スポンサーリンク 地球の生い立ちとトルキッシュコーヒー 2016/10/26 2016/09/07~オーストリア②, ■彼女と世界二周目■ 2016年10月15日(土曜日)【オーストリア】 リーエンツ町中のパーキングで目を覚まし車を降りると、曇り空ではあるけども雨は降っていなかった。よっしゃ!!!!最近雨予報でも降らないっていうラッキーがめっちゃ続いてるけど、今週もまた1番大事な土曜日に雨が降ってない!!朝の時間はまだパン屋さんくらいしか朝飯を食えるところが開いてないので、マクドナルドの朝マックで腹ごしらえしたらソッコーで町に向かった。人ゲロ多い!!!!!!土曜日の朝マーケットの時間帯はマジでいつもすごい賑わいだ!!老若男女問わず、わんさか人が歩いてる!!しかも雲間から青空ものぞきはじめており、爽やかな天気でとても気持ちいい!!よーし!!気合い!!朝イチは思いっきり喉が閉じててあんまり声出ないけど、早いところ馴染ませるぞ!!リーエンツはアルプスのど真ん中だ。イタリアとスイスの国境地帯、ドイツ、フランス、そしてこのオーストリアにまたがって巨大な山脈がグジャグジャー!!ってシワが寄ったように波打っている。このグジャグジャの中に、あのマッターホルンやモンブランやアイガーが存在しているのかと思うと、そんなところに俺たちはいるんだなと不思議な感覚だ。昔、学校の地理の授業で、かつてインドの国土はユーラシア大陸と陸続きではなかったと教えてもらった。それが何億年もの時をかけてゆっくりゆっくりと動いてユーラシア大陸とぶつかってくっつき、その衝撃で陸地が盛り上がってヒマラヤ山脈ができたと聞いた。きっと、世界中にある巨大な山脈にはそうした地球の歴史がはっきりと刻み込まれているんだろうな。このアルプスにしても、ロッキーにしても。河岸段丘とか、地層だとか、地質学に詳しい人なら、きっとすごく深くその土地の生い立ちを頭の中に再現できるはず。地球の営みを鳥瞰で眺めながら、地形にまで想像力を膨らませられたら、どんなものが見えてくるだろう。山ひとつ、川ひとつに色んな秘密が隠れているんだろうな。あぁー、そんなことより腹減ったな。今日も気合いで歌っていたらちょっと喉が痛くなってきた。今週もよく歌ったわ。いつもの女の子路上シンガーが見にきてくれ、CDを買ってくれた。毎日笑顔で場所の譲り合いをしたこの女の子シンガー。この通りは私のポジションだから誰にもやれせないわ!!なんて意地悪な子じゃなくてよかった。3日間ありがとうね。15時になったあたりから人通りが減ったので今日はこの辺で終了。あがりは3時間半で415ユーロ、47400円。明日このリーエンツを離れるんだけど、最後のご飯もいつものケバブ屋さんにした。ここのご夫婦がすごく明るくて優しくて、毎日行くたびに笑顔でケバブを作ってくれた。「ハロー!!」「お!ハロー!!今日もドゥルムでいいかい!?」「いや、今日はちょっと贅沢にケバブテラーでお願いします!!」いつも通り優しい笑顔のご夫婦は中東の顔つきだ。ヨーロッパのケバブ屋さんはだいたい中東からの移住者だ。「チャイナかい?」「いや、日本です。」「おおー!そうかい日本かい!!」「みんなはどこからですか?」「トルコだよ。」「うわあああ!!トルコ大好きいいいい!!!」ご夫婦はあんまり英語が喋れないんだけど、ちょうど高校生くらいの息子が店の中にいて、ペラペラの英語で会話してくれた。黒海沿いの小さな町から来てるという彼ら。でもこの息子さんは一度しか故郷の町には行ったとこがないという。このオーストリアのリーエンツが彼にとっては人生の大半を過ごした故郷だ。でも、それでも彼はトルコのことを嬉しそうに話してくれる。「日本かー、遠い国だよなあ。あ、トルキッシュコーヒー飲む?」「あ!飲む!!ありがとう!!」3日目にして会話に花が咲き、そうなると人間の皮をかぶった優しさ、トルコ人はすぐに人懐こさを全開にしてくる。トルキッシュコーヒーをご馳走になりながらお喋りし、とても楽しかった。あぁ、またトルコ行きたいな。本当にトルコとトルコ人は奇跡的に素晴らしい。みんなにテシュキュルエデリュム!!とお別れをして車に戻り、今日の寝床に移動した。今日の寝床はずっと決めていた。この前リンダおばちゃんが連れて行ってくれたミサの、あの教会前で寝ようって。リーエンツの町から車で5分ほど。田舎道をトコトコ走っていくと、やがて小さな集落に入る。集落の裏手には前回も見た壁のような岩山がすごい急角度でそそり立っており、頭をかがめなないと車の中から頂上が見えない。昨日今日の天気のおかげで岩山の雪はすっかり溶けており、黒っぽい山肌が綺麗に見えていた。そしてその中腹に見えるあの美しい教会。本当、すげぇところに教会作るよなぁ…………三朝の投げ入れ堂もすごいけど。前回は下の集落から歩いて登ったけど、今日はミサではないので混雑しない。車で登ってオーケーだ。くねくねの山道を登っていくと、教会に到着。夜も綺麗だったけど、やっぱり明るい時に見ると素晴らしい。周りに広がるアルプスの壮大な山々、谷間に散らばる集落の民家、その中に凛とたつ教会が信じられないくらいファンタジックだ。今日は昼過ぎあたりから本当に天気が良かったので、どうしてもここからの景色を眺めたかったんだけど、予想通りに素晴らしい景色だった。あの果てしなく続きそうな山脈の連なり、谷と尾根と扇状の斜面、あの地形には一体どんな生い立ちがあるんだろう。チロルに来ると、やけにそんな地形のことを考えてしまう。この桁違いの大自然を眺めるだけではもったいない。もっと深く理解したくなってしまうほどの魅力がある。教会の周りをのんびり歩きまわった。裏手の木々の奥にもうひとつ古びて味わいのある教会があった。他にも登ってくる坂道の脇に、発掘途中みたいな建物の土台が遺されている場所もあった。もしかしたらこのあたりはなにかしらの祈りの地だったのかもしれないな。磔にされたキリストとそそりたつアルプスの岩山の組み合わせがとても神秘的だった。明日は次の町。チロルはまだまだ始まったばかりだ。