スポンサーリンク オーストリアの二国間協定って本当に大丈夫なのか………? 2016/9/13 2016/09/01~ポーランド, ■彼女と世界二周目■ 2016年9月3日(土曜日)【ポーランド】 ブロツワフ ~ ドブロミエシュウクライナとロシアはずっと関係が悪く、今も情勢は不安定だと昨日のパーティーで誰かが言っていた。そんなウクライナにこれから行く引っ越すマリシア。勉強のために半年向こうに住むらしいんだけど、心配?と聞くと全然!と答える。人はみんなどこにでも住んでおり、みんなが平和を望んでいる。実際はそこまででもないはずよ!と無邪気に笑うマリシアを見ていると、きっと彼女はどこに行っても愛されるだろうなと思う。それにしてもベルリンの壁を見て、ソビエトの国旗を見て、ポーランドの暗い歴史に触れて、シリアや中東からの難民を見て、じわじわと、そしてハッと思い出させられる。戦争を本当にいつまで経っても人間はやめることができない。マリシアと、今日も寝起きで眠そうな顔をしてるマクダと4人でブロツワフの町に向かった。そうしてやってきたひとつの建物。大きなドアを開けて中に入り、アパートになっているひとつのドアの前にマリシアのママがいた。「フミーーーーーー!!!!!また会えるなんて!!!」思いっきりハグすると頬にキスしてくれたママ。4年前、まだ旅の序盤にマリシアの家に泊めてもらい、キッチンでコーヒーを飲みながらママとお喋りしていたときのことをよく覚えている。フミ、あなたはとてもオープンな心を持っているわ。普通の人はみんなどこか壁を作ってしまうもの。あなたはどこに行っても友達ができるわ。そう言ってくれたママ。確かにいつも心がけてはいる。人との間に壁を作らず、出会いを楽しむためになるべく心から向き合いたい。でも、どうだろう。今少しママと会うことに緊張している。今の俺は人との間に壁を作ってはいないだろうか。あまりにも多くの人に出会いすぎて、出会いに消極的になってしまってはいないだろうか。マリシアのママはそういうところを敏感に見抜く人だと思う。世界一周を終えて、もし俺がそうなってしまっていたのなら、恥ずかしい。でも、またどうしても会いたかった。ママが元気そうで嬉しかった。現在、このアパートの部屋を大学生たちのフラットにするために毎日掃除をしているママ。新しいビジネスとして始めるのかな。あー忙しい忙しい、といつも頑張っているところはマリシアとそっくりだ。前回、パパの仕事があまりうまくいってなくて、もしかしたらあの家を売らないといけないかもしれないとママが言っていたけど、今も家はあの頃のままだし、みんなが元気そうで本当に本当に嬉しかった。マクダはいつも眠そう。んあ~~~……………ドーブレ!!1時間ほどみんなでお喋りし、もう一度ハグをしてアパートを出た。愛すべきママ、妖精マリシア、そしておとぼけマクダ。ポーランドの女の人はみんな可愛いなぁ。儚くて弱そうで、抱きしめたくなる。みんな本当にありがとう!!ポーランドに来て本当によかった!!!マリシアが別れ際にくれた絵を見て、やっぱり天才だなと思いながらブロツワフを出発。次の目的地はチェコの首都、プハラだ。ブロツワフから5時間だよとみんな言っていたので頑張れば今夜にはプハラにたどり着けるはずだ。ポーランドの田舎町はどこも廃墟が多く、人が住んでいる家も、壁が崩れ落ちて下地のレンガがむき出しになっているようなものばかり。走っていて、そのあまりのボロさに驚いてしまった。これもまた戦争の影響なのかな。放置された田舎の町が草原の中に取り残されていた。遠く山の上にポツリと見える古城。寂寞が風に乗ってくる。そんな感情的な風景が広がるポーランドの田舎町ドライブ、めっちゃ楽しいなと思いながらひたすらアクセルを踏む。このままプラハに行き1日過ごしたら、南部のチェスキークルムロフ。そしてオーストリアに戻るというルートだ。俺たちは6月9日にハンガリーからシェンゲン圏に突入している。途中ノルウェーのスバールバル島に行っているので、そこで3日間シェンゲンを抜けている。シェンゲンエリアの滞在可能日数は、もちろん90日。さぁそんな感じで計算すると、俺たちのシェンゲン滞在可能期限は9月9日ということになっている。今日が9月3日。