2016年12月18日(日曜日)
【イングランド】 サイレンセスター
広くてフカフカのベッドで目を覚ました。
えーっとここどこだっけ?あぁ、イギリスだ。
最近色んな町を慌ただしく動き回ってるから、自分が今どこにいるのかふとわからなくなる時がある。
ここイギリスなんだよなぁ。
部屋を出て1階に降りると、リビングでは朝からめっちゃデカイ音で音楽が流れていた。
かかっていたのはCSNだ。
「ハーイ、フミ、ナオ、よく眠れたかい?朝ごはんを作るから座っててくれ。」
「フミ!!ウヒョウ!!フミはCSNは知ってるか!?この曲はジュディコリンズに作った歌でうんたらかんたら!!」
朝から穏やかな笑顔のリーおじさんと対照的に冗談ばっかり言って大笑いしてるナイジェルおじさん。
ナイジェルおじさんは音楽が大好きで、昨日もエミルーハリスや、イギリスのよく分からないけどカッコいいCDをたくさんかけて聞かせてくれた。
「ナイジェルが3日前にこのスピーカーを直してくれてね。とてもいい音だろ?でも聞いてるのはいつもナイジェルなんだけどね。」
「フミ!!この曲は知ってるか!?もともとはハンクウィリアムのカントリーなんだけどエルビスコステロが歌うとこうなるんだ!!イカしてるだろう!!ウヒョヒョ!!」
そんな2人と喋りながらリーおじさんが作ってくれた朝ごはんを食べた。
バターを塗ったトーストにスモークサーモンとスクランブルエッグを乗せたもの。
それにインスタントコーヒー。
素朴な男の料理がとても美味しくて優しい味だった。
「じゃあ僕たちは仕事に行くよ。」
「ウヒョー!!アホなことやりに行くぞー!!」
朝ごはんを終え、リーおじさんとナイジェルおじさんが出かける支度を始めた。
ゆうべ聞いた話なんだけど、なにやら市街地から少し離れた田舎にある大きな木に、もう1人の友達と3人で電飾をつけてクリスマスツリーを作ろうという計画をたてているらしい。
木の写真を見せてもらったんだけど、かなり大きな木で、実際登って作業することになるんだそう。
初老のリーおじさんたちにそんな危ない作業ができるのかな。
でもなんだか子供たちが秘密の作戦を企てているかのようにワクワクしているリーおじさんたち。
おじさんたちにとって今年のクリスマスの一大イベントなんだろうな。
なんか俺もその話を聞いていて、昔地元の友達と自転車に乗って山奥に探検に行ったこととかを思い出した。
男はいくつになっても子供ってよくいうよな。
「じゃあこれ、キーだからいつでも戻ってくればいいからね。」
ゆうべ会ったばかりの俺たちに家の鍵を渡してくれるリーおじさん。
信用しすぎだよ…………泥棒だったらどうするんだよ……………
家を出て、今日はひたすらカフェでネット作業をしていた。
俺はブログの更新。
カンちゃんは調べ物とサイトの整備。
イギリス旅が始まってから路上が上手くいかずに焦って、毎日テンパっていた。
なのでワイファイに繋ぐことすら後回しにしていたのでメールも結構たまっていた。
メールをくださったみなさん、すぐに返事を返せなくてごめんなさい。
イギリスに入った俺たちに対してイギリスの観光地や生活のコツなどを教えてくれるアドバイスメールもよくいただいております。
これって本当にありがたいです。参考にさせていただいております。
そして僕のブログの間違いを指摘してくださるメールもいただきます。
これも大変ありがたいです。勉強不足で申し訳ありません。
本当いろんなメールをいただきます。
ブログを読んでくださってるかた、みなさんそれぞれに贔屓にしてる国があると思います。
何度も旅行に行ってたり、駐在先として何年も住んでたり、お嫁さんとして嫁いだ先だったり、みなさん大好きな国があると思います。
それらの国に無知な旅人が行って素直な感想をブログに書いたとして、おいおい、そんなことも知らないの?って思うこともあるかもしれませんよね。
ああしたほうがいい、こうしないといけない、その国に行ったのにこの場所に行かなかったの!?ってご期待に添えないのは本当申し訳ないことです。
応援してくれてるかたに対する感謝は常にあります。
本当に本当にありがたいです。
旅の日記を通して楽しんでいただけたらと思ってブログも書いております。
でもやっぱり思うのは、僕たちは応援してくれてるかたたちのために旅してるわけじゃないんです。
冷たい言い方になってしまうかもしれませんけど、応援してくれてるかたたちを満足させるために旅してブログ書いてるわけじゃないんです。
冷たい言い方ですよね、すみません。
