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ヨーロッパで結婚式をしよう

2016年11月10日(木曜日)
【オーストリア】 シュピッツ







結婚式当日。











いつものようにカンちゃんと目を覚ました。

そしてすぐに家を出て車に乗って隣町へ。



予報通りあいにくの空模様で、どんよりした雲の下に朝のドナウ川が流れている。


静寂が朝霧とたちこめ、対岸の木々がかすんでいた。











隣町のホテルへ久保ちゃんとナベさんを迎えに行くと、すでに2人とも綺麗な服を着て準備を整えてくれていた。

結婚式のときに見る新婦の友達の服装だ。




久保ちゃんの手にはたくさんのバッグがある。

ブーケ、ブートニア、ドレス用のビスチェという下着、ホッカイロなどなど、久保ちゃんが今日のためにたくさんの小物を持ってきてくれている。



昨日なんか、花嫁さんが式の前日に飲むコラーゲンまで持ってきてくれていた。


コラーゲンを飲んでお肌をプルプルにさせて式に臨むというもので、そんな気遣い女の子同士じゃないと絶対できないことだ。


今日は朝から、久保ちゃんもナベさんも覚悟を決めているかのような真剣な表情。


女の子にとって、結婚式はやっぱりただごとではないようだ。















車に乗り込んでイングリッドおばちゃんの家に戻ったら、すぐに着付けとメイクアップ。

メイク道具や着付けの小物で俺たちの部屋が楽屋裏みたいになっている。














俺はそんな動けないカンちゃんのために朝ごはんを作ってあげ、それから式の時に読む誓いの言葉を紙に清書したりと、バタバタ。








カンちゃんのメイクアップが終わったら今度は俺の髪の毛もセットしてもらった。


カンちゃんの要望でオールバック。

オールバックなんかほとんどしたことないけど、さすがはプロの久保ちゃん。


めっちゃ素敵にセットしてくれて、シャツを着て、ジャケットを着こみ、胸にブートニアという花飾りをつけてもらったら、もうめっちゃそれっぽく変身。



おお、まるで今から結婚式行きますって感じじゃねぇか……………


















「オッケー!!じゃあそろそろ向かおうか!!」



「よし!!行くよー!!」



バタバタと準備を終えたらついに式場へ向かって出発。



外は少し雨がパラついており、風があって結構寒かった。


よかった。当初の予定では屋根もなにもない丘の上で式をやろうと考えていたけど、もし雨が降った時に悲惨なことになってしまうのでどうしようか迷っていた。


そんな時にイングリッドおばちゃんの助言で町の真ん中にある大きな教会はどう?ということになり、おばちゃんが神父さんに相談してくれた結果、神父さんはにこやかに使っていいよと言ってくださった。




このシュピッツの教会。


ただの田舎の教会ではあるんだけど、外観も美しく、タイル張りの可愛らしい屋根がとても印象的。

さらに中に入ると、古びた歴史を感じさせる荘厳さがあり、世界遺産の壮麗な教会に引けを取らない美しさがある。


あまりのすごさに、最初ここでやっていいと聞いた時マジで震えた。



それくらい神聖で、趣のある教会。






しかも、なんとこの教会は30年前にイングリッドおばちゃんとレイモンドパパが挙式をした思い出の場所だったというから驚いた。


写真を見せてもらうと、若いころの2人がたくさんの人に囲まれて教会で式をしており、当たり前だけどこの小さな町の人たちの心の拠り所としてずっと昔からここに存在してきた場所だと感動してしまった。