そんなに余裕はないけど、チェコでビール飲んだくれるくらいの時間は残してきてる。ではその後。その後をどうするのか。これは以前から書いてることだけど、俺たちはオーストリアに逃げ込む手段を取る予定。オーストリアはシェンゲン国のひとつだ。でもヨーロッパでオーストリアだけが日本と特別な二国間協定を結んでおり、日本人はオーストリアに180日間の滞在ができることになっている。気をつけないといけないのは、この180日間ってのは、すべてのシェンゲンエリアの90日間を含む180日っていうくくりなので、すでに北欧やドイツで80日以上過ごしている俺たちはその日数を180から引いて計算しないといけない。つまり、まるまる90日間、ドイツや北欧なんかを堪能した後、オーストリアに入ればそこからもう90日間滞在できるということだ。もちろんその間、オーストリアから外に出ることはできない。オーストリアの隣接国は全てシェンゲンエリアだ。これは今回の旅に出る前に、日本にあるオーストリア大使館に電話で確認をとっていることだ。こういった旅程でオーストリアに行く予定ですが大丈夫でしょうか?と。大使館の人は、大丈夫ですと行った。ただ原則としては大丈夫なんですけど、まだまだ二国間協定のことを把握してないオーストリア警察もいるのでトラブルもしばしばあるんだそうだ。はぁ?二国間協定?そんなもん知らん。お前シェンゲン圏に150日も滞在してやがる極悪人じゃねぇか!!全裸になってケツの穴見せろ!!という辱めをまた受けるのだけは勘弁してほしい。そんな感じでモメないためにも、例えば自分たちがどのように旅行してきたのかその道程を証明できるように毎日のレシートをとっておくといいですよ、と大使館の人に言われているので、それはずっとまとめてとっている。問題ない。問題ない…………はず。ただ、どうしても気になる。本当にオーストリアは180日間滞在することができるのか?俺とカンちゃんは11月にオーストリアでとあるイベントを計画している。大事な大事なイベントだ。11月までオーストリアに滞在できなかったら、もちろん決行できないイベント。もし、もし、オーストリアに行って、はぁ?二国間協定があるからシェンゲンの90日を超えてオーストリアに滞在したい?え?バカなの?オーストリアもシェンゲンエリアだから90日しかいられないよ?あんたたちあと2日で90日になるからソッコーで出て行かないと不法滞在だからね?わかってんの?早漏なの?って国境で絶望する悪いイメージがむくむく湧いてくる。もう何度もネットでこのことは調べている。でも、実際にこのやり方でオーストリアに滞在しましたーっていう経験談がまったく出てこない。こんな、ヨーロッパを周遊して、もっとヨーロッパにいたい人がオーストリアに逃げ込むなんて話、めっちゃありがちなルートのような気がするのに、いくら探しても大使館の情報とか、それをコピペしたような内容のサイトばかりだ。しかもその内容にどれも若干ズレがある。シェンゲンエリアを旅行した後にオーストリアに行けば新たに180日間滞在できますとか、オーストリアに戻った際に最寄りの警察で入国審査を受けてくださいとか、それぞれのサイトにそれぞれ色んなことが書いてあるので、どれが本当かわからない。そんな中、1番気になるのがこの記述だ。二国間協定を利用するにはシェンゲンエリアを経由しない飛行機でオーストリアに入国してスタンプをもらう必要がある、というもの。俺たちハンガリーから陸路やし。全然ダメやし。でも日本のオーストリア大使館に問い合わせた時、そんなこと一言も言われなかった。それが必須条件ならば必ず伝えるべきだし、どのサイトにも書いてあるはずだ。とにかく何が本当かわからん。きっと問題なく入れるはず。そして新たな90日間をもらえるはず。計画しているイベント、すでにレンタカーも延長してしまっているので、もし滞在できなかったらとんでもないことになる。とにかく、これはもうわからん。いくら調べてもわからん。なのでオーストリアに戻ったらソッコーでウィーンにある日本大使館に行き、このことについて尋ね、必要ならば最寄りの警察で入国審査を受けてスタンプをもらう。これしかない。とにかく今はなるべく早くオーストリアに戻ることだ。