2016年5月1日(日曜日)
【インド】 ハンピ
今日の移動はミスひとつなかった。
朝5時起きで、目的地到着が17時。
12時間の長距離だったけど、全て計算通りにスムーズにいった。
こんなことヨーロッパとかなら当たり前のことなんだけど、インドではバスひとつとっても時間通りにいかないので苦戦する。
今日みたいな移動が毎回できるといいんだけどなぁ。
朝6時、ナマステゲストハウスを出て目の前のオートリキシャー乗り場に行くと、明るくなってきた空の下にすでにオートが待ち構えていた。
このオムビーチからゴカルナのバスターミナルまで150ルピー、250円という情報は昨日の時点で何台もオートドライバーに聞き込みをしてゲットしている。
わずかな距離なのにそこそこするのはここがビーチリゾートと思って諦めよう。
そうそう、インドでは妥協が肝心。
「グッドモーニング。ゴカルナのバスターミナルまでお願いしますー。」
「200ルピーね。」
「そうそう200ルピーですよねってホヒュ!!」
鼻ヒゲむしり取りそうになるのをギリで我慢して、昨日聞いた値段と違いますよ?と紳士に聞いてみる。
「朝だからなぁ。行くの?行かんの?俺はいいけどさ。」
朝っぱらから龍虎乱舞を繰り出しそうになるのをこらえてカンちゃんと相談。
しかし乗らないことには他の交通手段はこの僻地のビーチにはない。
乗るしかない。
180ルピーでどう?と聞くと、クイッと首を振ってきたので荷物を載せて走り出した。
ひなびたバスターミナルで朝飯を食べておこうと、クスクスを少し腹に入れた。
そして6時45分にバスは出発。
目的地はハンピだけど直通はなく、ハンピの近くのホスペットという都会まで行くバスだ。
時間は8時間ということだったけど、最終的に10時間かかった。
値段は282ルピー。450円。めっちゃ安い。
インドのバスはエアコン付きのラグジュアリーなプライベートカンパニーバスか、国営のガバメントバスの2種類がある。
ガバメントバスはボロいけど、その分値段も格安だ。
バスはのどかな内陸のジャングルの中を駆け抜けていく。
緑豊かな草原地帯では牛や山羊を追う人が見え、小さな寺院の塔がちらほら見えた。
なんとも牧歌的で、おだやかで、インドらしい静かなドライブ。
バスはそうした田舎道で数人を載せては走り、また田舎の十字路で数人を下ろして進んでいく。
ゴカルナからハンピという観光客にとって黄金ルートであるはずのバスだけど、乗客に観光客は2人しか乗っていなかった。
あとで話しかけたらオランダ人の女の子たちだった。
インドの移動は、東南アジアのような観光立国と違っていつも現地のインド人にまみれながらというを避けることはできない。
それがまた嬉しかったりするんだけど。
そしてみんなカンちゃんのことを見ると、これ生き物なの!?と驚いた顔で凝視してくるのが面白い。
まるで一斉に首を動かすペンギンみたいな反応だ。
バスは16時にホスペットに着いた。
デカい荷物が重すぎてバスから降ろすのに手こずっていたら、運転手さんがあれがハンピ行きだから急いで!!とせかしてきた。
隣に、人がたくさん乗った市バスがゆっくり動いているのが見えた。
慌ててバッグを担ぎ上げてバスの中から飛び出ると、運転手さんが先に行って市バスを止めていてくれた。
ありがたい。
おかげで乗り換え時間0秒でハンピ行きのバスに乗り込め、そこからはたった20分くらいでハンピに到着。
市バスの値段は13ルピー。20円。
バスは次第にゴツゴツした岩場に入っていく。
気づけばあたり一面、すべてが岩、岩、岩。
ハンピの写真でよく見たことのある、茶色の巨大な岩が不思議なバランスで積み上がった奇景だ。
トルコのカッパドキアも不思議な奇岩の景勝地だったけど、向こうのは岩山に穴がボコボコあいていたり、チンチンみたいな棒状のものがそそり立っている感じ。
こっちは丸みを帯びた岩が転がってる感じだ。パチンコ玉の山みたいにも見える。
そんな岩場の中に、これもまたトルコで見たローマ遺跡のような神殿風の建物があった。
石柱が立ち、彫刻も施されていて、見た目はまさしくローマ遺跡だ。
時が止まったまま奇岩群の中に放置されて、朽ちていた。
なんて不思議な場所なんだ。
これがハンピか。
ハンピのバス乗り場はお土産物屋さんの屋台がたくさん並んでいて、ここがかなりの観光地であることがすぐにわかった。
それも安い子供向けのオモチャなんかが売られてるのを見ると、外国人よりはインド人向けがメインの雰囲気だ。
それでも、バスを降りたらすぐに1人のおじさんが声をかけてきた。
「ルームあるよー。ワイファイありで300ルピー。」
プライベートルームがひと部屋500円。1人250円でワイファイありなら悪くない。
カンちゃんの話ではカルヤンゲストハウスという有名な日本人宿があるみたいだけど。
おじさんについていくと村の中に入っていく。
ヤシの木に隠れるようなほんの小さな村で、ここもまた巨大な岩がすぐ家の横にあったりする。
ちょっと崩れたら一撃でぺしゃんこみたいな岩の下で暮らす人々に、この土地の歴史を見るようだ。
