かにこれまでこういうことはあった。


見渡す限りなにもない町外れでポイ捨てされて、大澤誉志幸と張るくらい途方に暮れるなんて何度もあった。

ここが正規のバスストップであって、ギリシャ流のやりかたなのかもしれん。


それに俺たちがもめてることで他の乗客たちが、早くしろよこのピグモン何うだうだやってんだよといった顔でこっちを見てくる。


うう…………こりゃもうここで降りるしかないやん…………




「ダメダメー!私たちカストリアまでのチケット買ったのー!!ここカストリアじゃない!!タクシー乗れっていうけどタクシー代は誰が払うのー!!」



するとカンちゃんが横でピーチクパーチク頑張りはじめた。

カンちゃんこういう時は意外とちゃんと意見言うんだよな。


でもこの状況で何かが起きるとは思えないんだけど…………








するとスタッフの兄ちゃんが運転手のところに行き、戻ってくると5ユーロを俺たちに渡してきた。

タクシー代ということらしい。


そしてバスは俺たちを降ろしたら、ブーンとエンジン音を上げて走り去っていった。







「カンちゃんすごいね、よくあそこで5ユーロもぎとったね。」



「うんー、5ユーロもろたー。」



「ていうかタクシー通るわけないよねこんな高速の上で…………」



「タクシーどころか車が全然通らないねー。ウケるー。」







田舎の高速の上。

ポツリと立ち尽くすアジア人2人。


頭の中に流れるBGMはもちろん大澤誉志幸。





ちょっと待てー!!

タクシー乗れってタクシー通らねぇじゃねぇか!!!

こんな高速の上にポイ捨てって考えられん!!!

しかもあれメトロっていうそこそこデカいバス会社なのにこんなことするか!?



あっ!!!!!まさかさっきの電話!!


あれってタクシーの運転手で、どこで俺たちのこと拾えばいいんだ?って聞いてきてたのか!!!!


あーどうもどうもー、どちらに迎えに行けばいいんですかー?いやーそれが僕らも知らないんですよねー、だったら迎え行けませんねー、ですよねーどうすればいいんでしょうねー、ていうか降ろされることを知らない俺たちにそのことを説明させようとするスタッフ困ったちゃん!!!









マジビビる……………

あそこで5ユーロ渡してきたってことは、つまり悪いことしてるっていう自覚があるってことだよな……………

正規のことならば平然と降ろされただけだろうし…………





ていうかマジでタクシーなんか1ミリも通らないし、どうしようもないのでこのままヒッチハイクすることにした。

どっちにしてもカストリアからバスを乗り換えてまだその先に行くはずだったので、運が良かったら最後までヒッチハイクで行けるかもしれない。



よーーーし!!!!


そうと決まれば神田ああああああああ!!!!!!



神話の国宮崎でヒッチの神として崇拝されるどころか蔑まれてきたこのプロの腕を見せてやろうじゃああああああないかああああああああああああ!!!!!!!



「よく見とけよこのウーパールーパー!!俺が神の親指で秒殺かましてやっちゃられりれるろれり!!」



「うん!!私もやるー!!」














それから5分間、10メートル先にあるポールに石を投げて先に当てたほうが勝ちというゲームが超盛り上がって2人でキャーキャー言いながら石を投げてカンちゃんが勝ってワーイ!!ってなって崩れ落ちて大澤誉志幸。



時間の無駄すぎる……………



ちょ、これもしかして今日中に予約してるホテルまでたどり着けないパターンじゃねぇのか?そんな無駄の極みみたいなこと今まで一度もやったことねぇし!!!



あああ!!!車きた!!!!

車来たああぉ!!!!!止まってええええええ!!!!!











パトカー登場。




「あのさぁ、こんなところでヒッチハイクしたらいけないのわかるよね?ねぇ?なんでやってるの?ホーケーなの?死ねば?」



「ううう…………だって………バスにいきなり………ここで降りろって言われて…………どうしようもなくて……………」



というやり取りはもちろんなく、普通にニコニコしたお巡りさんにそりゃ大変だったねぇ、でもここは危ないから向こうの通りに行けば市バスがあるからそれで町まで行きなよーと言われた。

そして走り去っていくパトカー。



せめてそこまで乗せてええええええええええ!!!!!
















メトロボケカスー…………って2人でブツブツ言いながら頑張ってインターチェンジを歩いて降り、一般道までやってきた。


おかげでめっちゃ時間をくってしまいヤケクソで親指を立てる!!





2秒!!