めぐりめぐる不思議な縁が、今俺たちのところに来ているのかと思うと、この教会で式をすることもまた大きな運命の一部のような、そんなことすら思えてしまう。




















小雨の中、教会の近くまで来て、少し離れた隠れたところに車を止めた。


準備ができたら呼びに来るね!と教会に向かった久保ちゃんとナベさん。



式は12時から。

今11時40分。



おそらくすでに家族や友達は教会に入っているはず。イングリッドおばちゃんと、友達のおばちゃんも来てくれていると思う。

みんなに見つからないように準備ができてから教会に入場するため、脇道に入ったところでひっそりと久保ちゃんが呼びに来てくれるのを待った。








雨がパラパラとフロントガラスを濡らしている。


助手席には真っ白なウェディングドレスを着たカンちゃん。


平日の昼間なので町を歩いている人もおらず、ふとゴーストタウンの中に2人だけしかいないような静寂が耳に入る。



静かな車内。


窓ガラスの水滴が流れ、外のぶどう畑がにじんでいる。




「ついにだね。ドキドキするね。」



「うん。さすがに緊張するわ。もうすぐ独身じゃなくなるんだね。」



「ねー。」





会話のとぎれ目に、ふとカーラジオの音が上がった。


ヨーロッパでは車内スピーカーの音量をゼロにしていても、交通状況のインフォメーションになると勝手に音量が上がるようになっている。

流れてくるのは聞き慣れたドイツ語。



誰かが今も、どこかの道をどこかに向かっているんだ。





















12時の鐘が教会から鳴り渡った。


いつものことではあるんだけど、このタイミングで鳴ると、まさに俺たちのために鳴っているんじゃないかと思えた。


そして音が止んだくらいに久保ちゃんが向こうから走ってきた。


いつの間にか雨も止んでいた。




「準備できたよ!みんな揃った。そろそろ行こう!」




ふぅーーーーーーー。



よし、行こうか。

別に覚悟を決める必要もない。腹をくくることもない。

年貢の納め時でもない。


いつものように、ライブハウスでステージに向かうように、新しい国の国境でイミグレーションに向かうように、自分が望んだ道を行こう。













車を動かしてゆっくりと教会前の広場にやってきた。

シュピッツの町はいつもと変わらず静かで、穏やかで、初冬の寂しさにうずくまっている。




車を降り、教会の入り口へ。


重厚な木のドアの隙間から中の様子を伺うが、ここからはなにも見えない。




すると、教会内に日本語の声が響いた。

司会進行の久保ちゃんの声。



驚いたのはその声がスピーカーを通していたこと。



今回の式は神父さんに許可をもらってはいるが、俺たちは洗礼を受けているクリスチャンではないので神父さんはいない。

人前式になる。


俺たちだけで自由に、なにも使わずにやる予定だったので、いきなりマイクの音が聞こえて驚いた。




そしてきっとこれはイングリッドおばちゃんだと思った。


おばちゃんがやってくれたんだ。



おばちゃんありがとう。





「それでは新郎新婦の入場です。」




その声が聞こえて、カンちゃんと2人で教会に入った。

















高い天井、薄暗い教会内、年季の入った柱や椅子。

窓から差し込む外の光がキリスト像の影を作る。

うなだれる聖人の体にはたくさんの矢が刺さっている。

かび臭いような、歴史の匂い。







たくさんの拍手が静かな教会内に反響して散らばっている。

そこに2人で決めた入場の音楽が完璧な雰囲気で混ざり合っている。


1曲目はニューシネマパラダイスのオープニング。

大好きな大好きなこの音楽を聴くといつも心が現れる。













ゆっくりゆっくりと歩き、椅子が並ぶ通路の1番後ろに立った。

まっすぐにのびる通路の先に来てくれてるみんながいた。

立ちあがって笑顔で拍手してくれている。


広い教会内に10数人だと寂しく見えてしまうけど、それもまたいつか思い描いた海外での結婚式のイメージとピッタリ重なっていた。



どこかの国の、小さな田舎町。


そこの教会に数人の参列者。地元のおばちゃんがいたりして、ささやかな式を挙げる。


この世界のどこかでそんな映画みたいな結婚式ができたらいいなって、確か10代くらいから思い描いていた。



見事なまでにあの頃思い描いたイメージの中だ。

















ゆっくりゆっくりと歩いていく。


カンちゃんから教えてもらった歩き方は、左足を出して、右足を出して揃える。

次に右足を出して、左足を出してまた揃える。



ウェディングドレスを着た新婦に合わせるよう、そんな歩き方があるみたい。


なのでなかなか前に進まないし、あれ?次は右足だったか?って頭がこんがらがってくる。











ゆっくりゆっくりと参列者に近づいていく。


家族、アユムさん、カンちゃんの友達、イングリッドおばちゃんとお友達、みんな笑顔で拍手をし、そして写真を撮っている。




その時、なんか違和感を感じた。






ん?あれ?


