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めちゃくちゃ久しぶりの宿



2017年2月8日(水曜日)
【イングランド】 リバプール
~ 【北アイルランド】 ベルファスト






イギリス最後の車中泊の朝。




イギリスの冬は寒い寒いと恐れていたけど、秋口のオーストリアのほうがよっぽど寒かったな。

結局雪を見たのも数回だった。


こっちの人は、車中泊をしていると俺たちが言うと、なんだって!!寒いだろう!?と驚いていたけど、実際は布団をはだけるくらいでなんの問題もなかった。


職務質問も何度か来たけど、職務質問というようなものでもなく、ただ俺たちのことを心配して声をかけてくれるような感じでパスポートチェックも一度もなし。

日本よりも治安は良く感じたな。




海辺の公園、静寂の中エンジンをかけて車を動かした。
















朝イチ、明るくなり始めた頃にリバプール空港近くにあるレンタカー会社のオフィスにやってきた。

そしてすぐに返却手続き。

荷物を全て降ろし、借りた状態に戻してスタッフのお兄さんの傷チェック。



この2ヶ月、無事故無違反だった俺たちがつけてしまった傷は、フロントガラスの小さなもの、左前のホイール、左後ろのホイールの3ヶ所。

フロントガラスは飛び石で、ホイールは駐車する際に縁石に少しこすってしまっていた。





お兄さんはさすがにプロですぐにその3つに気づき、左後ろホイールの比較的大きめな傷に対してこれは直さないといけないねと言った。



でも問題なし。俺たちはフルプロテクションの保険に入っているので全て保険の対象内だ。



が、お兄さんはビビることを言った。



「この後ろのホイールはチャージするから150ポンドの支払いになるよ。」



えええ!!保険入ってるよ!?なんで!?21000円!!??



ってめっちゃ驚いたけど、よく聞いたらこれは先に俺たちのカードで引き落としはするけど、後から実際に予約をしたレンタカーズドットコムのサイトに請求すればそっちが俺たちに返金してくれるというシステムらしい。

一時的な建て替えってことだ。

ああ、よかった。



ていうかガラスの傷と左前ホイールの傷は直さないんだな。

あれくらいならレンタカー会社は直さないで次に回すってことか。





何はともあれ、2ヶ月借りたレンタカーも無事返却。

そして目の前にあるのは夜逃げですか?ってくらいの尋常じゃない荷物の山。



こ、これ………2人で運ぶとか頭悪いのかな…………


頑張って運ぶか…………




さぁ、バッグパッカー旅の再開だ。

壮大な旅の物語が俺たちを待ってるぜ。



















そして2秒で泣きながらへたりこむ。

肩が普通にもげる……………



「バッグパッカーって大変だね……………」


「うん…………壮大な物語っていうかこんなんでアフリカとか行けるのかな…………」








このところレンタカー旅で重いものほとんど持ってなかった2人の体のタフネス、昼食にアロエヨーグルトを食べるか弱きOLのごとし。


ぐおおおおお…………バックパッカーって過酷だなぁ……………




でもタクシーを使ったらこの空港からリバプールのフェリーターミナルまでは30ポンド、4200円くらいかかるということなのでバスで頑張ろう。



荷物を担ぎ上げて根性で歩いて最寄りのバス停まで行き、やってきた2階建てのバスに乗り込んだ。





しかし空港からフェリーターミナルってなかなか不便で、バスで行こうと思ったら3本も乗り換えないといけない。

しかも1回につき2人で4.5ポンド、630円くらいするので3回乗ったらなかなかの金額。


毎回重い荷物を引きずってバス乗り場を探し、これでいいのか?って不安になりながらバスを待って乗り込むというこの感じ、うん!!懐かしっ!!!ただのM太郎!!



でもまぁこんなのワイファイさえあれば何時何分にどこのバス乗り場から何番のバスに乗って何ヶ所バスストップに停車して何時に着いて、その間ずっとGPSで現在地がわかるというこの先進国のイギリスでは猿でもできることだけど。


イギリスの市内バスにはだいたいワイファイが飛んでいるし。



これがアフリカだったら、バスストップなんかなくてただの道端で、1時間遅れ以内でバスが来れば感激もので、走ってたらいきなり煙吹き出してバスが死んで、カバがアクビして、太陽の角度と星の位置で現在地を割り出さないといけないという、うん、そこまではないか。



いや、どうなんだろ……………


座席が満席?君たちのシートはあれさ!!って爽やかにバスの天井を指差されたらどうしよう……………













そんなことを考えながらイギリスのバスは快適に走り、ようやくフェリーの出航時間45分前にターミナルに到着!!


最終チェックインは1時間半前までです、と注意事項に書かれていたので慌てて窓口に行くと、あんたたち遅いからもうダメバイバイ、と言われかけることもなく優しくチェックイン完了。

外に出るとフェリーまでのお迎えのシャトルバスが俺たちのためだけにやってきてくれ、スムーズに乗船完了。


優しい!!








