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財布事情がヤバい

2016年5月24日(火曜日)
【トルコ】 イスタンブール







朝起きると頭痛がひどくなっている。

そして体の節々が痛い…………



旅に出て3ヶ月で5回目の風邪ですか。僕は旅に向いてないんでしょうか?

驚異的なデリケートさです。野宿してる時は調子いいです。


もはや文明とともに生きることができない体になってきています。













さて、イスタンブールに来て3回目の宿替え。


替えすぎ(´Д` )








今回の宿はイスティクラル通りから反対側に行ったベイオールという地区にあった。

かなり急激な坂の斜面に広がってる町で、建物もボロくて生活臭がプンプンする下町だ。


低所得層のエリアなんだろうな、売店の水もよその地域の半額の0.5リラだ。18円。












両側には築100年はゆうに超えていそうなアパートが並んでおり、廃墟も多く、それらの建物をロープで繋いでおり頭上に洗濯物がはためいている。


ノスタルジックな、イスタンブールの素顔。

















そんなアパートのひとつに今回の宿、アカデミーホテルを見つけた。





しかしいくら呼びかけても人が出てこない。

鍵がかかっているので中に入ることもできずに外で待ちぼうけだ。



そんな俺たちを見た隣の商店のおばちゃんがトルコ語で何か言ってきた。

ムスリムのほっかむりをしたおばちゃん。



するとおばちゃんがこっちに歩いてきて、宿のドアをドガンドガン叩き出した。


これくらいしなきゃ出てこないわよ!といった感じでニコリと笑う。


本当トルコ人優しいなぁ。













しかし宿のスタッフは誰も出てこず、どうしようかと座り込んだ。

朝からの頭痛と倦怠感でこの急な坂はなかなかしんどい。



すると商店のママが、うちの店に荷物を置いとけばいいよと言ってくれた。

そんで後から戻ってきなさいーって。



めっちゃ優しい。

優しいにもほどがある。




お言葉に甘えてお店の奥に荷物を置かせてもらうと、カメラはちゃんと上着の中に隠すんだよ!財布も盗まれるから出しちゃいけません!とカンちゃんの服を直してくれた。ニコニコしながら。



和みすぎて逆に防犯意識ゆるくなるわ……………





























午前中のケバブ。キモい。










午後のケバブ。美味しそう。












もはやこのイスタンブールでやることはネット作業と路上のみなので、すぐにカフェに入ってそれぞれの作業に没頭。

昨日グーグルアドセンスの申請をしていたんだけど、無事一次審査は通ったらしく、空広告のURLが届いていた。


これを新しいワードプレスのブログに貼っておいて、二次審査が通り次第、広告が反映されるとのこと。




アドセンス通るといいなぁ!てか通らないと困るけど!!



というのも、新しいブログサイトはワードプレスというやつに引っ越すことにしている。


このワードプレス、FC2やアメブロみたいに無料のブログサイトではなく、最初にアカウントを保存するためのサーバースペースを買わないといけない。



エックスサーバーってとこで買うんだけど、ちょっと大きめの容量のやつを買ったので年間で15000円。



これでワードプレスに引っ越ししてアドセンスが通らなかったら無駄金ですね。


頼むから通ってくれ……………










ワードプレスでのブログの書き方にも慣れていかないといけないんだけど、ワードプレスってアメブロとかみたいに小学生でもできるような簡単なブログサイトではなくて、結構プロフェッショナルな感じのサイトだ。


設定とかを、htmlをいじって無限に自分の好きなようにカスタムできるみたいだけど、なかなかの知識と技術がないとそこまでは不可能だ。


アユムさんとカンちゃんのおかげでなんとか進めてはいるけど。






さらに同時進行で日本への郵送物や、ヨーロッパでのとある作戦のための準備のやりとり、物販のサイトの準備、そしてその先のやりたいことの勉強など、やることは腐るほどある。


久しぶりにパソコン見すぎてまぶたピクピクするー!って言ってるカンちゃん。











アユムさんが言う費用対効果。

今ここで苦労した分は、必ず、必ず報われますという言葉はかなり心強いし、やり甲斐も感じている。




旅しながら稼ぐって、本当色んな方法がある。

路上はやめないけど、どんどん新しい道を模索していくぞ。


もう毎日カフェに入り浸りすぎで紅茶飲み過ぎ!!




















ある程度作業がひと段落したら、とりあえず宿に戻ってチェックインだけすることに。

さっきの閉まっていた宿に戻ると、中にスタッフの姿が見えた。



あーよかった、中に入れる、と思ったら、今度は荷物を預けていた隣の商店が閉まっていた。





げ、荷物とれねぇやん……………


おばちゃん何時に開けてくれるだろ……………






と、不安に思いながら宿の中に入ると、レセプションの横に俺たちの荷物が置いてあった。








おばちゃあああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!

肩もみさせてえええええええええええええええええええ!!!!!!!




