スポンサーリンク ケバブは世界を平和にしてる 2016/10/9 2016/09/07~オーストリア②, ■彼女と世界二周目■ 2016年9月28日(水曜日)【オーストリア】 ヴェルスケバブだけ食べてからリンツの町を出発し、次の町であるヴェルスには40分くらいで到着した。この辺りにある大きめの町の最後のひとつがこのヴェルス。ちょうどシュタイアーとリンツとヴェルスの配置が三角形になっていて、うまく稼げたらローテーションを回せるんだけどな。しかもどの町も40分くらいの距離。北欧みたいに次の町まで500キロなんてこともないのでガソリン代が全然かからない。ヴェルスもまた初めての町なんだけど、駐車場の探し方もなんとなくわかってきた。ヨーロッパではだいたい駅周辺に行けば何かしらの安い駐車場がある。通勤や出張、旅行の人たちが長期で止める駐車場なんかがあるので比較的安い通しのパーキングがあったりする。このヴェルスもだった。駅裏にズラリと車が並んでいたんだけど、すべて無料駐車場だった。よっしゃラッキー!!と思ったらなんとなんと、駅からのフリーワイファイが飛んできており車の中でネットができるというもうただのホテルですか?いきなり居心地良すぎだなヴェルス。これで稼げたら最高の町だぞ。車を止めたら歩いて町の中心部に向かった。駅前のロータリーを渡ってスーパーの入ってるビルの隙間を抜ける。バス停のベンチにはホームレスのおじさんがうなだれていてすごい臭いを放っている。車道をしばらく行くと、賑やかな通りが見えてきて、そこを曲がったらホコ天のショッピングストリートがあった。よーし、リンツみたいにうるさくなくて、ちゃんとしたホコ天だ!!これならきっちり歌えるぞ!!!!と思ったんだけど…………人少ないな…………それなりに長くてお店も並んでいて、カフェもケバブ屋さんもあるホコ天なのに、人通りはめっちゃまばら。町の規模にしては結構意外だった。んんん…………オーストリアでも活気のある町ない町ってあるもんなのかなぁ。それにしてもケバブ屋さん多すぎ。ケバブ屋さんのすぐ2軒隣にケバブ屋さんがあり、こんな近くにすごいなと思ったらその2軒隣にまたケバブ屋さんがある。10メートル行ったらまた違うケバブ屋さんがあるし、多分この町だけで20軒くらいあるんじゃないか?でもそれだけみんな食べるってことなんだもんなぁ。ケバブ屋さんにはケバブだけでなくだいたいピザもあるし、パスタを置いてるとこもあるし、シュニッツェルやハンバーガーも揃えていたりする。ヨーロッパのファストフードを全部取り揃えてるって感じ。店で働いているのはだいたいみんなトルコとかブルガリア、あとはレバノン、シリアあたりの人だ。中東の人たちからしたらヨーロッパでケバブ屋をやるってのは、もしかしたら最も手っ取り早い金の儲け方なのかも。きっと中東の人がヨーロッパでケバブ屋をやりたい、ってなったら、金さえあれば彼らの色んなネットワークですぐにでも始められたりするんだろうな。真面目に美味しいご飯を人々に提供している彼らだけど、これだけ同人種の移民による犯罪が頻発していたらきっと肩身の狭い思いもするだろう。ムスリムだから、中東だからってだけで偏見の目で見てくる人は必ずいるはず。テロの被害にあった人ならなおさら。子供もいじめられたりしないのかな。大変な問題だ。でも、それでもヨーロッパの人はみんなケバブを食べる。彼らの作る美味しいファストフードを楽しんでいる。ケバブは世界をちょっと平和にしている。というわけで路上開始。よし、反応悪い!!目線も向けずに通り過ぎる人が多い。これは厳しいぞ…………向かいにカフェがあって、テラス席のお客さんたちが帰り際にお金を入れに来てくれるのが嬉しいんだけど、人だかりまでは出来ない。カフェの店員さんが近づいてきたので、あ、注意されてしまうかな、と思ったらパッとコインを入れて親指を立ててくれた。いい感じ。ではあるんだけど、やっぱり反応はイマイチで、そうなると休憩時間が長くなってしまうのが俺とカンちゃん。この天気のせいもある。暑くもなく寒くもなく、秋晴れの真っ青な空が広がっていて、あぁー、気持ちいいねぇー………とのんびりくつろいでしまう。ここから先、日本に帰るまでにある程度お金を貯めたいと思っているので、働いて働いて頑張って稼がないといけないんだけど、少し余裕ができるとそれに合わせて仕事時間が減るっていうのが人間だ。今月これくらいいってるから大丈夫かー、なんて感じで。いつもストイックにギリギリまで頑張るって難しいことだよぁ。日本ではどんなにしんどくても1日8時間も9時間も働かないといけないのに。ある程度強制されないと人間はそんなに働けない。今、俺たちは誰にも強制されない旅をしてる。だからこそ自分への厳しさが試される。「よおおおおおし!!!!そろそろ歌うかなああああああああ!!!!!次のタバコを吸い終えたら。」「あー、またそんなこと言ってー。ねぇところで結婚式のアクセサリーどんなのにしようか?」「やばいやばい!!ダメ!!歌わないと!!アクセサリー?!知らん!!」反応が悪い中、丁寧に歌い、最終的にはそこそこのあがりになった。2時間半で144ユーロ。16400円。うん、悪くはない。稼ぐ稼ぐぞってピリピリはしたくない。でももっと自分に厳しくはならないとな。大盛りチャーハン唐揚げ乗せ、7ユーロ。800円。最近ヨーロッパでお弁当が流行ってる。ご飯を食べて駅裏の駐車場に戻って車の中で寝転がってインターネット。なんてことない1日。でも今日、またひとつ新しい町を知った。ご飯食べて、誰かの帰り道を歩いて、ここで暮らす人たちにちょっと触れられたこと、それがじんわり嬉しい。あー、いい歌うたいたい。