というわけで無事ステナフェリーの船に乗り込むことができた。



船体を震わせながらゆっくりと動き出すフェリー。

イングランド出国だ。


















リバプールから北アイルランドの首都、ベルファストまでは8時間の航海。

値段は少し前にオンライン予約したので2人で51.7ユーロ。6300円。



閑散期だからか他の乗客はほぼおらず、マジで貸し切りくらいに静まりかえった船内はそこそこ豪華で、フリーワイファイも飛んでるしソファーで快適に過ごすことができる。

荷物も別で預かってくれるし、エスカレーターがついてて至れり尽くせりだ。




そうして窓の外が夕日に染まり、やがて真っ暗になったころに船はアイルランド島に到着した。

新しい国、北アイルランドに入国。


北アイルランドなんて今回の旅の中で知ったくらい地味な名前だけど、これはれっきとしたひとつの国。

ユナイテッドキングダムに属しており、人口は180万人。

マジでなにひとつこの国について知らないけど、一体どんなところなんだろ?




まぁとにかく今日は宿に入ることが先決。

うおお………めっちゃ久しぶりの宿だな…………

他の旅人たちと上手くやれるかな…………












フェリーターミナルのすぐ近くにあるバス乗り場からバスに乗り、1本でシティーセンターにやってきた。


バスの値段は4ポンド。570円。当たり前だけど物価は他のユナイテッドキングダムの国々と変わらないみたい。





あっという間に中心部にやってきたんだけど、メインストリートは20時前ですでに閑散としていて人の姿はほとんどなかった。

人口180万人の国の首都だもんな。イングランドの都市のような活気は感じられない。


メインストリートの目の前にある青くライトアップされたヨーロッパらしい豪壮な建物が、かろうじて首都らしい威厳を放っていた。






















バスを乗り換えるのも面倒だったので中心部から歩いて宿に向かい、20分ほどで今日の宿、ラガンバックパッカーズに到着。


大きなアパートのひとつのドアに安宿らしいペイントがしてあって、すぐに分かった。


ドアを開けた瞬間、安宿特有のカビ臭い匂いや人の体臭の匂いがふわっと鼻に入ってきて、一気にバックパッカーに戻った気がした。


決して嫌な匂いではない。何人もの旅人たちが出入りしてきた古びた建物の匂い。

うー!久しぶりだなぁ!この感覚!!











「ハーイ!!ジャパニーズなの!?オハヨウゴザイマス!!!」



陽気でフレンドリーなスタッフたち。
他の宿泊客もみんな笑顔で挨拶してきて、長らく味わっていなかったこのボロい安宿に集まる旅人たちの空気に心が和む。

この親近感、連体感、みんな旅する仲間という共通点で繋がっていて、それだけですでに友達みたいな感覚だ。










ペイントされた壁、冷蔵庫やトイレに貼られた雑な注意書き、


シャワーフックが壊れてたり、壁に穴が空いていたり、とても綺麗なところとは言えないけど、すごくワクワクしてくる。

フランス語やスペイン語なんかの世界中の色んな言葉が飛び交い、みんなすぐに旅の話がスタートする。




車中泊は最高だけど、やっぱりこの安宿での旅人たちとの交流こそ旅を旅らしくしてくれるポイントだよなぁ。

これまで泊まってきたいくつもの宿の思い出が蘇る。



































久しぶりにカンちゃんと2人一緒にシャワーを浴びて背中を流し合い、外に美味しいハンバーガーを買いに行って大食いチャレンジのハンバーガーのデカさに普通に引いて、宿でビールを飲みながらゆっくり食べ、何人かの旅人たちと軽く会話し、ベッドに入った。



あー、バックパッカー旅が始まったんだなぁ。

もう車がないんだなぁ。




ドミトリーの2段ベッドの上で、太った女の子がボリボリとスナックを食べている。

こんな夜中なのに、ボリボリボリボリとよく食べ、そんでプシュッ!って音がしてゴクゴクと炭酸を飲み、またボリボリボリボリ、プシュッ!!



そんな音がやけに大きく聞こえるドミトリーの夜。



ボリボリボリボリ……………プシュッ!!



ゴクゴクゴクゴク……………



ボリボリボリボリ……………














ボリボリボリボリ………………



まだ食べるのかよ……………そら太るわな…………





ようやく満足したのか、電気が消えて真っ暗になり俺もiPhoneを置いて布団にくるまる。

部屋の外から聞こえてくる笑い声。

起きているメンバーが1階のリビングで盛り上がっているよう。




なんだかふと、親の実家に里帰りした子供の時のことを思い出した。


子供なので早めに寝かされるんだけど、隣の襖の向こうから聞こえてくる酔っ払った親戚のおじさんたちの楽しそうな笑い声。


そんな懐かしい記憶がふわっと浮かんでは消える。


大人になった今、あの楽しい笑い声に混じりに行くことはできるけど、今日はもう眠ろう。




これからたくさんの出会いがあるはず。


やっぱり安宿は楽しいなぁ。









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