スポンサーリンク いつまでもドキドキすることしよう 2017/1/5 2016/12/01~ イギリス, ■彼女と世界二周目■ 2016年12月24日(土曜日)【イングランド】 スカボロー12月24日になって35歳になりました。フェイスブックやGmail、ラインで本当にたくさんの方からお祝いのメッセージをいただき、改めて多くの人たちに囲まれて生きてるんだということを強く感じました。すべてのメッセージに返事を書くのは時間がかかるので、ここでお礼をさせていただきたいと思います。本当に本当にありがとうございます。つい先日結婚式をし、おめでとうのお言葉を山ほどいただいたというのに、またもやこんなにたくさんのお祝いの言葉をいただき、僕の人生の中でこの2016年はとてもとても大きな年になりました。中学生の時にギターを弾き始め、高校生で路上ライブを始め、夏休みとかを理由してはヒッチハイクをして九州中をギターを持ってウロチョロし、20歳の時に初めて旅に出ました。あの時の僕にとって日本一周というものは途方もなく壮大な、人生をかけた大冒険でした。北海道なんて人が住めるところなのか?ってくらい何も知らない世間知らずの田舎者でした。旅の資金は路上で稼げばいい。きっとなんとかなる!!と信じ、何度も辛い思いをしながらも奮い立たせて路上で歌い、少しずつ稼げるようになっていきました。そんな日本一周を4年4ヶ月かけてやりぬき、無事に宮崎に帰ったあとも、さらにストイックに日本をくまなく回り続けました。そして30歳の時に世界一周の旅に出発。同じように資金は路上ライブで稼いでやる!!とギターと6000円と寝袋を持ってロシアに渡りました。当たり前だけど、外国での旅は日本の旅よりもはるかにキツく、マジで死にそうなことも何度もありましたけど、その分人の優しさやドラマチックな出会いに感動する毎日で、どんなにヤバい状況でも投げ出して日本に帰ろうなんて気持ちは一切湧きませんでした。そして2年4ヶ月かけて無事世界一周を完了。日本に帰ってCDを作って、旅の本を出版し、大好きなカンちゃんとまた旅に出て、この前オーストリアで結婚式をしました。もうこうして書いてみて驚くんだけど、旅はあまりにも、本当にあまりにも多くのものを僕に与えてくれました。日本中、世界中に友達ができ、いつも再会を楽しみにしています。色んなことに悩む岐路に立ったときには、尊敬できる人物に出会い、人生の様々なことを教えていただき、ご飯をご馳走になったり、あらゆることを応援していただいてきました。路上やライブハウスで色んなミュージシャンに揉まれ、音楽への情熱が生き抜く糧になりました。これだけでもすごすぎることなのに、極めつけに大好きな大好きなカンちゃんにまで出会えた。旅をしていなくても、きっとそれはそれで素敵な出会いのある楽しい人生になっていたと思います。でも今心の底から思います。旅する人生を選んでよかった。旅は僕にあらゆるものを与えてくれました。きっとこれからもそうだと思います。新しい出会いはもちろん楽しみ。でも今いる周りの人たちを大切にすることを忘れずに、旅に感謝しながら、これからも知らない道を進んでいきます。僕が旅を始めた理由。知らない場所に行きたい。高校生の時に国道10号線で1人でヒッチハイクをしていたあのドキドキをいつまでも忘れず、カンちゃんと人生楽しんでいこう。「フミ君誕生日おめでとうー!!35歳やねぇ。」「ねー、35歳やねぇ、ってビビる!!!35歳だって!!高校生のときに大学生の女の人とかスーパーお姉さんって思えたのに俺もうただの超オッさん!!!」「ねー!ビビるねー!!」「えーっと………35歳ということは…………1年365日だから………………俺もう12775日生きてるらしい!!!!ていうことは12775回朝を迎えて12775回夜が来て、いや何回か白夜があったからちょっと少なくて、3000回くらい麻美ゆまちゃんを見てて1000回くらい職務質問受けててウンコ漏らして泣いたこと100回くらい!!」いやぁ、12775日てすげぇな…………よくそんなに何回も眠りからちゃんと起きたよなぁ。人間の体ってそんな長いことちゃんと機能するんだなぁ。あと何日生きられるんだろうなぁ。1日1日大事に生きないとなぁ。やっぱり巨乳はいいよなぁ。というわけでスカトロ、じゃなくてスカボロフェアーで35歳スタート!!!35歳最初の朝ごはんに大満足したところでスカボロー城を見に行くことに。このスカボローの町の突端にポコンと飛び出した岬の上にたつ古城の廃墟であるスカボロー城。古い城壁がかなり大規模に丘の上に張り巡らされていることから、かなり立派なお城だったんだろうというのがわかるんだけど、今では崩れた壁の一部が取り残されているだけの遺跡だ。城壁も風化しながら雑草にまぎれている。でも下手に整備されたお城よりも、そうした崩れた廃墟のほうが歴史のわびを感じられるもの。誕生日に来るにはバッチリだなと思っていた。というわけで岬の歩道をのぼり、お城のほうにやってくると、古びた石門がぽっかりと口を開けており、その向こうに水平線と遠く陸地が伸びていくのが見えた。