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過去最高記録、更新なるか


2016年8月6日(土曜日)
【フィンランド】 オウル





「ヘイガーイズ!椅子がなくてすまん。俺はいつも立って食べてるんだ。ごめんね!」



朝から完全に地元の友達の家で目が覚めたテンションでリビングに行くと、ユッカがスープを作ってくれていた。



「これはサマースープっていってね、夏場の暑い時に食欲がなかったりしたら食べるんだ。フィンランドではお父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃん世代の伝統的な料理なんだけど、最近の若い人はあんまり食べないかな。」







たくさんの野菜が入ったミルクベースのスープ。

薄いシチューって感じでものすごく優しい味がした。

ああ……こりゃ酒飲んだ次の日には最適だな…………



あんまり美味しくて3杯もおかわりしてしまった。














優しい朝ごはんで目を覚ましたら、3人で町に向かった。

今日は土曜日。たくさんの人で町は賑わっており、空はどこまでも真っ青だ。

本当にフィンランドの空は青い。









ユッカと喋りながらハーバーのマーケットを歩いた。





広場に果物や野菜なんかのたくさんの屋台が並んでおり、古い倉庫を改装したレストランやカフェでは人々がのんびりとグラスを傾けている。

岸壁に座っている人たち、青い海が広がりとても清潔感にあふれていた。










綺麗だなぁ。オウル、いい町だなぁ。

















「じゃあ、俺はそろそろ行くよ。ハグしてくれ!」



一通り町を散歩してから、ユッカとハグをした。

大きな体と優しい心を持つこの男と出会えたことでオウルがますます好きになった。


人生1回きり。目の前にある出会いのチャンスを逃すことなく、これからもクールなことを探していこう。


ユッカ、マジでありがとう!!!

日本に来たら女の子紹介するからね!!


























オウルの路上も今日が最終日。

いつにもましてたくさんの人がホコ天に溢れていて、俺がギターの準備をしてる段階ですでに何人か立ち止まって演奏を始めるのを待っている。


ふぅ、落ち着いていこう。

今日は土曜日だ。本番は夜。

明日は休みなので喉が潰れるまで歌ってみようかな。

それにこの稼げる町で最高記録を狙ってみたいのもある。





今までの路上の最高記録は一晩で6万円だ。


伝説の夜、浜松の千歳町。


まだ25~26歳のころかな。

日本を回っている頃、浜松の千歳町で歌っていたら、とあるクラブのホステスさんが声をかけてくれ、お店でちょっと演奏してくれない?ということになった。



これって路上をやってたらよくある出張流しだ。

お店の女の人からしたら、お客さんから俺に飲み物が出るので売り上げもあがるのでお互いにいい効果。


でももちろん全てのお店が流しを受け入れてくれるわけではない。


カラオケ主体のお店は店内で演奏されるとカラオケをしたい人が気分を悪くすることもあるので流しさんはほとんど断られる。

そうして伝統文化だった飲み屋街の流しさんはカラオケの普及とともに姿を消していった。



でもそんな今だからこそ生演奏を喜んでくれるお店もあるんだよな。






呼ばれたお店に入るとサラリーマンさんのグループがいて、おお!歌え歌えー!となって、空気を読みながら何曲か歌うととても気に入ってもらえ、グループの中の1番偉い感じの人が言った。



「おう!!遠州武士の心意気見せるぞ!!」



そのボスはどうやらうなぎパイの会社の社長さんだったらしく、社長が1万円を割り箸に挟むと、周りの幹部さんたちも1万円や5千円を挟んでくれ、それでたったの数時間で6万円になった。


あの記録は未だ更新されていない。


社長さん!!あの時は本当にありがとうございました!!!



路上で6万円なんてマジでどんなことが起きたらそんなに稼げるんだ?ってくらいの額だけど、このオウルだったらもしかしたらいけるかもしれない。




新しいハーモニカはGもAもすごくいい音で、弦も新しくしたことでチューニングがばっちりキマる。

最近ずっとAとGの微妙な中間で合わせたりしていたのでやりにくかったんだよな。



ゆっくりとコードを鳴らして、ハーモニカを乗せ、歌った。






























2時間くらいしたところでちょっと小雨が降ってきたので、休憩がてらカンちゃんとランチタイム。


大きなドゥルムケバブがたったの6ユーロだからフィンランドは嬉しい。700円だ。






そうして休憩していると歌を聴いてくれていた人たちがどんどん話しかけてくる。



「ハーイ、いい歌だね!」



「すごいいい声だね!!」



「コンニチハ!ガンバッテクダサイ!!」



フィンランドには本当に日本語を喋る人が多い。
なんなら今日はコスプレをしてる人がめっちゃたくさん歩いている。

顔にピカチュウのペイントをした人がそこら辺にいる。


本当面白いなぁ。
ポケモンゴーはフィンランドでも大流行りだ。






話しかけてきた中に、目の前のベンチで歌を聴いてくれていた兄さんもいた。

彼は隣に座っていた綺麗な女の人と何気なく会話をしていたんだけど、お、これはなんか恋の予感じゃないのか?と勝手に思いながら歌っていた。


なんだかぎこちない感じがとてもいい雰囲気だったから。



でもしばらくして女の人のほうが立ち上がって歩いて行ってしまった。


路上にいると、そんな目の前の何気ない風景をたくさん見ることができる。




「アメイジングな声だよ。フィンランドの次はどこに行くの?」



「スウェーデンだよ。ところでさっき隣に座ってた女の人、俺勝手に恋の予感かなって思ってたんだけど。」



「ははは、なんにもないよ。ただちょっと会話しただけだよ。それに彼女はロシア人だよ。」



「ん?ロシア人とフィンランド人は仲良くないの?」



「戦争の歴史があるからね。これからも今以上の関係になることはないかな。俺はロシアには旅行に行けないもん。怖くて。」




なるほどなぁ。

世界中、隣接してる国同士はだいたいいがみあってる。

お隣さんだったら仲がいいものなんじゃないかって思ってしまうけど、現実は近ければ近いほど問題が発生してしまうんだよな。





他にも聞いた話ではフィンランド人はノルウェーに出稼ぎに行くらしい。すると給料が倍になる。


なので賢い人は国境の近くに住んで、仕事はノルウェーに行き、生活は物価の安いフィンランドでするということをしてる人も多いみたいだ。


同じ北欧でもそんなに違うんだなと思うと、不思議なもんだ。



ていうか巨乳にもほどがある!!