レセプションのお兄さんたちも親指を立てて部屋に案内してくれた。

うおお、みんな優しいなぁ……………


















今度の宿はドミトリー。

2泊で45リラ。1人1泊420円だ。

イスタンブールはアゴダとかのサイトで探せばかなり安い宿を見つけることができる。


ただあんまり宿全体の清潔感や雰囲気が良くなくて、どんよりと暗い。


結局最初に泊まったゴールデンガラタがスタッフの感じも清潔感も全て含めてめっちゃよかったな。




















なにわともあれ宿をゲットし荷物を置いたら今日も路上だ。


風邪でかなり体がしんどいけど、カンちゃんが持ってた抗生物質を飲んだら少し楽になった。


ちょっとでも稼がないと先に進めないぞ。














今日もいつものようにカラコイのオシャレ飲み屋街で路上。

すでにだいぶ仲良しになってる近隣のオッちゃんたちが声をかけてくれる。


ただ平日のカラコイは週末に比べて人があまり足を止めてくれず、というか体がダルくていい声が出なくてちょろちょろとしか稼げない。



うーん、今こうしてアユムさんに教えてもらいながら滞在しているので充実はしてるんだけどなぁ。これでガッチリ稼げたらイスタンブールいうことないんだけどなぁ。



ふぅと深呼吸してギターを置いた。

あがりは60リラ。2200円。























「さぁ、それじゃあ今日も楽しい夜にしましょう!」



「あ、そういえば今日通ってきたタクシムの裏手にローカルな感じの飲み屋街を見つけたんですけど行ってみますか?」



「いいですね!行きましょう行きましょう。」




この体調でお酒はあんまりよくないけど、まぁ1杯くらいなら大丈夫だろう。

3人でタクシムの裏手にある飲み屋街に行ってみると、予想通り昼間とは違ってもの凄い活気で賑わっていた。











イスティクラル通りのトラムが重なるポイントの裏手に広がる細い路地裏。

その両側にすさまじい数のレストランやバーになっており、すべてお店が外にテーブルを並べており、隙間なくお客さんが座っている。


レストランには新鮮な魚介類が並べられ、通りに面したお店にはどこも2階のテラスがあってとても気持ちよさそうに人々がお酒を飲んでいる。



なんならこの辺りで路上できるんじゃないか?と思ったんだけど、さっきから爆音で音楽が聞こえると思ったら多くのお店の中で生ライブが繰り広げられていた。










ほとんどがギターの弾き語りのもので、隣の店舗同士でそれをやってるもんだから音が混ざってすごいことになってる。


さらにオープンテラスの席ではトルコの伝統楽器を弾く楽隊たちがテーブルを回って生演奏を披露しているし、ニューオリンズやナッシュビルみたいな音楽の町顔負けの様相を呈している。


こりゃ通りで路上なんてとてもできない。


















でもそんな賑やかさにワクワクしてきて、3人でひとつのレストランに入って2階のテラス席に座って通りを見下ろしながらビールで乾杯した。


大グラスが1杯9リラ。330円。


そこに料理を頼むと、俺たちもレストランの楽しそうな一員に混じった。
















「ネットはロングテール理論なんですよ。最初に簡単に儲けることは比較的簡単です。でも最初に目先の金を追うやり方では後から大きく稼ぐのは難しいです。」




やっぱりアユムさんの話は面白い。

でも内心結構、お会計のことが気になってた。


そしてお会計の時にそこそこの金額が来てしまった。


アユムさんが多めに払ってくれたのは本当にありがたいんだけど、それでも俺たちにはかなり痛い金額だった。






「よし、じゃあそこの店でもう1杯いきましょう。」



早速次の店のスタッフさんに話しかけに行っているアユムさん。


おお、大丈夫かな…………と思っていると、後ろからカンちゃんが服を引っ張ってきた。




「フミ君、ヤバイよ。今の手持ちでこれ以上使ったら次の町行けなくなっちゃうよ。」



結構深刻な顔をしているカンちゃん。

確かにそうだ。




「アユムさん、本当にノリの悪いこと言って申し訳ないんですが、今日はこの辺にさせてもらえないですか?なかなか財布がキツくて…………」



「あ!わかりました、全然大丈夫です。」




せっかくの楽しい時間に水を差してしまいアユムさんに本当に申し訳なかった。

イスタンブールでの貴重なお時間を割いていただいているのに、俺たちの懐具合のせいで足を引っ張ってしまっている。


でもアユムさんはそんなことおくびにも出さず、爽やかな笑顔でホテルへと戻っていった。



















それから宿に帰ってカンちゃんと話し合った。



イスタンブールが予想よりも稼げなかったこと。

それに先日ノルウェーのスバールバル諸島行きの飛行機チケットをカードで切っていること。


金銭面がかなりヤバい。


早く稼げる国に行ってしまえばいいだけのことなんだけど、その飛行機代もないので、なんとかこの先で稼がなければいけない状況だ。





アユムさんとの時間は本当に楽しい。

かけがえのないものを教えていただいてるので、できるだけ一緒にいさせていただきたいところなんだけど、実際問題、お金がないとなにも出来ない。








アユムさんはこれでもかなり俺たちに合わせてくれてると思う。

きっといつもはもっと高級なところで飲んでいるんじゃないかな。

俺たちもバッグパッカーとはいえ、今日くらいのお店の会計ならスパッと払えるはずだ。


宿で自炊して質素に節約するような旅は俺もカンちゃんもあんまりしたくないので、ご飯とお酒くらい気にしないでいたいんだけど…………でもやっぱ今はキツイんだよなぁ。


この数日、豪遊しすぎてお金は全然貯まっていない。



あれで豪遊?とアユムさんには思われてしまわれそうだけど……………






「アユムさんには申し訳ないけど、ちゃんと素直に伝えてあんまり高いところには行かないようにしようね。」




若干凹んで元気がなくなっているカンちゃんを見ると申し訳なくなる。

一度路上で稼ぐ旅を達成してるんだから世界の稼げるところやアベレージは把握しているつもりだったけど、こうもお金に苦戦してしまうなんて情けない。



2人の旅とはいっても、俺がリードしていかないといけないことは最初から覚悟してる。


早くいっぱい貯蓄して美味しいものたくさん食べられるように頑張らないと。





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