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ワードプレスにブログ引っ越しました

2016年5月26日(木曜日)
【トルコ】 エディルネ








宿を出てお気に入りのカフェでチャイを飲みながら少し作業したら、そのままタクシム広場へ向かった。



午前中のイスティクラル通りは暖かい日差しが降り注ぎ、たくさんの人が歩いている。

その人ごみをかき分けてゆっくり進んでくる赤い可愛らしいトラムの光景がなによりイスタンブールらしくて少し胸がざわつき、またきっとここに戻ってくるだろうなと思った。


トルコの旅情は口に残るほのかな甘み。


























タクシム広場から車道を歩いて坂を少し下ると、何軒かのバス会社のオフィスが固まってる場所がある。

ここから次の町、エディルネに行くバスに乗れるはずだ。




とりあえず片っ端から聞いてみたところ、トルコで1番メジャーなバス会社、メトロ社で1人25リラというのがあった。920円。

このオフィス前にミニバンが迎えに来てくれて、バスターミナルまで行き、そこから長距離バスに乗り替えるという流れになる。





ネットの情報では17リラという会社もあったけど、それは確かバスターミナル出発のものだ。

このイスタンブール市内からバスターミナルまではなかなか遠くてトラムとメトロを乗り継いで行かないといけない。


そうなると結局小さな移動費がかさんで高くなるし、重い荷物を持って動く労力を考えたら25リラで中心部からミニバンに乗るのが得策だ。


というわけでチケットを買い、オフィスの前で待って12時すぎにやってきたミニバンに乗り込んだ。












ミニバンは郊外のイケアの横にあるバスターミナルに着いた。


構内に入ってから何分走るんだ?ってくらい超巨大なこのバスターミナル。

自分たちだったらエディルネ行きのバス乗り場を見つけるのも難しそうだ。


ミニバンはやがて大きなバスが固まってるプラットホームに着き、目の前に止まっていた長距離バスに乗り込んだ。








































13時に走り出したバスは大都市イスタンブールを抜けて一本道を走っていく。

のどかな田園風景が続く田舎道を見ていると、その丘陵のうねりにヨーロッパの思い出がよみがえる。


横で可愛い寝息をたてて寝ているカンちゃんの頭を抱きかかえながら日記を書くんだけど、外の風景をたまに見上げると思い出にひたってしまってなかなかはかどらなかった。















ここから先は宿を予約していない。

イスタンブールみたいに安宿がないからだ。


1泊2000円近くするようなホテルばかりなので、節約するためにも野宿になる。

そのために日本で準備してきたマットと寝袋がふたつずつキャリーバッグに入っている。



今は初夏だ。

前回トルコやバルカン半島を回っていたときみたいにマイナス15℃とかの極寒ではないので気温は問題ない。






ただ前回と違うのはカンちゃんがいること。

女の子と一緒に野宿ってのはなかなか考えものだ。


カンちゃんが大の旅好きでアウトドアも大好き!という子なので気持ち的にはまだ楽だけど、やっぱり何かあった時のことを思うとちょっと考えてしまう。



俺は野宿していて危険な目に遭ったことは一度もないけど、夜中に雨が降り出して大急ぎで荷物抱えてダッシュしたりなんていう過酷なことにカンちゃんが耐えられるかどうか。


フミ君が私にさせる、っていうことじゃなくて2人ですることなんだからね、ってカンちゃんは言ってくれるけど大丈夫かなぁ。

なるべくカンちゃんに怖い思いをさせないようにしないとな。























そんな心配をしながら、3時間ほどでバスはエディルネに到着した。


かつてのオスマン帝国の首都で、世界遺産のセリミエモスクがあるこのエディルネは、小ぢんまりしているけど、人も多くてちょいどいい地方都市だ。


前回の旅でトルコ最初に訪れた町で、路上も結構稼げた。


路上がどこの町でもできなかったこのトルコにおいて、のびのびと歌えた大好きな町。

ここでキチッと稼いでからブルガリアに向かうぞ。














セリミエモスクから真っ直ぐに伸びる賑やかなメインストリートを歩いているとあの時の記憶がよみがえってくる。

あの時は年末で、まだクリスマス後の活気で町はとても賑やかだった。


ムスリムがサンタクロースの格好してるのが面白かったよなぁ。












さー、どこで歌おうかなーと2人で荷物を持って人が行き交うメインストリートを歩いていると、いきなり1人のおじさんが声をかけてきた。




「旅してるのかい?よかったらウチに泊まる?」








はい、泊まるとこゲット。






トルコ人んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!














