2016年5月23日(月曜日)
【トルコ】 イスタンブール
7日連続で路上やってるのでそこそこ疲れてきてる。
最近ずっと声の出が調子悪くて、俺の声ずっとこのままなのかぁと不安にもなってきてる。
歳とともにこれまでも色々変わってきたけど、今回の声の変わり方は路上をやる上でかなりマイナスなような気がしてる。
大丈夫かなぁ。
昨日で週末も終わったことだし、今日はいつも人で賑わうタクシムで路上をすることにした。
アユムさんと待ち合わせしてご飯を食べたんだけど、やっぱりタクシム周辺はご飯も高い。
いつも食べてるローカルエリアの食堂よりも倍くらい高くて、味もあっちのほうが全然美味しい。
うーん、そこそこ稼げてはいるけどちゃんと節約しないとほとんど使ってしまうんだよなぁ。
でもアユムさんと一緒にご飯なんかに行くと、どうしてもゴージャスなアユムさんに気を使ってしまってあんまり大衆的なところには行きにくい。
きっとアユムさんはいくらでも俺たちに合わせてくれる人だろうけど。
今日もたくさんの人がひっきりなしに行き交うイスティクラル通り。
カンちゃんとアユムさんはカフェでネット作業なので、俺は1人で路上開始。
うーん、声がひどいなぁ。
連続で歌ってるから喉が潰れてきてるのもあるけど、やっぱり元の出方がちゃんとできていない。
なんとか新しい声の出し方を習得していかないと。
今日はお金の入りもイマイチで、朝から頭痛があったのもあって早めに切り上げた。
少しくらい喉休めないとな。
あがりは65リラ。2500円。
冴えない路上だったけど、ひとつ嬉しいことがあった。
歌っている時に1人の男の人が声をかけてきた。
「ハイ!!アーユーフミ!?俺のこと覚えてるかい!?」
驚いた顔で興奮しながら近づいてきたその兄さんの顔を見て、少ししてから思い出した。
「オルカン!?」
「そうだよ!!3年半前にエディルネで会ったオルカン!!マジかよこんなところで!!」
もう俺もめっちゃ驚いて声を出して握手した。
ブルガリアからトルコに入って最初の町、エディルネで会い、仲良くなってしばらくメールのやりとりをしていたあのオルカンだった。
ブラザー!いつでも俺の家に泊まりにきてくれていいから!いつでもね!!と言ってくれるオルカン。
知らない国でいきなり名前を呼ばれるという状況にめっちゃビビったよ。
忙しかったみたいで、また会えたら会おうねと言ってオルカンとは別れたんだけど、これから先、お世話になった人や大好きな友達にきっとまた会えると思うと全てが必然のように思えた。
路上を終えてカフェに向かうとアユムさんとカンちゃんがiMacエアーを2台並べて一緒に作業していた。
この数日でだいぶ作業が進んでおり、いろんなことが現実的になってきてるような気がする。
それもこれも全部アユムさんのおかげだ。
こんな俺たちのためにここまでしてくれるなんて。アユムさんにはなんの得もないってのに。
「今日はちょっと節約してうちの宿で飲みませんか?宿の大家さんとか誰もいないし。」
「そうですね!そうしましょう。」
ビールを買い込んで王様の部屋ではなく使用人の部屋に3人で戻ってきてたくさんいろんなことをお話しした。
アユムさんが住みたいと思う国を選ぶ基準は、カフェがいいかどうからしい。
居心地のカフェがたくさんあって、サクサクのワイファイがあって、そして店員さんがあまり構ってこないことが大事。
イスタンブールでは店員さんが定期的に注文を取りに来るので今の所、住みたいとは思わないみたい。
トルコの前は俺たちと同じくドバイにいたらしいんだけど、ドバイはその点ですごくカフェの質が良かったとのこと。
それにドバイは税金が完全免除の国だ。
日本だったら所得税で40パーセントとか持っていかれる。
それがドバイならゼロだ。
金儲けをしたい人はどんどんここに来てガッツリ儲けちゃってください!っていう国みたい。