なんか人数多い気がする………………






あれ?

え?あそこの男性2人誰だ?





いや、数え間違いかな。







次は左足だよな、と心を落ち着かせながら足を出し、拍手の中を通っていく。

みんなの笑顔がまさに俺たちに向けられているものなんだなと思うと、照れくささなんかよりもただひたすら感謝しかなかった。





ふぅ、でも落ち着こう。

きっちり完璧に式をやり遂げないと。




よし、そろそろ壇上に上がるぞ。




そして階段の直前まで来たときに、さっき人数が多いなと感じた男性の横に来た。




そしてチラッと横を見てみた。


















え?カッピー?










は?












え?














今三軒茶屋にいるはずの?









あれ?




はぁ?















はぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!




「ちょ!!カッ!!カピ!!!カポ!!カポエラ!!!カッ!!はああああああ!!!????」








からの、はあああああああああああああ!!!!????








へー、カッピーだなぁってなってそのまま歩こうとしてから、ホアア!!??って2度見!!!


ちょ!!マジか!!?!?!マジか!!?!?!って今世紀最大くらいうろたえながら3度見したらその横にめっちゃ笑顔の男性がもう1人!!!


ええええええ!!!???!!大島さん!!!!!!!!!



ヨーロッパで大活躍する芸術家の巨匠、大島さん!!!!!!



「ちょ!!!!ヘァア!!お、おお、!!!おおおお!!!大塚さん!!??!」



ってうろたえすぎて4度見からの名前を間違えて壇上に上がろうとしてあまりの驚きにヨロケてコケそうになってカンちゃんに支えられる。



教会内に響くシネマパラディソと拍手とそして笑い声!!!


ぐおおお!!アレか!!!知らんかったの俺だけのアレか!!!!


横のカンちゃんもめっちゃ笑顔でしてやったという顔!!!!!





カッピーがここまで来ていたというのに1ミリも気付かんかった!!!!!!


カッピーにこの前メールした時、早く帰って来なよー!祝いたいんだからさー!って言ってたのに!!!!!



このパターン微塵も想定してなかったぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!


カッピー馬鹿野郎!!大好きだ!!!





















あまりの驚きにオシッコ若干漏らして壇上に上がり、なんとか気持ちを落ち着かせて誓いの言葉を読み上げる!!!!


カンちゃんも隣で誓いの言葉を読み上げ、今度は2人のお母さんたちが立ち上がり、俺たちへの質問。


ナオちゃん、朝がなかなか起きれないこんな息子ですが、一緒にいてあげてくれますか?といった誓いのお手伝い。


お母さんたちへの誓いも立て、次に指輪の交換。





ふぅ、落ち着け、落ち着け落ち着け…………

カッピーこの野郎、爆笑しそうでそっち見れんやねぇか。



出町くんがツアーでいないから店を外せないから来れんって言ってたのに大丈夫だったのかよ、って思いながらカンちゃんと向かい合い、リングピローから指輪を取る。




「フミ君、それフミ君の。」




ぐおおおうう!!!!

間違ってカンちゃんの指に俺の指輪をはめようとしてしまった!!!!