「カモーン!!俺はタトゥーアーティストさー!!レッツゴーさベイビー!!」



ノリノリのお兄さんに乗せてもらってあっという間にカストリアの町に到着!!

お兄さんありがとう!!





ていうかカストリアの町めっちゃ綺麗!!




湖に飛び出した島に町が形成されており、くびれた陸地に建物が密集している様子はまるでミニ函館みたい!!


山の中の風光明媚な避暑地って感じだ!!!


やべー!!なんかギリシャ最初の町でテンション上がってきたー!!





って町の時計を見たらiPhoneの時間と違う。


あれ?っと思って時計を合わせたら1時間ズレて13時が14時になってしまった。





……………これマジでホテルたどり着けないかもしれない……………






やばい!!とにかく先に進むしかない!!

ソッコーでバスターミナルに行き、カラバカ行きのバスチケットを買うことに!!



「すんません!!カラバカ行きをください!!」



「カラバカ行きはないわ。ここからコザニに行って、そこからグレベナ行きに乗り換えて、グレベナからカラバカ行きに乗るしかないわ。」



「ひょおおおおお!!!クソめんどくせぇビビる!!!マジでそれしかないんですか?ここからグレベナ行きはないんですか?」



「ないわ。」



地図を見たらグレベナという町は目的地のカラバカの途中にある。

コザニはまったく逆方向の町。

しかしそこに行かないと先に進めないよう。


終わってる!!でもそれしかないなら行くしかない!!


というわけでコザニ行きのバスに乗り込む!!
値段は1人10.5ユーロ、1300円!!


ウケるー。すっごい高いウケるー。



なんて書いてるか全然わからんー。
















そして1時間くらいでコザニの町に着き、すぐにグレベナ行きのバスを探した。



「カラバカ?最終的にカラバカに行きたいのね?」



「そうです!!だからグレベナ行きをください!!」



「ちょっと待って……………残念だけどグレベナに行っても今日はもうカラバカ行きのバスはないわね。グレベナまでは行けるけど。」



「カペ!!カペコポポポ!!!今日中にカラバカに行く方法はないですか?!」



「そうね………………まずここからラリサまで行ってそこでタクシーに乗って別のバスターミナルに行って、今度はトリカラ行きのバスに乗って、トリカラに着いたらもう一度バスに乗れば今日中に行けるわね!!」



「うわぁ、すっごい気が遠くなる。」



ビビるほど面倒くさい上にめっちゃ遠回りでタクシーにも乗るので一体いくらかかってしまうんだ?


もうこうなったらグレベナまで行ってそっからヒッチハイクかましてやる!!!




そうと決まればバス待ちの間にギュロス!!!!








ギュロス、美味すぎる!!!!!!!

ぐあああああ!!!!これ本場のギュロスやしいいいいいい!!!!






ギュロスとはケバブのお肉をモチモチしたピタパンで挟んだファストフード。

ケバブと大きく違うのはフライドポテトも一緒に挟むところで、これは俺たちが大好きなブルガリアのケバブと同じスタイルだ。



ブルガリアとギリシャはお隣さん。


つまりギリシャのギュロスがこのスタイルの本家本元!!!

きゃあああああああ!!!!ビビるほど美味いいいいいいい!!!!!!














というわけでコザニからグレベナまでミニバンで移動!!45分の距離で6.2ユーロ!!750円!!





田舎の寂れた町であるグレベナに到着したらこっからは時間勝負!!!!


今が18時!!暗くなるまで1時間てところか!!


ヒッチハイクは昼勝負だ!!夜でもいけないことはないけど、治安面であんまりやりたくはない!!


この1時間で捕まらなかったら今夜のホテル、3600円が排水口行き!!


根性で歩きながら町を出てカラバカ行きの分かれ道まで行って親指を立てる!!!!



頼むうううううううう!!!!止まってくれえええええええええ!!!!!






ぬおおお!!!止まったああああああああ!!!!!




「5キロくらいしか行かないけどいいかい?」



「モチのロンでござる!!!」



















そしてイカしかお兄さんに乗せてもらって郊外のだだっ広い一本道までやってきた!!



もうここから先はカラバカに行く車しか通らん!!!

もはや町に戻ることもできないので捕まらなかったら野宿確定!!!!



きゃああああああああ!!!!!止まってええええええええええ!!!!!!






