「アユムさんっていつも飛行機で移動ですよね?」
「そうですねー、バスとかはほとんど乗らないです。」
「飛行機ってあれですよね。たまに間違えてシートNo.8とか書いてるから座ろうとしたらビジネスクラスのNo.8で、お客様こちらはあなたのような宮崎県民が乗れる席ではございませんよとか言われますよね。あれウケるー。言われた時完全にひょっとこみたいな顔になってますけどね。宮崎県民だけに。美々津出身でもビジネス乗る人おるわ!多分!」
「いやー、実は僕、今回ビジネスクラスで回ってるんですよ。」
「そうそう、宮崎県民は黙って釜揚げうどん食っとけ的な感じですよね。日向ひょっとこなめんなよ!つって。えええええええ!!!!ビジネスクラスで回ってるううううううう!!!!怖っ!!この人怖っ!!」
「金丸さんたちはご自分たちの人生をすごい満喫してるじゃないですか。だから言えるんですけど、他の日本人にはあまりこういうこと言えないんですよね。関係が悪くなることが多いんです。」
アユムさんは現在、世界中の好きなところに行きながら、好きな時間に少しだけパソコンで仕事をし、あとは贅沢にいろんな事をしながら生活している。
好きに生きてる俺から見ても、もの凄い自由に人生を謳歌していると思う。
こんな生活のことを日本人に話すとだいたいひがまれて仲良くなれないんだそう。
確かになぁ。
俺は家族のために毎日毎日朝から晩まで好きでもない仕事をしてぺこぺこ頭を下げているってのに、こいつはのんきに外国のバーで優雅にワインなんか飲みやがって、なにがネット関係の仕事だよ、って思う人はきっと多いだろうなぁ。
「僕、3年前にこの生活を始めるまで普通に日本でサラリーマンをしてました。でもあまりにもダメダメで、きっと上司とかは俺が辞めてくれてせいせいしてると思ってますよ。組織の仕事に向いてなかったんです。」
俺もよく言われる。
自由に生きていて羨ましいなーって。
毎日判で押したような生活していてなんの変化もなくて旅とかしてみたいよって。
そういう言葉を聞くたびに、じゃあやればいいのにって思ってた。
結局やらないのはその生活にどこかで満足してるか、満足してると自分に言い聞かせているからだ。
まぁ俺の場合はそこまで収入もないので、まだそんな人たちも余裕を持って俺と接することができるけど、これがアユムさんみたいに自分たちの収入をはるかに越える稼ぎを得ながら自由を謳歌している人に対しては、妬みが発生する。
「日本のサラリーマンの人と話してても、金丸さんたちとしてるみたいにあまり会話が続かないんですよね。興味を持たれないんです。興味を持たないのに妬みんできます。やればいいんですよね。今はもうネットの時代です。未だにまだまだネットの中には開拓できる市場があるんです。僕も最初は思いっきり赤字でしたよ。でも僕なりにもの凄く勉強して勉強して、今ビジネスクラスで回れるようになりました。少しのアイデアと、続ける根気です。やらないうちから人を否定する人の言葉には耳を貸す必要はないです。」
もう本当にアユムさんの言葉には熱くさせられるわ。
世界を股にかけて活躍している人の言葉には、圧倒的な真実味がある。
しかもめっちゃいい人だし!!
あー!!明日でこの使用人宿もチェックアウトだけど、もう少しだけイスタンブールのばすか!!
「やりましょう。いくらでもお教えします!あと2日でやるべき基本を覚えて、それでヨーロッパでガンガンいっちゃってください!カンちゃんさんはプログラミング言語の勉強頑張ってくださいね!」
「う、うん!!はへ!はい!!で、出来るかわかんないー!!」
あー!ビールが美味しい!!楽しい!!
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メルボルンの宿をアゴダでとってくださったかたがいました!!
オーストラリアのご旅行、楽しんでください!