子供が駆け回り、オッちゃんが道端でチャイを飲み、おばちゃんたちが井戸端会議をしている横を、チラホラと欧米人バッグパッカーが歩いている。
本当に小さな村で、端から端まで3分くらいで歩けてしまうくらい。
でもそんな村の中には、家を改造したゲストハウスがたくさん並んでいた。
オッちゃんのキランゲストハウスはそんな村の1番端っこにあって、とても静かだった。
すぐ横には川が流れ、景色もいい。
ワイファイも悪くなさそうだし、スタッフの家族もみんなとても親切だった。
ついでにオッちゃんは挨拶くらいの日本語が喋れた。
ハンピは日本人観光客の多い場所らしいからな。
というわけであっという間に宿も決定。
荷物を下ろしたらこれにて今日の移動は完了。
ミスひとつない綺麗な移動だったな。
これが毎回できたら本当にいいんだけど。
そして一緒に動いているカンちゃんがまた頼もしい。
英語ペラペラだし、暑いからって不機嫌にならないし、荷物が重くてインド人が面倒くさいってもう動きたくない!!ってヒステリーも起こさない。
俺はいつも結構大変な旅のやり方を選んでしまうけど、カンちゃんだからこそこのやり方を曲げずに済んでる。
カンちゃんだから遠慮しないでいいし、カンちゃんだからたくさん気遣いたい。
そのバランスが悪くなったら喧嘩になるのか。
それともカンちゃんが原因の喧嘩って場合もあるのかな。
というわけで、ハンピはこれで2回目であるカンちゃんオススメのレストランにご飯を食べに行き、ちょっと色々と考えをまとめてみた。
【旅でパートナーに求めることリスト】
★2人旅でカンちゃんが男子に求めること!!
【決断力】
・お互い迷って決められない時にスパッと決めてほしい。でもこの後に間違った選択だったとしても、あなたのせいで!とか文句を言ったらいけない!
【女性扱い】
・歩いてる時なんかでもちゃんと気遣って欲しい。自分のペースだけでスタスタ進んでいくのはダメ。
【すぐ人ともめない】
・いつも喧嘩腰の人は嫌。すぐ怒る人は苦手。
【ある程度の頼り甲斐】
・宿とかタクシードライバーとかともめた時、キチンと意見を言ってくれる。もちろん喧嘩腰ではなく。
★自分が気をつけること
【パートナーへの気遣い】
・パートナーの男性よりしゃしゃり出ない。
・基本いつも笑顔でいましょう。
・ちゃんと相手の意見を聞く。
ちなみにカンちゃんは男子に旅先でのオシャレは求めないそう。
でもやっぱりなるべくオシャレはしてたいなぁ。
★2人旅で僕が女子に求めること
【お化粧】
・旅先だからってスッピンでシミだらけは嫌。
【過度なセクシーはダメ】
・オシャレは大事だけど、胸元が開き過ぎてる服とかは心配なので控えてほしい。
【女子だからって甘えない】
・重い荷物は男子が持って当たり前とか思ってるやつは日本帰れ。
【最低限のレベルが高い】
・宿とかレストランとかでそれなりのクオリティのところにしか行きたがらない子はちょっとキツい。ケバブ食べようよ。
【オナラをしない】
・普通の女子ならしませんね。僕も人前では絶対にしないようにしてるのでお互い気をつけましょう。
★自分が気をつけること
【パートナーへの気遣い】
・重い荷物はなるべく持ってあげよう。
・長距離移動とかでシャワーが浴びられない時があっても、傷つけるようなことは言わない。
・ちゃんと相手の意見を聞く。
まぁカンちゃんは完璧なのでなにも言うことないですけど。
セクシーな服はちょっと気になるかな。
やっぱり大事なのはお互いに気遣い合うこと。
独断はダメ、話し合いをちゃんとする、相手を傷つけるようなことはしない、腹がたっても怒る前に話し合おう。
当たり前のことだけど、これを全部できたらすごいことだよなぁ。
男女の別れの原因ってだいたいこれらだろうし。
あとはお金のこともちゃんとしないとモメる原因かもな。
お金のことについてはこれから旅が進んでいく中で1番いい方法を探していこう。
「わー、綺麗だねー、ドラえもんだなぁー。」
レストランの屋上から見えた夕日がとても綺麗だった。
光の筋が雲間から放射され、とても幻想的だ。
カンちゃんはなんでか知らないけど、この雲間から伸びる光の筋を見るとドラえもんを連想するらしい。
なんでかはわからない。でもきっと子供の頃のなにかしらの記憶と結びついているんだろう。
そんな特別な個性を知ると、カンちゃんが何倍も可愛く思えてくる。
誰もがそれぞれに思い出を作りながら生きている。
俺はカンちゃんの人生のすべてを知ることはできないけど、もっと深い部分を知れた時、きっともっと優しくできるはず。
この夕日はドラえもんかどうかはわかんないけど、きっと2人のいい思い出になるはずだ。
カンちゃん、これからもいい旅しようね。
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アゴダでムンバイのホテルを予約してくださったかたがいました!!
これから僕らも向かうムンバイ。お互いに楽しい毎日を過ごしましょうー!!
ありがとうございました!