超うろたえながらみんなに気づかれないように平然を装って指輪を戻して、カンちゃんの指輪を無事薬指に通す。


そして俺の指にも。





指輪の交換が終わり、誓いのキス。



そうそう、こんな感じ。こんな感じだよな。

あの結婚式という儀式のど真ん中に俺たちがいるんだよな。










入場の時点ですでに号泣していてほとんど喋れないことになってる久保ちゃんの司会進行が感動的すぎてみんなつられ泣きし、その後も婚姻届に署名し、2人のお父さんにも前に出てきてもらって署名。


ここで流してもらった音楽はワンスアポンアタイムインアメリカ。デボラのテーマ。

そう、式の音楽は映画音楽でまとめた。






署名が終わってここに新しい夫婦が誕生しました、と盛大な拍手をもらったんだけど、まだこの婚姻届は提出しない。


婚姻届は本人たちが外国にいても、代理人に日本で提出してもらうことはできるようだけど、提出したい時期があるので、書類上の夫婦になるのはまだ先だ。


でもそんなことはどうでもいい。


家族と、大好きな友達の前で誓いを立てること以上の婚姻成立なんて他にはない。











わずかに30分くらい。

祝詞をあげてくれる宮司さんも、聖書を読み上げてくれる神父さんもいない2人の式は静かに、滞りなく終わった。




「それでは…………ウグッ…………ヒグッ…………新郎新婦の……………退……場…………………ウグッ……………ううう………………でスゥヒィィン!!!」




久保ちゃんの嗚咽交じりというかほぼ嗚咽の退場の言葉と同時に流れる音楽。


3曲目はフォレストガンプ。



参列者のみんなが通路に並んでくれるんだけど、みんなの手にあるのはカラフルなリボンワンズ。

カンちゃんがコツコツと毎日作っていたこのリボンワンズってのは、棒の先にリボンと鈴をつけたもので、結婚式の退場の時に2人ために参列者が振ってくれるもの。


魔除けや子孫繁栄の意味があり、フラワーシャワーとかライスシャワーみたいに後片付けが大変じゃないこともあって最近の結婚式ではよく使われているんだそうだ。



みんながリボンワンズを振ってくれる通路をゆっくり歩いた。





あーもう、ゆっくり歩いたはずなのに、どんな感じだったかあんまり覚えていない。

アドレナリン出まくっていたのかな。

きっと、めっちゃ幸せそうな顔してただろうな。






















「おめでとう!!いやーー!!最高の結婚式やん!!!」



「マジでこんなすごい教会かよ!!って驚いたわ!!」



式を終えて教会の外に出てみんなでワイワイとお話した。

みんながたくさんプレゼントを渡してくれ、こんなにしてもらっていいのかと恐縮してしまう。





ていうかカッピーこの野郎!!!!!!

しかも大島さんまで!!!さっき名前間違えてすみません!!!!!




「いやー、バレないようにするの大変だったわー。あ、ちなみに今ライブ動画でネット配信してるから。たくさんの人が見てるからね。」



「ま、マジか!!!!!」



「今ヨンチャにフミ君の結婚式見たいって人たちが集まってるからあとでビデオ通話しようよ。いやー!!ていうか遠すぎるわ!!!!ウィーンから電車乗ってバス乗ってこんな田舎でやるの!?ってビビったわ!!」




カッピーでマジでありがとう…………


やっぱりカッピーは心の底から信頼できるパートナーであり、親友であり、ブログに書けないことばっかりの悪友だよ。



ていうか大島さん!!!



「いやー、4年前なんだよねー、懐かしいね。あの時は舞台見にきてくれてありがとうね!!僕がヨーロッパ代表ってことで!!おめでたいねー!!」



4年前、パリで少しお会いして、その後にベルギーのブリュッセルで大島さんが美術演出をつとめるコンテンポラリーダンスの舞台を観に行かせてもらった時以来!!!


アーティストとして超尊敬する大好きな巨匠がまさかこの日のために来てくださるなんて!!!!!!



















雨も止んでくれ、教会の外でみんなにグラスを渡し、式後の乾杯をした。


ここでみんなのグラスに注いだのはもちろん白ワイン。


前にクレムスで現地の人のバースデーパーティーで歌った時、君たちの結婚式のためにとかなりいい白ワインをいただいていた。


ずっとイングリッドおばちゃんの家のワインセラーに保管しておいたこのワインがみんなのグラスに行き渡り、カンちゃんのお父さんの立派すぎるご挨拶をいただいて乾杯!!