昔、子供のころに美々津の家から海を眺めていた時、水平線の向こうになにがあるのかよりも、のびた陸地のはるか先、かすんでいる部分を眺めて、あの辺りにもきっと人が住んでいるんだろうなと思っていた。目に見える陸地なので、電車に乗ればすぐに行けるような場所なんだけど、遠くにかすむそのおぼろげな様子にこそどこか冒険心をくすぐられたものだった。今俺がいる場所もまた、遠く離れたところからこちらを見ている人にとっての霞む陸地だ。お城の入り口までやってきたんだけど、残念ながら城門は閉じており中には入れなかった。やっぱりさすがにクリスマスイブに営業はしてないか。この冬のローシーズンは週末しか開いていないということでわざわざ今日やってきたのに、ということは今年はもう見られないかな。でもすぐ横の草むらの先からちょうどお城の姿を眺めることができた。草原に立ち尽くす崩れた廃墟がとても寂しく潮風に吹かれていた。不動の悲しみがポツリと胸に残る。いびつなシルエットが空に浮かび、遠い水平線の確かさと対照的だった。すごくいい場所だったな。それからギターを持って町に向かうと、クリスマスイブだというのに今日もまたいつにも増してものすごい賑わいだった。誰もがクリスマスの品を抱きかかえており、たくさんの人が頭にサンタの帽子をかぶったりトナカイの角をつけている。そしてそんな人出を狙っていつも以上に路上ミュージシャンが出てきていた。ギターのインスト、ソロサックス、さらにはチューバなんか持ってきてるバンドまでいる。こりゃすげぇ。クリスマスイブなんだからみんな家で大人しくしてるのかと思ったら今日こそが1番の盛り上がりを見せる日なのかもしれないな。しかしさっきまで良かった天気が急に崩れて雨がぱらついてきており、パフォーマーたちは限られた軒下に避難してそれぞれ目立たないところ演奏しており苦戦していた。とにかく雨が止むのを待ってショッピングセンターの中でネット作業をし、ようやく16時前くらいにかろうじて止んだので外に出てみるとパフォーマーもほとんど引き上げており、1組だけチューバのバンドだけが賑やかな音楽を演奏していた。よし、これならなんとかやれそうだぞ。いつもの場所に行き、濡れた地面にギターケースを置き、チューニング完了。さぁー、35歳最初の路上かますぞー!!!というところで雨。ぬああああ!!とすぐ荷物をかかえて軒下に避難。またちょっと止んだのですぐに外に出て演奏開始!!!しようとしたところでまた雨。クソー!!なんなんだよーー!!!イギリス毎日こんな!!!いつもやれるかやれないかくらいのギリギリの感じで小雨が降ったり止んだりなので、諦めきれなくて振り回されてしまう!!とにかく根性で軒下で歌った。うん、35歳最初の曲、CCRのローダイ、いい感じ!!喉の調子もいい!!が、さすがにこの時間になって町も暗くなり、雨と強風で寒く、人がほとんど通りからいなくなってしまった。広いホコ天をパラパラと数えられるくらいしか人が歩いていない。そして通りのお店もいつにも増して早く閉まりだした。やっぱりクリスマスイブ。みんな早く閉めて家に帰るんだなぁ。結局17時にはほとんどゴーストタウンになってしまい、町あかりが濡れた石畳を寂しく照らす中ギターを弾く俺、今日誕生日。でもそれでも気持ち良かった。いい歌がうたえたと思えた。最後のレットイットビーを丁寧に歌うと、どこからともなくやってきた人たちが3人くらいコインを入れてメリークリスマスと去って行った。35歳最初の路上は自分的には満足だ。あかりは1時間で22ポンド。3100円。「フミ君ー!誕生日おめでとうーー!!」「いやああああああああ!!!イギリスでご馳走おおおおおおおお!!!!」その夜カンちゃんが車の中で作ってくれたのはスキヤキ!!!もう大好きで大好きで、いつも旅を終えて実家に帰った時はスキヤキを作ってもらってきた俺!!実家のスキヤキを食べると、何かをやり遂げて無事帰ってきた達成感に包まれて、心から安堵するんだよなぁ。金丸家は大晦日に里帰りで親族が集まった時もスキヤキ!!なんかイベントがある時は必ずスキヤキ!!!もう俺にとってスキヤキはそんな集まりの時の食べ物って感じだから、逆に贅沢すぎて普通の日に食べたらなんか悪いことしてるような感覚になってしまうほど特別な食べ物。それをイギリスの車中泊旅で食べられるなんてもうマジでウルトラ最高すぎる!!!!!!なにここ!?実家!?日向!?いや!!イングランド!!イングランド北部の港町の崖の下!!!!「美味しいー!!霜降りじゃないけど牛肉だーー!!」「うわっ!!このネギやばくない…………?めっちゃネギなんですけど…………」2人で大興奮してスキヤキをつつきながらビールを飲んだ。白菜が見つけられなかったし、シラタキもお麩も餅もホタテもゲットできなくて、この前ロンドンでMさんにご馳走になったスキヤキには程遠いクオリティだったけど、それでも本当に美味しかった。この真っ暗な夜の中というシチュエーションがスキヤキの特別感を倍増させてくれた。いやぁ、俺35歳になったんだなぁ。「フミ君おめでとう!!これからも仲良く旅しようね。いつもありがとう!!」こちらこそいつもありがとうねカンちゃん。日本のみんなー!!帰ったら集まってスキヤキパーティーしようねー!!そしてたくさん色んな話をしながら飲もうーー!!