スポンサーリンク もう本当マジでチロルやばい 2016/10/23 2016/09/07~オーストリア②, ■彼女と世界二周目■ 2016年10月12日(水曜日)【オーストリア】 サンクトヨーハンイムポンガウ~ツェルアムゼー ~ リーエンツやっばい。チロルやっばい。朝起きたら窓が絵画。とんでもない絶景をどこまでも独り占めだった。雲に煙る壮大な雪山。その雪山に囲まれた谷間に広がる、小さくて可愛らしい町。贅沢すぎる車中泊だ。チロルの絶景、ノルウェーに負けてない。雨の中、なんとかなんとかイムポンガウっていう名前がちょっとインポみたいだねーと話しながら町の中を少しだけ見て回った。中央に大きな教会がそそり立っており、その周りに可愛らしい建物が集まっている。建物に狭められた通りの向こうに見えるのは雲にけむる雪山。この壮大な景色がチロルの人たちにとってはごく普通のものなんだろうな。イムポンガウを出発し、今日もまた美しい山々に彩られた大自然の中の1本道を走っていく。草原、牛、雪山、残念ながら温泉はない。それからしばらくしてツェルアムゼーという町に入ってきた。湖沿いに広がる可愛らしい町で、ホコ天のショッピングストリートもあるようだ。今日の目的地はここから南に山を越えたところにあるリーエンツという町だったんだけど、地図を見るかぎりかなり険しい山越えになる。路上ができなくなる可能性があるので、先にこのツェルアムゼーで歌って、それから山越えに臨むとしよう。この町もまた、冬場はスキー客が多いんだろうなというのをうかがわせるペンションの数で、木造のベランダには花が咲き誇っている。中心部には一応ホコ天と広場もあるんだけど、なんせ小さな町だしローシーズンなので人がほぼいない。パラパラと歩いてる人たちはみんなウィンタースポーツみたいな暖かい格好をしており、観光客らしき人もいる。ヤケにアラブ系の人が多くて、ニーハオーって笑いながら声をかけてくる。ヨーロッパにいるとほとんどないことだけど、そんな中でチャイナ~って声かけてくるヤツの顔を見たらだいたいアラブ系なんだよなぁ。アホっていうか教育をキチンと受けてないのか、ただ単に無礼なやつが多いのか、それとも人懐こいのか。人種差別する気はないけど、ここまで顕著だとそう思わざるをえない。中東とかひどかったもんなぁ。チンチョンチャン~!!ニーハオジャッキチェーン!!ヒャヒャヒャ~!!って毎日、最低10回は言われ続ける。別に中国のことが嫌いじゃなくても、こんだけ言われまくるとめっちゃストレスになる。最初は、日本人だ!!って言い返してたけど、最近はそう言われたら、セラムアレイキュムってイスラムの挨拶を返す。すると向こうはひるむ。ジャッキチェーン!って言われたら、うるせぇこのバルシマンチョって返す。すると照れくさそうにする。でももう何をしてもこれはアラブ系の気質だろうから、アジア人をおちょくってくるという行為は彼らから消えることはないと思う。ちなみにオーストリア人はそんな差別的なことを行動にうつすような人は今の所皆無。広場の角のカフェでカプチーノを買い、教会の前で歌い始めたけど、やっぱり人が少なくてポツポツとしかコインも入らない。これがハイシーズンだったらもっと人もたくさん出ているんだろうけどな。ていうか寒すぎてヤバい!!指の感覚がなくなって弦をちゃんと押さえられてるかわからない!!体が震えまくる!!カンちゃんも横でネット作業してるんだけど、ブルブル震えて鼻も赤くなってる。午前中は降っていた雨も午後になってから止み、そのまま青空がのぞきだした。雨続きの毎日で、たまに青空を見るとすごく気持ちいい。雨と寒さはホントに路上の敵だ。でもまだまだ寒くなるだろうなぁ。チロルの寒さはきっとこんなもんじゃないはず。今日のあがりは2時間で82ユーロ。9450円。さぁーて、路上を終えたらついに山越えだぞコンチクショウ!!目的地であるリーエンツまで行くにはふたつの道があるんだけど、ひとつは遠回りして平坦な道を行くルート。