最近カンちゃんに、フミ君この頃ブログで人のこと気にしすぎてない?昔のブログではもっとガンガン書きたいこと書いてたよねって言われました。
確かに。
応援してくださる人が増えるのは本当にありがたいです。
僕の旅は僕だけの力では成り立ってはいません。本当にたくさんのかたに助けていただきながら旅ができております。
なので応援してくださってるかたに誠意をもって対応するのは当然のことだと思います。
でも、みんなの期待に応えようっていうプレッシャーで、いい子ぶって言いたいこと言えなくなるなんて何してんだろ?って感じです。
読者さんのご期待に100パーセント添える旅はできません。
ああしたほうがいい、こうしたほうがいいというご意見はできる限り参考にさせていただきますが、それができなかった時はただ申し訳ありません。
僕らは僕らなりの旅をこれからも思いっきり楽しんでいきたいと思います。
ところでイギリスは内陸ヨーロッパみたいに日曜日だからって店が全部閉まってゴーストタウンになったりしないよう。
半分くらいのお店がオープンしており、人もすごくたくさん歩いており、ギターの弾き語りをしている路上パフォーマーもいた。
スーパーマーケットも日曜日でも開いている。
これまで日曜日は休みでゆっくりネット作業をしたり移動に充てたりしていたけど、このイギリスではそのサイクルも少し考えなおさなきゃいけないみたいだ。
なんだか日曜日はほぼすべての機能がストップするオーストリアの穏やかさに慣れていたので、この休みのない慌ただしさにどうも胸がざわついてしまう。
そしてそんな慣れない感覚でカフェにこもっていたので、店を出た時にはすでに外は真っ暗になっており、スーパーマーケットがクローズしてしまっていた。
日曜の営業時間は16時までだった。
やっちまった……………今日、朝ごはんのトーストしか食べてないのに…………
スーパーマーケットが閉まってしまった今、この町で食べ物が手に入るのはレストランくらい。
そしてイギリスのレストランはめっちゃ高い。
稼げてない今、そんな贅沢はできない。
リーおじさんの家に戻れば何か食べ物があるかもしれない。
もしかしたら俺たちと晩ご飯を食べようと何か用意してくれているかもしれない。
でもそれを頼ることはしたくない。
ゆうべの晩ご飯は俺たちがリーさんにご馳走させてもらったけど、別にお泊りするからっていつも一緒に食べないといけないわけではない。
食材をゲットできたとしても、リーさんの家のキッチンで料理させてもらうのもなんだか気を使う。
結局悩みながら静まり返った夜の町を歩いていたら、小さな店の明かりが見えた。
どうやらそれはコンビニエンスストアだった。
この日曜日の夜でも23時まで開いてるようだった。
しかし所詮はコンビニなので売ってるものもしれていて、しょうがなく冷たいサンドイッチを買った。2.75ポンド。
ただのサンドイッチが400円かよ…………
そしてそれを家に持って帰って食べるのもどうかと思って外で食べることにした。
俺たちだけ食べ物を持って帰って、リーさんの分はないってのも気まずい。
でもリーさんの分まで買って帰るのもリーさんに気を使わせてしまう。
寒い夜の町。
外灯の下、道端のベンチに座ってサンドイッチをかじる。
「なんか切ないね…………」
「うん………サンドイッチ冷たい…………」
お泊りさせてもらえるのはめっちゃありがたいことなんだけど、気を使いすぎて落ち着けないことってたまにあるんだよな…………
うーん、今日のご飯、朝のトーストとこのサンドイッチだけ。
こりゃイギリスにいるうちに結構痩せるかもな。
「ハーイ!フミ、ナオ、今日は何をしてたんだい?何か楽しいことはあった?」
「いえ、カフェで作業してただけなので特に何もなかったです。それより2人のプロジェクトはどうでしたか?ちゃんとイルミネーションを取り付けられましたか?」
「それが電飾の接続が悪くてね、取り付けられなかったんだよ。」
「まったく俺たちは本当アホだよ!!でもまた再チャレンジするぜ!!クリスマスまでまだ時間はあるからな!!ウヒョウ!!!」
家に戻るとリビングでリーおじさんとナイジェルおじさんが仲良くソファーに座ってテレビを見ていた。
本当いつでも一緒にいるんだなぁ。仲良しだなぁ。
残念ながらクリスマスツリー計画は延期になったとのことだったけど、ビールを飲みながら泣くほど大笑いしてるナイジェルおじさんを見てると本当楽しみながらやってるんだなって思えた。
犬のティティーが足元で寝っ転がってすごく可愛い。
本当にもうすぐクリスマスなんだよなぁ。
いい日を迎えられるように頑張って路上で稼がないとな。