乾杯の後はオーストリアの風習にならって、飲み干したグラスを地面に叩きつけて木っ端微塵に割った。





こっちではグラスが割れることは縁起のいいこととされていて、家でグラスが割れたとしても、あら、何かいいことがあるかしら?なんて感じだ。




もちろんその場で後片付け。














そこから集合写真や家族写真なんかの撮影タイムなんだけど、今日はカンちゃんの友達のカメラマンさんがわざわざデカイ機材を持ってきて撮影してしてくださっている。


元ウェディング業界にいたカンちゃんなのでカメラマンさんの友達が多いんだけど、ヒッシーさんという、めっちゃ売れっ子の、普通に撮影してもらったら何十万もするようなプロが、いつかカンちゃんの式を撮るのが夢やったんやー!!とカメラを持って動き回ってくれている。


マジでマジでありがたい。


この人生の記念すべき日を最高のカメラマンさんに写真として残してもらえるなんて。















撮影タイムが終わったら、さぁパーティー会場に移動!!!


教会からパーティー会場のレストランまでは歩いて10分くらいなので、みなさんには町の景色を見ていただきながら歩いて向かってもらい、俺たちは車で出発。



この5ヶ月、快調にヨーロッパを走り回ってくれた愛車、というかマイホームであるシュコダの後部に取り付けているのはジャストマリッドの飾り。


旅人の俺たちらしく、段ボールを破いて作った自信作!!!





そしてみんなが笑顔で見守る中、エンジンをかけた瞬間、爆音で流れる音楽!!!!


このほのぼのした平和な空気を一瞬でブチ破ってくれるアンガスヤングのギターリフ!!!!





こだわりの音楽セレクト4曲目!!!!!



AC/DCのハイウェイトゥヘル!!!!



みんなが笑顔で見送ってくれる中、ハイウェイトゥヘル爆音で走るというこのジョークを分かってくれた人が果たして何人いたのか!!!!