もうひとつはグニャグニャに折り曲がったカーブの連続の峠道。この峠道、地図で見る限りかなりの難所だと予想される。道の折り曲がりかたが半端じゃない。ヘアピンカーブのオンパレードで、いろは坂なんか目じゃない。それに今から突入する山のほうを見てみると、ただのスーパー雪山だ。峠道が雪で覆われていて、スタッドレスタイヤじゃないと走行できないかもしれない。悩む……………無難に遠回りして平坦な道を行くか、雪が道を覆っていないことに賭けて峠道を攻めるか。んー………今日天気いいんだよなぁ…………こんな快晴の天気でそんな難所の峠道なんか行ったら間違いなく素晴らしい景色が待ってるはず…………峠道に行くべきだ……………そうだ、思い出せ!!今まで日本でも数々の雪の峠道を攻めてきたじゃないか。そうそう、夜中の箱根峠で吹雪で身動きが取れなくなり、上り坂で車が後ろに滑りだして泣いたこともあったじゃないか!!長野の和田峠の時も、峠フェチなのでわざわざ旧峠のほうを攻めて上に登りまくって行ったら、雪がめっちゃ増えてきて、それでもアホだから登りまくっていたらタイヤが滑りだして前にも後ろにも行けなくなって崖から転落しそうになって泣いたこともあったじゃないか!!そう!!ろくなことがなかったじゃないか!!箱根峠の時はたまたま巡回していたレッカー車がいて15000円で峠の下まで運んでくれて助かった。でも和田峠の旧道は通行量がめっちゃ少ないので車がほぼ通らず、どうするどうするどうするどうする…………って考えまくって、よし!!これだ!!と思ってタイヤの下の雪にオシッコをかけて雪を溶かす作戦に出た。しかしタイヤにオシッコをかけながら気づいた。これ、あと100リットルくらいオシッコが必要やん…………そしてまたひたすら考えまくり、なんとか峠を降りようとサイドブレーキを引きながらバックしようとしたけどタイヤごと滑るのでコントロールがきかない。イヤアアアアアアアアアアアアアア!!!!って叫びながら車体が横向きのまま滑っていく。マジでガードレールからダイブするかと思った。もう本当泣きそうになってたんだけど、最終的に思いついたのは砂。山の坂道に設置してある路面凍結用の砂が坂の下の方にあったのを思い出し、1人で寒さに震えながら坂道を歩いて降り、砂を抱えて戻ってタイヤの後ろに撒き、また砂を取りに行ってタイヤの後ろに撒き……………というのを何往復も繰り返して根性で下まで降りたという素敵な思い出がある。そう!!つまり雪山はマジで舐めたらいけないということ!!!「よし!!カンちゃん!!天気いいから峠道のほう攻めようか!!!遠回りなんかしてられるかい!!」「そうだね!!景色よさそうだしね!!」アホ2人、峠道に突入!!懲りない!!!ゆるやかな坂道を登り続けること20分くらいか。山々が険しくなっていき、崖の岩肌がすごく荒々しい。眼前にそびえる山の上部はまっ白く染まっており、かなり寒そうだ。でも言ってもまだ10月の頭。道が雪で覆われるにはちょっと早い。きっとノルウェーみたいに雪まみれだけど道はちゃんとアスファルトが出ている状態のはずだ。横で少し心配そうな顔をしてるカンちゃん。心配すんな!!峠攻めのプロである俺に任せとけこのコンチクショウ!!!すると、道の先に何かのゲートが現れた。あれ?なんのゲートだ?かなり厳重なゲートが道路をふさいでおり、高速道路の料金所みたいな雰囲気だ。でもちょうどいいので、車を降りてスタッフのおじさんに道の状態を聞いてみた。「グルスゴッドー。」「グルスゴッド!!なんだ!?この先に行きたいのか!?」おぉ、なんかワイルドな山男って感じで豪快なおじさんだな。「そうです。リーエンツに行きたいんです。」「タイヤはスタッドレスなのか!?」「いえ、ノーマルタイヤですけど。」「おいおい!!てめー!!早漏か!?今はディープウィンターだぞ!!あの雪山が目にはいらねぇのかコンコンチキ!!」そう言って後ろの雪山を指差すオッさん。