スオミとジャパンのTシャツ!!これがフィンランド人の親日を物語ってる気がするなぁ。





















4時間みっちり歌って、ギターケースのコインが尋常じゃない量になったところでさすがに喉が限界に近づいてきた。

体もかなりダルい。疲れた…………



「フミ君、今日はこの辺にしとく?」



「うーん………いや、もうちょっとやってみようかな………せっかく土曜日なんだからあっちのバーエリアのほう行ってみて決めていい?」




ショッピングストリートのほうは18時を過ぎてからお店が閉まって人が少なくなってきたので、ちょっと休憩してから21時くらいにバーエリアのほうに行ってみた。




するともういるいる。

どこのバーもたくさんの人で賑わっており、ガンガン人が歩いている。


みんな夜用におめかししており、飲む気満々、なんならすでに足元がおぼつかなくなってるおじちゃんとかもいる。



…………こいつは………やるしかねぇか!!






体力振り絞ってバーエリアの路上でギターを取り出して歌い出すと、すぐに人が足を止め出した。

みんないい感じにお酒が入っているのでノリノリで一緒に歌ってくれる。












ゴキゲンになったおじちゃんがふらふらしながら一緒に歌ってくれるんだけど、あまりにも泥酔しすぎてて千鳥足で花壇にひっくり返って周りの人たち大笑い。

こけたおじちゃん、むくりと起き上がって何事もなかったかのようにまた俺の横に来て歌い始める。



そして若者たちがクールだぜ!!って言ってビールを渡してきて、乾杯して飲みながらギターを弾いた。











めっちゃ楽しい。

めっちゃくちゃ楽しくていつまでも歌っていたい。


遅い夕焼けが海に沈んでいき、この飲み屋街の大騒ぎをオレンジ色に染め上げている。

こんな明るい時間帯にみんな酔っ払ってる感じが未だに違和感がある。


明日になったらかなり南下するので、もうこの白夜ともオサラバだ。












可愛いお姉ちゃん!!







と思ったら同じのいっぱい!!














1時間半くらいして23時になると、人通りはさらに増えていき、みんなめっちゃ陽気に声をかけてくれ、周りの建物の窓も開いて酒を持った人たちが笑顔で手を上げてきたりして、まさに土曜の夜のど真ん中だ。











こいつはいつまででもできる。

でももう喉がさすがに崩壊しかけている。


なんとかアドレナリンで歌っていたんだけど、その時ガラの悪い酔っ払いがきて、危ない目をして5ユーロくれやと言ってきた。



英語がほとんど話せなくて、ジェスチャーでひたすら5ユーロ5ユーロ言ってきて、いや、俺じゃなくて他の人に言ってくれよ、どう見ても俺たちよりそこら辺歩いてる人のほうがお金持ってるやん、と断っていると、おもむろにギターケースから勝手に5ユーロ札を取ろうとしたので取り返すと、しかめ面で歩いて行った。


夜の路上は楽しいけど、こういう危険もちょっと伴う。



いいキッカケになったので今日はここで切り上げた。





コインを集めると、いつもあがりを回収しているポーチに入りきらなくて、ふたつの袋に分けてもパンパンになった。

マジで鈍器どころかダンベル。


これから勇次郎との戦いに備えてウォームアップする刃牙くらいの重りをバッグに入れ、賑わう町に背を向ける。


マジで重すぎる……………これ車移動じゃなかったら大変なことになってたな…………










5時間半、歌いに歌ってその日はもう数える元気もなかったのでそのまま寝たんだけど、次の日に20分くらいかけて数えたところ、







あがりは532ユーロ、6万円。




ぬぐぅ!!!浜松の壁が厚すぎる!!!


ていうか餃子食べたい………!!




これって最近ユーロがガタ落ちしすぎてるせいもあるんだよな。


俺が前回ヨーロッパを回ってる頃は1ユーロ、130円くらいだった。


そのレートでいくと7万円だ。



今は113円だもんなぁ。



この前ドイツで420ユーロ稼いだ時、その日のレートでは5万円だった。


あれから1ヶ月くらいしか経ってないけど、今日532ユーロで6万円って、100ユーロ以上多いのに1万円しか増えていないという状況だ。




ユーロ持ちになると今の状況はかなり痛手。

ノルウェーのクローナも日に日に落ちてるし。



逆に日本からヨーロッパに来る人は今まさにベストタイミングなんだろうけど。



ていうかさわやかのハンバーグが食べたい………!!!









とにかく、ユーロ圏で初めての500ユーロ越えだ。

満足しないといけないんだろうけど、もっともっと精進していい歌を歌っていくぞ。


オウルの人たち、本当に本当にありがとう!!!










~~~~~~~~~~~~~~~~~~


マニラのホテルをアゴダでとってくださったかたがいました!


フィリピンってどんなところなんだろう?一度ちゃんと行ってみたい!!


どうもありがとうございます!!



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