さーて、早いとこオーストリアに戻って二国間協定を鍋の底かくくらい利用しまくり倒してやるぜヒョオオオオオイ!!!と走っていたら感じのいい廃墟がある村が見えたのでドリフト左折!!!!先に進めねぇ!!!畑の横に何やら石の門が取り残されており、大きな建物が崩れ落ちて草に埋もれている。先に進んでいくと、本当にささやかな村があり、真ん中に教会が立っており、商店が2、3個通りにあるくらい。こりゃ本当、名もなき村だなぁ、でもそういうところにこそその国の原風景があるんだよなぁと胸が締めつけられながらゆっくり走っていると、何やらこのゴーストビレッジで数人の人が歩いているのが見えた。みんなどこかへ向かって歩いており、なんだ?とそれについて行くと、向こうのほうにたくさんの人が見えた。おお、フェスティバルやってるやん。村の広場に仮設ステージをたて、いくつかの売店が出て、テントとテーブルが並んでいる。村人たちが楽しそうにビールを飲んでおり、子供たちが大きなバルーンの周りでかけまわっている。売店といっても村の人たちがやってるもので、ソーセージとか小さなお菓子とかそんなほのぼのしたものばかりで、古びたバービー人形みたいなお人形さんの前で子供が買ってええええ!!と大騒ぎしている。めっちゃローカルにもほどがあるお祭りだ。日本の縁日を思い出させるなぁ。こんな都会から離れた超田舎の小さなお祭りにアジア人がいることがよほど珍しいんだろう。みんな俺たちのことをチラチラ見てきて興味津々だ。でも最初はいぶかしんでた地元の人たちも少ししたら笑顔を向けてくれ始めた。売店を見てみるとピエロギが売っていたので、まだポーランドの国民食であるピエロギを食べてなかったカンちゃんのために買ってみた。「ピエロギ、ピエロギ、マネー?」「スリー!!スリーよー!!あははははー!!」スリーとか英語を言う機会なんてほとんどないんだろう。1人のおばちゃんがスリーと言うと、周りのおばちゃんたちが英語言ってるしー!!と爆笑。おばちゃんの爆笑の仕方、世界どこも一緒で可愛い。おばちゃんのオッパイすげぇ!!村のセクシークイーンだ!!ていうかピエロギが6個も乗っているのに3ズウォティて!!!80円!!!ポーランド物価安すぎ!!!!ピエロギは餃子みたいな見た目で、中に入っている具はピエロギの種類によって違うけど、これにはポテトとチーズが入っていた。これに焦がしネギとオイルを乗せて食べると、なんともシンプルで親しみのある味わいだ。このポーランドとかロシアに近いエリアではどこでも見たようなこの料理を食べることができる。隣の屋台ではタップビールが売られており、値段は5ズウォティ。130円。安すぎ。「カンちゃん………飲んじゃう?」「……………飲んじゃう?」「もう飲んじゃおっか!!こんなお祭りに遭遇なんて絶対できんもん!!」「そうだね!!でもほどほどにして明日また早くにプラハに着けばいいよね!!」「イェーイ!!日本人なの!?オーマイガッ!!!こんなウルトラ田舎に外国人が来るとかマジイミフっていうかこっち来て一緒に飲もうぜ!!!」「うおー!!英語喋れる人きたああああああ!!!!」そこにすごい勢いで走ってきた若者たち。こっちで飲もう!!って興奮しながら誘ってくれる。や、ヤバい、お酒はほどほどにして明日ちゃんと走らないとオーストリアにたどり着けなくなるから、ほどほどに………………ビール、ウォッカ、ビール、ウォッカ。「イェーイ!!!!日本人ウォッカ飲めええええええ!!!!いつまでここにいるんだい!!?」「明日出るよ!!ていうかたまたま見つけただけやし!!」「ブフォ!!ウケる!!明日はこの近くの町でピエロギフェスティバルがあるから見逃したら愚か者やし!!」「な、なにぃいいいいい!!?ピエロギフェスティバル!?なんだその面白すぎる名前のフェスティバルは!!?ていうかフェスティバルできるほどピエロギで時間もつ!!??」「ピエロギ最高だぜえええええ!!!ウォッカ飲めええええええ!!!!!」このあたりから記憶なし。謎の写真だけ残ってた。~~~~~~~~~~~~~~~~~~ロンドンのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!!イギリス行きたい!!ビートルズ巡りしたい!!紅茶飲みたい!!どうもありがとうございます!!