はぁはぁ…………

落ち着け……………

落ち着くんだ……………



まだこのどっからどう見ても野に咲く花のように風に吹かれて野に咲く花のように人をなんとかにするようなオニギリ全開レベルのおじさんが実はウルトラサイコな殺人鬼の可能性もなきしもあらず。



カンちゃんがいる今、ホイホイついていくわけにはいかないぞ!!




「僕もよく妻と一緒にブルガリアとかギリシャとかにヒッチハイクして遊びに行くんだよ。だからバッグパッカーの気持ちがわかるんだ。カウチサーフィンもやってるよ。ハンバーガー屋を経営しててね、よく地下のスペースを学生たちに無料で貸し出したりしてるんだ。もう本当、オ、オニギリ、食べたいんだなぁ。」





信用200パーセント確定。





「泊まらせてもらってもいいんですか?!」



「ワイノット。これうちのお店の場所だから後で来てね。今からストリートパフォーマンスするんだろ?」



「な、なんでわかるんですか!?オニギリ食べたいんですか!?」



「言っただろ?バッグパッカーの気持ちがわかるんだよ。じゃあね。」




そう言ってバイクのヘルメットを抱えて颯爽と歩いて行ったおじさん。







大将おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあたおおおおおおおお!!!!!!!







「寝るとこゲットしちゃった!!」



「トルコやっぱりすごいー!!どう見ても優しそうな人だったし!!!奥さんいてお店やってるってとこで信用できるしね!!」




ただ歩いているだけで自分の家に旅人を泊まらせるトルコ人。


会話して3言目にうちに泊まればいいよ、と言うトルコ人。




これこそ…………これこそトルコ人の実力だよ…………


イスタンブールも素晴らしい。
あんなに完成された観光地なかなかない。

でもやっぱり都会ズレしてない地方都市の人たちのフレンドリーさは裸の大将レベルだよ。
















もう一瞬でこの町に受け入れられたようで嬉しくてたまらなくなり、それに人もこんなに歩いてるし、はやる気持ちを抑えきれずに即ギターを置いた。


ああ!!歌うぞー!!




















雨。








ふぅ……………落ち着こう。


そうそう、これはそんなに焦るなよっていう雨だよ。


エディルネは逃げない。

エディルネはきっと俺を受け入れてくれる。



あの日、俺はこの場所で歌ってたんだ。

3年経って、またここに戻ってこられた喜びを噛み締めながらゆっくり歌おう。





雨は30分くらいで地面を濡らすだけですぐに止んだ。


さぁ、いい歌うたうぞ。






































絶え間なく入り続けるお金。

人だかりと拍手に包まれながら歌った。



町はとても静かで、石造りの建物に反響してよく響く。

少し心配していた警察も目の前を笑顔で通り過ぎていく。




お店の人たちがみんな出てきて、遠くで眺め、それから近づいてきてポケットのコインを入れて行ってくれる。



休憩のたびにみんなが話しかけてきてくれて、家族や若者や、みんなが今夜ウチに泊まればいいよ!って誘ってくれる。

もう泊まらせてもらうところ決まってるんだよというと、それはよかったね!トルコ人はすぐ家にゲストを招くからね!と満足げな表情。



嬉しくて胸が張り裂けそうだ。

またここに戻ってこられたなぁ。


あがりは2時間で160リラ。6000円。
























雨が降ったこともあって、聞いてくれていた人たちとお喋りしていたら時間はすぐに20時を回った。


さっき家に誘ってくださった裸の大将、トゥルゲイさんのお店には21時には行きますと言っている。


今日はまだそこまで歌ってないけど明日ガッツリ歌おう。


荷物を片付けていると、お喋りしていた中の1人の女の子がそこまで連れて行ってあげるわと言ってくれた。


もう………どこまで親切なんだよ…………






















「私の夢はダンサーなの。いつかアメリカのカリフォルニアに行って勝負するの。友達の歌の上手い女の子がいて、2人で行って有名になって、人々の希望になりたいわ!」



若者らしい真っ直ぐな夢を語ってくれるエイミー。本名はめっちゃトルコ語で難しいから、アメリカに渡った時の名前をすでに決めているんだそうだ。


このトルコっていう中東の国の田舎町からアメリカに夢を抱く女の子たちの未来を思うと、彼女たちにどんな人生が待っているのかと楽しみになってくる。

どんな道だとしても、トルコ人としての優しさをきっと持っていてくれるんだろうな。


それだけで世界がだいぶ幸せになるよ。


道案内してくれてありがとうエイミー!