ディープウィンターて、まだ10月の頭やん…………「そんなにヤバいんですか?」「あたりメェだよこの野郎!!チロル舐めてもらっちゃ困っちまうぜ!!ここはアルプスだぞ!!ハイジまじヤベェ!!」「そうですか………でも夜とか朝方じゃなければ走れるんじゃないですか?」「てめぇ………本当にこの道を通りてえみたいだな……………よし!!負けたぜこのクソ早漏!!」「え!行ってもいいですか!?」「てめぇみたいな命知らずなアジア人は初めてだぜ!!行っちまいな!!ただし脇道には入らずにメインロードだけを走るんだぞ!!このインディージョーンズめ!!」「ありがとうございます!!おじさんありがとう!!」「けっ!!振り返るんじゃねぇぞ!!男なら一気に走り抜けろ!!てめぇの背中………光ってるぜ!!」「ありがとう!!それじゃあ行きます!!」「じゃあ、通行料35ユーロね。」「なんだとおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」2秒でUターンしました。4000円て…………高すぎるやろ……………でも逆に考えると通行料が発生するほど綺麗な峠道ってこと。でもやっぱり高いです。遠回りの道行くか…………いやぁ、景色綺麗だなぁ………………ん………………今なんかおかしなものがあったような………………ちょっ!!!!!こ!!このモニュメント作った人と設置した人とこれで行こう!って許可した人たち頭おかしいんじゃないの!!!????チロルまだまだ謎が多いぜ……………仕方なく遠回りの道で行くことにしたんだけど、いやいや、こっちもかなりのもんだった。山々に狭められた谷をどんどん登っていくんだけど、やがて雪が増えてきて、すぐ真横の木も雪をかぶり始めた。そしてスノーシェッドをいくつか越えていくと、もうそこは完全なる白銀の世界になった。マジ真っ白。久しぶりにこんな雪見たわ。ていうかリーエンツってどんだけ険しい道の先にあるんだよ。こんな強烈な山越えをしないとたどり着けない秘境なのか?気温はもう0.5°C。寒すぎる!!しばらくするとアルプスの山をぶち抜いた長い長いトンネルが出てきて、そこを抜けるとまたゲートが現れた。そう、なんとこっちの道も通行料が発生するようだ。値段は11ユーロ。1300円。マジでリーエンツに行こうと思ったら有料の険しい峠を越えていくしかないという状況だ。夜がアルプスに訪れ、月が山脈を照らし出している。ギザギザした荒々しい稜線が夜空に浮かび、あまりにも壮大だ。深く落ち込んだ谷、わずかに散らばる民家、草原とうねる丘陵、この大自然のスケール、マジでノルウェーに負けてない。長い長い下り坂を滑り降り、しばらくするとようやくリーエンツの町に入ってきた。もうイタリアの国境まで30キロくらいの場所だ。明日の下見に少し夜の町を歩いた。静まり返った山あいの町はとても綺麗で、ホコ天のショッピングストリート、塔の立つ広場もあり、石畳が外灯に照らされて光っている。俺とカンちゃんの吐く息も真っ白で、寄り添いながら歩いた。また新しい町を見つけた。こんな山深い場所にも人々の暮らす美しい町がある。今夜もまた景色のいいところで寝ようと、町の裏手の山の斜面をトコトコ登って、夜景が綺麗に見渡せるスペースに車を止めた。車の寝床作りをするため急いで外に降りると、目の前にキリスト像がたてられており、ヘッドライトに浮かび上がっている。怪しげにうなだれるキリストの表情に影が濃い。その後ろには夜空に線を引くアルプスの山並み。吐く息がヘッドライトに照らされて浮かんでは消える。でもあまりの景色に寒さを忘れて立ち尽くしてしまう。もう本当チロル、マジでヤバい。~~~~~~~~~~~~~~~~~~タイのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!アジア行きたいなぁー!!そろそろ本当にアジアご飯が恋しい!!!バンコクの路上で美味しい屋台ご飯食べたいなぁ。どうもありがとうございます!!