ゆっくりと石畳の坂道を下り、やがてカーブを曲がってバックミラーにみんなの姿が見えなくなった。


ハイウェイトゥヘルの音量を下げる。


あたりの景色は見慣れたいつものシュピッツの田舎風景。



「式したね。」



「ね、結婚したんだね。」



感動がおさまらないまま、2人でポツポツと言葉を漏らす。


教会からパーティー会場までわずかに1分くらい。

隣で笑うカンちゃんと2人きり。


きっと、一生のうちでこれほど大事な1分はないのかも。

いつか死ぬときに、走馬灯にこの1分が出てきてくれたら、ってぼんやりと思った。


















パーティー会場のレストランに着いたら、ピーターがいつもよりもピシッとした服装で待ち構えてくれていた。


店内に漂う料理のいい匂い。

準備はばっちりのようだ。



煉瓦造りで、広々としたレストランスペースには見上げるほど巨大な古びたワインの絞り機が置かれている。

木製の柱に螺旋の溝が刻まれていて、昔はこうした人力の仕掛けでワインを絞っていたんだろう。




初めてこのレストランに来た時、あまりの雰囲気に1発でここしかないと確信した。

重厚で、風格があり、ヨーロッパらしさ、バッハウらしさをこれほど体現したレストランはちょっと他にはない。


レストランスペースから地下に続く秘密の通路みたいな石段を下りていくと、今回のパーティー会場である広間に出る。


相変わらずここはため息がでるほど素晴らしい。


かつてのワインセラーを改装したスペースで、真ん中に長テーブルが置かれ、まるで中世の貴族たちがそのまま食事をしていたかのような、ダヴィンチの絵画の世界が現れる。



壁にはズラリとレンガの棚が並び、そこに無数のバッハウワインが置かれ、さらに奥には小さなチャペルもある。


奥にはアリの巣のようなワインセラーが枝分かれして広がっており、巨大な樽が薄暗い地下に置かれている。


ここでパーティーが出来るなんて完璧すぎるよ。






「うわー!!すごーい!!」



「うおー!!マジかすげぇ!!カッコいいーー!!」







会場の最後のセッティングを終え、しばらくしてから参列者のみんなが続々とレストランに到着した。

みんながこの地下の会場に喜んでくれるのが誇らしかった。




会場のセッティングは、まず地下への階段の入り口に置かれたウェルカムボードから。



もうこのウェルカムボードの時点ですでに俺的にはハイライトくらいの勢い。


だってこれだもん。








描いてくれたの天才イラストレーターのみゆきさんだもん。



愛を描かせたらこの人の右に出る人いないもん。


なんて素敵なウェルカムボードなんだよ……………







4年前、ポルトガルで出会ってパリまで一緒に旅したみゆきさん。

毎日の移動の中でみゆきさんの描く絵日記のイラストに惚れて、日本に帰ってから何かある時はいつもみゆきさんにイラストのお願いをしてきた。

アーティストとしてめっちゃ尊敬できる素晴らしい人。


みゆきさん、超絶ありがとう。超家宝にするよ!!!!









そして地下のテーブルにはメッセージ付きの席札。

さらにカンちゃんが作ってくれたプロフィール冊子を添えた。


お互いの生い立ち、今回の旅先の写真を散りばめたカンちゃんの自信作。


さらにワインセラーの棚にプリントした写真を並べた。


そんなに豪華なことはできなかったけど、日本の立派なブライダル会場にも引けをとらない雰囲気になったと思う。












メンバーが全員揃ったらウチのお父さんの乾杯の挨拶からパーティースタート。


料理は前菜からスープ、メインまで全て俺とカンちゃんが実際にオーストリアのレストランを回って美味しいと思ったものだけを集めたこだわりのメニュー。


飲み物はもちろん白ワイン!!