「ここみたいね。あの人が裸の大将?」



「ハーイガイズ!さぁ、中に入って!!」



たどり着いたのは中心地から2キロほど離れたところにあるホテルの裏手で、なぜか無数のバーやカフェがズラリと並ぶ賑やかな場所だった。


どうやら目の前に大学があるようで、2万人の学生たちが生活しているエリアとのこと。

ここは学生たち若者向けの飲み屋街のようだ。

トルコ中から集まった若者たちがオシャレな服装に身を包んで楽しそうにシーシャを吸ったりチャイを飲んでいたりする。


青春ど真ん中なんだろな。








その一角に会ったフライドチキン屋さんがティルゲイさんのお店だった。


ハンバーガーもあって、デリバリーメインのお店みたい。

さっき会った時にティルゲイがヘルメットを持っていたのはそのためだ。




お店の中には素敵な奥さんがいて、弾ける笑顔でウェルカム!ともてなしてくれた。


あぁ、もう信用300パーセント。

このご夫婦なら絶対変なことは起きないだろう。



こっちこそこの2人に怪しいヤツらだと思われないように心がけないと。





















「先にシャワーを浴びて来なよ。お店は1時に閉まるから、それからワインを飲もう。お酒は飲める?」



「飲めるっていうかお酒愛してます!!」



というわけでお店から歩いて3分くらいのところにあるティルゲイさんのアパートにやってきた。

朝から晩まで働いてるから、ここには寝に帰るくらいのものなんだというアパートにはたくさんのゲスト用の部屋があって、その中のソファーベッドをあてがってもらえた。








「じゃあ、シャワー浴びたらまた戻ってきてね。」



そう言って俺たちに部屋のキーを渡したら、そのままお店に帰って行ったティルゲイさん。

驚いていつもよりも丸顔になってるカンちゃん。





「さっき会ったばっかりでまだ私たちのこと全然知らないのに家の鍵渡してくれるなんて……………どこまで優しいの…………」




マジで優しすぎる。

お店にギターとかを置かせてもらってるってのもあるけど、こんなにも一瞬で信用してもらえるなんて。












2人きりの部屋。

シャワーを浴びさせてもらい、排水口の髪の毛とかを綺麗に掃除し、飲みに向けて準備した。




「ここトルコなんだよねぇ………こうやって海外でお泊まりするのって初めてかも。」




お風呂上がりの化粧水を塗りながらカンちゃんが言う。


俺はこれまで何度もこうした状況があった。

慣れてしまってるといえば、多分そうだと思う。


でもいつだってどうにかして感謝を伝えないといけないと思ってる。

難しいことなんだけど。




これからきっとヨーロッパでこんな状況になることもあると思う。

慣れないように、感謝の気持ちを忘れないようにいつも自分に言い聞かせないとな。




「先の読めない展開だよね。これがトルコなんだよなぁ。」



「あーもう本当トルコヤバすぎるね。」








準備を終えてアパートを出てお店に戻ると、閉店の準備をしていたティルゲイさんと奥さんが笑顔でワインのボトルを見せてきた。
















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いつもブログを読んでいただきありがとうございます!

昨日書きました通りブログをFC2からワードプレスに引っ越しました。



なんかスタイリッシュな気がするのは僕だけでしょうか。
文章は今まで通り僕のままで行きますが。


し、下ネタが最近少ないっていう声が聞こえてくる!!







下ネタは関係なく、今までよりもカテゴリーとか月別とかで過去記事も読みやすくなったんじゃないかと思っています。


これからもみなさんに読んでいただけるような旅ブログを目指して面白い旅と更新がんばります!!


サイトのこの辺をこうしたらどうですか?というご意見がありましたらどうぞ送ってやってください。



これからもどうぞよろしくお願いします!






あ、アドセンスどうなるか怖え!!

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