1時間後。




暗闇の中でポールに石を投げて当てるゲームで盛り上がって現実逃避する2人。





ダメだった………………



捕まらなかった………………





「ダメだったね……………」



「うん…………結構高めの宿だったのにな…………」



「でも楽しかったけどね。全部メトロのせいだ!!」



「メトロのバカー!!あ、でも野宿ちょっと楽しみ。」




周りはひたすら何にもない一本道。

民家も何もないので人はまず誰もいない。


幸い寝袋はあるし、今夜はカンちゃんと星空を眺めながら寝るのもアリかな。



うん、まぁそれもたまにはいいか。

飲み物も食べ物もなんにもないけど、カンちゃんと2人ならそれもいいや。





あ、車来た。


よし!!最後の頼み!!!


止まってえええええ!!!!!!














パトカー登場。






しかもこのお巡りさん2人、お昼のお巡りさんと違って結構怖い。


冷たい感じでカムヒアと言ってきた。




えー、なにー………なんか怒られるのー…………




「さて、お前らはどこから来てるんだ?」



「あ、あの………ジャパンです………」



「な、なんだとおおおおお!!!!ジャパンだとおおお!!!トヨタ!!ホンダ!!ミツビシ!!パールハーバーグッジョブ!!」


俺たちが日本人だと言った瞬間にめっちゃ笑顔になってテンション上がりまくりのお巡りさんたち。



「いやぁ、暗いから顔がよく見えなくてレフュジーかと思ったんだよ!!シリアからの!!」




レフュジー、そう、難民だ。


現在シリア戦争の影響で中東からたくさんの難民がギリシャに流れ込んでいるのは知っていたけど、どうやらそれが治安を乱す一因になっているということがお巡りさんの態度でわかった。




「いやぁ!!マジ日本サイコーだよ!!でも残念ながらここは日本みたいに安全じゃないんだよ。日本人はみんな礼儀正しくて素晴らしい国民だよな。でも今ギリシャには難民が多くて治安が悪化してる。20年前だったらオートストップしてるやつがいたら全員が止まって乗せてあげてたよ。でも今はみんな警戒してあまり乗せないんだ。すまない。」




そっかー、そういうのも影響してるのかもしれんよなぁ…………




「よし!!今日はもうカラバカ行きは諦めるんだ!!ここはみんなアホみたいにスピードを出すから危ない!!今から町まで乗せて行くから一緒にバスターミナルで明日のバスの時間を調べて、それからホテルまで送っていくよ。」




もう………めっちゃ優しい。


ギリシャ人めっちゃ優しい。


なんだろ、ドイツ人とかフランス人とかはすごく洗練された優しさがある。


そしてアルバニアとかボスニアの人たちはといえば、過剰なくらいに好奇心丸出しで絡んできて濃厚な優しさをくれる。



それがギリシャはすっごくほどよい。

無関心すぎず、うっとおしすぎず、ちょうどいい暖かさと人懐こさ。



なんだよなんだよ、そうだ、この感じ覚えてる。

トルコに似てるんだ。



あの限りなく神に近い国民、トルコ人の究極の優しさに似てるんだ。


昔からずっと対立してきているこのギリシャとトルコ。

でも彼らは同じ地中海沿いの国で、同じ濃いエキゾチックな顔をしており、同じ懐こい優しさを持っている。


ギリシャめっちゃいいやん!!









「お巡りさんありがとう!!」



「いいってとこさ!これがメディタリアンスタイルさ!!日本サイコー!!アハハー!!じゃあなー!!」



お巡りさんはバスターミナルで明日のバスの時間を調べてくれ、さらに町の真ん中にあるホテルまで連れていってくれ、颯爽と帰っていった。



あらあらー、日本人かい!?こりゃ珍しいお客さんだー!!とホテルのマネージャーさんが暖かく迎えてくれ、俺たちの事情を聞いてカラバカで予約しているホテルに電話をかけてくれ、ギリシャ語で話をして、なんと今夜の予約をノーチャージで明日にズラしてもらえることになった。


こんなの滅多にできないことだ。


ホテル代も55ユーロのところだけど50ユーロで朝ごはん付きにしてあげるよと言ってもらえ、少し高いけどこの優しさに嬉しくなって泊まることに。



部屋に入ると、安宿にはない立派な室内で、ふかふかの綺麗なベッドに横になるとさすがに少し疲れが出た。







「ふー、色々あったなー。」



「うんー、私パトカー乗ったの人生初ー。ビビるー。」



「ギリシャ人優しいね。メディタリアンスタイルやね。」



「ねー。ギリシャ好きだわー。」




というわけで波乱のギリシャ初日に乾杯!!





アルファビールうっま!!!!!







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