しかもピーターのアイデアで、5種類のワインブュッフェというもの。

いろんな種類のワインを飲み放題だ。














みんなで楽しく飲み、食べ、たくさん喋った。

ウチの家族も、カンちゃんのご家族も、友達のみんなも全員笑顔。


酒を周りに飲ますのが大好きな親父は、ビール瓶のように白ワインボトルを持ってみんなの席を回って注ぎまくっている。



久保ちゃんの嗚咽司会が最高でみんなつられて泣いたわぁ!と大笑い。


7人の小人のメンバーの1人ですよね?みたいな小っちゃい久保ちゃん、愛されキャラだなぁ。



男気あふれるヒロティさんと男の話ができたのも嬉しかった。


世界を飛び回るビジネスマンのアユムさんもカッピー、大島さんと話してくれ、ここでまた面白い繋がりができたら素敵だなぁ。







余興の用意はしていなかったので俺がギターを弾いて歌った。





いままで色んな人の結婚式で歌ってきたけど、いつも思うのは、ゆっくり参加したいってこと。


余興のオファーをもらって歌うとなると、ギター持っていかないといけないし、何を歌うか考えないといけないし、なにより緊張してゆっくりパーティーを楽しめない。


飲んで馬鹿騒ぎしたい地元の仲間の結婚式でもやっぱり歌ってくれと頼まれるのでほどほどにセーブしないといけない。



もちろんお祝いしたい気持ちはあるし、オファーをいただけるのはとてもありがたいこと。結婚式の余興は歌ってる人間の宿命だ。



そして今日は自分の結婚式でもやっぱり歌った。

歌うの好きなんだよな。結局。

歌わせてもらえることは光栄なことだ。




1曲目はカンちゃんが大好きな俺のオリジナルの、ワンモアタイム。


もう1曲はエルトンジョンのユアソング。


君のいる人生はなんて素晴らしいんだろう

すでにお酒が回っていて歌詞めちゃくちゃだったけど、思いの丈は込めたつもりだ。
















「じゃあ私たちからもプレゼント!!」



歌を終えて席に戻ると、俺たちにiPhoneが渡された。


なんだ?と思いながら画面にあった動画を再生すると、ビデオが流れ出す。


すると、元気のいい声とともに画面に現れたのは、カンちゃんの友達の凄腕カメラマンである高原さんだった。

俺も一度一緒に飲ませてもらったことのある素敵な兄貴って感じの人だ。




カンちゃんー!!俺今どこにいると思うー!?という出だしから、画面に次々と登場してきた知らない人たち。


でもその動画を見ながらキャー!!と興奮しているカンちゃん。



画面に出てきたのはカンちゃんがインドネシアで2年暮らしていた時の仲の良かったメンバーだった。


高原さんがバリやジャカルタなど、インドネシア中を回ってカンちゃんと親交のあった人たちのところに行ってお祝いのメッセージを集めてビデオにしてくれていた。



なんて素敵なことするんだーーーー!!!!





心こもりまくったサプライズプレゼントに2人で大興奮していると、さらに何かを渡された。



紙の包みを破ると、中から出てきたのは1冊の本だった。



表紙にはこのシュピッツで俺が撮ったトロール入りの風景写真がある。


え!!本!!!




もしかして俺のブログから今回の旅の写真を集めた写真集を作ってくれたの!!!???




めっちゃ嬉しくて本をめくった。




予想は外れた。





マジでブッとんだ。






そこには、2人の友達の写真が無数に並んでいた。



そしてみんな、結婚おめでとう!!とか、いつまでもお幸せに!!といった手書きのメッセージカードを持っていた。





ちょ、ちょっと待って……………




最近の友達だけじゃない。昔からの古い仲間もいる。


こんなことできるのって………………




カッピーだよなぁ…………………





カッピーがみんなに連絡を回してこのメッセージ写真を集めてくれたんだ………………




「結婚式に来たくても来れないメンバーがいたからねー。みんなお祝いしてるよ。」




ヨンチャにビデオ通話すると、そこにはいつもの仲間が集まってくれていて、イェーイ!!おめでとうーー!!シャンパン開けようぜーーー!!!と馬鹿騒ぎしていた。

お店はカッピーの代わりにショータ君がバーテンで入ってくれていた。




















本を1ページ1ページめくるごとに叫び声を上げてしまうほどのメンバーたちがお祝いのメッセージを持って笑っていた。



もうダメだよ……………



嬉しいことがあると凹んでしまうんだよ…………………





こんなにも、こんなにもみんなの笑顔に包まれて、なんてこった。


感動で、恐縮で、震えてくる。


ありがとうしか出てこん。


ありがとうっていくら言っても足りん。




みんなにお祝いしてもらって、こんなにも自分たちがたくさんの人に囲まれているんだってことが、受け止めきれないほどの感動で押し寄せてくる。



全て肯定できる。


今まで色んな岐路に立ち、選択をして、後悔して、自分が嫌になったりもしてきた。


でも今思う。

これで良かった。



こんなにもかけがえのない仲間が居てくれてる。


この仲間に巡り会えたのは、紛れもなく自分の選択のおかげのはず。


これで自分に自信を持ってなかったら、その全ての出会いに失礼すぎるよ。


みんなに出会えた自分、を誇りに思わなかったらダメだよ。



マジでマジでマジでマジでマジでマジでマジでマジでマジでマジでありがとう!!!!!













超ウルトラ感動のサプライズから、パーティーは佳境へ。

ピーターが用意してくれたのはバッハウ産のアプリコットを使ったケーキ。




2人の初めての共同作業ってやつをやり、ラストバイト、ファーストバイトは安定の盛り上がり。







友達にも食べさせよう!!



















もうピーターも!!!ピーターありがとう!!!

















そして最後に俺とカンちゃんで感謝の挨拶をし、これで3時間のパーティーはお開き。



しかしまだまだこんなもんじゃ今日は終わらないぞ!!


ここからはタクシーに乗って町はずれにあるワイン酒場、ホイリゲンだ!!



町のワイナリーが期間限定でオープンするアットホームな居酒屋、それがオーストリア名物であるホイリゲン!!!


俺たちが知らなかっただけで、今回来てくれた人たちの中には、やっぱりオーストリアに来たらホイリゲンに行ってみたいっていう人がいるくらい、実はメジャーなものなんだねホイリゲンって。


1年のうち、春と夏と秋に計30日しかオープンしないホイリゲンに突撃!!!!












店に入ると今日も地元の人たちでめっちゃ大賑わいのこのホイリゲン!!


もう2度ここには飲みに来てるので、すでに何人か顔見知りの飲んだくれおじさんたちもいて、俺たちのウェディング姿にオーウ!!!とびっくりして笑顔で白ワインを掲げてくれる。


いきなり店内に純白のウェディングドレスを着たアジア人が入ってきたことで、みんな興味津々だ。


おばちゃんたちが笑顔で手を振ってくる。





するとホイリゲンのママが俺のところに何かの切り抜きを持ってきた。


どうやらそれは新聞の切り抜きだった。



「フミ!!あなたおとといの新聞に載ってたわよ!!クレムスで路上で歌ってるところ!!」




ヌオゥ!!マジか!!ビビるわ!!

誰が撮ったんだ!!



















大好きなこのホイリゲンで白ワインのボトルを頼み、おつまみの盛り合わせをつまみ、まぁとにかく大騒ぎ。


ホイリゲンは大騒ぎするためのもの!!

気取ったレストランにはない、ローカルでアットホームな雰囲気に家族や友達も楽しそうだ。





そしてしばらくして、酔いもかなり回ってきた頃だった。


いきなり店内の明かりが消えて真っ暗になった。


え?なに?





「イエーーイ!!ハッピーウェディングーー!!」



「ヒューヒュー!!」




すると歓声とともに店の奥からケーキが運ばれてきた!!


え?誰のため?


俺たちのため!!!!????



2回飲みに来ただけなのに!!!!



ケーキの上には花火がささっており、新郎新婦のケーキトップも!!!



ホイリゲンのパパとママが笑顔で俺たちの前にケーキを置いてくれた。






ちょ嘘やろマジで………………


みんなでこんなに……………





「フミ、良かったら1曲歌ってくれない?」




ママが笑顔で俺に言う。



もうすでに泥酔してる。とてもいい演奏はできない。


でも、これが歌うたいの宿命だよな。


ご丁寧にバッチリギターも用意してくれてる。






ギターを構えるとガヤガヤしていた店内が静まり返って、オッちゃんオバちゃんたちが全員こっちを見た。

ふぅと深呼吸ひとつ。


今はこれしかないよな。




ドイツ語の曲、アイネンシュタルンを歌い始めるともう笑えるくらい店内全員の大合唱。


誰もが笑顔で一緒に声を合わせて歌い、曲が終わると大喝采に包まれた。


お父さんも、カンちゃんのご両親も、友達のみんなも、みんながこの田舎の小さなお店の中でひとつになった。


歌えることは光栄なこと。
















本当、音楽やっててよかった。

だってこのギターが、カンちゃんと出会わせてくれたようなもんだもん。



ギターを置くと、もう1曲ー!!と声が飛ぶ。


ここから何曲やったかは記憶があやふやで覚えてない。







結婚式が、人生で1番幸せな日だと言う意味が本当によくわかった。


最高の最高の1日だった。








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僕の世田谷のライブの時に映像を撮ってくださった、すごくお世話になっている方が
ウェディングムービーの会社をしています!
一生に残る大切な瞬間を映像として残しませんか。

50年後も、感動できる作品を。ブライダルビデオcEE




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タイのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!


ヨーロッパのタイご飯美味しいけど高い!!来年めっちゃゆっくりしに行くぞ!それまで頑張る!!


どうもありがとうございます!!

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